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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 W30
管理番号 1417805 
総通号数 36 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2024-12-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2024-05-17 
確定日 2024-12-03 
事件の表示 商願2023− 50997拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和5年5月11日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 9月21日付け:拒絶理由通知書
令和5年11月 2日 :意見書の提出
令和6年 2月15日付け:拒絶査定
令和6年 5月17日 :審判請求書の提出

2 本願商標
本願商標は、「長命寺桜もち」の文字を標準文字で表してなり、第30類「さくら餅」を指定商品として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「長命寺桜もち」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「長命寺」の文字及び本願商標「長命寺桜もち(餅)」の文字は、本願の指定商品を取り扱う業界において、「関東風の桜餅」程の意味合いで使用されている実情がある。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者又は需要者は、その商品が「関東風の桜餅」であることを認識するにすぎないことから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品以外に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
また、出願人による本願商標の使用の証拠、現在における販売数量、販売されている地域などを明示した証拠は何ら提出されておらず、本願商標が使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っていると認めることはできない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備しない。

4 当審の判断
本願商標は、「長命寺桜もち」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「桜もち」の文字は、上記2のとおり、本願の指定商品が「さくら餅」であることからすると、その商品の普通名称を表示したに過ぎないものといえるものである。他方、同構成中の「長命寺」の文字は、一般的な辞書類に掲載されている語ではない。
そして、請求人の主張及び提出された証拠(甲第1号証ないし甲第139号証)によれば、請求人及びその親族は、1717年(亨保2年)に「さくら餅」を考案し、墨田区向島の「長命寺」の門前で売り始めて以来、本願商標やこれに類似する商標(登録第917772号商標)を、自身の業務に係る商品「さくら餅」について長年使用しており、当該商品について、請求人等による広告宣伝活動が行われたほか、書籍や雑誌、テレビ番組などにおいてしばしば紹介された事実も認められる。
そうすると、本願商標は、その指定商品に係る取引者、需要者において、請求人の業務に係る商品を表示するものとして、一定程度知られているものといえる。
また、当審において職権をもって調査するも、請求人及びその親族が「さくら餅」を考案したことから、「関東風の桜餅」として「長命寺桜もち」と表現されている例が一部あるとしても、この表現とする明確な理由は発見できず、また、本願の指定商品を取り扱う分野において、原審説示のごとく「長命寺桜もち」の文字や「長命寺」の文字が、「関東風の桜餅」を指称するものとして、取引者、需要者に広く理解、認識されているといえるほどに、一般的に使用されているというべき事実を発見することはできなかった。
以上のことからすれば、本願商標は、特定の意味を有しない造語として認識されるといえるものであって、本願の指定商品との関係において、商品の品質等を表示するものとはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲

(この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。
審決日 2024-11-20 
出願番号 2023050997 
審決分類 T 1 8・ 13- WY (W30)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 高野 和行
特許庁審判官 清川 恵子
白鳥 幹周
商標の称呼 チョーメージサクラモチ、チョーメージ 
代理人 稲垣 達也 
代理人 小川 啓輔 

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