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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W43 |
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管理番号 | 1417794 |
総通号数 | 36 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2024-12-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2024-03-28 |
確定日 | 2024-11-26 |
事件の表示 | 商願2023−19460拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は、令和5年2月10日に登録出願されたものであって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。 令和5年 8月16日付け:拒絶理由通知書 令和5年 9月21日 :意見書の提出 令和6年 1月17日 :手続補正書の提出 令和6年 1月23日付け:拒絶査定 令和6年 3月28日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第43類及び第45類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定役務については、上記1の手続補正により、第43類「飲食物の提供」に補正されたものである。 3 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、そのうちの(1)については、現に有効に存続しているものである。 (1)登録第5557185号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:別掲2のとおり 登録出願日:平成24年 8月30日 設定登録日:平成25年 2月15日 指定役務:第41類及び第43類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務 (2)登録第5607205号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:ザクラシカ表参道(標準文字) 登録出願日:平成25年 2月13日 設定登録日:平成25年 8月16日 指定役務:第43類及び第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務 4 当審の判断 (1)本願商標と引用商標2について 引用商標2の商標権は、商標登録原簿の記載によれば、令和5年8月16日に存続期間満了により消滅し、本商標権の登録の抹消の登録が令和6年4月17日になされたものである。 したがって、本願商標が、引用商標2と類似するとして、商標法第4条第1項第11号に該当するとした拒絶の理由は、解消した。 (2)本願商標と引用商標1について ア 本願商標について 本願商標は、別掲1のとおり、図形を左側に配し、当該図形の右側に顕著に大きく「THE CLASSICA」の文字を表し、その下部に小さく「omotesando」の文字を表してなるところ、各構成部分は、間隔を空けて配置され、構成態様の差異(図形と文字、文字の大きさ)もあるから、それぞれが視覚上分離、独立した印象を与えるものである。 そして、本願商標の構成中、図形部分は、それ自体としては何らかの事物を具体的に描いてなるとは看取できず、独立した称呼、観念は生じない。 また、本願商標の構成中、「omotesando」の文字部分は、「明治神宮の表参道。また、その周辺の地」である「表参道」(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)のローマ字表記であって、役務の提供場所などの表示に相当する。そうすると、当該文字部分は、他の図形部分や文字部分とは段を異にして、小さく付記的に表示されていることも相まって、独立した出所識別標識としての称呼及び観念が生じるものではない。 他方、本願商標の構成中、顕著に大きく表された「THE CLASSICA」の文字部分は、同じ書体で、「THE」及び「CLASSICA」それぞれの頭文字をやや大きく、それ以外の文字は同じ大きさで、外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、当該文字部分に相応して生じる「ザクラシカ」の称呼は無理なく一連に称呼し得るというべきである。 また、「THE CLASSICA」の文字部分のうち、「THE」の文字は英語の定冠詞であり、他方、「CLASSICA」の文字は「伝統のある試合」等の意味を有するイタリア語(「伊和中辞典第2版」株式会社小学館)であるが、我が国において一般に広く知られているとはいい難く、特定の意味を有しない一種の造語として認識されるものである。そして、これらを組み合わせた当該文字部分全体としても、辞書等に載録されている既成の語ではなく、その指定役務との関係で直ちに特定の意味合いを想起させるともいい難いから、造語として看取されるものである。 してみれば、当該文字部分は、上記の構成、称呼からすれば、殊更に「CLASSICA」の文字部分のみが着目されるというよりは、当該文字部分の構成全体をもって、一体不可分のものとして認識し、把握されるとみるのが相当である。 そうすると、本願商標は、その構成中「THE CLASSICA」の文字部分が、取引者、需要者に対し、役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められ、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められるから、当該文字部分を分離、抽出し、これを要部として、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは許されるというべきである。 以上を踏まえると、本願商標は、その要部に相応して、「ザクラシカ」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。 イ 引用商標1について 引用商標1は、別掲2のとおり、「クラシカ」及び「CLASSICA」の文字を普通に用いられる方法で上下二段に表してなるところ、その構成中、上段の「クラシカ」の文字は、下段の欧文字の読みを表したものと無理なく理解されるものである。 そして、「CLASSICA」の文字は、特定の意味を有しない一種の造語として認識されるというのが相当である。 したがって、引用商標1は、「クラシカ」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。 ウ 本願商標と引用商標1との類否について 本願商標及びその要部と引用商標1を比較すると、外観においては、図形の有無やその構成文字において、明らかな差異があるから、容易に判別することができる。 そして、称呼においては、構成音数及び構成音が異なるから聴別は容易である。 また、観念においては、いずれも特定の観念は生じないから、比較できない。 そうすると、本願商標と引用商標1は、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において判別及び聴別は容易だから、両商標は非類似の商標というべきである。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、引用商標2との関係においては、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した拒絶の理由は解消し、また、引用商標1との関係においては、本願商標と引用商標1とは非類似の商標であるから、本願商標の指定役務と引用商標1の指定役務との類否について判断するまでもなく、本願商標は、同号に該当しない。 したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 本願商標(色彩は原本参照。) 別掲2 引用商標1 (この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。 |
審決日 | 2024-11-14 |
出願番号 | 2023019460 |
審決分類 |
T
1
8・
261-
WY
(W43)
|
最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
大島 勉 |
特許庁審判官 |
浦崎 直之 小林 裕子 |
商標の称呼 | ザクラシカオモテサンドー、ザクラッシカオモテサンドー、ザクラシカ、ザクラッシカ、クラシカ、クラッシカ |
代理人 | 弁理士法人MTS国際特許事務所 |