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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W093542 |
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管理番号 | 1417793 |
総通号数 | 36 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2024-12-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2024-03-26 |
確定日 | 2024-12-17 |
事件の表示 | 商願2023− 7592拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は、令和5年1月26日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年6月26日付け :拒絶理由通知書 令和5年7月28日 :意見書の提出 令和5年12月26日付け:拒絶査定 令和6年3月26日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、「トレード帳票DXシリーズ」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第35類及び第42類に属する別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由の要点 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第3176042号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおり、「TRADE」の文字を横書きしてなり、平成4年9月28日に登録出願され、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」を指定役務として同8年7月31日に特例商標として設定登録され、その後、平成28年7月5日に最新の商標権の存続期間の更新登録がなされ、その商標権は現に有効に存続しているものである。 4 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は、「トレード帳票DXシリーズ」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標は、構成各文字が同じ大きさをもって間隔なく表されており、文字種の差異はあるものの全体として外観上まとまりよく一体的に表されているものである。 また、「トレード」の語が「貿易。取引。」(「広辞苑 第七版」岩波書店)の意味を、「帳票」の語が「帳簿や伝票の総称。」(前掲書)の意味を、「DX」の語が「デジタルトランスフォーメーション」の略語(「デジタル大辞泉」小学館)等の意味を、「シリーズ」の語が「連続性を持つ一連のもの。」(「広辞苑 第七版」岩波書店)の意味を有するとしても、これらの語を組み合わせて一連一体に表した本願商標については、指定商品及び指定役務との関係において、「帳票DXシリーズ」の文字部分のみが出所識別標識としての機能を果たし得ないという特段の事情は見いだせず、かつ、上記意味を有する「トレード」の文字部分と、当該「帳票DXシリーズ」の文字部分との間に出所識別標識としての著しい軽重の差があるとまではいい難いから、全体が一体の商標であるといえる。 さらに、本願商標の構成全体から生じる「トレードチョーヒョーディーエックスシリーズ」の称呼もやや冗長ではあるものの無理なく一連に称呼し得るものである。 そうすると、前記のとおり、まとまりよく一体的に表された本願商標の構成から、本願商標が、殊更、「帳票DXシリーズ」の文字部分を捨象し、「トレード」の文字部分のみをもって取引に資されるものと認めることはできず、本願商標に接する需要者は、本願商標を一体不可分のものと認識、理解するとみるのが相当であるから、本願商標は、その構成文字に相応して「トレードチョーヒョーディーエックスシリーズ」の称呼が生じ、かつ、構成文字全体として具体的な意味合いを認定することまではできないものであるから、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標について 引用商標は、別掲2のとおり、「TRADE」の文字を横書きしてなるところ、当該文字は、「貿易。取引。」(「ジーニアス英和辞典 第6版」大修館書店、「広辞苑 第七版」岩波書店)の観念を生じ、「トレード」の称呼を生じるものである。 (3)本願商標と引用商標の類否について 本願商標と引用商標を比較するに、外観においては、全体の構成態様及び構成文字等において明確に区別できるものである。 また、称呼においては、本願商標から生じる「トレードチョーヒョーディーエックスシリーズ」の称呼と、引用商標から生じる「トレード」の称呼は、構成音及び音数に明らかな差異があるため、両商標は、称呼上、明瞭に聴別できるものである。 さらに、観念においては、本願商標からは特定の観念は生じないのに対し、引用商標からは「貿易。取引。」の観念が生じることから、相紛れることはない。 そうすると、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念において相紛れるおそれがないものであるから、これらの外観、観念及び称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、引用商標に係る指定役務と同一又は類似する役務について使用するものであるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1(本願商標の指定商品及び指定役務) 第9類「青写真複写機,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,写真複写機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,郵便切手の貼り付けチェック装置,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,携帯情報端末,電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラム,レコード,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント」 第35類「経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,財務書類の作成,書類の複製,コンピュータデータベースへの情報編集,文書又は磁気テープのファイリング,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作」 第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,機械器具に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」 別掲2(引用商標) (この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。 |
審決日 | 2024-12-02 |
出願番号 | 2023007592 |
審決分類 |
T
1
8・
261-
WY
(W093542)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
鈴木 雅也 |
特許庁審判官 |
小田 昌子 滝口 裕子 |
商標の称呼 | トレードチョーヒョーデイエックスシリーズ、トレードチョーヒョーデイエックス、トレードチョーヒョー、トレード |