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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W35 |
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管理番号 | 1417741 |
総通号数 | 36 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2024-12-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2023-08-29 |
確定日 | 2024-11-26 |
事件の表示 | 商願2023− 168拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は、令和4年3月30日に登録出願された商願2022−36613に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として同5年1月4日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年2月22日付け:拒絶理由通知書 令和5年4月6日 :意見書の提出 令和5年5月18日付け:拒絶査定 令和5年8月29日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、「Candee」の文字を標準文字で表してなり、第35類「コンピュータデータベースへの情報編集,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おむつの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ネイルアート用ステッカー・つけまつ毛・つけづめ・ひげそり用具入れ・ペディキュアセット・まつ毛カール器・マニキュアセット・耳かき・携帯用化粧道具入れ・懐中鏡・鏡袋・化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)・つけあごひげ・つけ口ひげ及びヘアカーラー(電気式のものを除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,眼鏡及びコンタクトレンズの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,医療補助品(避妊用具・歯科用材料・人工鼓膜用材料・補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。)・睡眠用耳栓及び防音用耳栓を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工野菜・加工果実・チョコレートスプレッド・コプラ・冷凍野菜・野菜・野菜・冷凍果実・果実及び食用油脂製造用の脂肪質性物質の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建築材料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由の要点 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下に掲げるとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。以下、これらをまとめて「引用商標」という。 (1)登録第603323号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:「CANDY」の欧文字を横書きしてなるもの 登録出願日:昭和36年5月16日 設定登録日:昭和38年1月14日 最新更新登録日:令和5年1月16日 指定商品 :第25類「被服」(書換登録日:平成14年10月16日) (2)登録第2224545号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:「CANDY」の欧文字を横書きしてなるもの 登録出願日:昭和62年4月22日 設定登録日:平成2年4月23日 最新更新登録日:令和2年3月3日 指定商品 :第3類「せっけん類,歯磨き,香料類」(書換登録日:平成22年5月12日) (3)登録第4484079号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の構成:CANDY(標準文字) 登録出願日:平成12年7月7日 設定登録日:平成13年6月22日 最新更新登録日:令和3年1月20日 指定商品 :第16類「紙類,紙製包装容器,文房具類(昆虫採集用具を除く。)」 (4)登録第4745282号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の構成:「キャンディ」の片仮名及び「CANDY」の欧文字を2段に横書きしてなるもの 登録出願日:平成15年2月25日 設定登録日:平成16年2月6日 最新更新登録日:令和6年1月31日 指定商品 :第6類「金属製オーバーヘッドドア,金属製シャッター,金属製扉」 (5)登録第5440482号商標(以下「引用商標5」という。) 商標の構成:「Candy」の欧文字及び「キャンディ」の片仮名を2段に横書きしてなるもの 登録出願日:平成23年4月25日 設定登録日:平成23年9月22日 更新登録日:令和3年6月15日 指定商品 :第9類「コンタクトレンズ,カラーコンタクトレンズ」 (6)登録第5462341号商標(以下「引用商標6」という。) 商標の構成:CANDY(標準文字) 登録出願日:平成21年1月9日 設定登録日:平成24年1月13日 更新登録日:令和3年10月21日 指定商品 :第17類「プラスチック基礎製品,プラスチック製包装用緩衝材,プラスチック製隙間充填剤」及び第20類「プラスチック製包装用容器,プラスチック製栓,プラスチック製ふた」 (7)登録第5772232号商標(以下「引用商標7」という。) 商標の構成:別掲1のとおり 登録出願日:平成27年2月24日 設定登録日:平成27年6月19日 指定商品 :第29類「加工野菜及び加工果実」及び第31類「野菜,果実」 (8)登録第5832966号商標(以下「引用商標8」という。) 商標の構成:「CANDY」の欧文字及び「キャンディ」の片仮名を2段に横書きしてなるもの 登録出願日:平成27年10月8日 設定登録日:平成28年3月11日 指定商品 :第3類「化粧品」 (9)登録第5846396号商標(以下「引用商標9」という。) 商標の構成:別掲2のとおり 登録出願日:平成27年5月11日 設定登録日:平成28年4月28日 指定商品 :第21類「歯ブラシ」 (10)登録第5957419号商標(以下「引用商標10」という。) 商標の構成:「CANDY」の欧文字を横書きしてなるもの 登録出願日:平成28年11月29日 設定登録日:平成29年6月23日 指定商品 :第10類「おしゃぶり,哺乳瓶,乳首,哺乳瓶用乳首」 4 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は、「Candee」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、辞書等に掲載されている既成の語でなく、特定の意味合いを表す語として知られているものともいえないことから、一種の造語として認識されるというのが相当である。 そして、造語からなる欧文字については、我が国において親しまれているローマ字読み又は英語読みに倣って称呼されるとみるのが自然であるところ、本願商標は、一義的な称呼は特定できないものの、その構成文字に相応して「カンデー」の称呼を生じ、また、本願商標の構成中の「Can」の文字部分は、例えば、「can」の英語が「キャン」と発音され、その構成中の「dee」の文字部分は、「guarantee」を「ギャランティー」(いずれも「新英和中辞典 第7版」株式会社研究社)のように、「ee」の文字を、「イー」と発音することからすれば、本願商標は、「キャンディー」の称呼をも生じるものである。 そうすると、本願商標は、「カンデー」又は「キャンディー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標について ア 引用商標1、2及び10について 引用商標1、2及び10は、いずれも「CANDY」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字は、「キャンディー,砂糖菓子」の意味を有する英語であって(「新英和中辞典 第7版」 研究社)、我が国においても「砂糖を煮詰めて作った飴菓子。」の意味を有する外来語「キャンデー」又は「キャンディー」(「広辞苑 第7版」岩波書店」)に通じるものであることから、その構成文字に相応して、「キャンデー」又は「キャンディー」の称呼を生じ、「砂糖を煮詰めて作った飴菓子。」の観念を生じるものである。 イ 引用商標3及び6について 引用商標3及び6は、いずれも「CANDY」の文字を標準文字で表してなるところ、上記アと同様に、その構成文字に相応して、「キャンデー」又は「キャンディー」の称呼を生じ、「砂糖を煮詰めて作った飴菓子。」の観念を生じるものである。 ウ 引用商標4、5及び8について 引用商標4、5及び8は、それぞれ「キャンディ」の片仮名及び「CANDY」の欧文字、「Candy」の欧文字及び「キャンディ」の片仮名、並びに「CANDY」の欧文字及び「キャンディ」の片仮名を、いずれも2段に横書きしてなるところ、その構成文字に相応して、「キャンディ」の称呼を生じ、上記アと同様に、「砂糖を煮詰めて作った飴菓子。」の観念を生じるものである。 エ 引用商標7について 引用商標7は、別掲1のとおり、「Candy」(「C」の上部には、黄緑色のハートの図形が配されている。)の欧文字をピンク色で横書きしてなるところ、上記アと同様に、その構成文字に相応して、「キャンデー」又は「キャンディー」の称呼を生じ、「砂糖を煮詰めて作った飴菓子。」の観念を生じるものである。 オ 引用商標9について 引用商標9は、別掲2のとおり、赤色で縁取られた「キャンディー」の片仮名及び「Candy」(上半分は水色、下半分はピンク色のグラデーション状に配色されている。)の欧文字を2段に横書きしてなるところ、その構成文字に相応して、「キャンディー」の称呼を生じ、上記アと同様に、「砂糖を煮詰めて作った飴菓子。」の観念を生じるものである。 (3)本願商標と引用商標との類否について 本願商標と引用商標は、それぞれ、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、本願商標は欧文字のみからなるのに対し、引用商標4、5及び8は片仮名と欧文字の二段書きで構成されている点、引用商標7及び9は欧文字が図案化されている点等において差異を有するものであり、また、本願商標と引用商標の欧文字部分の比較においても、本願商標と引用商標の欧文字部分は、いずれも比較的短い文字構成において、末尾の「ee」と「Y」又は「y」の文字に差異を有するものであるから、両商標は、外観上、明確に区別し得るものである。 次に、称呼においては、本願商標と引用商標は、「キャンディー」の称呼を共通にすることがあるとしても、一方で、本願商標から生じる「カンデー」の称呼と引用商標から生じる「キャンデー」「キャンディー」「キャンディ」の称呼については、全体が短い音構成において語頭の「カ」と「キャ」の差異及び語尾の「デー」と「ディー」「ディ」の差異が称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものではないから、それぞれ一連に称呼した場合、両称呼は明瞭に聴別し得るものである。 さらに、観念においては、本願商標は特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標は「砂糖を煮詰めて作った飴菓子。」の観念を生じるものであるものであるから、両者は相紛れるおそれはない。 そうすると、本願商標と引用商標とは、外観上、判然と区別し得るものであり、観念においても相紛れるおそれはなく、また、称呼において「キャンディー」の称呼を共通にする場合があるとしても、「カンデー」と「キャンデー」「キャンディー」「キャンディ」との称呼は明瞭に聴別し得るものであることから、これらの外観、観念及び称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、本願商標の指定役務と引用商標の指定商品との類否について検討するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 引用商標7(色彩については原本参照。) 別掲2 引用商標9(色彩については原本参照。) (この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。 |
審決日 | 2024-11-14 |
出願番号 | 2023000168 |
審決分類 |
T
1
8・
261-
WY
(W35)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
鈴木 雅也 |
特許庁審判官 |
小田 昌子 滝口 裕子 |
商標の称呼 | キャンディー、カンデー |
代理人 | 成川 弘樹 |