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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W14
管理番号 1415573 
総通号数 34 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2024-10-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-12-15 
確定日 2024-09-30 
異議申立件数
事件の表示 登録第6629637号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6629637号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6629637号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、令和4年5月18日に登録出願、第14類「指輪,身飾品,貴金属,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,宝飾品,キーホルダー,宝石箱,貴金属製記念カップ,貴金属製記念たて,貴金属製靴飾り,時計」を指定商品として、同年10月12日に登録査定、同月19日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとして引用する登録商標は、次のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)申立人が引用商標として明示した商標
ア 登録第6614600号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:SERPENTI(標準文字)
登録出願日:令和3年12月7日
設定登録日:令和4年9月14日
指定商品:第9類、第14類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
イ 国際登録第1319881号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:SERPENTI SEDUTTORI
国際商標登録出願日:2016年(平成28年)8月5日
優先権主張:2016年2月17日(Italy)
設定登録日:平成29年4月7日
指定商品:第14類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品
ウ 国際登録第1323844号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:SERPENTI INCANTATI
国際商標登録出願日:2016年(平成28年)8月5日
優先権主張:2016年2月17日(Italy)
設定登録日:平成29年5月12日
指定商品:第14類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品
エ 国際登録第1331470号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:SERPENTI HYPNOTIC
国際商標登録出願日:2016年(平成28年)8月5日
優先権主張:2016年2月17日(Italy)
設定登録日:平成29年11月2日
指定商品:第9類、第14類、第16類及び第18類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品
オ 国際登録第1332000号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:SERPENTI FOREVER
国際商標登録出願日:2016年(平成28年)8月5日
優先権主張:2016年2月17日(Italy)
設定登録日:平成29年10月27日
指定商品:第9類、第16類及び第18類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品
カ 国際登録第1376153号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の構成:SERPENTI VIPER
国際商標登録出願日:2017年(平成29年)5月2日
優先権主張:2016年11月8日(Italy)
設定登録日:平成30年11月30日
指定商品:第9類、第14類及び第18類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品
なお、以下、引用商標1ないし引用商標6をまとめていう場合は、「11号引用商標」という。
(2)申立人主張より合議体が認めた引用商標
申立人が「宝飾品,時計」について「SERPENTI」シリーズとして製造・販売する商品に付していると主張する「SERPENTI」の欧文字からなる商標(以下「引用商標7」という。)
なお、以下、11号引用商標と引用商標7をまとめていう場合は、「引用商標」という場合がある。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第398号証を提出した。
なお、証拠の表記にあたっては、甲第1号証を「甲1」のように省略して記載する場合がある。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲のとおりの態様よりなり、その構成中「Eternal」(「E」にはアクサン記号が付されている。以下同じ。)の文字は、「永久の、永遠の、不滅の」の意味合いを有する語であることが一般的な辞書等において認められる(甲9、甲10)。
そして、この語の一般的な使用についてみると、本件商標の指定商品には「指輪」を含むところ、「エターナルリング」、「エタニティリング」として、結婚指輪、婚約指輪を指す語として用いられている事実がうかがえる(甲12、甲13)。
また、本件商標の権利者のホームページ情報「事業領域」において、「主にブライダルジュエリー事業、全身美容(エステ)事業、アート事業を行っています。」との記載があり、「ブライダルジュエリー事業」の項目においては、「当社は、エンゲージリング(婚約指輪)やマリッジリング(結婚指輪)などのブライダルジュエリーに集中特化した戦略により、効率的に営業展開を行っています。」との記載がある(甲14)。
これらの事実から、「Eternal」の語が、結婚指輪、婚約指輪を指す語として一般に使用され、また、本件商標の権利者の取り扱いに係る商品も、「結婚指輪、婚約指輪」を含むものであることは明らかである。
そうとすれば、本件商標の識別力を有する部分は、「Serpent」の欧文字にあるというべきである。
他方、引用商標1は、「SERPENTI」の欧文字を標準文字にて表してなるところ、本件商標中の「Serpent」と引用商標1の「SERPENTI」とを比較した場合、アルファベットの小文字であるか大文字であるかの違いがあるとしても、その差異は、語尾の「I」の有無にすぎず、外観において近似したものである。
また、その意味合いは、英語において「ヘビ」を意味するものであり(甲9)、「SERPENTI」の語は、「ヘビ」を意味するイタリア語「serpente」の複数形であるから(甲11)、観念においても類似又は同一であるというべきである。
称呼についてみると、本件商標の構成中、下段に「セルパン エターナル」の片仮名が付されているところ、本件商標の前半部分である「Serpent」の欧文字は、「ヘビ」の意味合いを有する英語であることから、「サーペント」と称呼するのが一般的である。
もし、当該文字を英語以外の言語として認識させて称呼させるために前半部分「Ser」を「セル」と称呼した場合、後半部分の「pent」は、「ペン」又は「ペント」と称呼して、「セルペン」「セルペント」とするのが自然である。
このように、本件商標中の「Serpent」の欧文字は、英語であることから、「セルパン」とのみ称呼することはやや無理があり、その根拠はないものであるため、「サーペント」「セルペン」「セルペント」などの称呼を生じるというのが自然である。
これらのことよりすれば、本件商標全体よりは、「サーペントエターナル」、「セルペンエターナル」、「セルペントエターナル」の称呼を生じるものであるが、そのほかに識別力を有しない「Eternal」の部分を捨象した、「Serpent」の欧文字より、「サーペント」「セルペン」「セルペント」の称呼を生じるものである。
そうとすれば、本件商標中の「Serpent」の欧文字部分より生じる「セルペント」の称呼と引用商標1より生じる「セルペンティ」の称呼とを比較した場合、その差異は、聴取しがたい語尾音の微差にすぎないから、近似した称呼であることは明らかである。
そして、本件商標と引用商標1の指定商品も同一又は類似するものであるから、互いに抵触する。
引用商標2ないし6についてみると、これらは、全て「SERPENTI」と他の語とを組み合わせてなるものであるところ、これらの前半部分の「SERPENTI」と、後半部分の語との間に1文字程度のスペースを有するものであり、全体として発音するためには、やや冗長であることからすると、「SERPENTI」と他の語の部分とを分断して認識して称呼する場合も多いと認められる。
そうとすれば、引用商標2ないし6は、全体としての称呼に加えて、前半部分の「SERPENTI」より、イタリア語風の「セルペンティ」の称呼を生ずるものである。
したがって、本件商標中の「Serpent」の欧文字部分より生じる「セルペント」の称呼と、引用商標2ないし6から生じる「セルペンティ」の称呼を比較した場合、近似した称呼であることは明らかである。
また、本件商標の指定商品は、引用商標2ないし6の指定商品と同一又は類似のものであり、抵触するものである。
上述したとおり、本件商標と引用商標1とは、外観、観念及び称呼が類似し、本件商標と引用商標2ないし6とは、外観上は類似しないとしても、観念上は、同一又は類似といえるものであり、称呼上も類似するから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 申立人について
申立人は、2024年に創業140年を迎えるイタリア国ローマに本店がある、宝飾品、時計、バッグ、香水等を製造・販売する世界的に有名な高級ブランドとして一般に認識されている。
イ 引用商標について
(ア)申立人の所有する「SERPENTI」関連商標が各国で出願・登録され(甲15)、「SERPENTI」関連商標を付した商品の販売開始年の一覧表(甲16)で示すとおり、「SERPENTI」シリーズ商品について、2007年より商品の販売が開始されている。
(イ)「SERPENTI」商標及び関連商標を付した各商品のイメージ及び販売開始年を表示したリスト(甲17)により、その意味合いの「ヘビ」をモチーフにし、巻き付いた形状などに用いていることがわかる。
(ウ)日本国内の女性向け雑誌(2017年1月〜2023年2月)において、申立人の取扱いに係る宝飾品及び時計等の商品が「SERPENTI」「セルペンティ」として紹介、広告されている(甲18〜甲394)。
(エ)インターネット情報においても、1948年に「SERPENTI」「セルペンティ」を冠したジュエリーウォッチの製造・販売から始まり、1960年代には、ヘビをモチーフとした斬新なデザインであり、現在においても様々な著名人が身にまとう高級ジュエリーであることがわかる(甲395〜甲398)。
ウ まとめ
申立人は、その指定商品「時計、宝飾品」をはじめとし、「かばん類、香水」等についても永年にわたり製造・販売をしており、高級ブランドとして日本及び世界各国においても著名である。引用商標及びそのほかの「SERPENTI」商標を付した「SERPENTI」シリーズの商品については、1962年頃より「宝飾品、時計」について、製造・販売を開始している。
そして、引用商標1を使用した商品は、女性向けの雑誌の記事及び広告により、2022年には既に広く一般に知られるものとなっている。
また、ほかの証拠においても、「SERPENTI」商標及び「SERPENTI」シリーズの商標を付した商品が高級ジュエリーとして著名であることがうかがえる。
これらのことからすれば、1960年頃より「SERPENTI」(セルペンティ)商標及び「SERPENTI」シリーズの商標が「宝飾品、時計」等に使用され、本件商標の登録出願時には既に著名性を有していることは明らかである。
そして、引用商標が1960年頃より、「宝飾品、時計」等に使用され、著名性を有していることを考慮すれば、本件商標の権利者が本件商標の登録出願時に引用商標が宝飾品に使用されている事実を知り得ないとすることは不自然である。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、その指定商品が同一又は類似であるばかりでなく、宝飾品の分野の商品であること、女性を中心とする需要者層が同じであることは、本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人の業務に係る商品と誤認し、その出所について混同を生じさせるおそれがあるというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人の提出に係る証拠及び申立人の主張によれば、以下のとおりである。
(ア)申立人は、イタリア国ローマに本店がある、宝飾品、時計、バッグ、香水等を製造・販売する世界的に有名な高級ブランド「BVLGARI」として一般に認識されている(申立人の主張)。
(イ)申立人の所有する「SERPENTI」関連商標が各国で出願・登録されている(甲15)。
(ウ)本件商標の登録査定前に発行された日本国内の女性向け雑誌(2017年1月〜2022年10月)において、申立人の業務に係る蛇を模したデザインによる宝飾品及び時計等の商品が「SERPENTI」として広告されている(甲47〜甲49、甲51、甲52、甲62、甲64、甲69、甲71、甲76、甲78、甲82、甲99、甲100、甲103、甲105、甲126〜甲128、甲130、甲146、甲147、甲149、甲153、甲154、甲162、甲165、甲167、甲171、甲191、甲205、甲225、甲228、甲230、甲232、甲236、甲237、甲239、甲247、甲261、甲264、甲265、甲267〜甲269、甲274、甲290、甲298〜甲300、甲314、甲317、甲320、甲321、甲325、甲341、甲343、甲347、甲365、甲366、甲368、甲370、甲371、甲376、甲378、甲380、甲381、甲385、甲392、甲394)。
また、申立人の業務に係る指輪、ネックレス等について、「SERPENTI VIPER」又は「Serpenti Viper」の文字を付して紹介されている(甲54、甲172、甲173、甲358、甲359)。
上記以外の雑誌においては、引用商標が確認できないもの、また、「BVLGARI」の表示の下に、商品の説明中に「セルペンティ」が表示されているものである。
(エ)本件商標の登録出願前の「ヴァンサンカン」のインターネット情報には、「ブルガリの“セルペンティ”コレクション」の表題の下、「【100年ジュエリー名鑑】清水井朋子のジュエリー・クローゼット vol.5/by 清水井朋子 2021/12/08」、「【1】“セルペンティ”は、どんなジュエリー?」の項に「ブルガリの“セルペンティ”のブレスレット。そう、蛇をモチーフにした“セルペンティ”は、サクセスした女性にふさわしいアイコンジュエリーなのです。」の記載がある(甲397)。
その他のインターネット情報は、本件商標の登録査定後のもの又は掲載日が不明のものである。
イ 上記アからすれば、申立人は、本件商標の登録出願時及び登録査定時における我が国で発行された女性向け雑誌に、引用商標1について広告をし、また、引用商標6についての広告掲載が散見されるとしても、引用商標に係る商品の販売額、市場シェア等については、確認できない。
また、掲載広告の多くは、「BVLGARI」あるいは、「BVLGARI.COM」等を伴っており、需要者をして「BVLGARIのSERPENTI」と認識される掲載方法がとられている。
そうすると、掲載広告の説明記事において、「ブルガリのセルペンティ」等の説明がされている実情からすれば、「SERPENTI」及び「セルペンティ」の部分のみから、これを付された商品の出所を容易に想起し認識するとはいえないから、申立人の提出に係る証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、我が国の需要者の間に「SERPENTI」の文字からなる又はこれを含む構成からなる引用商標が広く知られているとは認め難い。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、別掲のとおり「Serpent Eternel」の欧文字、及びその下に小さく「セルパン エターナル」の片仮名を上下2段に書してなるところ、下段に表された片仮名は、上段の欧文字の読みを特定するために付されたものと容易に認識されるというべきであるから、本件商標からは、「セルパンエターナル」の称呼を生じる。
なお、申立人は、「Eternel」の語について、結婚指輪、婚約指輪を指す語として一般に使用されている旨主張するが、提出された証拠は、掲載日が不明なもの(甲12)及び「エタニティリング」の使用例(甲13)であり、これをもって、「Eternel」の語が、結婚指輪、婚約指輪を表す語として一般に使用されているとする申立人主張を採用することはできない。
また、本件商標の構成文字中の「Serpent」及びその表音「セルパン」の語は、我が国で親しまれている語とはいえず、また、「Eternel」及びその表音「エターナル」の語が、「永遠の」等の意味(出典:アポロ仏和辞典 株式会社角川書店)を有するとしても、まとまりよく表された本件商標の構成からすれば、全体として一種の造語として認識されるとするのが相当であるから、本件商標は特定の観念を生じない。
イ 11号引用商標
引用商標1は、「SERPENTI」の欧文字からなるところ、その構成文字に相応して「セルペンティ」の称呼を生じ、当該語は、我が国で親しまれている語ともいえないことから、特定の観念は生じない。
引用商標2ないし引用商標6は、上記2のとおり、「SERPENTI SEDUTTORI」、「SERPENTI INCANTATI」、「SERPENTI HYPNOTIC」、「SERPENTI FOREVER」、「SERPENTI VIPER」の欧文字からなるところ、いずれも「SERPENTI」の文字と他の文字との間に半角ほどの間隔を有しているとしても、同書同大でまとまりよく表してなるから、それぞれの構成文字に相応して、「セルペンティセドットリ」、「セルペンティインカンテーチ」、「セルペンティヒプノティック」、「セルペンティフォーエバ−」、「セルペンティバイパー」の称呼を生じ、当該文字は、まとまりよく表された本件商標の構成からすれば、全体として一種の造語として認識されるとするのが相当であるから、引用商標2ないし引用商標6は特定の観念は生じない。
ウ 本件商標と11号引用商標の類否
本件商標は、上記アのとおり、欧文字と片仮名の上下2段の構成からなり、11号引用商標は、上記イのとおり、欧文字を横一連に書してなるところ、両者は、構成文字の差異により、外観において、明らかに区別できる。
そして、本件商標から生じる「セルパンエターナル」の称呼と引用商標1から生じる「セルペンティ」の称呼、及び引用商標2ないし引用商標6から生じる「セルペンティセドットリ」、「セルペンティインカンテーチ」、「セルペンティヒプノティック」、「セルペンティフォーエバ−」、「セルペンティバイパー」の称呼とは、語頭における「セル」の音を共通にするとしても、それに続く音に明らかな差異を有するから、称呼において明瞭に聴別できる。
また、本件商標及び11号引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することができない。
以上からすると、本件商標と11号引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標の指定商品と11号引用商標の指定商品が同一又は類似するとしても、本件商標と11号引用商標とは類似しない商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の周知性について
上記(1)イのとおり、引用商標の周知性については、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、我が国の需要者の間に引用商標が広く知られているとは認め難いものである。
イ 本件商標と引用商標の類似性の程度
本件商標と11号引用商標とは、上記(2)のとおり、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのない非類似の商標といえるから、その類似性の程度は低いものであるところ、引用商標1と同じつづりよりなる引用商標7についても同様であるから、引用商標は相紛れるおそれのない非類似の商標といえるから、その類似性の程度は低いものである。
ウ 本件商標の指定商品と引用商標が使用される商品との関連性
本件商標の指定商品は、前記1のとおり、「指輪」等の身飾品を含むものであるから、引用商標が使用される「宝飾品」とは、同一の商品を含み、その関連性があるといえる。
エ 出所の混同のおそれについて
上記アないしウを総合すれば、本件商標の指定商品と引用商標が使用される商品との関連性があるとしても、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に広く知られているとはいい難く、かつ、本件商標と引用商標とは、類似性の程度が低い別異の商標というべきものである。
そうすると、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用商標を想起、連想するとはいえず、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとはいえず、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
別掲 本件商標



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異議決定日 2024-09-20 
出願番号 2022055932 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W14)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 鈴木 雅也
特許庁審判官 馬場 秀敏
小田 昌子
登録日 2022-10-19 
登録番号 6629637 
権利者 株式会社ニューアート・シーマ
商標の称呼 セルパンエターナル、セルパンエテルネル、セルパン、サーペント、エターナル、エテルネル 
代理人 弁理士法人浅村特許事務所 

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