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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W43
管理番号 1415512 
総通号数 34 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2024-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2024-03-19 
確定日 2024-10-15 
事件の表示 商願2023−32019拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 手続経緯
本願は、令和5年3月27日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年10月 3日付け:拒絶理由通知書
令和5年11月20日受付:意見書
令和5年12月18日付け:拒絶査定
令和6年 3月19日 :審判請求書

2 本願商標
本願商標は、別掲1の構成よりなり、第43類「居酒屋における飲食物の提供」を指定役務として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標(以下の商標をまとめて「引用商標」という場合がある。)は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4431459号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成11年 6月24日
設定登録日:平成12年11月10日
指定役務:第42類「飲食物の提供,写真の撮影,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリーン印刷,石版印刷,凸版印刷,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,デザインの考案,栄養の指導,自動販売機の貸与」
(2)登録6006936号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「麺屋 つくも」の文字を横書きしてなる商標
登録出願日:平成29年 1月30日
設定登録日:平成29年12月22日
指定役務:第43類「麺類を主とする飲食物の提供」

4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、白で縁取りされた六角形の図形(図形内に直線と曲線からなる幾何学的な装飾が施されており、一部赤色に着色されている。)とその右に、筆文字様の書体で「九十九」の文字を大きく、その下に「TSUKUMO」の欧文字及び「つくも」の平仮名文字を小さく、二段に配した構成よりなるところ、その図形部分と文字部分とは、間隔を空けて重なり合うことなく配置されていることに加えて、称呼及び観念における関連性もないことから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえず、それぞれが独立して出所識別標識としての機能を果たし得る。
そして、「TSUKUMO」の欧文字及び「つくも」の平仮名文字部分は、顕著に大きく表された「九十九」の漢字に近接して、小さく付記的に表されていることから、「九十九」の読みを表したものと認識、理解される。
また、「九十九」の文字部分は、「九十九髪」の意味を有する語(「広辞苑第7版」岩波書店参照)として辞書に掲載はあるものの、単に、漢数字の「九十九」にも通じ得る語であるから、必ずしも一義的な意味合いを生じるものではない。
そうすると、本願商標は、その構成文字に相応して「ツクモ」の称呼が生じるが、特定の観念を生じない。
(2)引用商標1について
引用商標1は、円の中に「九」「十」「九」の漢字三字を、それぞれ、大きさを異にした横長の書体で、極めて密接して縦に配置したまとまりのよい構成(上段の「九」は円からはみ出している。)よりなるものであり、全体として、漢数字の「九十九」を図案化したものと認識、理解されるものである。
そうすると、引用商標1は、その構成中の文字部分に相応して、「キュージューキュー」の称呼を生じるが、特定の観念を生じない。
(3)引用商標2について
引用商標2は、「麺屋」の漢字と「つくも」の平仮名を間に一文字分の間隔を空けて、横書きしてなるところ、その構成中「麺」の文字部分は、「粉を練ったものを細長く切った食品。」の意味を有する語、「屋」の文字部分は、「その職業の家またはその人を表す語。」の意味を有する語であり、また、「つくも」の文字部分は、「九十九髪」の意味に通じ得る語であるとしても、(いずれも、前掲書参照)それらを一連に表した引用商標2は、具体的な意味合いを直ちに認識させるものではない。
そうすると、引用商標2は、その構成文字に相応して、「メンヤツクモ」の称呼を生じるが、特定の観念を生じない。
(4)本願商標と引用商標の比較
ア 本願商標と引用商標1を比較すると、外観においては、両商標はその構成中に「九十九」の文字を有するとしても、文字の書体や縦書きか横書きかなど、その構成態様が相違するほか、図形の有無及びその他の文字部分の構成(「TSUKUMO」及び「つくも」の文字)によって明確に区別することができることから、外観から記憶される印象は異なるものとなり、判別は容易である。
また、称呼については、本願商標から生じる「ツクモ」と引用商標1から生じる「キュージューキュー」の称呼は、相紛れるおそれはない。
さらに、観念については、いずれも特定の観念は生じないから、比較できない。
イ 次に、本願商標と引用商標2を比較すると、外観においては、構成中の「つくも」の文字部分を共通にするが、図形の有無及びその他の文字部分の構成(「九十九」「TSUKUMO」及び「麺屋」の文字)が相違するから、外観から記憶される印象は異なるものとなり、判別は容易である。
また、称呼においては、「ツクモ」の構成音を含む点において共通するが、語頭の「メンヤ」の構成音の有無により、全体としての語調、語感は異なるものになるから、聴別は可能であり、相紛れるおそれはない。
さらに、観念については、いずれも特定の観念は生じないから、比較できない。
ウ そうすると、本願商標と引用商標は、観念において比較できないとしても、外観において判別は容易で、称呼において相紛れるおそれはないから、それらが取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、その出所について混同を生ずるおそれはないと判断するのが相当であり、類似する商標とは認められない。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは同一又は類似する商標ではないから、その指定役務について比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
そうすると、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消を免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
別掲1 本願商標(色彩は、原本参照。)


別掲2 引用商標


(この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。
審決日 2024-10-01 
出願番号 2023032019 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W43)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 旦 克昌
特許庁審判官 吉沢 恵美子
大島 康浩
商標の称呼 ツクモ、キュージューキュー 
代理人 福地 武雄 

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