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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W44
管理番号 1415505 
総通号数 34 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2024-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2024-02-05 
確定日 2024-10-15 
事件の表示 商願2023−34926拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和5年3月31日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年9月1日付け:拒絶理由通知書
令和5年10月11日:意見書の提出
令和5年11月14日付け:拒絶査定
令和6年2月5日:審判請求書の提出

2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第44類「美容,理容」を指定役務として登録出願されたものである。

3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6383020号商標(以下「引用商標」という。)は、「Bettyキューピー」の文字を標準文字で表してなり、令和2年6月11日に登録出願、第3類、第8類、第9類ないし第11類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第25類、第28類、第35類、第41類及び第44類に属する別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和3年4月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

4 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類否
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、上段に「まゆ毛とまつ毛の専門店」の文字を横書きし、中段に、大きさの異なる「betty」及び「eyelash salon」の欧文字を2段に横書きし、下段にまつ毛とおぼしき図形を配置してなるところ、文字部分と図形部分とは、それぞれ重なり合うことなく、独立して表されていることから、視覚上分離して看取し得るものである。
そして、構成中の図形部分は、まつ毛とおぼしき図形と認識させ得るものの、特定の称呼及び観念を生じるとまではいえない。
また、構成中の文字部分については、中段の「betty」の文字が、本願商標の中央部分に顕著に大きく表されていることから、視覚的に看者の注意を特に強く引く部分といえる。
そして、当該「betty」の文字は、「ベティ(女性名)」(出典:「ベーシックジーニアス英和辞典第2版」株式会社大修館書店)の意味を有する語であり、自他役務の識別標識としての機能を有するものといえる。
一方、上段の「まゆ毛とまつ毛の専門店」の文字部分については、その構成中「まゆ毛」の文字が、「眉の毛。まみげ。まゆ。」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)の意味、「まつ毛」の文字が、「まぶたのふちにある毛。」(前掲書)の意味、「専門店」の文字が、「特定の商品を専門に販売する店。」(前掲書)の意味をそれぞれ有する語であり、本願の指定役務を取り扱う業界においては、まつ毛やまゆ毛の手入れを専門とする店も存在することから、構成全体として「まゆ毛とまつ毛の手入れの専門店」程度の意味を認識させるにすぎない。
また、中段の「eyelash salon」の文字については、「eyelash」が「まつげ」(前掲書)の、「salon」が「(美容の)店」(前掲書)の意味を有する語であり、全体として「まつげ用の美容室」の意味合いを理解させるにすぎないから、これらの文字部分は本願の指定役務との関係においては役務の質(内容)を表したものと理解され、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ない部分といえる。
以上を踏まえると、本願商標は、構成中の図形部分と文字部分に観念上のつながりはなく、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえず、かつ、文字部分においては「betty」の文字のみが自他役務の識別標識としての機能を有する上、視覚的にも特に注意を引く部分であるから、当該「betty」の文字部分が、取引者、需要者に対して強く支配的な印象を与えるものと判断するのが相当である。
そうすると、本願商標は、その構成中の「betty」の文字部分を分離抽出し、これを本願商標の要部として引用商標と比較することが許されるというべきであり、「betty」の文字に相応して「ベティ」の称呼を生じ、「ベティ(女性名)」の観念を生じる。
イ 引用商標について
引用商標は、前記3のとおり、「Bettyキューピー」の文字を標準文字で表してなるところ、視覚的にまとまりよく一体的に表したものとの印象を与える。
また、引用商標の構成中、「Betty」の文字は、上記アと同様に「ベティ(女性名)」の意味を有し、「キューピー」の文字は、「オニール(Rose O’Neill1874〜1944)のキューピッドの絵を模した、頭の先がとがり、目の大きい裸体の人形。」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)の意味を有する語であるが、その構成全体からは明りょうな意味合いが生じるとはいい難い。また、引用商標に接する取引者、需要者が、これらのうちいずれかの文字部分のみに着目するというべき事情も見いだせない。
さらに、引用商標から生じる「ベティキューピー」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。
そうすると、引用商標に接する取引者、需要者は、構成全体をもって一体不可分の造語と認識し、把握するとみるのが相当である。
したがって、引用商標は、その構成文字に相応して「ベティキューピー」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。
ウ 本願商標と引用商標の類否
本願商標と引用商標を比較すると、それぞれ上記のとおりの構成からなり、その構成は、図形の有無や構成文字、文字数等において明らかに相違するから、外観において相紛れるおそれはない。
また、称呼においては、本願商標の要部である「betty」の文字から生じる「ベティ」の称呼と、引用商標から生じる「ベティキューピー」の称呼とは、構成音数が明らかに相違するから、各商標をそれぞれ一連に称呼しても、その語調・語感が相違し、明瞭に聴別できる。
さらに、観念においては、本願商標からは「女子の名」の観念が生じるのに対し、引用商標は特定の観念を生じないから、観念において相紛れるおそれはない。
したがって、これらを総合して判断すれば、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
(2)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは同一又は類似する商標ではないから、その指定役務について比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。


別掲

別掲1 本願商標


別掲2 引用商標の指定商品及び指定役務
第3類「化粧品,爪用化粧品,ネイルエナメル,ネイルアート用ステッカー,つけ爪,つけまつ毛,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,つけ爪作成用接着剤,つけ爪用接着剤,つけまつ毛作成用接着剤,せっけん類,香料,薫料,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し用研磨布」
第8類「まつ毛カール器,まつ毛抜き器」
第9類「インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル及び動画ファイル,ダウンロード可能な携帯端末装置用の画像ファイル及び動画ファイル,携帯情報端末用ストラップ,携帯情報端末用ケース,携帯情報端末用カバー,電気通信機械器具,電子計算機用マウスパット,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」
第10類「業務用美容マッサージ器,美容用マッサージ器」
第11類「ネイル用乾燥ランプ,美容用の家庭用電熱用品類,照明用器具」
第14類「身飾品,キーホルダー,キーホルダー用チャーム,宝石及びその原石並びに宝玉の模造品,爪に貼り付けて用いる爪用宝玉の原石,爪に貼りつけて用いる爪用宝玉及び爪に貼りつけて用いる爪用宝玉の模造品,爪に貼りつけて用いる爪用アクセサリー,携帯電話器の表面装飾用宝玉の原石,携帯電話器の表面装飾用宝玉及び携帯電話器の表面装飾用宝玉の模造品」
第16類「文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,紙製包装用容器,プラスチック製包装用袋,化粧落とし用ティッシュペーパー(化粧落とし剤を浸み込ませたものを除く。),紙製ハンカチ,印刷物,書画,グラフィック複製画,写真,写真立て」
第18類「携帯用ネイルケアセット入れ,かばん類,袋物,傘,愛玩動物用被服類」
第20類「家具,クッション,座布団,まくら,マットレス,プラスチック製の包装用容器,うちわ,扇子,プラスチック製化粧品用容器」
第21類「まつ毛用ロッド,まつ毛用ブラシ,眉毛用ブラシ,ネイル用ブラシ,ネイルボード,化粧用具,ガラス製化粧品用容器,陶磁器製化粧品用容器」
第25類「洋服,ティーシャツ,下着,アイマスク,エプロン,えり巻き,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ナイトキャップ,帽子,被服,ガーター,バンド,ベルト,靴類,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」
第28類「人形,おもちゃ,愛玩動物用おもちゃ,電気通信機能が搭載された携帯可能なゲーム用具及びおもちゃ,テレビゲーム機,ゲーム用トレーディングカード,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用品,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,運動用具」
第35類「インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイルの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ダウンロード可能な画像ファイルのオンラインによる小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」
第41類「美容・理容に関する技術の認定,美容・理容に関する技術の教授,知識の教授,美容・理容に関する技術のセミナーの企画・運営又は開催,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与」
第44類「美容,理容,エクステンション用人工まつ毛を用いた施術に関する美容,つけまつ毛を用いた施術に関する美容,まつげ美容に関する情報の提供,ネイルアートの美容に関する情報の提供,美容・理容に関する情報の提供,インターネットを用いて行う美容院・エステティックサロン・ネイルサロンに関する予約の媒介又は取り次ぎ」


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審決日 2024-09-30 
出願番号 2023034926 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W44)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 大島 康浩
特許庁審判官 小林 裕子
大塚 正俊
商標の称呼 マユゲトマツゲノセンモンテンベティアイラッシュサロン、マユゲトマツゲノセンモンテン、ベティアイラッシュサロン、ベティ、アイラッシュサロン 
代理人 Authense弁理士法人 

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