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審決分類 |
審判 査定不服 商品(役務)の類否 取り消して登録 W22 |
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管理番号 | 1415445 |
総通号数 | 34 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2024-10-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2023-12-28 |
確定日 | 2024-10-01 |
事件の表示 | 商願2021− 93486拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は、令和3年7月28日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年3月24日付け:拒絶理由通知書 令和4年6月29日 :意見書、手続補正書の提出 令和5年9月25日付け:拒絶査定 令和5年12月28日 :審判請求書、手続補足書(第1号証ないし第6号証)の提出 2 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第22類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願され、その後、指定商品については、上記1の手続補正書により、第22類「荷役用つり索(金属製のものを除く。),ロープ製の貨物つり索,織物製の貨物つり索,荷役用吊り手(金属製のものを除く。),荷役用ベルト(金属製のものを除く。),荷役用ひも(金属製のものを除く。),合成材料製のロープ,合成繊維製編みひも,合成繊維製の牽引ひも,包装用又は結束用のバンド(金属製のものを除く。),荷役用布製ベルト」に補正されたものである。 3 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した国際登録第1312950号商標(以下「引用商標」という。)は、「LINK」の欧文字を横書きしてなり、2016年2月18日にEUIPOにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2016年(平成28年)8月16日に国際商標登録出願され、第7類「Escalators; moving walkways; conveyors for moving people.」及び第37類「Installation, maintenance and repair of escalators, moving walkways and conveyors for moving people.」を指定商品及び指定役務として、平成29年5月12日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 4 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、(1)本願商標と引用商標は類似する商標であり、(2)本願の指定商品のうち、第22類「荷役用つり索(金属製のものを除く。),ロープ製の貨物つり索,織物製の貨物つり索,荷役用吊り手(金属製のものを除く。),荷役用ベルト(金属製のものを除く。),荷役用ひも(金属製のものを除く。),合成繊維製の牽引ひも,荷役用布製ベルト」(以下「11号本願商品」という。)と、引用商標の指定商品及び指定役務のうち、第7類「Escalators; moving walkways; conveyors for moving people.」(参考和訳「エスカレーター,動く歩道,人の移動用コンベヤ」。以下「11号引用商品」という。)は、類似の商品であるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとしたものである。 5 当審の判断 (1)11号本願商品と11号引用商品の類否について ア 商品の類否判断について 商標法第4条第1項第11号に規定する指定商品の類否は、取引の実情に照らし、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認混同されるおそれがあるか否かによって判断されるべきである(平成15年(行ケ)第456号同16年7月26日東京高裁判決参照。)。 そこで、これを踏まえて、本願の指定商品中、第22類「荷役用つり索(金属製のものを除く。),ロープ製の貨物つり索,織物製の貨物つり索,荷役用吊り手(金属製のものを除く。),荷役用ベルト(金属製のものを除く。),荷役用ひも(金属製のものを除く。),合成繊維製の牽引ひも,荷役用布製ベルト」(11号本願商品)と、引用商標の指定商品中、第7類「Escalators; moving walkways; conveyors for moving people.」(11号引用商品)の類否について検討する。 イ 請求人の提出に係る第1号証ないし甲第6号証及び当審の職権による調査によれば、以下のとおりである。 (ア)11号本願商品と11号引用商品について 11号本願商品である第22類「荷役用つり索(金属製のものを除く。),ロープ製の貨物つり索,織物製の貨物つり索,荷役用吊り手(金属製のものを除く。),荷役用ベルト(金属製のものを除く。),荷役用ひも(金属製のものを除く。),合成繊維製の牽引ひも,荷役用布製ベルト」は、主に貨物や重機といった、重量のある物体を吊下げ運搬するために用いる作業用の合成繊維ロープである。 他方、11号引用商品は、第7類「Escalators; moving walkways; conveyors for moving people.」(参考和訳「エスカレーター,動く歩道,人の移動用コンベヤ」)であり、主に人を運搬するための機械装置である。 (イ)生産部門、販売部門について 11号本願商品は、主にワイヤーロープ製造メーカーで生産、販売されている(第1号証)。 他方、11号引用商品は、主に大手重電メーカー(三菱、日立、東芝など)及び専業のメーカー(FUJITEC等)で生産、販売されている(第2号証)。 よって、両商品は、生産部門、販売部門が異なるものである。 (ウ)原材料及び品質について 11号本願商品の素材は金属製のものを除いたロープ製・織物製・合成繊維製・布製であって機械的要素を含まない。 他方、11号引用商品は「エスカレーター、動く歩道」といった機械的装置である。 よって、両商品は、原材料及び品質も異なるものである。 (エ)用途について 11号本願商品の用途である「荷役」は、「船荷のあげおろしをすること。」(「広辞苑第七版」岩波書店)を意味し、「つり索」は、「物を吊り下げて、上下に移動させるためのロープやワイヤーなどをいう。」(「デジタル大辞泉」小学館)を意味し、「吊り手」は、「(「吊手」とも書く)蚊帳かやなどをつるすのに用いるひも。」(「広辞苑第七版」岩波書店)を意味し、「牽引」は、「大きな力で引っ張ること。引き寄せること。」(「大辞泉第二版」小学館)を意味する語であるから、運搬の対象は、主に荷物、貨物、積荷等の「物」であるといえるものであり、「人」であるとの特段の事情は発見できない。 他方、11号引用商品中「Escalators(参考和訳「エスカレーター」)は、「階段状の踏み板がモーターにより循環移動し、昇降する装置。」(「大辞泉第二版」小学館)を意味し、「エスカレーター」は「人」の階段昇降を補助することが多い装置であるといえるものである。また、「moving walkways; conveyors for moving people.(参考和訳「動く歩道、人の移動用コンベヤ」)は、「walkways」「for moving people.」のように運搬の対象も主に「人」であることから、11号引用商品の運搬の対象は、主に「人」であるというのが相当である。 よって、11号本願商品が主に「物」を運搬するためのものであるのに対し、11号引用商品は、主に「人」を運搬するためのものであるから、両者は用途も異なるものである。 (オ)需要者の範囲について 11号本願商品は、主に物流海運業者、港湾関連業者、採掘業者等が需要者である(第6号証)。 他方、11号引用商品は主に大型施設(商業施設、公共施設を含む。)で使用されることから、主に大型施設の所有者、管理者が需要者である。 よって、両商品は、需要者の範囲も異なるものである。 (カ)完成品と部品との関係にあるかについて 11号引用商品の部品において、「チェーン」が用いられている実情は見受けられたが、金属製以外からなる11号本願商品が11号引用商品の部品として用いられている事実は発見できない。 よって、両商品は完成品と部品との関係にはないといえる。 ウ 判断 上記イのとおり、11号本願商品と11号引用商品は、生産部門、販売部門、原材料、品質、用途及び需要者の範囲において、いずれも一致するとはいえず、完成品と部品との関係にもないものである。 そうすると、11号本願商品と11号引用商品とは、取引の実情に照らし、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認混同されるおそれがあるものということはできないから、非類似の商品とみるのが相当である。 (2)まとめ 以上のとおり、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品は類似しないものであるから、本願商標と引用商標の類否を検討するまでもなく、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願商標(色彩については、原本参照。) (この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。 |
審決日 | 2024-09-19 |
出願番号 | 2021093486 |
審決分類 |
T
1
8・
264-
WY
(W22)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
鈴木 雅也 |
特許庁審判官 |
小田 昌子 滝口 裕子 |
商標の称呼 | エムリンク、リンク、エム |
代理人 | 弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK |