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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない W44 |
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管理番号 | 1415435 |
総通号数 | 34 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2024-10-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2023-10-27 |
確定日 | 2024-08-26 |
事件の表示 | 商願2022−134036拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、令和4年11月24日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年5月24日付け:拒絶理由通知書 令和5年6月23日 :意見書の提出 令和5年7月28日付け:拒絶査定 令和5年10月27日 :審判請求書の提出 第2 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第44類「リハビリテーションの指導及び助言,医療用機械器具・リハビリテーション用機械器具の貸与又はこれらに関する情報の提供,通所介護(デイサービス),施設における介護,訪問による介護,入浴施設の提供,美容,理容,栄養の指導,介護施設の紹介,介護相談,介護用おむつの貸与,あんま・マッサージ及び指圧,作業療法による治療情報の提供,物理療法又は理学療法による治療情報の提供」を指定役務として登録出願されたものである。 第3 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5533550号商標(以下「引用商標」という。)は、「リハライフ」の文字を標準文字で表してなり、平成24年5月2日に登録出願、第44類「リハビリテーションの指導及び助言,医療用機械器具・リハビリテーション用機械器具の貸与又はこれらに関する情報の提供,通所介護(デイサービス),施設における介護,訪問による介護,入浴施設の提供,美容,理容,栄養の指導,介護施設の紹介,介護相談,介護用おむつの貸与」を指定役務として、同年11月2日に設定登録、、その後、令和4年6月23日に商標権の存続期間の更新登録がされ、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 第4 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、本願商標の構成中「RehaLife」の文字部分を分離抽出し、これと引用商標とが類似する商標であるから、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとしたものである。 第5 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)結合商標の類否判断について 複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、その構成部分全体によって他人の商標と識別されるから、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは原則として許されないが、取引の実際においては、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、必ずしも常に構成部分全体によって称呼、観念されるとは限らず、その構成部分の一部だけによって称呼、観念されることがあることに鑑みると、商標の構成部分の一部が需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などには、商標の構成部分の一部を要部として取り出し、これと他人の商標とを比較して商標そのものの類否を判断することも、許されると解するのが相当である(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。 (2)本願商標について 本願商標は、別掲のとおり、左側に青色及び紺色の旗の図形(以下「図形部分」という。)、その右側に紺色で顕著に大きく横書きされた「RehaLife」の欧文字、その右上部に茶色で小さく付記的に表した「+」の記号、前記欧文字の下側に紺色で小さく横書きされた「デイサービスセンター リハライフ プラス」の片仮名(以下、これらの欧文字、記号、片仮名を合わせて「文字部分」という。)を配置してなるところ、図形部分と文字部分は、色彩、大きさなどが異なっており、重なることなく配置されていることからすると、それぞれが視覚上、分離して看取、把握され得るものであり、かつ、図形部分は特定の称呼及び観念は生じないものであって、図形部分及び文字部分との間に、観念的にも密接な関連性を見いだすことはできないから、本願商標の図形部分と文字部分は、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない。 また、文字部分中、上段に顕著に大きく横書きされた「RehaLife」の欧文字は、辞書に載録のない、特徴的な造語であるのに対し、下段に極めて小さく横書きされた「デイサービスセンター」の語は、「デイ・サービスを受けるための介護施設」を意味する語(「大きな字のカタカナ新語辞典 第2版」株式会社 学習研究社)であって、本願の指定役務との関係において、役務の提供場所等を表したものと認識されるものであり、加えて、「RehaLife」の欧文字の右上部に小さく付記的に表した「+」の記号及び下段の「プラス」の文字は、「あるものに他の材料や要素を加えること。また、その記号「+」。」等を意味する(「例文で読むカタカナ語の辞典」株式会社 小学館)、ありふれた記号及びその片仮名表記を小さく付記的に表記したにすぎないものであるから、当該各部分は自他役務の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱く、出所識別標識としての称呼、観念が生じないものというのが相当である。 そうすると、上記(1)の結合商標の類否判断の趣旨に照らせば、本願商標については、その文字部分中、顕著に大きく横書きされた「RehaLife」の欧文字部分が需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであり、それ以外の図形部分、文字部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないといえるから、当該「RehaLife」の文字部分を要部(以下「本願商標の要部」ということがある。)として取り出し、この部分だけを引用商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。 そして、既成の語ではない欧文字にあっては、親しまれたローマ字読み又は英語読み風に称呼するのが一般的であるところ、本願商標の要部は、造語であって既成の語ではない欧文字であるから、その構成文字を英語読み風に発音した「リハライフ」の称呼が生じ、また、当該文字は、我が国において特定の意味を表す語として親しまれているものとはいえないから、特定の観念は生じないものである。 (3)引用商標について 引用商標は、「リハライフ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「リハライフ」の称呼が生じ、また、当該文字は、我が国において特定の意味を表す語として親しまれているものとはいえないから、特定の観念は生じないものである。 (4)本願商標と引用商標の類否について 本願商標と引用商標の類否について検討するに、両商標の構成は、それぞれ上記(2)及び(3)のとおりであるところ、外観については、我が国において、商標の構成文字を、同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われていることを考慮すれば、本願商標の要部は引用商標の片仮名を欧文字に変換したものと捉えられるものであり、かつ、本願商標の下段に表された「リハライフ」の片仮名部分は要部の読みを特定したといえるものであって、引用商標との構成文字と共通するものである。 これらの実情や共通性を踏まえると、本願商標の要部の外観と引用商標の外観は、看者に対して別異のものであると思わせるような顕著な差異を有するものとはいえず、むしろ、時と所を異にして接したときには、取引者、需要者に同一の出所を表示したものと認識させるというべきであるから、本願商標の要部と引用商標は、外観において類似するものである。 次に、称呼については、本願商標の要部と引用商標は、「リハライフ」の称呼を共通にするものである。 さらに、観念については、本願商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することができない。 そうすると、本願商標と引用商標は、観念において比較することができないとしても、本願商標の要部との比較においては、外観において類似し、称呼を共通にするものといえるから、本願商標と引用商標の外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれがある類似の商標と判断するのが相当である。 (5)本願商標と引用商標の指定役務の類否について 本願の指定役務である第44類「リハビリテーションの指導及び助言,医療用機械器具・リハビリテーション用機械器具の貸与又はこれらに関する情報の提供,通所介護(デイサービス),施設における介護,訪問による介護,入浴施設の提供,美容,理容,栄養の指導,介護施設の紹介,介護相談,介護用おむつの貸与,あんま・マッサージ及び指圧,作業療法による治療情報の提供,物理療法又は理学療法による治療情報の提供」は、引用商標の指定役務である第44類「リハビリテーションの指導及び助言,医療用機械器具・リハビリテーション用機械器具の貸与又はこれらに関する情報の提供,通所介護(デイサービス),施設における介護,訪問による介護,入浴施設の提供,美容,理容,栄養の指導,介護施設の紹介,介護相談,介護用おむつの貸与」と、同一又は類似の役務である。 (6)小括 以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定役務も引用商標の指定役務と同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 請求人の主張について 請求人は、本願商標が「リハライフ」と称呼可能な構成部分をその一部に有するとしても、その外観において著しく相違し、観念においても識別が可能であり、外観と観念の相違が称呼の共通性を凌駕するものであり、また、称呼においても常に「旗の図形」を念頭に、本願商標を識別標識として特徴付ける「+/プラス記号」及び「リハライフプラス」の構成要素によって、本願商標から生じる識別標識としての称呼は「リハライフプラス」と称呼するものである旨主張している。 しかしながら、本願商標の図形部分と各文字部分とは、外観上、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合している事情は見いだせず、また、図形部分及び各文字部分との間には、観念的にも密接な関連性を見いだすことはできない。加えて、本願商標の構成中、「RehaLife」の欧文字部分は、顕著に大きく横書きされた造語である一方、「デイサービスセンター」、「+」及び「プラス」の語は、自他役務の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱いものであることからすれば、本願商標から、「RehaLife」の文字部分を要部として抽出し、本願商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきものであることは、上記1(2)のとおりである。 したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。 3 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(本願商標。色彩については原本参照。) ![]() (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。 |
審理終結日 | 2024-06-17 |
結審通知日 | 2024-06-20 |
審決日 | 2024-07-12 |
出願番号 | 2022134036 |
審決分類 |
T
1
8・
261-
Z
(W44)
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最終処分 | 02 不成立 |
特許庁審判長 |
鈴木 雅也 |
特許庁審判官 |
小田 昌子 滝口 裕子 |
商標の称呼 | デイサービスセンターリハライフプラス、デーサービスセンターリハライフプラス、リハライフプラス、レハライフプラス、リハライフ、レハライフ |
代理人 | 田中 幹人 |