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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 W4144
管理番号 1415418 
総通号数 34 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2024-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-07-28 
確定日 2024-10-08 
事件の表示 商願2022−110026拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和4年9月26日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 2月14日付け:拒絶理由通知
令和5年 3月24日 :意見書の提出
令和5年 5月10日付け:拒絶査定
令和5年 7月28日 :審判請求書の提出
令和6年 6月 6日付け:審尋
令和6年 7月22日 :意見書、手続補正書の提出

2 本願商標
本願商標は、「インナービューティーカウンセラー」の文字を普通に用いられる書体で表してなり、第41類及び第44類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願され、その後、本願の指定役務については、前記1の当審における手続補正により、第41類「電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,美術品の展示,庭園の供覧,洞窟の供覧,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,インターネットを利用して行う映像の提供,映画の上映・制作又は配給,インターネットを利用して行う音楽の提供,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),運動用具の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与」及び第44類「入浴施設の提供,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,整体,はり治療,介護,医療用機械器具の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与」に補正されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は、「インナービューティーカウンセラー」の文字を普通に用いられる方法で表してなるものである。
そして、その構成中の「インナー」の文字は「内部の。」の意味合いを、「ビューティー」の文字は「美。」の意味合いを、「カウンセラー」の文字は「社会生活において個人が直面する悩みなどについて相談に応じ、適切な指導・助言をする人。相談員。」の意味合いを有する語であるから(株式会社岩波書店発行「広辞苑 第七版」)、全体として、「内部の美に関する助言者」の意味を認識させるものである。
そして、この商標登録出願に係る指定役務を取り扱う業界においては、体の内側(内臓)から美しくなることを「インナービューティー」と称している実情が認められることに加え、「インナービューティーカウンセラー」「インナービューティーカウンセリング」の文字が、肩書や講座名として実際に使用されている実情が認められる。
そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「体の内側(内臓)から美しくなることに関する助言者により提供される役務」又は「体の内側(内臓)から美しくなることに関する助言者に関する役務」であることを認識するにとどまるといえ、本願商標は、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記意味合いに照応しない役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。

4 当審においてした審尋
当審において、請求人に対し、前記1の審尋により、ウェブサイト情報を提示しつつ、以下のとおりの見解を示し、これに対する回答を求めた。
本願商標は、「インナービューティーカウンセラー」の文字を普通に用いられる書体で表してなるものであるところ、その構成中、「インナー」の文字は「内部の。」を、「ビューティー」の文字は「美。」を、「カウンセラー」の文字は「社会生活において個人が直面する悩みなどについて相談に応じ、適切な指導・助言をする人。(中略)相談員。」の意味をそれぞれ表す語である(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)。
また、「インナービューティー」の語は、「体の内側(内臓)から美しくなること」を表すものとして本願指定役務を取り扱う業界を含む様々な分野において一般に使用されている語と認められる。
よって、「インナービューティーカウンセラー」の語からは、「体の内側(内臓)から美しくなる「インナービューティー」について相談に応じ、適切な指導・助言をする人」を認識させる。
そうすると、本願商標が本願指定役務中、第44類「美容に関する相談・助言・指導,美容,理容,健康に関する指導及び助言,医療情報の提供,健康診断,栄養の指導」に使用された場合には、取引者、需要者は、当該役務が、体の内側(内臓)から美しくなるという「インナービューティー」について指導・助言を行う者によって提供される役務であることを示したものと理解するというのが相当である。
また、原審において列挙された証左によると、上記の「「インナービューティー」について指導・助言を行う者」を養成する講座が開催されていることが認められることから、本願商標が本願指定役務中、第41類「資格の認定・付与,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催」に使用された場合には、取引者、需要者は、当該役務が、体の内側(内臓)から美しくなるという「インナービューティー」について指導・助言を行う者に係る役務の提供(資格の認定・付与、知識の教授・セミナーの企画・運営・開催)であることを示したものと理解するというのが相当である。
さらに、本願商標は、「インナービューティーカウンセラー」の文字を普通に用いられる書体で表してなるものであるから、本願商標は本願指定役務中、上記の役務の質(内容)、提供の方法を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

5 審尋に対する請求人の回答
前記4の審尋に対し、請求人は、前記1の当審における意見書において、本願の指定役務中、拒絶の理由に該当する指定役務を削除する補正をしたから、拒絶の理由は解消した旨主張した。

6 当審の判断
(1)本願の指定役務は、前記2のとおり補正されたところ、本願商標は、その指定役務に使用しても、役務の質(内容)、提供の方法を普通に用いられる方法で表示するものではない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。
(2)以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとした拒絶の理由は解消した。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
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審決日 2024-09-26 
出願番号 2022110026 
審決分類 T 1 8・ 13- WY (W4144)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 大森 友子
特許庁審判官 鯉沼 里果
小俣 克巳
商標の称呼 インナービューティーカウンセラー、インナービューティー 
代理人 弁理士法人ナビジョン国際特許事務所 

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