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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W0717
管理番号 1413563 
総通号数 32 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2024-08-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2024-01-15 
確定日 2024-08-09 
事件の表示 商願2022−142365拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 手続経緯
本願は、令和4年2月18日に登録出願された商願2022−18227に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同年12月14日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 9月20日付け:拒絶理由通知書
令和5年10月24日受付:意見書
令和5年11月16日付け:拒絶査定
令和6年 1月15日 :審判請求書

2 本願商標
本願商標は、「SDS」の文字を標準文字で表してなり、第7類「金属加工機械器具」及び第17類「プラスチック基礎製品」を指定商品として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標(以下の商標をまとめて「引用商標」という場合がある。)は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4168620号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲1のとおり
登録出願日:平成 5年11月12日
設定登録日:平成10年 7月17日
指定商品:第7類「電気ドリル,電気ハンマードリル,電気破つりハンマー」
(2)登録第5757659号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成26年12月 9日
設定登録日:平成27年 4月10日
指定商品:第1類「ガラスコーティング剤,その他の化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く),植物成長調整剤類,陶磁器用釉薬,塗装用パテ,原料プラスチック」

4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、「SDS」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、「エスディーエス」と発音できる欧文字3文字からなるもので、一般的な辞書等に掲載されている成語や外来語ではない。
そうすると、本願商標は、「エスディーエス」の称呼が生じるが、特定の観念は生じない。
(2)引用商標について
ア 引用商標1は、別掲1のとおり、縦長の角丸長方形の中に、「SDS」の欧文字を上方に、その下に凹凸を有する幾何学図形を配し、当該幾何学図形内に「max」の欧文字を表した構成よりなるところ、その構成中の「SDS」の文字と「max」の文字部分は、角丸長方形に囲まれ、横幅を揃えて比較的近接して配置されているから、全体としてまとまりのよい一体的な印象を与えるものである。
そして、その構成中「SDS」の文字部分は、一般的な辞書等に掲載されている成語や外来語ではなく、「エスディーエス」と発音できる欧文字3字であり、「max」の文字部分は、「最大の、最高の」等の意味を有する「maximum」の略語(「新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典」参照)で「マックス」と発音される語だとしても、両語を結合した構成文字全体として特定の観念を生ずるものではない。
そうすると、引用商標1は、その構成文字に相応して「エスディーエスマックス」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。
イ 引用商標2は、別掲2のとおり、青色の二重線で縁取られた盾形状の図形(下方の約半分は薄茶色に着色されている。)の中に、「SDS Products Japan」の欧文字と、その上に「S」、「D」及び「S」の文字(「S」の2文字は薄茶色。)を組み合わせたモノグラム風の図形を表してなるものである。
そして、その構成中「SDS Products Japan」の文字部分は、標準的な書体で、盾形状の図形内中央に顕著に表されている一方、モノグラム風の図形部分は、直下の「SDS Products Japan」の語頭の構成文字を組み合わせてなるものと理解でき、それ自体として何らかの語を表してなるものとは看取できない。
また、その構成中「SDS」の文字部分は、一般的な辞書等に掲載されている成語や外来語ではなく、「エスディーエス」と発音できる欧文字3字であり、「Products」の文字部分は、「製品、工業[農業]生産物」等の意味を有する「product」の複数形、「Japan」の文字部分は、「日本」の意味を有する英単語(いずれも、前掲書参照)であるところ、「SDS Products Japan」の文字全体として特定の観念を生じるものではない。
そうすると、引用商標2は、その構成中「SDS Products Japan」の文字部分に相応して「エスディーエスプロダクツジャパン」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。
(3)本願商標と引用商標の比較
本願商標と引用商標を比較すると、外観においては、「SDS」の構成文字を含む点を共通にするが、その他の構成文字(「max」及び「Products Japan」)、図形の有無及び色彩の有無において明らかに相違するから、互いに異なる語を表してなるもので、判別は容易である。
また、称呼においては、語頭の「エスディーエス」の構成音を含む点において共通するが、その他の「マックス」及び「プロダクツジャパン」の構成音の差異により、全体としての語調、語感は明らかに異なるものになるから、聴別は容易である。
さらに、観念においては、いずれも、特定の観念は生じないから比較できない。
そうすると、本願商標と引用商標は、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において判別及び聴別は容易だから、同一又は類似の商品について使用しても、商品の出所について混同を生じるおそれはなく、類似する商標とは認められない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは同一又は類似する商標ではないから、それら指定商品について比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
そうすると、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消を免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 引用商標1

別掲2 引用商標2(色彩は、原本参照。)


(この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。
審決日 2024-07-25 
出願番号 2022142365 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W0717)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 大島 康浩
特許庁審判官 吉沢 恵美子
阿曾 裕樹
商標の称呼 エスデイエス 
代理人 櫻木 信義 

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