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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W41 |
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管理番号 | 1412499 |
総通号数 | 31 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2024-07-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2023-12-19 |
確定日 | 2024-06-03 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6743650号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6743650号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第6743650号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和4年12月21日に登録出願、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,技芸・スポーツ又は知識の教授に関する情報の提供,教育上の試験の実施,ビジネスの知識及びノウハウの伝授(訓練),教育の分野における情報の提供,教育上の試験の実施,教育認証サービス、すなわち、訓練の提供及び教育上の試験の実施,能力検定試験の企画・運営・実施,資格の認定・資格の付与,資格の認定又は付与に関する相談・指導・助言・コンサルティング又は情報の提供,通信教育による知識の教授,通信教育に関する情報の提供,セミナーの企画・運営又は開催,シンポジウムの手配及び運営,会議の手配及び運営,教育フォーラムの手配及び運営,研修会の手配及び管理,討論会の手配及び運営,議会の手配及び運営,セミナー・ワークショップ・シンポジウム・会議・講演会・研修会・研究会・討論会・教育フォーラム・議会の企画・手配・運営・開催に関する情報の提供,インターネットを利用したセミナー・ワークショップ・シンポジウム・講演会の企画・手配・運営・開催及びこれらに関する情報の提供,セミナー・ワークショップ・シンポジウム・会議・講演会・研修会に関する会員制によるインターネットを利用した情報の提供,ワークショップ・研修会の企画・手配・運営・開催,結婚式の介添人・付添人養成等の教育セミナーの企画・手配・運営又は開催,教育又は娯楽に関する競技会の企画・運営,文化又は教育のための展示会の企画・運営,電子出版物の提供,電子出版物の提供に関する情報の提供,オンラインによる電子出版物の提供(ダウンロードできないものに限る。),ニューズレター形式の電子出版物の提供及びそれに関する情報の提供,マルチメディア技術を利用した図書の供覧,新商品に関する情報・映画に関する情報・娯楽に関する情報・飲食店に関する情報・結婚式場に関する情報及びその他の各種情報を内容とする電子メール通信を利用した電子雑誌の提供,書籍の制作,出版物のレイアウト(広告物を除く。),ユーザーによるランキングを内容とする娯楽に関する情報の提供,ユーザーによるレビューを内容とする娯楽に関する情報の提供,ユーザーによる評価を内容とする娯楽に関する情報の提供,レクリエーション活動に関する情報の提供,娯楽の提供,娯楽分野における情報の提供,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,インターネットを利用して行う映像の提供,オンラインによる映像の提供(ダウンロードできないものに限る。),インターネットを利用して行う音楽の提供,オンラインによる音楽の提供(ダウンロードできないものに限る。),放送番組の制作,ポッドキャストの制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),パーティの企画,娯楽イベントの企画・運営,企業間の交流会の企画・運営又は開催,人・企業又は地域間の交流会の企画・運営及び開催,人・企業又は地域間の交流会の企画・運営及び開催に関する指導及び助言,人・企業又は地域間の交流会の企画・運営及び開催に関する情報の提供,婚礼衣装を中心としたファッションショーの興行の企画・運営又は開催,お見合いパーティーの企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,動画・写真の撮影場所の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,興行におけるチケットの手配,興行場の座席の手配,興行場の座席の予約,イベントのためのビデオの編集,オーディオ及びビデオ編集,写真の撮影,婚礼写真の撮影,動画の撮影,通訳,翻訳」のほか、第35類、第43類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同5年9月20日に登録査定、同年10月11日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する商標は、我が国のフィットネス・ボディビルの分野において周知、著名となっていると主張されている、別掲2のとおりの構成からなる商標(以下「引用商標」という。)である。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、その指定役務中、第41類「全指定役務」(以下「本件申立役務」という。)について、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として資料1から資料9(枝番号を含む。以下「甲○」と表記する。)を提出した。 (1)引用商標の周知性について ア 引用商標は、アマチュアからプロまで、ボディビル、フィジーク、ビキニを始めとした、世界レベルの各種コンテストを日本国内で企画運営するとともに、多くのアスリートを支援している日本最大級の団体であるFWJ(Fitness World Japan)の標章であり、申立人が当該団体及びコンテストなどの主催運営会社となっている。「FWJ」の文字は、「Fitness World Japan」の略で、引用商標及び「FWJ」の文字は、本件商標の登録出願前から登録時において、我が国のフィットネス・ボディビルの分野の取引者、需要者においては周知、著名となっている。 例えば、コンテストの開催回数、観客数、出場選手などにあるとおり、年々、関心の高さの高まりを見せている。 特に、2023年は、冬季五輪のカーリング日本代表選手が同団体のコンテストに参加したことでも、日本国内で話題になった(甲1の1)。 この結果、2015年創立より出場選手の累計は、2023年早々に4万人突破するに至っている(甲1の5)。 加えて、FWJを運営している申立人の売上のうち、コンテスト事業や、それを扱った出版事業の売上だけをみても、その売上が年々増加していることからも、FWJに対する関心の高まりが表れている。 イ これらコンテストの様子は、引用商標とともに、種々のウェブサイトやYouTubeに掲載、配信されている(甲1、甲2)ほか、株式会社U−NEXTを通じてLIVE配信され、しかも、雑誌(甲3)に掲載されるとともに、新聞(甲4)でも報道されている。 加えて、引用商標は、コンテストの受賞者に授与されるメダル(甲5)、スタッフが着用するシャツ(甲6)に表示されているほか、コンテストの受賞者等の取材の背後の垂れ幕(甲7)にも表示される。 さらに、引用商標が表示された記念グッズとしてシャツ(甲6)、缶バッジ(甲8)なども販売されている。 そこで、申立人の提出した上記資料を踏まえれば、引用商標が、本件商標の登録出願前から、我が国のフィットネス・ボディビルの分野の取引者、需要者においては周知、著名となっている。 (2)本件商標と引用商標の対比 申立人は、引用商標と同一の商標を登録出願(甲9)したところ、本件商標を引用した商標法第4条第1項第11号に該当するとの拒絶理由通知を受けた。すなわち、担当審査官は、本件商標と引用商標が類似の商標と判断しているところ、仮に両商標が類似の関係にあるならば、引用商標が上記のとおり本件商標の登録出願前から、我が国の取引者、需要者において周知、著名となっているから、本件商標は、他人の周知、著名商標と類似の関係にある商標ということになる。 また、仮に本件商標と引用商標が類似の関係にない場合であっても、引用商標に周知、著名性があり、しかも、本件申立役務と引用商標の使用役務には、少なくとも、類似群コードを共通にするものも多数あるとおり、役務自体の関連性があることを踏まえると、本件商標は、その役務の出所について混同を生じさせるおそれがある。 (3)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性 本件商標と引用商標とは、類似の関係になる商標であって、本件申立役務は、引用商標の使用役務と同一又は類似するから、商標法第4条第1項第10号に該当する。 また、仮に両商標が類似の関係にないとしても、引用商標の周知、著名性や、本件申立役務と引用商標の使用役務の密接な関連性を勘案するならば、本件商標は、申立人の業務に係る役務と混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。 4 当審の判断 (1)引用商標の周知性について ア 申立人の主張及び提出証拠(本件商標の登録出願時以前の事情を示すと確認できるもの。)によれば、以下のとおりである。 (ア)申立人を主催運営会社とする「FWJ」(Fitness World Japan)は、日本国内でフィットネス・ボディビルコンテストを開催する団体(以下「申立人団体」という。)であり、2020年1月1日から当該名称を使用している(甲1の6)。 (イ)申立人団体が開催するコンテストの各年会場数は、15会場(2020年度)、23会場(2021年度、2022年度)であり、また、申立人の売上高は、コンテスト事業と出版事業の合計で、約1億3千万円(2020年度)、約3億3千万円(2021年度)、約3億6千万円(2022年度)あったとされる(申立人の主張)。 (ウ)申立人団体のウェブサイト(X、YouTube)において、引用商標と同様の態様で「Fitness World Japan」及び「FWJ」の文字を表してなるロゴを表示しつつ、コンテストなどと関連する情報発信をしている(甲1の1、4)。 (エ)申立人発行の雑誌「Fitness World」には、申立人団体やその開催コンテストなどと関連する記事情報が掲載されている(甲3の1〜11)。 (オ)「PR TIMES」や新聞記事情報などにおいて、申立人団体やその開催イベントなどについて言及する記事が掲載されている(甲4の11〜21)。 (カ)申立人団体のコンテストと関連するメダル及びシャツには、「FWJ」及び「FITNESS WORLD JAPAN」(Fitness World Japan)の文字を含むロゴを表示するものがある(甲5〜甲7)。 イ 以上によれば、申立人団体は、2020年1月1日から「FWJ」(Fitness World Japan)の名称の下、フィットネス・ボディビルコンテストを毎年複数回開催し、それに関する情報発信をウェブサイトや雑誌等を通じて継続して行っている実情はうかがい知ることができる。 しかしながら、申立人団体が「FWJ」(Fitness World Japan)の名称を使用しているのは、本件商標の登録出願時(2022年12月21日)までの間において約3年間程度にすぎないこと、また、コンテストの開催分野も比較的専門的で特殊性が高い中で、一般需要者に向けてメディアを通じて広く広告宣伝をしたことを示す証拠もないこと、さらに、申立人団体の事業規模も大規模なものとまでは評価し難いことを踏まえると、申立人団体に係る「FWJ」(Fitness World Japan)の名称は、当該団体の関係者又はフィットネス・ボディビル愛好家の一部という極めて限定的な範囲において一定程度認知されていた可能性があるとしても、我が国の一般需要者の間において、広く知られているとはいい難い。 そうすると、「FWJ」、「Fitness World Japan」及びそれらを構成文字に含む引用商標は、本件商標の登録出願時において、申立人団体の業務に係る役務「フィットネス・ボディビルコンテストの運営及び開催」を表示するものとして、我が国における需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。 (2)商標法第4条第1項第10号該当性 ア 引用商標は、上記(1)のとおり、申立人団体の業務に係る役務を表示するものとして、我が国における需要者の間に広く認識されている商標ではない。 イ 本件商標と引用商標の類否 (ア)本件商標について 本件商標は、別掲1のとおり、「F」と「J」の欧文字の間に、赤色及び黄色のV字状の線及び点を組み合わせた図形を配してなる構成からなるところ、その図形部分は、線及び点を組み合わせて「W」の欧文字にも通じ得るような何らかの抽象的な図柄を表してなるものの、図案化の程度が顕著であるから、構成全体で特定の文字を表してなるとは直ちに看取できない。 そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「エフジェイ」などの称呼を生じる可能性があるとしても、特定の観念は生じない。 (イ)引用商標について 引用商標は、別掲2のとおり、黒色長方形内の中央部に網目様の球体図形を配し、その中央に大きく「FWJ」の欧文字を黄色で表し、その上部に「Fitness World Japan」の文字を、下部に「Bodybuilding Bikini Physique Classic Physique Figure」(やや不鮮明)と思われる欧文字を白抜きで横書きしてなるところ、「FWJ」の文字部分は、その上部に近接して配置されている「Fitness World Japan」の文字部分の頭文字3文字に相当するが、当該文字は、具体的な意味合いを有する成語に通じるものではない。 そうすると、引用商標は、「FWJ」及び「Fitness World Japan」の構成文字に相応して、「エフダブリュージェイ」及び「フィットネスワールドジャパン」などの称呼が生じ得るが、特定の観念は生じない。 (ウ)本件商標と引用商標を比較すると、外観においては、構成文字及び図形部分の有無が異なるから、それらを離隔的に観察しても、判別は可能である。また、称呼においては、構成音及び音数が明らかに異なり、聴別は可能である。さらに、観念においては、いずれも特定の観念を生じないから、比較できない。 そうすると、両商標は、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において判別及び聴別は可能であるから、それらが取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、同一又は類似の商品又は役務について使用するときであっても、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、類似性の程度は低い。 ウ 小括 以上のとおり、引用商標は、我が国における需要者の間に広く認識されている商標ではなく、本件商標とは類似する商標ではないから、その他の要件について検討するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第15号該当性 引用商標は、上記(1)のとおり、申立人団体の業務に係る役務を表示するものとして、我が国における需要者の間に広く認識されているものではない。 また、本件商標と引用商標とは、上記(2)イ(ウ)のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、類似性の程度は低い。 そうすると、本件商標は、本件申立役務に係る一般需要者をして、引用商標や「FWJ」(Fitness World Japan)なるコンテストを連想又は想起させるとは考えにくく、その役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であると誤認し、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはない。 したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標ではないから、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標の本件申立役務についての登録は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 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別掲 |
別掲1(本件商標。色彩は原本を参照。) ![]() 別掲2(引用商標) ![]() (この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。 |
異議決定日 | 2024-05-24 |
出願番号 | 2022145949 |
審決分類 |
T
1
652・
251-
Y
(W41)
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最終処分 | 07 維持 |
特許庁審判長 |
大島 勉 |
特許庁審判官 |
大島 康浩 阿曾 裕樹 |
登録日 | 2023-10-11 |
登録番号 | 6743650 |
権利者 | 一般社団法人未来ウエディングJAPAN |
商標の称呼 | エフダブリュウジェイ |
代理人 | 林 栄二 |