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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W41 |
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管理番号 | 1412484 |
総通号数 | 31 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2024-07-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2023-09-08 |
確定日 | 2024-07-05 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6713188号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6713188号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第6713188号商標(以下「本件商標」という。)は、「Wisi」の文字を横書きしてなり、令和4年12月14日に登録出願、第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び第41類「娯楽の提供,書籍・新聞及び定期刊行物の制作及び編集,翻訳,書籍の制作,テキスト(広告文を除く。)の執筆及び制作,オンラインによる書籍及び定期刊行物の制作,電子出版物の提供,オンラインによる電子出版物の提供(ダウンロードできないものに限る。),オンラインによる映像の提供(ダウンロードできないものに限る。),知識又は技芸の教授,会議の手配及び運営,レクチャーの手配及び運営,運動競技会の企画・運営,文化又は教育のための展示会の企画・運営,コンサートの企画又は運営,コミュニティスポーツイベント及び文化イベントの運営,教育・娯楽・文化及びスポーツに関する競技会の運営,ビデオの制作,音響記録媒体及び映像記録媒体の貸与,ビデオの撮影」を指定商品及び指定役務として、同5年6月9日に登録査定され、同月30日に設定登録されたものである。 第2 登録異議申立人が引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第4534020号商標(以下「引用商標」という。)は、「WISI」の文字を標準文字で表してなり、2000年9月28日に域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、平成13年3月28日登録出願、第9類「配電用又は制御用機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,衛星通信用送信機・衛星通信用受信機その他の電気通信機械器具,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。),その他の電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同14年1月11日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第41類の全指定役務(以下「本件商標の指定役務」という。)について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものである旨申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証を提出した。 1 本件商標は「Wisi」のアルファベットを書してなるものであるから、これより「ウイシ」の称呼を生ずること明らかである。 他方、引用商標(甲2)は、「WISI」のアルファベットからなるものであるから、「WISI」のアルファベットに相応する「ウイシ」の称呼をも生ずるものである。 してみれば、本件商標と引用商標は、ともに「WISI」という文字を含み、かつ、「ウイシ」という称呼を生ずること明らかであるから、その文字及び称呼において類似の商標である。 2 本件商標の指定役務と引用商標の指定商品は、類似のものである。 (1)本件商標の指定役務中の「電子出版物の提供」に含まれる「電子出版物」に関して、特許情報プラットフォームJ−PlatPat(以下「特許情報プラットフォーム」という。)の商品・役務名検索で、引用商標の指定商品に付された類似群コード「11A01、11A03、11A04、11A05、11B01、11C01」(以下「引用類似群コード」という。)が付された商標を検索した結果(甲3)を添付する。 甲第3号証中のNo.3に対応する商標登録第4843043号(甲4)に引用類似群コード中の「11B01」「11C01」が付されている。 (2)本件商標の指定役務中の「ビデオの制作」「ビデオの撮影」に使われる「ビデオカメラ」に関して、特許情報プラットフォームの商品・役務名検索で、引用類似群コードが付された商標を検索した結果(甲5)を添付する。 甲第5号証中、No.4の商標登録第5666910号(甲6)及びNo.5の商標登録第4878600号(甲7)に引用類似群コード中の「11B01」「11C01」が付され、No.15の商標登録第4890212号(甲8)に引用類似群コード中の「11A01」「11A03」「11A05」「11B01」「11C01」が付され、No.49の商標登録第5275975号(甲9)に引用類似群コード中の「11B01」が付され、No.50の商標登録第5257376号(甲10)に引用類似群コードの「11A01」「11A03」「11A04」「11A05」「11B01」「11C01」が付されている。 (3)本件商標の指定役務中の「映像記録媒体の貸与」に含まれる「映像記録」に関して、特許情報プラットフォームの商品・役務名検索で、引用類似群コードが付された商標を検索した結果(甲11)を添付する。 甲第11号証中、No.1の商標登録第4866840号(甲12)及びNo.2の商標登録第5596900号(甲13)に引用類似群コード中の「11A01」「11A04」「11B01」「11C01」が付され、No.4の商標登録第5532177号(甲14)に引用類似群コード中の「11A01」「11A03」「11A05」「11B01」「11C01」が付されている。 3 したがって、本件商標は、引用商標の指定商品に付された類似群コードに含まれる指定役務を指定しており、本件商標の指定役務は引用商標の指定商品と類似する。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)商品・役務間の類否判断について 商標法第4条第1項第11号に規定する指定商品と指定役務の類否については、それらの商品と役務が通常同一営業主により製造、販売又は提供されている等の事情により、それらの商品と役務に同一又は類似の商標を使用した場合に、同一営業主の製造、販売又は提供に係る商品又は役務と誤認混同されるおそれがあるか否かによって判断すべきである(平成30年(行ケ)第10085号同年12月20日知財高裁判決)。 (2)本件商標の指定役務と引用商標の指定商品の類否について ア(ア)本件商標の指定役務中「電子出版物の提供」と引用商標の指定商品について 本件商標の指定役務中、第41類「電子出版物の提供」は、電気通信回線を通じて電子出版物を供覧させる役務であるのに対し、引用商標の指定商品である第9類「配電用又は制御用機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,衛星通信用送信機・衛星通信用受信機その他の電気通信機械器具,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。),その他の電子応用機械器具及びその部品」(以下、これらの商品を「引用商標の指定商品」という。)は、電力を配給すること、制御することを目的とする機械器具、電話機械器具、無線通信機械器具といった電気通信に用いる機械器具、電子の作用を応用したもので、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素とするものなど、電気に関係ある機械器具として取引される商品であるから、役務と商品の用途、役務の提供場所と商品の販売場所、需要者の範囲は異なり、役務の提供と商品の製造・販売が同一営業主によって行われているのが一般的であるとまではいえない。 (イ)本件商標の指定役務中「ビデオの制作」「ビデオの撮影」と引用商標の指定商品について 本件商標の指定役務中、第41類「ビデオの制作」は、教育・文化・娯楽・スポーツ用(映画・放送番組用のものを含む。)のビデオを制作する役務であり、また、第41類「ビデオの撮影」は、ビデオを撮影する役務であるのに対し、引用商標の指定商品は、上記(ア)のとおりの商品であって、役務と商品の用途、役務の提供場所と商品の販売場所、需要者の範囲は異なり、役務の提供と商品の製造・販売が同一営業主によって行われているのが一般的であるとまではいえない。 (ウ)本件商標の指定役務中「映像記録媒体の貸与」と引用商標の指定商品について 本件商標の指定役務中、第41類「映像記録媒体の貸与」は、録画済み磁気テープの貸与など、映像を記録した媒体の貸与の役務であるのに対し、引用商標の指定商品は、上記(ア)のとおりの商品であって、役務と商品の用途、役務の提供場所と商品の販売場所、需要者の範囲は異なり、役務の提供と商品の製造・販売が同一営業主によって行われているのが一般的であるとまではいえない。 (エ)申立人は、本件商標の指定役務中の上記(ア)ないし(ウ)の各役務と引用商標の指定商品とが類似すると主張しているものの、その裏付けとなる取引の実情(それらの商品と役務が通常同一営業主により製造、販売又は提供されている等の事情)に関する証拠の提出はなく、当審において職権で調査するも、両者が類似するというべき事情は見いだせない。 イ 上記ア以外の本件商標の指定役務と引用商標の指定商品について 上記ア以外の本件商標の指定役務と引用商標の指定商品についても、これらの役務と商品が類似することを裏付ける証拠の提出はなく、当審において職権で調査するも、両者が類似するというべき事情は見いだせず、上記アと同様に、役務と商品の用途、役務の提供場所と商品の販売場所、需要者の範囲は異なり、役務の提供と商品の製造・販売が同一営業主によって行われているのが一般的であるとまではいえない。 ウ 判断 上記(1)を踏まえて上記ア及びイを総合して判断するに、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品は、いずれにおいても、通常同一営業主により製造、販売又は提供されている等の事情により、それらの商品と役務に同一又は類似の商標を使用した場合に、同一営業主の製造、販売又は提供に係る商品又は役務と誤認混同されるおそれがあるものということはできないものであり、非類似の役務及び商品というのが相当である。 エ 申立人の主張について 申立人は、特許情報プラットフォームの「商品・役務名検索」の検索結果に係る各指定商品を引用して(甲3〜甲14)、「本件商標は、引用商標の指定商品に付された類似群コードに含まれる指定役務を指定しており、本件商標の指定役務は引用商標の指定商品と類似する」旨主張している。 しかしながら、申立人の検索結果に係る各指定商品には、商品名中に「電子出版物」、「ビデオカメラ」又は「映像記録」の語が含まれており、また、引用商標の指定商品と同じ類似群コード(「11A01」「11A03」「11A04」「11A05」「11B01」「11C01」)のいずれかが付されているとしても、本件商標の指定役務は、上記主張に係る指定商品とは異なる役務であって、単に当該指定役務の表示中に「電子出版物」等の文言を含むことのみをもって互いに類似する指定商品及び指定役務であるとはいえず、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品とが非類似の役務及び商品と判断されることは、上記アないしウのとおりである。なお、申立人の主張に鑑み付言するに、本件商標に付された類似群コード(「41C02」「41E02」「41E04」「41E05」「42E01」等)と引用商標に付された類似群コードとは全く異なるものであって、両者に類似群コードの包含関係は見いだせず、本件商標は引用商標の指定商品に付された類似群コードに含まれる指定役務を指定しているとはいえない。 したがって、申立人の主張を採用することはできない。 (3)小括 上記(1)及び(2)によれば、本件商標の指定役務は引用商標の指定商品とは非類似の役務であるから、本件商標と引用商標が類似の商標であるとしても、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとはえない。 2 むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、本件商標の指定役務について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはえず、ほかに同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
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異議決定日 | 2024-06-27 |
出願番号 | 2022142401 |
審決分類 |
T
1
652・
265-
Y
(W41)
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最終処分 | 07 維持 |
特許庁審判長 |
板谷 玲子 |
特許庁審判官 |
鈴木 雅也 馬場 秀敏 |
登録日 | 2023-06-30 |
登録番号 | 6713188 |
権利者 | 黄▲イ▼▲キ▼ |
商標の称呼 | ウイシ |
代理人 | 弁理士法人東海特許事務所 |
代理人 | 弁理士法人MTS国際特許事務所 |