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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 W2930313233
管理番号 1412466 
総通号数 31 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2024-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2024-02-07 
確定日 2024-07-05 
事件の表示 商願2023− 22221拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和5年3月3日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 7月24日付け:拒絶理由通知書
令和5年 8月 3日 :意見書の提出
令和5年11月28日付け:拒絶査定
令和6年 2月 7日 :審判請求書、手続補正書の提出

2 本願商標
本願商標は、「Ranzan」の文字を標準文字で表してなり、第29類ないし第33類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
本願の指定商品は、当審における上記1の手続補正書により、別掲のとおり補正されたものであって、すなわち、その指定商品から第31類「種子類,木,苗,苗木,花,盆栽」が削除されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「Ranzan」の文字を標準文字で表してなるところ、「Ranzan」の文字は、「埼玉県中部,比企丘陵の西部にある町名」の一つである「嵐山(町)」の表音を欧文字で表したものである。
そして、「Ranzan」やこれの表音文字である「らんざん」の文字は、「埼玉県中部,比企郡に位置する嵐山町」を表すものとして使用されており、また、本願の指定商品には嵐山町の特産品が含まれている。
また、「Ranzan」の文字は、1997年12月18日に品種登録され、2000年12月19日に育成者権が消滅したバラ属の品種の名称「嵐山」の欧文字表記と認められ、現在でも当該品種のバラが流通している。
そうすると、本願商標を、その指定商品に使用するときは、「嵐山町産の商品」であること、また、同指定商品中の「種子類,木,苗,苗木,花,盆栽」に使用するときは、「嵐山町産の商品」又は「嵐山品種のバラに係る商品」であることを認識させるに過ぎず、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものにすぎないというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。

4 当審の判断
本願商標は、「Ranzan」の文字を標準文字で表してなるところ、この文字自体は一般的な辞書類に掲載されているものではなく、また、これが「ランザン」と発音する日本語のローマ字表記であると理解されるとしても、一般的な辞書類においては、「高低入り乱れて重なり合う多くの山。」を意味する「乱山」や、「京都市北西部にある山。」である「嵐山(あらしやま)」の別名としての「嵐山」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)、「埼玉県中部,比企郡の地名。」を意味する「嵐山」(出典:「大辞泉 第4版」株式会社小学館)といった複数の語が載録されているものであるから、本願商標より直ちに特定の意味合いが理解、認識されるとはいい難いものである。
そして、当審において職権をもって調査するも、「Ranzan」の文字が、原審説示のごとく、これに接する取引者、需要者において、直ちに「埼玉県嵐山町」を想起させるものであるというべき事情や、その商品が「嵐山町産の商品」であることを表示したものと容易に認識し得るというべき事情を発見することはできなかった。
また、上記2の手続補正によって、本願の指定商品から「種子類,木,苗,苗木,花,盆栽」が削除されていることから、その補正後の指定商品との関係において、「Ranzan」の文字が、原審説示のごとく、「嵐山品種のバラに係る商品」であることを理解、認識させるものということもできない。
そうすると、本願商標は、特定の意味合いを容易に理解、認識し得るものとはいえないというべきであって、これをその指定商品に使用しても、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲

別掲 本願の指定商品
第29類 乳製品,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,豆,食用昆虫類(生きているものを除く。)
第30類 アイスクリーム,シャーベット,食パン,菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),アイスクリームのもと,シャーベットのもと,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,米
第31類 食用魚介類(生きているものに限る。),ベビーリーフ,野菜(「茶の葉」を除く。),茶の葉,果実,あわ,きび,ごま,そば(穀物),とうもろこし(穀物),ひえ,麦,籾米,もろこし,ペット用飼料,飼料,草,芝,ドライフラワー,牧草,食用昆虫類(生きているものに限る。)
第32類 ビール
第33類 清酒,焼酎,洋酒,果実酒,酎ハイ


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審決日 2024-06-19 
出願番号 2023022221 
審決分類 T 1 8・ 13- WY (W2930313233)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 高野 和行
特許庁審判官 白鳥 幹周
清川 恵子
商標の称呼 ランザン 
代理人 櫻木 信義 

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