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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W4042
管理番号 1412379 
総通号数 31 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2024-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-06-20 
確定日 2024-07-02 
事件の表示 商願2022−11678拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第40類「印刷,グラビア製版」及び第42類「電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守」を指定役務とし、令和2年11月3日に登録出願された商願2020−135868に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同4年2月2日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年2月21日付けで拒絶理由の通知がされ、同年4月13日付けで意見書が提出されたが、同5年3月10日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年6月20日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した商標は、以下の1及び2に記載のとおりの登録商標であり、これらの商標権は、現に有効に存続しているものである。
1 登録第3285281号商標
商標の構成:TOSHO
登録出願日:平成4年9月30日
設定登録日:平成9年4月18日
指定役務:第42類「オフセット印刷,凸版印刷,電子計算機のプログラムの作成」
2 登録第4009401号商標
商標の構成:TOSHO
登録出願日:平成4年9月30日
設定登録日:平成9年6月6日
指定役務:第40類「製版,組版,録音済み磁気テープの複製,録画済み磁気テープの複製,録音済みレーザーディスクの複製,録画済みレーザーディスクの複製,文字及び画像を記録したコンパクトディスクの複製,文字及び画像を記録したフロッピーディスクの複製」

上記1及び2の登録商標をまとめて、以下「引用商標」という。

第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、本願商標の構成中の「TOSYO」と引用商標とは観念において比較し得ないものの、外観が類似し、「トショ」の称呼を共通にすることから、本願商標と引用商標は類似の商標であり、また、本願の指定役務は引用商標の指定役務と類似するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第4 当審の判断
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおり、略円形内の中央に赤丸を配した図形(以下「円形図形」という。)とその右横に書した「TOSYO」の欧文字(欧文字「Y」の上に赤丸を配してなる。以下「TOSYO」という。)の構成よりなるところ、円形図形と「TOSYO」は、重なることなく配置されており、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえず、それぞれが、視覚的に分離して把握されるものである。
そして、本願商標の構成中の「TOSYO」は、大きく顕著に表されていることから、視覚的に、看者の注意を引く部分であるといえる。
また、本願商標の構成中の「TOSYO」は、辞書等に載録された成語ではないため、これより特定の観念は生じず、引用商標の指定役務との関係において、役務の質等を表示することは想定できないことから、「TOSYO」は、自他役務の識別標識としての機能を有するといえる。
これに対し、本願商標の構成中の円形図形は、一見して何を表すものであるか看取することは困難であり、直ちに特定の観念及び称呼が生じるとは認めることはできない。
そうすると、本願商標は、これを構成する円形図形と「TOSYO」のそれぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとは認められず、各構成要素それぞれが、自他役務の識別標識として機能を有するものであり、本願商標は、引用商標との類否を判断するに当たって、本願商標の構成中、「TOSYO」が、取引者、需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえるから、これを本願商標の要部として抽出し、この部分のみを引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、本願商標は、その構成中の「TOSYO」に相応して「トウショウ」又は「トショ」の称呼が生じ、これよりは特定の観念は生じない。
2 引用商標
引用商標は、「TOSHO」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字に相応して「トウショウ」又は「トショ」の称呼が生じ、「TOSHO」の欧文字は、辞書等に載録された成語ではないため、これより特定の観念は生じない。
3 本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標とを比較すると、両商標は、全体の外観において、円形図形の有無において相違し、本願商標の要部と引用商標との比較においても、「TOSYO」の4文字目の欧文字「Y」と「TOSHO」の4文字目の「H」の差異、「TOSYO」の「Y」の上部の赤丸の差異を有するものであり、いずれも欧文字5文字という短い構成においては、外観上、その印象は著しく相違し、判然と区別できるものである。
称呼においては、本願商標及び引用商標からは、いずれも「トウショウ」又は「トショ」の称呼が生じることから、称呼が共通する場合がある。
観念においては、いずれも特定の観念は生じないものであるから、比較できない。
そして、本願及び引用商標の指定役務において、取引者、需要者が専ら商標の称呼のみによって商標を識別し、役務の出所が判別される実情があることを認めるに足りる証拠はない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、称呼において共通する場合があるとしても、観念において比較し得ず、外観において明確に区別できるものであり、両商標の称呼の類似性が、外観の相違を凌駕するとはいえないから、これらを総合して考察すると、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
4 まとめ
以上のとおり、本願の指定役務は、引用商標の指定役務と類似のものであるとしても、本願商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

別掲(本願商標。色彩は原本参照。)



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審決日 2024-06-18 
出願番号 2022011678 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W4042)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 板谷 玲子
特許庁審判官 馬場 秀敏
岩谷 禎枝
商標の称呼 トーショー、トショ 
代理人 弁理士法人井澤国際特許事務所 

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