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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W33
管理番号 1412356 
総通号数 31 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2024-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-02-02 
確定日 2024-06-20 
事件の表示 商願2021−161331拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和3年12月24日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 5月17日付け:拒絶理由通知書
令和4年 8月 8日 :意見書の提出
令和4年11月22日付け:拒絶査定
令和5年 2月 2日 :審判請求書及び手続補正書の提出
令和6年 1月24日付け:審尋

2 本願商標
本願商標は、「SAKE TEA」の文字を標準文字で表してなり、願書に記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものであり、指定商品については、前記1の当審における手続補正書において、第33類「茶を含む中国酒,茶を含む洋酒,茶を含む果実酒,茶を含む酎ハイ,茶を含む清酒,茶を含む焼酎,茶を含む合成清酒,茶を含む白酒,茶を含む直し酒,酒と茶を含むみりん,茶を含む薬味酒」と補正されたものである。

3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「SAKE TEA」の文字を標準文字で表してなるところ、「SAKE」の文字は「日本酒,清酒」を、「TEA」の文字は「茶の葉。紅茶。」等の意味をそれぞれ有する語である。そして、本願の指定商品を取り扱う業界において、「日本酒・清酒と茶をブレンドした商品」や「茶を日本酒で抽出した商品」等が取引されている実情があることから、本願商標をその指定商品に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、「日本酒・清酒と茶をブレンドした商品」や「茶を日本酒で抽出した商品」等であることを理解するにとどまり、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標を「清酒」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。

4 当審における審尋
当審において、前記1の審尋により、別掲1及び別掲2に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。

5 審尋に対する請求人の回答
請求人は、前記4の審尋に対し、指定した期間内に何ら意見を述べていない。

6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「SAKE TEA」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は「SAKE」の文字と「TEA」の文字を一連に表したものと容易に看取される。
そして、その構成中、「SAKE」の文字は「1 原因、理由、利益、2 日本酒、清酒」(「ランダムハウス英和辞典第2版」株式会社小学館)、「1 動機、ため、利益、2 日本酒語源」(「プログレッシブ英和中辞典 第5版」株式会社小学館)の意味を有する語であり、「TEA」の文字は「(乾燥・加工した)茶の葉。Green(black) tea緑茶(紅茶)。」(「ランダムハウス英和辞典第2版」株式会社小学館)、「紅茶。(一般に飲料用の)お茶。(紅)茶の葉。」(「プログレッシブ英和中辞典 第5版」株式会社小学館)の意味を有する語として知られている。
ところで、本願の指定商品との関係において、飲料を取り扱う分野では、日本酒とその他の素材を合わせた飲料が「SAKE○○」(○○は、その他の素材)のように指称されている事実がうかがえ(別掲1)、また、日本酒と茶若しくは紅茶を合わせた飲料が「SAKE TEA」のように指称されている事実も少なからず存在している(別掲2)。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用したときには、これに接する取引者、需要者は、本願商標の構成中の「SAKE」の文字から「日本酒」の意味合いを認識し得るというのが自然であり、その構成文字全体からは「日本酒と茶を合わせた商品」若しくは「日本酒と紅茶を合わせた商品」という商品の品質を認識、理解するというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「日本酒と茶を合わせた商品」若しくは「日本酒と紅茶を合わせた商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)商標法第3条第2項の要件を具備するか否かについて
請求人は、「本願商標が、商標法第3条第1項第3号の拒絶理由に該当するとしても、出願人が本願商標を指定商品に使用し続けた結果、需要者が商標「SAKE TEA」を見たときには、その商品が出願人の業務に係る商品であることを認識することができるものになっているため、商標法第3条第2項の規定により例外的に登録されるべきものである。」旨主張する。
しかしながら、出願に係る商標が、商標法第3条第2項の要件を具備し、登録が認められるかどうかは、使用に係る商標、商標の使用開始時期、使用期間及び使用地域、当該商品の取引実績等並びに広告宣伝の方法及び回数等を総合考慮して、出願に係る商標が使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものと認められるかどうかによって決すべきものであるところ、提出された資料は、Google検索において、「SAKE TEA」の文字を検索した際に、請求人関連のウェブページが上位に表示されているとするもののみであり、本願商標を付した商品の販売数量、売上高及び市場シェア並びに広告宣伝等はいずれも確認することができないから、本願商標が指定商品に使用された結果、これに接する需要者に、請求人の取り扱いに係る商品であることを認識されるに至ったものであるということはできない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものとはいえない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、同法第3条第2項の要件を具備するものではないから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

別掲1 本願の指定商品との関係において、飲料を取り扱う分野では、日本酒とその他の素材を合わせた飲料が「SAKE○○」(○○は、その他の素材)のように指称されている事実(下線は、合議体において付与。以下同じ。)
(1)「灘五郷酒造組合」のウェブサイトにおいて、「宮子さんの「冷やし酒」夏の酒蔵回遊」の見出しの下、「・・夏の酒蔵回遊では、大関、白鹿、白鷹、日本盛が、「Sakeサワー(日本酒の炭酸割り)」や日本酒を凍らせ季節のフルーツをのせた「フローズンカクテル」など、各アンテナショップで夏季限定メニューを販売。・・」の記載がある。
http://www.nadagogo.ne.jp/news/index.html?m=89
(2)「ソトコト」のウェブサイトにおいて、「獺祭使用!残暑を乗り切るオリジナルカクテルが誕生!『日本酒・米屋 蔵バル 梅田店』」の見出しの下、「日本酒カクテル」の項に「・SAKEサングリア、・SAKEモヒート」の記載がある。
https://sotokoto-online.jp/news/15369
(3)「圓谷」のウェブサイトにおいて、「日本酒カクテル/SAKE COCKTAIL」の見出しの下、「SAKE サングリア(日本酒+ソーダ+フルーツ)、SAKE モヒート(日本酒+モヒートシロップ+ミント+ソーダ)、SAKE トニック(日本酒+ライム+トニックウォーター)」の記載がある。
http://www.sakebar-marutani.jp/sake-bar/drink-menu.html
(4)「食べログ」のウェブサイトにおいて、「サケマルシェ どへ」の見出しの下、「WORLD SAKE LIST」の項に「世界でも清酒が作られているってご存じでしたか?」の記載があり、「SAKE ORIENTAL COCKTAIL」の項にSAKE TEA SODA(FONIA tea(同HP内、「JAPANESE SAKE LIST」の見出しの下、「FONIA Tea<ORIENTAL>世界の茶葉を発酵したボタニカルSAKE」の記載がある。)+紅茶+ソーダ)、SAKEカシスウーロン(桃花(同HP内、「JAPANESE SAKE LIST」の見出しの下、「小鼓 桃花 素材の味を生かすスッキリとした甘さとキレの良さが特徴!」の記載がある。)+カシスシロップ+ウーロン茶)」の記載がある。
https://tabelog.com/tokyo/A1323/A132305/13247150/dtlmenu/drink/
(5)「鮮魚と日本酒 魚ぽん大蔵 池袋本店」のウェブサイトにおいて、「SAKE COCTAIL」の見出しの下、「・・SAKEティーニ(日本酒+ジン+梅干)/SAKEトニック(日本酒+トニック)・・SAKEカシス(日本酒+カシス+ソーダ)/SAKEドライバー(日本酒+オレンジジュース)」の記載がある。
https://ookuraikebukuro.owst.jp/drinks
(6)「酒BAR Jinsuke」のウェブサイトにおいて、「ドリンクメニュー」の見出しの下、「SAKEサングリア」の項に「たっぷりの果物を日本酒に漬けた、女性に大人気のドリンクです。リンゴ、オレンジ、キウイ、グレープフルーツなどが入っています。」の記載がある。
http://www.beppinya.com/jinsuke/page28.html
(7)「HOT PEPPER グルメ」のウェブサイトにおいて、「日本酒ビストロ 蔵バル 梅田店」の見出しの下、「日本酒カクテル」の項に「SAKEハイボール、SAKE巨峰サワー、SAKEカシス、SAKEレモンサワー、SAKE青りんごサワー、SAKEモスコミュール」の記載がある。
https://www.hotpepper.jp/strJ000981070/drink/
(8)「Rakutenぐるなび」のウェブサイトにおいて、「完全個室 串焼きと馬刺しと海鮮居酒屋 つくらや 新橋総本店」の見出しの下、「SAKE COCKTAIL」の項に「SAKEトニック(日本酒+トニック)、SAKEカシス(日本酒+カシス+ソーダ)、SAKEドライバー(日本酒+オレンジジュース)、SAKE緑茶ハイ(日本酒+緑茶)、SAKEウーロンハイ(日本酒+ウーロン茶)、SAKEレモンサワー(日本酒+レモン+ソーダ)」の記載がある。
https://r.gnavi.co.jp/bb6x3hf40000/menu6/
(9)「いい乃じ」のウェブサイトにおいて、ドリンクメニューに「ハイボール」の見出しの下、「SAKEハイボール 750 ハイボール専用日本酒を使用・・」の記載がある。
https://iinoji.zetton.co.jp/menu/docs/IINOJI_DRINK.pdf
(10)「BODEGA d‘evis」のウェブサイトにおいて、「JAPANESE−SAKE/日本酒」の見出しの下、「SAKE COCKTAIL/日本酒カクテル」の項に「●SAKEハイボール[日本酒、炭酸水、レモン]●SAKEジンジャーハイボール[日本酒、ジンジャー、レモン]・・●SAKEモヒート[日本酒、ミント、トニック]・・」の記載がある。
https://bodegadevis.com/drink.html

別掲2 本願の指定商品との関係において、飲料に関する分野では、日本酒と茶若しくは紅茶を合わせた飲料が「SAKE TEA」のように指称されている事実
(1)「RiCE.press」のウェブサイトにおいて、「茶でも一杯 千葉麻里絵×丸若裕俊「一人でお茶と向き合う贅沢な時間」」の見出しの下、「・・5月にリニューアルオープンした[GEN GEN AN]でも提供されている、日本酒と茶葉を掛け合わせた“SAKE TEA”。普段から交流があるというお二人のコラボレーションによって生まれたこの新カテゴリー誕生までの道のりからそこに込められた想いまでを語っていただいた。・・」の記載がある。
https://www.rice.press/drink/6767
(2)「Harumari TOKYO」のウェブサイトにおいて、「幻幻庵」の見出しの下、「・・全国生産1%未満の希少茶や、玉緑茶やほうじ茶、釜炒り茶などの日本茶はもちろん、高発酵の烏龍茶葉を焙じた紅ほうじ茶なども揃う。夜には日本酒で茶葉を抽出した「SAKE TEA」というお酒も楽しめる。」の記載がある。
https://harumari.tokyo/spot/686/
(3)「note23」のウェブサイトにおいて、「ケーキ×日本酒!? SAKE TEAの魅力」の見出しの下、「・・SAKE TEAとは、ズバリ「日本酒で煮出した紅茶」の事です。・・」の記載がある。
https://note.com/sakehiroshi/n/ne1b98e4e6251
(4)「All About グルメ」のウェブサイトにおいて、「SAKE TEA」の見出しの下、「紅茶と日本酒で作る簡単バリエーションティーの作り方。」の記載がある。
https://allabout.co.jp/gm/gc/218268/


(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。
審理終結日 2024-04-16 
結審通知日 2024-04-23 
審決日 2024-05-09 
出願番号 2021161331 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W33)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 大森 友子
特許庁審判官 飯田 亜紀
小俣 克巳
商標の称呼 サケティー、サキティー、セークティー、ティー、テイイイエイ 
代理人 山下 隆志 

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