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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項11号一般他人の登録商標 取り消して登録 W25 |
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管理番号 | 1410297 |
総通号数 | 29 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2024-05-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2022-06-03 |
確定日 | 2024-03-05 |
事件の表示 | 商願2020−128329拒絶査定不服審判事件についてした令和5年4月28日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消の判決(令和5年(行ケ)第10063号、令和5年11月30日判決言渡)があったので、更に審理の上、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、「VENTURE」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第18類、第25類及び第28類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、令和2年10月16日に登録出願されたものである。 本願は、令和3年8月24日付けで拒絶理由の通知がされ、同年10月11日に意見書及び手続補正書が提出され、同4年3月7日付けで拒絶査定がされたもので、これに対して、同年6月3日に拒絶査定不服審判の請求書が提出されたものである。 そして、本願の指定商品については、上記手続補正書、及び審決がされた後の令和5年6月22日付け手続補正書にて、最終的に、第25類「被服,作業服,ズボン及びパンツ,帽子,ラッシュガード」に補正されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6434159号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、令和2年7月31日に登録出願、第25類「被服」を指定商品として、同3年8月26日に設定登録され、この商標権は、現に有効に存続しているものである。 3 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、引用商標の構成中「VENTURE」の文字部分を分離抽出し、これと本願商標とが類似する商標であり、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品であるから、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 4 当審の判断 引用商標は、別掲のとおり、中央上部に筆文字風の書体による「遊」の漢字を大きく配し、底辺部にゴシック体風の書体による「VENTURE」の欧文字を配した構成からなる結合商標である。 そして、引用商標の構成中の「遊」の漢字は「あちこちと出歩いてあそぶ」等の意味(「大辞泉第二版」株式会社小学館)を有し、「VENTURE」の欧文字は、「冒険」を意味する英語である「venture」(「リーダーズ英和辞典」株式会社研究社)を大文字で表記したもので、その表音である「ベンチャー」は、一般に用いられる国語辞典(「大辞泉第二版」株式会社小学館)にも載録されている。 そうすると、引用商標の構成中「遊」の文字部分からは、「ゆう」又は「あそ」(び、ぶ)の称呼及び「あちこち出歩いてあそぶ」の観念を生じ、また、「VENTURE」の文字部分からは「ベンチャー」の称呼及び「冒険」の観念を生ずるものである。 さらに、引用商標の各構成部分である「遊」及び「VENTURE」の文字を比較すると、文字の大きさの違いからくる「遊」の文字部分の圧倒的な存在感に加え、書体の違いからくる訴求力の差、全体構成における配置から導かれる主従関係性といった要素を指摘することができ、称呼及び観念において一連一体の文字商標と理解すべき根拠も見いだせない等の事情を考慮すれば、引用商標に接した取引者、需要者は、「遊」の文字部分と「VENTURE」の文字部分を分離して理解・把握し、中心的な構成要素として強い存在感と訴求力を発揮する「遊」の文字部分を略称等として認識し、これを独立した出所識別標識として理解することもあり得ると解される。 他方、「VENTURE」の文字部分は、商標全体の中で存在感が希薄であり、従たる構成部分という印象を拭えず、これに接した取引者、需要者が、「VENTURE」の文字部分に着目し、これを引用商標の略称等として認識するとは考え難い。 以上からすると、本願商標と引用商標との類否判断に当たっては、原則として全体観察が前提であるところ、「VENTURE」の文字部分は、分離観察は可能であるものの、引用商標の要部と認定することはできない。 よって、本願商標と引用商標との類否判断に当たっては、引用商標から「VENTURE」の部分を要部としてこれを抽出し、これを本願商標と対比してその類否を判断することは許されないというべきである。 そうすると、引用商標の構成中「VENTURE」の文字部分を分離抽出し、その上で、本願商標と引用商標とが類似するとした原査定の判断は妥当なものとはいえない。 他に、本願商標と引用商標とが類似するというべき事情は見いだせない。 したがって、本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否について検討するまでもなく、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 引用商標 (この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。 |
審決日 | 2024-02-21 |
出願番号 | 2020128329 |
審決分類 |
T
1
8・
26-
WY
(W25)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
山田 啓之 |
特許庁審判官 |
杉本 克治 青野 紀子 |
商標の称呼 | ベンチャー |
代理人 | 弁理士法人大島・西村・宮永商標特許事務所 |