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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1406961 
総通号数 26 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2024-02-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2023-04-05 
確定日 2024-01-26 
異議申立件数
事件の表示 登録第6666672号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6666672号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6666672号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和4年8月18日に登録出願、第25類「洋服」を指定商品として、同5年1月5日に登録査定され、同月27日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議の申立ての理由に該当するとして引用する登録商標は、以下の1及び2のとおりであり、いずれの商標権も、現に有効に存続しているものである。
1 申立人が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第1370276号商標(以下「11号引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、昭和49年7月16日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同54年1月30日に設定登録され、その後、平成21年3月11日に指定商品を第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とする指定商品の書換登録がされたものである。
2 申立人が、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するとして引用する登録商標は、11号引用商標及び登録第1944578号商標(以下「引用商標」という。)であり、引用商標は、別掲2のとおりの構成よりなり、昭和59年7月25日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同62年4月30日に設定登録され、その後、平成20年2月6日に指定商品を第21類「食器類,ナプキンホルダー及びナプキンリング,ろうそく消し及びろうそく立て,洋服ブラシ」とする指定商品の書換登録がされたものである。
なお、11号引用商標及び引用商標をまとめていう場合は、以下「申立人商標」という。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第16号証を提出した。
以下、証拠の表記に当たっては、「甲第〇号証」を「甲〇」のように省略して記載する。
1 本件商標について
本件商標は、円枠内に欧文字を組み合わせてデザイン化した態様からなるものである。
2 申立人商標の周知著名性について
申立人商標は、その外観から明らかなとおり、「Y」、「S」及び「L」の欧文字を組み合わせてデザインを施してなるものである。
申立人商標は、世界的に広く展開しているブランドである「イヴ・サン・ローラン(Yves Saint Laurent)」の頭文字からなるロゴマーク(以下「ロゴマーク」という。)であり、我が国においても周知若しくは著名である。
申立人商標(ロゴマーク)が周知若しくは著名であることを示す端的な証拠として、まず、特許情報プラットフォーム(J−PlatPat)の「日本国周知・著名商標検索」において、ロゴマークと同一の外観からなる登録商標(引用商標、甲3)が発見されることがあげられる。
また、ロゴマークに係る「イヴ・サン・ローラン」のブランドは、我が国でのオフィシャルサイトによれば、全国で、41の公式ストアが存在し、100を超える化粧品等の販売店・カウンター等が展開されている(甲4、甲5)。
さらには、我が国で発行されている服飾・ファッション系の雑誌において、数多く同ブランドの商品が取り上げられ掲載されている(甲6)。
「Instagrarn」や「Twitter」といったSNSにおける情報発信も活発であり、現に2023年7月3日時点でのフォロワー数も、Instagram「SAINT LAURENT(@ysl)」が1,174万人(甲7)、Instagram「YSL Beauty Official(@yslbeauty)が1,068万人(甲8)、Twitter「YSL Beauty Japan(@YSLBeautyJP)」が10.8万人(甲9)、Twitter「SAINT LAURENT(@ysl)」が418.6万人(甲10)と膨大であることから、その世界的な認知度・著名性が示されているといえる。
また、有名なアーティストやタレント等のSNSにも当該ブランド及び申立人商標が数多く取り上げられている(甲11)。
さらに、動画サイト「Youtube」の「YSL Beauty Official」でも動画が確認できる。
このほかにも、インターネット上には、女優やモデルとして活躍した者が当該ブランドのファッションショーに登場したことに関する情報(甲12)、当該ブランドの製品発表会において多数の有名人がゲストして来場したことを示す記事(甲13)や、世界的に広く発行されているファッション誌「VOGUE」の「VOGUE JAPAN」における紹介記事(甲14)が確認できる。
2023年9月20日から同年12月11日の期間において、国立新美術館において「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」という展示会が行われる予定である(甲15)。
この展示会は、「本展はイヴ・サンローラン美術館パリによる全面協力を得て、没後人本で初めて開催される回顧展です。イヴ・サンローランは40年間の活動を通じて、多様な文化や歴史から刺激を受けながら普遍的なスタイルを提案し続けました。」とあるように、長年にわたってファッション業界をリードして世界的に極めて高い評価を受けているイヴ・サンローランその人の回顧展であり、こうした展示会が当該ブランドの母国であるフランス国を離れ、我が国で行われるということ自体が、当該ブランドがいかに日本国内でも認知されていることを示すものといえる。
なお、申立人商標に係るブランド「イヴ・サン・ローラン」において展開している商品は、化粧品、貴金属類、アクセサリー類、被服、バッグ類及び財布等、極めて広範にわたる(甲16)。
以上のとおり、申立人商標は我が国において広く認知されるに至っているものである。
3 商標法第4条第1項第11号該当性について
11号引用商標は、本件商標との関係で、他人の先願先登録に係る商標であり、11号引用商標の指定商品は、本件商標の指定商品「洋服」を包含する同一又は類似の関係にあるものである。
ここで、本件商標の、円枠の内の部分についてみると、組み合わされたアルファベットが「Y」、「S」及び「L」とも認識することができるものであり、具体的には、「Y」の右側面と「L」の縦ラインが結合して、その間に「S」の文字が配置されているように見て取れるものである。
そうすると、本件商標は、「Y」、「S」及び「L」のアルファベットよりなる11号引用商標と文字構成を同じくし、それ故に同一に称呼され得る商標であるといえるため、本件商標と11号引用商標は、類似の関係にあるといえる。
したがって、本件商標と11号引用商標は、先願先登録に係る他人の登録商標と類似する商標であって、かつ、同一又は類似の商品を指定するものであり、その登録査定時において、11号引用商標との関係で商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 商標法第4条第1項第15号該当性について
上記2のとおり、ブランド「イヴ・サン・ローラン」及びこれに係る申立人商標は、世界的に広く知られるに至って久しい著名な商標である。
そして、当該ブランドが展開する商品は、化粧品、貴金属類、アクセサリー類、被服、バッグ類及びタオル等の日用品のように極めて広範である。
ここで、こうした広範な商品展開は、世界的に著名な他のファッション関連のブランドが展開する商品と比べても特に違和感があるものでなく、むしろ自然である。
こうした、多種多様な商品を展開しており、申立人商標に係る当該ブランド及び申立人商標の周知著名性、並びに、申立人商標と本件商標の文字要素との類似も考慮すれば、本件商標は、申立人商標及び申立人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれが極めて強い商標である。
以上のとおり、本件商標は、申立人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそがある商標であるため、商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審の判断
1 本件商標と申立人商標の類似性及びその程度について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、円輪郭線内に「U」、「S」及び「L」の欧文字のモノグラム(以下「USLモノグラム」という。)を配してなるものであり、USLモノグラムは、これを構成する各欧文字に相応する「ユーエスエル」の称呼が生じるものである。
そして、本件商標の構成中の円輪郭線は、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないため、これよりは、特定の称呼及び観念は生じないものである。
また、本件商標の構成中のUSLモノグラムは、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないため、これよりは、特定の観念は生じないものである。
したがって、本件商標は、その構成中のUSLモノグラムを構成する各欧文字に相応して「ユーエスエル」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。
なお、申立人は、本件商標の構成中のUSLモノグラムは、組み合わされたアルファベットが「Y」、「S」及び「L」とも認識することができる旨主張する。
しかしながら、本件商標の構成中の「USLモノグラム」は、本件商標の看者が、「U」、「S」及び「L」の欧文字のモノグラムと認識すると判断するのが自然である。
したがって、申立人の上記主張は採用できない。
(2)申立人商標について
11号引用商標は、別掲2のとおり「Y」、「S」及び「L」の欧文字のモノグラム(以下「YSLモノグラム」という。)を配してなるものであり、YSLモノグラムは、これを構成する各欧文字に相応する「ワイエスエル」の称呼が生じるものである。
また、YSLモノグラムは、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないため、これよりは、特定の観念は生じないものである。
したがって、11号引用商標は、YSLモノグラムを構成する各欧文字に相応して「ワイエスエル」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。
なお、引用商標は、11号引用商標と構成を同じくするものであるから、11号引用商標と同様に、YSLモノグラムを構成する各欧文字に相応して「ワイエスエル」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。
(3)本件商標と申立人商標の類似性及びその程度について
本件商標と申立人商標を比較すると、両者の外観は、円輪郭線の有無、モノグラムを構成する欧文字やその書体の違いなど明らかな差異を有するものであるから、両者を離隔的に観察しても相紛れるおそれのないものである。
次に、本件商標より生じる「ユーエスエル」の称呼と申立人商標より生じる「ワイエスエル」の称呼を比較すると、両者は語頭部において「ユー」と「ワイ」の音の差異を有し、この差異が比較的短い6音構成よりなる両称呼全体の語調語感に及ぼす影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、これらは、聞き誤るおそれのないものである。
さらに、本件商標と申立人商標は、いずれも特定の観念が生じないものであるから、これらの観念は比較することができない。
そうすると、本件商標と申立人商標は、観念において比較することができないものの、外観において相紛れるおそれがなく、称呼において聞き誤るおそれがないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
その他、本件商標と申立人商標が類似するというべき事情は見いだせない。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標の指定商品と11号引用商標の指定商品は同一又は類似するものであるとしても、本件商標と11号引用商標は非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
仮に、申立人商標が、本件商標の登録出願日前及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識され、申立人商標が独創性を有し、本件商標の指定商品と申立人商標が使用される商品との関連性及び需要者の共通性を考慮したとしても、上記1のとおり、本件商標と申立人商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標であって別異の商標というべきものであるから、本件商標の権利者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして申立人商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも該当するものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、その登録は、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲

別掲1(本件商標)


別掲2(申立人商標)


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異議決定日 2024-01-18 
出願番号 2022095329 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W25)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 豊田 純一
特許庁審判官 杉本 克治
小田 昌子
登録日 2023-01-27 
登録番号 6666672 
権利者 堀田丸正株式会社
商標の称呼 ユウエスエル 
代理人 弁理士法人井上国際特許商標事務所 
代理人 吉澤 大輔 

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