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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W0925
管理番号 1406053 
総通号数 25 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2024-01-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2023-05-22 
確定日 2023-12-28 
異議申立件数
事件の表示 登録第6681094号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6681094号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6681094号商標(以下「本件商標」という。)は、「toddly」の文字を標準文字により表してなり、令和4年10月7日に登録出願、第9類「携帯情報端末用ストラップ,携帯情報端末用保護ケース,スマートフォン用ケース,スマートフォン用ストラップ,スマートフォン用保護フィルム,タブレットコンピューター用ケース」及び第25類「被服,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」を指定商品として、同5年2月22日に登録査定、同年3月15日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議の申立ての理由に該当するとして引用する登録商標及び標章は、以下の1及び2のとおりである。
1 国際登録第1529475号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、2019年3月25日にEUIPOにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2019年9月25日に国際商標登録出願、第8類、第9類、第16類、第21類、第25類及び第28類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、令和3年11月26日に設定登録され、その後、指定商品については、2022年1月7日に国際登録簿に記録された基礎出願又は基礎登録の効力の一部終了を原因とする本権の登録の一部抹消の結果、別掲2のとおりの商品となったものであり、この商標権は、現に有効に存続しているものである。
2 申立人が、同人の取扱いに係る商品「ミニチュア・カー」(以下「申立人使用商品」という。)に使用する標章は、別掲3(以下「引用標章1」という。)及び別掲4(以下「引用標章2」という。)の構成よりなり、申立人が本件商標の登録出願日より前に日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されていると主張するものである。
なお、引用標章1及び引用標章2をまとめていう場合は、以下「引用標章」という。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第19号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第47号証を提出した。
以下、証拠の表記に当たっては、「甲第1号証」を「甲1」のように省略して記載する。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標と引用商標の要部について
本件商標の語尾の「ly」は英語の接尾辞であり(甲2)、単にこれが付される語を形容詞化したり副詞化したりするにすぎず(甲3)、特に意味はなく、「todd」が要部と認識される。
他方、引用商標は、英語で「よちよち歩きの子供。子供服の年齢表示などのために用いられ、大体3〜7歳ぐらいの小児を対象とする。」を意味する「Toddler」を(甲4)、幼児語化及び複数形にしたもので(甲5、甲6)、「ys」は何ら意味を有しない接尾辞と認識され、「Todd」が要部と認識される。
(2)本件商標と引用商標の対比
本件商標と引用商標を対比すると、各々要部である「todd」と「Todd」が抽出され、「todd」と「Todd」は語頭の小文字と大文字の相違にすぎず、外観において同一視され、共に「トッド」の称呼、及び同じ要部を有する英単語の「toddler」を容易に想起させることから「よちよち歩きの子供」といった観念が生じる。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観において同一視でき、称呼及び観念を共通にして、互いに相紛れるおそれのある類似の商標である。
(3)小括
そして、本件商標と引用商標とは、同一又は類似する商品について使用するものであり、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第19号について
(1)引用標章の周知性について
ア 申立人について
申立人は、ドイツのスケールモデル(ミニチュア・カー)メーカーであり、1921年に設立され、1950年から玩具の製造を開始し、「siku」(ジク)のブランド名でフィギュアや動物などのプラスチック製のおもちゃ、1951年からは消防車、レースカー、水陸両用トラック、移動中のバン等のミニチュア・カーの製造販売を開始し、現在では、世界中にその商品を輸出販売している(甲7)。
イ 引用標章に係る商品について
引用標章は、1歳半から遊べる低年齢の子ども向けのミニチュア・カーの新シリーズの商標であり、2020年よりドイツを始めとする欧州各国において使用されており(甲8)、同年には株式会社ボーネルンド(以下「ボーネルンド社」という。)を通じて我が国でも販売されているほか(甲9)、欧州各国、カナダ、チリ、オーストラリア、ニュージーランド、香港、韓国、台湾にも輸出されており、甲第10号証に2020年から2023年6月までの世界各国における年度別販売額を示す。
引用標章の使用は、「Toddys by siku」のロゴに示されるように、世界的に著名な「siku」ブランドの新シリーズとして訴求しており、申立人使用商品及びその関連する需要者の間で周知となっている。
ウ 広告宣伝について
申立人は、公式ウェブサイトにおいて、「Toddys TOWN」として専用のサイトを立ち上げるとともに(甲11)、ディズニーの幼児向けの雑誌やその他のドイツの幼児向け雑誌に紹介記事が掲載され(甲12〜甲17)、雑誌が運営する会員サイトにおいて宣伝を行っているほか(甲18)、フェイスブックやインスタグラム等多数のソーシャルメディアにおいて広告宣伝を行っている(甲19〜甲28)。
また、スペイン、英国等の玩具フェアや商品見本市に参加し(甲29〜甲32)、2020年及び2023年の玩具アワードにおける優秀商品として表彰され(甲33)、2023年の玩具のトレンド商品として表彰されている(甲34)。
さらに、我が国においても、蔦屋書店やメルセデス・ベンツのショールームにおいて展示会を開催しているほか(甲35、甲36)、ボーネルンド社が日本語のオンラインショップを開設し(甲37)、オンライン・リーフレットを掲載している(甲38)。
エ 商標登録について
申立人は、引用標章を欧州において出願・登録し(甲39、甲40)、これを基礎にしてそれぞれ国際登録をしており(甲41、甲42)、オーストラリア、カナダ、スイス、中国、英国、日本、韓国、ノルウェー、ニュージーランド、セルビア、ロシア、シンガポール、タイ、米国において商標登録をし(一部係属中)、さらに、カナダ、ニュージーランド、タイ、オーストラリア、米国、シンガポール、英国、香港において国内登録をしている(甲43〜甲47)。
オ 小括
以上のように、引用標章は1921年創業のドイツの老舗ミニチュア・カー玩具メーカーによる新シリーズ商品の商標として、比較的最近とはいえ、商標登録を確保して、強力に広告宣伝、プロモーション活動を行った結果、少なくともドイツ及び欧州における需要者の間に広く認識されている。
(2)本件商標と引用標章の類似性及び不正の目的について
上記のように、本件商標と引用標章とは、類似の商標であり、2020年から我が国でも販売されていることからすれば、本願商標は引用標章の周知性にあやかり、これに便乗して不正の利益を得る目的が推認される。
(3)よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、「toddly」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、辞書等に掲載のない造語であるところ、特定の意味合いを有しない欧文字にあっては、これを称呼する場合には、我が国において親しまれているローマ字読み又は英語の読みにならって称呼するのが自然であることから、これよりは「トドリー」及び「トッドリー」の称呼を生じ得るというべきであり、当該文字は、辞書等に掲載が認められないから、特定の観念は生じない。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲1のとおり、「Toddys」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字は、辞書等に掲載のない造語であるところ、特定の意味合いを有しない欧文字にあっては、これを称呼する場合には、我が国において親しまれているローマ字読み又は英語の読みにならって称呼するのが自然であることから、これよりは「トディーズ」及び「トッディーズ」の称呼を生じ得るというべきであり、当該文字は、辞書等に掲載が認められないから、特定の観念は生じない。
(3)本件商標と引用商標の類否について
ア 外観について
本件商標及び引用商標は、外観において、上記(1)及び(2)のとおりの構成よりなるところ、本件商標と引用商標とは、語頭から4文字目までの「todd(Todd)」の欧文字を共通にするものの、第5文字目から語尾における「ly」と「ys」の構成文字に差異を有しており、これらの差異が、ともに6文字という比較的短い構成よりなる両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は大きく、これらを離隔的に観察しても、外観上、相紛れるおそれはなく、別異の語であると印象を強く与えるものであるから、外観上、判然と区別し得るものである。
イ 称呼について
本件商標から生じる「トドリー」及び「トッドリー」の称呼と引用商標から生じる「トディーズ」及び「トッディーズ」の称呼とは、音構成が明らかに相違するから、本件商標と引用商標は、称呼上、明瞭に聴別し得るものである。
ウ 観念について
本件商標及び引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、本件商標と引用商標の観念は、比較することができない。
エ 判断
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないものであるとしても、外観及び称呼において、相紛れるおそれのないことが明らかなものであるから、非類似の商標であって、別異のものというのが相当である。
その他、本件商標と引用商標とが類似するというべき特段の事情は見いだせない。
よって、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
なお、申立人は、本件商標及び引用商標の語尾の「ly」、「ys」は英語の接尾辞であり、特に意味はなく、両商標は、「todd」が要部と認識される旨主張する。
しかしながら、本件商標及び引用商標は、いずれも同じ書体、等間隔で構成上まとまりよく一体的に表されているものであり、これを殊更、「todd」と「ly」、「Todd」と「ys」の文字とに分離し、その構成中の「todd(Todd)」の文字のみを抽出し、「トッド」の称呼が生じるものと判断することはできない。
(4)したがって、本件商標と引用商標の指定商品が同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
2 商標法第4条第1項第19号該当性について
(1)引用標章の周知性について
申立人の主張及び同人より提出された証拠によれば、以下のとおりである。
ア 申立人について
申立人は、ドイツのスケールモデル(ミニチュア・カー)メーカーであり、1921年に設立され、1950年から玩具の製造を開始し、「siku」(ジク)のブランド名でフィギュアや動物などのプラスチック製のおもちゃ、1951年からは消防車、レースカー、水陸両用トラック、移動中のバン等のミニチュア・カーの製造販売を開始し、現在では、世界中にその商品を輸出販売している(甲7、申立人の主張)。
しかし、その事実を具体的に裏付ける証拠の提出はない。
イ 引用標章に係る商品について
(ア)引用標章は、1歳半から遊べる低年齢の子ども向けのミニチュア・カーの新シリーズの商標であり、2020年よりドイツを始めとする欧州各国において使用されている(甲8、申立人の主張)。
しかし、申立人が提出した上記事実を証する書面は不鮮明であり、その内容を確認することができない。
(イ)申立人は、2020年にはボーネルンド社を通じて我が国でも申立人商品を販売している(甲9)ほか、欧州各国、カナダ、チリ、オーストラリア、ニュージーランド、香港、韓国、台湾にも、当該商品が輸出されている旨主張している。
しかし、申立人がその証拠として提出した、2020年から2023年6月までの世界各国における年度別販売額(甲10)を客観的に裏付ける証拠の提出はない。
ウ 広告宣伝について
(ア)申立人は、公式ウェブサイトにおいて、「Toddys TOWN」として専用のサイトを立ち上げるとともに(甲11)、ディズニーの幼児向けの雑誌やその他のドイツの幼児向け雑誌に紹介記事が掲載され(甲12〜甲17)、雑誌が運営する会員サイトにおいて宣伝を行っているほか(甲18)、フェイスブックやインスタグラム等多数のソーシャルメディアにおいて広告宣伝を行っている(甲19〜甲28)。
しかし、上記証拠中の、「Toddys TOWN」のサイト(甲11)は、本件商標の登録査定後に打ち出された資料であり、また、幼児向けの雑誌等(甲12〜甲28)は、外国語で作成されているにもかかわらず、その訳文の提出はないから詳細な内容は不明である。
(イ)申立人は、スペイン、英国等の玩具フェアや商品見本市に参加し(甲29〜甲32)、その結果、2020年及び2023年の玩具アワードにおける優秀商品として表彰され(甲33)、2023年の玩具のトレンド商品として表彰されている(甲34)旨主張している。
しかし、玩具フェアや商品見本市の写真は、その撮影日、撮影場所等が不明であり、また、玩具アワードや玩具のトレンド商品の表彰にしても、それが引用標章の周知性の判断にどのような影響を与えるのかは明らかでない。
(ウ)申立人は、我が国においても蔦屋書店やメルセデス・ベンツのショールームにおいて展示会を開催しているほか、ボーネルンド社が日本語のオンラインショップを開設し、オンライン・リーフレットを掲載しているとして、展示会の写真、オンラインショップ及びオンライン・リーフレットのプリントアウトを提出しているが(甲35〜甲38)、当該写真の撮影日、撮影場所やオンラインショップの開設日、オンライン・リーフレットの作成日等は不明である。
エ 商標登録について
申立人は、引用標章を欧州において出願・登録し(甲39、甲40)、これを基礎にしてそれぞれ国際登録をしており(甲41、び甲42)、我が国並びにオーストラリア、カナダ、スイス、中国、英国、韓国、ノルウェー、ニュージーランド、セルビア、ロシア、シンガポール、タイ、米国において商標登録をし(一部係属中)、さらに、カナダ、ニュージーランド、タイ、オーストラリア、米国、シンガポール、英国、香港において国内登録をしている(甲43〜甲47)。
しかし、各国に商標登録をしているとしても、当該事実は、引用標章の周知性を直接的に裏付けるものではない。
オ 小括
以上を踏まえると、引用標章は、本件商標の登録出願の時及び登録査定時において、申立人使用商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないものである。
(2)また、本件商標と引用商標とは、上記1(3)エのとおり、外観及び称呼が相違する別異の商標であって、引用商標とつづりを同じくする引用標章1及び引用標章2(決定注:引用標章2の第2文字目が図案化されているものの、欧文字「O」を表したものと理解できる。)もまた、非類似の商標といえるから、本件商標と引用標章は、その類似性も低いものである。
(3)そして、商標法第4条第1項第19号は、「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもつて使用をするもの(前各号に掲げるものを除く。)」と規定されているところ、上記のとおり、引用標章は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができないものである。
そうすると、引用標章が我が国及び外国の需要者の間に広く認識されていたことを前提に、本件商標は不正の目的をもって使用をするものであるとする申立人の主張は、その前提を欠くものである。
また、申立人提出の証拠によっては、本件商標権者が我が国及び外国において不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用をするものと認めるに足りる具体的事実を見いだすことはできない。
(4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第19号のいずれにも該当するものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
別掲1(引用商標)


別掲2(引用商標の指定商品)
第8類「Table cutlery (knives, forks and spoons).」
第9類「Apparatus and instruments for scientific research in laboratories; surveying, photographic, cinematographic, optical and weighing apparatus and instruments; measuring apparatus; luminous or mechanical signals; life-saving apparatus and equipment; teaching apparatus.」
第16類「Paper and cardboard; printed matter; stationery and office requisites; teaching materials [except apparatus]; decorations for pencils, paper party decorations, tablemats of paper; table cloths of paper; wall decorations of paper, decorations of paper for foodstuffs; stickers [stationery]; pens.」
第25類「Clothing, footwear, headgear, all goods only for children.」
第28類「Games, toys and playthings for children, including toy household or kitchen utensils and containers, cooking pot sets and tableware, glassware, porcelain and earthenware; none being toy coffee makers, toy coffee pots, toy tea pots, toy coffee and tea cups; video game apparatus, gymnastic and sporting articles.」

別掲3(引用標章1)


別掲4(引用標章2。色彩は原本参照)



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異議決定日 2023-12-21 
出願番号 2022115405 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W0925)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 鈴木 雅也
特許庁審判官 杉本 克治
山田 啓之
登録日 2023-03-15 
登録番号 6681094 
権利者 中原 翔太
商標の称呼 トッドリー、タッドリー 
代理人 恩田 誠 
代理人 恩田 博宣 

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