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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W33
管理番号 1406052 
総通号数 25 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2024-01-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2023-05-22 
確定日 2024-01-05 
異議申立件数
事件の表示 登録第6680195号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6680195号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6680195号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、令和4年10月19日に登録出願、第33類「スパークリングワイン」を指定商品として、同5年3月2日に登録査定され、同月13日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第314073号商標(決定注:申立書記載の国際登録番号は誤記と認めた。)(以下「引用商標」という。)は、「DIAMANT BLEU」の欧文字を横書きしてなり、2020年(令和2年)2月21日に国際商標登録出願(事後指定)、第33類「Sparkling wines and Champagne wines.」(参考訳:発泡性ぶどう酒及びシャンパーニュ産のぶどう酒)を指定商品として、令和4年1月14日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 特許庁の審査基準では、結合商標の称呼、観念の認定及び類否判断に関して、「結合商標は、商標の各構成部分の結合の強弱の程度を考慮し、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど強く結合しているものと認められない場合には、その一部だけから称呼、観念が生じ得る」とされている。
イ 本件商標は上部に図形を配し、下部に3段書で記載された「DIAMOND BLENDED\ダイヤモンド ブレンデッド スパークリングワイン\SPARKLING WINE」の文字要素を組み合わせた態様からなる商標である。商標中の図形要素と文字要素は、各構成部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど強く結合しているものとは言えない。また、文字要素中の「スパークリングワイン\SPARKLING WINE」の要素は単に商品の内容を示したに過ぎないと捉えられるものであることから、分離観察により、本件商標中の「DIAMOND BLENDED\ダイヤモンド ブレンデッド」の要素のみからも称呼、観念が生じるものと考えることが自然である。
以上の事実を踏まえて、本件商標と引用商標を対比する。
(2)本件商標と引用商標について
ア 商標の類否は、「対比される両商標が同一または類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかもその商品の取引の実情を明らかにしうるかぎり、その具体的取引状況に基づいて判断すべきである」(最高裁昭和43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)とされている。
そこで、本件商標と引用商標について、外観・観念・称呼上の差異を比較し、両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かを検討する。
イ 本件商標は、以上に述べたとおり、取引において商標を構成する「DIAMOND BLENDED\ダイヤモンド ブレンデッド」のみが分離観察されることもあると考えられる。また、このうち「BLENDED\ブレンデッド」は、「〈茶・たばこ・酒など〉混合した,ブレンドした」といった意味合いを有する平易な英単語であって、本件商標と引用商標において共通する「スパークリングワイン」等が取り扱われる業界において、極めて頻繁に採択される言葉であることから、非常に識別力の弱い要素であると言える。そのため、「DIAMOND BLENDED\ダイヤモンド ブレンデッド」において、強く自他商品識別標識としての機能を果たすと判断される要素は、「DIAMOND\ダイヤモンド」の部分であると考えることが自然である。
一方、引用商標は、アルファベット文字の「DIAMANT BLEU」から態様される商標であって、「DIAMANT」は「ダイヤモンド」、「BLEU」は「青色」の意味合いを有するフランス語である。引用商標において、「BLEU」は単に色彩を示す識別力の弱い要素であると言えることから、強く自他商品識別標識としての機能を果たすと判断される要素は、「DIAMANT」の部分であると考えることが自然である。
ゆえに、本件商標中の「DIAMOND BLENDED\ダイヤモンド ブレンデッド」と引用商標「DIAMANT BLEU」において、要部と認識される要素である「DIAMOND\ダイヤモンド」と「DIAMANT」は観念が同一であって、外観及び称呼においても極めて近似した印象を与える商標であると言える。
また、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品と抵触する。
ウ 上述のとおり、本件商標と引用商標とは、その要部と認識されうる「DIAMOND\ダイヤモンド」と「DIAMANT」は観念が同一であって、外観及び称呼においても極めて近似した印象を与える商標であり、かつ本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは類似することを鑑みれば、本件商標と引用商標が、抵触する商品に使用された場合において、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあることは明らかである。
(3)むすび
以上のとおりであるから、本件商標と引用商標とは、その要部において、外観・観念・称呼が共通する類似の商標である。また、本件商標に係る指定商品と引用商標に係る指定商品は類似する。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断
(1)本件商標
本件商標は、別掲のとおり、多数のダイヤモンドらしき幾何図形をを白抜きしたオレンジ色、黄色、緑色のグラデーションで表された正方形状の図形(以下「本件図形部分」という。)と灰色の横長長方形の上部に同様のグラデーションで表された「DIAMOND BLENDED」「ダイヤモンド ブレンデッド スパークリングワイン」及び「SPARKLING WINE」の文字を3段に配した構成からなるものである。
そして、それらの文字は、「DIAMOND BLENDED」及び「SPARKLING WINE」の欧文字が大きく表され、両文字の間に「ダイヤモンド ブレンデッド スパークリングワイン」の片仮名が小さく表されている。
ところで、「ダイヤモンド ブレンデッド スパークリングワイン」の片仮名は、上段及び下段の「DIAMOND BLENDED」及び「SPARKLING WINE」の読みを表したものと容易に理解されるから、単に当該欧文字に読みとして付加された文字に過ぎない。
そうすると、本件商標は、かかる構成態様から、本件図形部分並びに大きな文字で表された「DIAMOND BLENDED」及び「SPARKLING WINE」の文字(以下「本件文字部分」という。)が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当である。
さらに、本件文字部分についてみると、「SPARKLING WINE」の文字は、本件商標の指定商品の普通名称を英語で表したものであり、商品の普通名称又は品質を表したものと認識されるものであって、該文字から出所識別標識としての称呼、観念が生じないものと判断するのが相当であるから、本件商標は、「DIAMOND BLENDED」の文字部分を分離抽出し他の商標と比較検討することが許されるというべきである。
したがって、本件商標は、その構成中の全文字及び本件文字部分に相応し「ダイヤモンドブレンデッドスパークリングワイン」の称呼を生じるほか、「DIAMOND BLENDED」の文字に相応し「ダイヤモンドブレンデッド」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
(2)引用商標
引用商標は、上記2のとおり「DIAMANT BLEU」の欧文字を横書きしてなり、該文字に相応し「ディアマンブルー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
(3)本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標の類否を検討すると、外観において、両者は上記のとおりであるから、構成態様が明らかに異なり、相紛れるおそれのないものである。また、前者の構成中の文字「DIAMOND BLENDED」と後者の構成文字「DIAMANT BLEU」の比較においても、両者は後半部における「BLENDED」と「BLEU」の文字の差異などにより、相紛れるおそれのないものとみるのが相当である。
次に、本件商標から生じる「ダイヤモンドブレンデッドスパークリングワイン」及び「ダイヤモンドブレンデッド」の称呼と引用商標から生じる「ディアマンブルー」の称呼を比較すると、両者は構成音数、語調語感が明らかに異なり聞き誤るおそれのないものである。
さらに、観念においては、両商標は共に特定の観念を生じないものであるから比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼において相紛れるおそれがなく、観念において比較できないものであるから、両者の外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
その他、本件商標と引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。
(4)申立人の主張について
申立人は、本件商標はその構成中「DIAMOND BLENDED\ダイヤモンド ブレンデッド」が分離観察され、さらに「BLENDED\ブレンデッド」は非常に識別力が弱いので、「DIAMOND\ダイヤモンド」の部分が自他商品識別標識としての機能を果たし、また、引用商標はその構成中「BLEU」が単に色彩を示す識別力が弱い要素であるので、「DIAMANT」の部分が自他商品識別標識としての機能を果たすとして、両商標は類似する旨主張している。
しかしながら、本件商標の構成中、「BLENDED」の文字が単独では識別力が弱いといえるとしても、「DIAMOND BLENDED」の文字部分は同書同大でまとまりよく一体的に表され、これから生じる「ダイヤモンドブレンデッド」の称呼は無理なく一連に称呼し得るものであるから、本件商標に接する取引者、需要者をして、「DIAMOND BLENDED」の構成文字全体が一体不可分のものとして認識、把握させるものと判断するのが相当である。さらに、本件商標は、その構成中「DIAMOND」の文字部分を分離抽出し他の商標と比較検討することが許されるというべき事情は見いだせない。
また、引用商標は、「BLEU」の文字は「青い」などの意味を有する仏語であるが、指定商品の品質等を表すものでもなく、引用商標の構成文字「DIAMANT BLEU」は同書同大でまとまりよく一体的に表され、これから生じる「ディアマンブルー」の称呼は無理なく一連に称呼し得るものであるから、引用商標に接する取引者、需要者をして、これをその構成文字全体が一体不可分のものとして認識、把握させるものと判断するのが相当である。さらに、引用商標は、その構成中「DIAMANT」の文字部分を分離抽出し他の商標と比較検討すべきとする事情は見いだせない。
したがって、申立人のかかる主張は、その前提において採用できない。
(5)小括
以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両商標の指定商品が同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。
(6)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲

別掲 本件商標(色彩は、原本参照。)



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異議決定日 2023-12-21 
出願番号 2022120062 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W33)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 大森 友子
特許庁審判官 小俣 克巳
飯田 亜紀
登録日 2023-03-13 
登録番号 6680195 
権利者 株式会社スマイル
商標の称呼 ダイヤモンドブレンデッドスパークリングワイン、ダイアモンドブレンデッドスパークリングワイン、ダイヤモンドブレンデッド、ダイアモンドブレンデッド 
代理人 外川 奈美 
代理人 青木 篤 
代理人 遠山 良樹 

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