• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W12
管理番号 1406048 
総通号数 25 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2024-01-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2023-04-27 
確定日 2023-12-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第6672709号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6672709号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6672709号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和4年10月6日に登録出願、第12類「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,三輪車並びにその部品及び附属品」を指定商品として、同5年2月10日に登録査定、同月16日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、以下の(1)及び(2)のとおりである。
(1)国際登録第889954号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、2005年11月8日にItalyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2006年1月16日に国際商標登録出願、第11類「Lighting equipment for vehicles, lighting lamps, vehicle lamps, direction indicators lamps, electric bulbs, lamps reflectors, safety lamps, projector lamps, vehicles ceiling lamps.」及び第12類「Steering gear assemblies for vehicles.」を指定商品として、平成20年8月22日に設定登録され、現に有効に存続している。
(2)国際登録第1650264号商標(以下「引用商標2」という。)は、「COBO」の欧文字を書してなり、第7類、第9類、第11類、第12類、第37類ないし第39類、第42類及び第44類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2021年9月15日に国際商標登録出願されたものである。
なお、引用商標1及び引用商標2をまとめていう場合は、以下、「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証(枝番号を含む。)を提出した。
なお、証拠の記載については、以下、「甲第1号証」を「甲1」のように省略して記載する場合があり、枝番号の全てを示すときは、枝番号を省略する。
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人は、1949年にイタリアで設立された、車両等に使用される電気部品、機械部品、電子部品、計器クラスタ、ワイヤリングハーネス、接続デバイス、パワーエレクトロニクス等に関するソリューションの設計、製造、供給を主な事業とする企業であり、当該分野における世界的リーダーである(甲6)。
申立人は、その設立当初から、自動車用照明器具に関する技術に定評があり、自動車用ライトのロービームからハイビームへの切り替えのためにそれまで使用されていた機械式ケーブルを、より正確で機能的な電気制御式に置き換えることに成功し、現在、自社技術の開発並びにイタリア及びその他の国における企業買収等により、自動車用の電気・機械・電子部品等に加えて、農業機械、建設機械、産業用車両、資材運搬車や高所作業車等のオフ−ハイウェイ車両機械(以下「申立人製品」という。)の市場にまで、その事業領域を広げている(甲7)。
申立人は、世界各国で開催される国際的な見本市に定期的に出展しており(甲8)、2022年にイタリアのボローニャで開催された国際的な農業・園芸機械関連の見本市では、申立人が出展した「トラクター等のための座席(ADAPTIVE CONFORM SEAT)」及び「機器用のキーレスシステム(KEYLESS SYSTEM)」が、それぞれ受賞をしている(甲9)。
また、申立人は、1990年代から積極的に海外展開を進め、現在、北米、中南米、ドイツ、フランス、中国、東南アジア、オセアニア、インド等の世界各国において関連会社及び/又は支店を有しており(甲6)、我が国に参入するために、我が国の産業用車両等の分野における実務経験に基づくコンサルティングサービスを提供するK氏との間で、2019年から事業コンサルティング契約を締結し(甲10、甲11)、2020年から井関農機、クボタ、日本キャタピラーといった農業機械や土木機械等の分野における我が国の主要メーカーに対して申立人製品を販売している(甲12)。
さらに、申立人は、イタリアや我が国のみならず世界各国において、「COBO」の欧文字からなる又は「COBO」の欧文字を要部とする商標について登録を取得することにより、「COBO」ブランドの保護を図っている(甲2〜甲5)。
イ 以上の事実を考慮すると、申立人の商号の要部である商標「COBO」は、主に車両用の電気部品、機械部品、電子部品等との関係において、少なくとも本件商標の登録出願日から現在に至るまで、イタリアを始め、我が国を含む世界各国において、関連する取引者・需要者の間において周知著名であったと考えるのが妥当といえる。
(2)商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び/又は同項第15号該当性について
本件商標は、「COBOO」の欧文字と、コブラをモチーフとした図形要素(以下「本件図形部分」という。)を結合させた構成態様よりなるため、本件商標については、「COBOO」の欧文字も商標の要部として独立して認識され得る。
そうとすると、本件商標の要部として認識され得る「COBOO」の欧文字と「COBO」の欧文字からなる又は「COBO」の欧文字を要部とする引用商標との相違は、語尾の欧文字「O」の有無のみにすぎないから、両商標は、それら外観の全体的印象において極めて似通った印象を有する相互に類似する商標として、我が国の取引者、需要者により把握・認識されると考えるのが相当である。
また、仮に本件商標と引用商標が類似関係にない場合でも、両商標がそれら外観の全体的印象において極めて似通った印象を有することは明らかであるから、本件商標の指定商品中、第12類「自動車並びにその部品及び附属品」等との関係において、「COBOO」の欧文字を要部とする本件商標に接する我が国の取引者・需要者は、本件商標に係る商品が、少なくとも本件商標の登録出願時から継続して周知著名な申立人の商号の要部である「COBO」ブランドの商品であるかのごとく商品の出所について混同するおそれがあるか、あるいは、申立人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であると誤認した結果、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるといわざるを得ない。
そして、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある本件商標の登録を認めることが、商標の使用をする者の業務上の信用を維持し、需要者の利益を保護することを目的とする商標法の趣旨に反することはいうまでもない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び/又は同項第15号の規定に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第19号及び同項第7号該当性について
引用商標は、本件商標の登録出願時点において、主に車両用の電気部品・機械部品・電子部品等との関係で、少なくとも本国イタリアにおいて周知著名となっていたことは明らかであり、また、本件商標と引用商標は、それら外観の全体的印象において極めて似通った印象を有する相互に類似する商標として把握・認識されると考えるのが妥当である。
そうすると、本件商標の指定商品中、第12類「自動車並びにその部品及び附属品」等との関係において、「COBOO」の欧文字を要部とする本件商標が、たまたま偶然に採択されたとは考え難いため、本件商標は、不正の目的をもって使用されるものといわざるを得ない。
また、世界的な周知著名性に基づく顧客吸引力という財産的価値を有する引用商標と類似する本件商標を自己の商標として採択使用することは商道徳に反する。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号及び同項第7号の規定に違反して登録されたものである。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知・著名性について
申立人の主張及び提出された証拠(決定注:外国語で作成されたものについては、いずれも訳文の添付がない。)によれば、申立人のウェブサイトには、左上部に「COBO」の欧文字及びその左右両側に引用商標1における図形部分が配された表示(別掲3。以下「申立人使用商標」という。)があり、申立人の業務や歴史等について紹介されているものの(甲6〜甲8)、当該ウェブサイト上では引用商標1を使用しているとはいえない。
2022年にイタリアのボローニャで開催された国際的な農業・園芸機械関連の見本市では、申立人使用商標が表示された「ADAPTIVE CONFORM SEAT」及び引用商標1の図形部分のみが表示された「KEYLESS SYSTEM」が、それぞれ受賞している(甲9)。
また、申立人は、我が国において、K氏との間で、2019年から事業コンサルティング契約を締結し(甲10、甲11)、2020年から井関農機、クボタ、日本キャタピラー等に対して申立人製品を販売している(甲12)とするが、我が国における申立人製品への引用商標の使用について、確認することができない。
さらに、引用商標に係る商品に関する我が国及び外国における市場シェア、売上高、広告の頒布範囲・回数・金額等の客観的な証拠の提出がない。
そうすると、申立人の提出に係る証拠からは、引用商標が申立人製品について使用する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国及び外国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとは認めることができないというべきである。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性及び本件商標が同法第8条第1項の規定に違反して登録されたかについて
申立人は、引用商標を挙げ、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する旨を主張しているが、引用商標2は本件商標の登録査定日において設定登録されていないものであるから、当審は、本件商標と引用商標2との関係における申立人の主張は、同法第8条第1項の規定に違反して登録された旨の主張と判断し、以下検討する。
ア 本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、コブラをモチーフにした本件図形部分と、その上部に当該図形の湾曲に合わせて「COBOO」の欧文字を配してなるところ、本件図形部分と当該欧文字部分は、視覚的に分離して看取されるというべきであるから、当該欧文字部分よりは、英語風読みの「コブー」の称呼又はローマ字読みの「コボオ」の称呼を生じるといえる。
また、当該欧文字部分は、辞書等に載録が認められないから、特定の観念は生じない。
イ 引用商標について
引用商標1は、別掲2のとおり、「COBO」の欧文字とその中央上部に太い円の輪郭線内の中央に2つの円を一部重なるように表した図形からなるところ、当該図形部分と欧文字部分は、視覚的に分離して看取されるというべきである。
そうすると、引用商標1は、その欧文字部分より、「コボ」の称呼を生じ、当該欧文字部分は、辞書等に載録が認められないから、特定の観念は生じない。
また、引用商標2は、「COBO」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して、「コボ」の称呼を生じ、当該欧文字は、辞書等に載録が認められないから、特定の観念は生じない。
ウ 本件商標と引用商標の対比について
本件商標と引用商標1は、その構成中の欧文字部分において「COBO」の欧文字が共通にするとしても、両商標は、語尾における「O」の欧文字の有無に差異を有し、5文字と4文字の短い文字構成における当該差異が全体に及ぼす影響が大きく、外観において相紛れるおそれがないというべきである。
また、本件商標と引用商標1の図形とは明らかな差異を有するから、本件商標と引用商標1は、外観において相紛れるおそれはない。
さらに、本件商標と引用商標2は、その構成中の欧文字部分において「COBO」の欧文字が共通にするとしても、両商標は、語尾における「O」の欧文字の有無及び図形の有無に差異を有し、当該欧文字部分においては5文字と4文字の短い文字構成における当該差異が全体に及ぼす影響が大きく、外観において相紛れるおそれがないというべきである。
そして、本件商標から生じる「コブー」の称呼と引用商標から生じる「コボ」の称呼は、語頭部の「コ」の音を共通とし、語尾部の「ブー」の音と「ボ」の音の差異を有するところ、短い3音と2音の音構成にあっては、その差異音が全体の称呼に大きく影響し、両者を一連に称呼しても、語調、語感が相違し、聞き誤るおそれはないというべきである。
また、本件商標から生じる「コボオ」と引用商標から生じる「コボ」の称呼は、語尾における「オ」の音の有無に差異を有するところ、短い3音と2音の音構成にあっては、その差異音が全体の称呼に大きく影響し、両者を一連に称呼しても、語調、語感が相違し、聞き誤るおそれはないというべきである。
さらに、観念について、本件商標及び引用商標からは、いずれも特定の観念が生じないから、両商標は観念において比較することができない。
以上からすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれがないから、両商標の外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合的して考察すれば、両商標は相紛れるおそれがない非類似の商標というのが相当である。
エ したがって、本件商標と引用商標1は、非類似の商標であるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品が同一又は類似するものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
また、本件商標と引用商標2とは、非類似の商標であるから、両商標の指定商品及び指定役務が同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第8条第1項に違反して登録されたものとはいえない。
(3)商標法第4条第1項第10号該当性について
引用商標は、上記(2)のとおり、本件商標とは非類似の商標である。
また、引用商標は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の周知性について
引用商標は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に広く知られているとはいえない。
イ 本件商標と引用商標の類似性の程度について
本件商標と引用商標とは、上記(2)のとおり、類似するものとはいえない別異のものであるから、本件商標と引用商標との類似性の程度は低いといえる。
ウ 出所の混同のおそれについて
上記ア及びイからすると、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることができない。
また、本件商標と引用商標とは、類似性の程度は低いものである。
そうすると、本件商標権者が本件商標をその指定商品について使用をした場合、これに接する取引者、需要者が、引用商標を連想、想起し、申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品及び役務であると誤認し、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
エ 小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(5)商標法第4条第1項第19号該当性について
本件商標は、上記(2)のとおり、引用商標とは、非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号を適用するための要件を欠くものといわざるを得ない。
また、申立人が提出した証拠からは、本件商標権者が本件商標を不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用するものと認めるに足りる具体的事実は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(6)商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標と引用商標は、非類似であり、かつ、申立人が提出した証拠を総合してみても、本件商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものと認めるに足りる具体的事実を見いだすことができない。
また、社会の一般的道徳観念に反するなど、公序良俗に反するものというべき証左も見あたらない。
さらに、本件商標は、他の法律によって、その商標の使用等が禁止されているものではないし、特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反するものでもない。
してみると、本件商標は、その登録を維持することが商標法の予定する秩序に反し、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標に該当するとまではいえないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(7)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するとはいえず、その登録は、同項及び同法第8条第1項の規定に違反してされたものとはいえないものであり、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標1)


別掲3(申立人使用商標)


(この書面において著作物の複製をしている場合の御注意)
本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。
異議決定日 2023-12-13 
出願番号 2022114939 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (W12)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 山田 啓之
特許庁審判官 鈴木 雅也
杉本 克治
登録日 2023-02-16 
登録番号 6672709 
権利者 株式会社COBOO
商標の称呼 コブー 
代理人 大橋 啓輔 
代理人 青木 篤 
代理人 外川 奈美 
代理人 弁理士法人東海特許事務所 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ