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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W30
管理番号 1406045 
総通号数 25 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2024-01-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2023-04-10 
確定日 2023-12-28 
異議申立件数
事件の表示 登録第6669571号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6669571号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6669571号商標(以下「本件商標」という。)は、「BeastMode」の文字を標準文字で表してなり、令和4年10月28日に登録出願、第30類「インスタントコーヒー,コーヒー,コーヒー豆」を指定商品として、同5年1月25日に登録査定され、同年2月6日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において、引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第6159219号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成30年8月13日に登録出願、第32類「炭酸飲料・エナジードリンク・その他のアルコール分を含有しない飲料,炭酸飲料・エナジードリンク・その他の飲料を製造するためのシロップ・濃縮物・粉末・その他の飲料製造用調製品,ビール,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、令和元年7月5日に設定登録されたものである。
2 登録第6644704号商標(以下「引用商標2」という。)は、「REHAB THE BEAST!」の文字を標準文字で表してなり、令和4年8月1日に登録出願、第5類「栄養補給剤,栄養補助食品,液状の栄養補給剤,液状の栄養補助食品,医療用薬草エキス,ハーブを含有する栄養補給用ドリンク剤,栄養を強化した栄養補給用ドリンク剤,ビタミンを強化した栄養補給用ドリンク剤,アミノ酸を強化した栄養補給用ドリンク剤,その他の栄養補給用ドリンク剤,ハーブを含有する液状のサプリメント,栄養を強化した液状のサプリメント,ビタミンを強化した液状のサプリメント,アミノ酸を強化した液状のサプリメント,薬剤,液状のサプリメント,サプリメント」、第30類「コーヒー,茶,ココア,代用コーヒー,コーヒー飲料,茶飲料,チョコレート飲料,ハーブ・栄養・ビタミン又はアミノ酸を含有するコーヒー飲料,ハーブ・栄養・ビタミン又はアミノ酸を含有する茶飲料,ハーブ・栄養・ビタミン又はアミノ酸を含有するココア飲料,ハーブ茶飲料,ハーブティー(医療用のものを除く。)」及び第32類「アルコール分を含まない飲料,炭酸飲料・無炭酸飲料・清涼飲料・エナジードリンク・その他のアルコール分を含まない飲料,飲料製造用のシロップ・濃縮物・粉末・その他の飲料製造用調製品,アルコール分を含まないビール風味の清涼飲料」を指定商品として、同年11月25日に設定登録されたものである。
なお、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、「引用商標」という。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第7号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第551号証(枝番号を含む。)及び別紙1ないし別紙9を提出した(以下、甲各号証の証拠の表記に当たっては、甲1、甲2のように省略して記載する。)。
1 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標の周知性
申立人は、2002年に米国で「MONSTER」なるエナジードリンクのブランドを創設し、MONSTERブランドのエナジードリンク(以下「申立人商品」という。)の販売を開始した。申立人商品は、2012年から我が国で販売が開始され、現在、日本を含む世界130以上の国及び地域で販売されている。
2002年のMONSTERブランド創設時から現在に至るまで、申立人商品には「BEAST」の語を包含するセンテンスからなるスローガン商標(以下「「BEAST」スローガン商標」という。)が使用されている。「BEAST」スローガン商標として最初に採択された「UNLEASH THE BEAST!」は、「野獣を解き放て!」との衝撃的意味を表すフレーズとして経済界の注目を浴び、このような斬新なスローガン商標を導入して展開された申立人のマーケティング戦略に焦点を当てた多数の記事が有名経済誌に掲載された(甲51〜甲57)。
現在までに、「UNLEASH THE BEAST!」をはじめとして、「UNLEASH THE ULTRA BEAST!」、「REHAB THE BEAST!」、「PUMP UP THE BEAST!」、「HYDRATE THE BEAST!」、「UNLEASH THE NITRO BEAST!」、「UNLEASH THE SALTY BEAST!」、「UNLEAST THE CAFFEINE FREE BEAST!」といった様々な「BEAST」スローガン商標が申立人商品の個別製品の缶(ボトル)の裏面、製品情報、その他の広告物等に表示され、販売及び広告宣伝されている(甲30、甲486〜甲544)。
また、申立人の「BEAST」スローガン商標は、国内は引用商標1及び2として、また、諸外国は甲547及び甲548として示すとおり、世界各国で商標登録されている(甲545〜甲548)。
2012年に国内販売を開始して以降、申立人は、本件商標の登録出願日までに、17種類の異なる個別製品名を用いて16種類の異なるフレーバー(リニューアル製品を含む。)の申立人商品(別紙1)を販売した。本件商標の登録出願時及び査定時には、国内エナジードリンク市場で取引される全商品の約4割を申立人商品が占めており(甲448、甲450、甲476、甲479)、申立人商品は、取引者、需要者の間で広く認識されていた。そして、これらの申立人商品の個別製品の缶(ボトル)及びその広告宣伝物には、「UNLEASH THE BEAST!」をはじめとする様々な「BEAST」スローガン商標が、2012年の国内販売開始時から継続的に使用されてきた。
以上の事柄を総合すれば、本件商標の登録出願時及び査定時には、申立人の使用に係る「BEAST」スローガン商標及びこれらに共通して用いられている「BEAST」の文字は、申立人商品の出所識別標識として取引者、需要者の間で広く認識されていたことが明らかである。
(2)本件商標と引用商標の類似性の程度
本件商標は、英単語の「Beast」(甲549)及び「Mode」(甲550)の2語を結合したものであると認識、理解されるものであり、当該構成全体で熟語的観念を生じるものではないから、これを常に不可分一体のものとしてみるべき理由はない。
また、「Mode」の音訳「モード」は「方法、様式」を意味する外来語として一般に浸透している(甲551)から、これを指定商品に使用しても、商品の様式、スタイル、形態などを意味する表示として認識、理解されるにとどまり、自他商品識別標識として十分に機能しない。
このように、「BeastMode」の文字はそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえないものであるから、本件商標は、その語頭に位置し、かつ、十分な自他商品識別力を有する「Beast」の文字部分が出所識別標識として需要者に強く支配的な印象を与え、「ビースト」の称呼及び「動物、(鳥・魚に対して)獣、四足獣」(甲549)の観念を生じる。
そして、申立人の使用に係る「BEAST」の文字からも、「ビースト」の称呼及び「動物、(鳥・魚に対して)獣、四足獣」の観念が生じる。
したがって、本件商標は、申立人の使用に係る「BEAST」の文字と外観が近似し、称呼及び観念が同一のものである。
さらに、本件商標は、「Beast」の文字、「ビースト」の称呼及び「動物、(鳥・魚に対して)獣、四足獣」の観念を包含する点で、申立人の使用に係る「BEAST」スローガン商標とも類似性を有する。
加えて、本件商標は「Beast」の文字に「Mode」の文字を結合させて構成されているから、申立人の「BEAST」スローガン商標と構造が同一であり、本件商標は、「BEAST」スローガン商標と極めて似通った印象、記憶、連想を取引者需要者に与える。
よって、本件商標は、申立人の使用に係る「BEAST」及び「BEAST」スローガン商標と類似性の程度が高い。
(3)指定商品の関連性
本件商標が使用される指定商品(以下「本件指定商品」という。)は、申立人商品(エナジードリンク)とその原材料、用途、効能、販売場所、需要者層を共通にすることが多いものであり、関連性が極めて密接である。また、本件指定商品は、引用商標2の登録に係る指定商品と同一又は類似のものである。
(4)出所の混同を生ずるおそれ
本件商標が本件指定商品に使用された場合、これに接した取引者、需要者は、「BEAST」スローガン商標を用いて販売、広告宣伝されて広く認識されている申立人商品を想起連想し、当該商品が申立人又は申立人と組織的又は経済的な関連を有する者の取り扱いに係るものであると誤信し、その出所について混同を生ずるおそれがある。
また、本件商標が本件指定商品に使用された場合、申立人商品の出所識別標識として広く認識されている「BEAST」スローガン商標の出所表示力が希釈化するおそれが高く、本件商標の使用は、申立人商品の信用力、及びMONSTERブランドの顧客吸引にフリーライドするものといわざるを得ない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(5)商標法第4条第1項第7号該当性
本件商標の本件指定商品についての使用は、申立人による継続的使用と営業努力によって申立人商品の出所識別標識として広く認識されている「BEAST」スローガン商標の出所表示力を希釈化させるおそれが高いものであり、申立人商品の信用力、並びに、MONSTERブランドの顧客吸引力にフリーライドする行為といわざるを得ず、申立人に経済的および精神的損害を与える。
したがって、本件商標は、社会一般道徳及び公正な取引秩序の維持を旨とする商標法の精神並びに国際信義に反するものであるから、公序良俗を害するおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標の周知性
申立人の提出した証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
ア 申立人商品は、2012年5月から、我が国で販売が開始された(甲8、ほか)。
イ 「PR TIMES」のウェブサイトにおいて、「コーラ×エナジー!「モンスター スーパーコーラ ボトル缶500ml」 3月30日(火)新登場 発売前にいち早く新商品をゲットしろ Retweet to Win!「モンスター スーパーコーラ」発売記念キャンペーン!実施 モンスターエナジージャパン合同会社 2021年3月9日」の見出しの下、「本商品は、世代を問わず人気のある王道のコーラフレーバーに、モンスターエナジー独自のエナジーブレンドをふんだんに配合した日本限定のオリジナルフレーバーです。・・・このリキャップできる便利なボトルで、いつでもどこでも気合を注入し続けろ。野性を解き放て!Unleash the Beast!」の記載とともに、「MONSTER SUPER COLA」(「MONSTER」の文字は、やや図案化した欧文字で表され、かつ、「O」の文字部分には、それを貫く縦線が描かれている。)の文字が表示された申立人商品の写真が掲載され、その横に、四段に表示された「UNLEASH」「THE」「BEAST!」「#スーパーコーラ」の文字が記載されている(甲436)。
また、申立人の日本向けウェブサイトにおいて、申立人商品の製品情報の記事中に、二段表記の「Unleash」及び「the Beast!」のデザイン化された欧文字の表示(甲486、2013年4月30日出力)や、「Unleash the Beast!」又は「Unleash The Beast」の欧文字の表示(甲499〜甲502、いずれも2019年5月13日出力)がある。
ウ 申立人の米国ウェブサイトにおいて、申立人商品の製品情報の記事中に、「Unleash The Beast!」の表示(甲504、甲517〜甲521、いずれも2019年5月13日又は14日出力)、「Rehab The Beast!」の表示(甲505〜甲508、いずれも2019年5月14日出力)がある。なお、これらの申立人商品の製品情報の表示や記載の内容はいずれも外国語(英語)によるものである。
エ 申立人は、「Unleash the Beast!」のデザイン化された欧文字が表示された列車の写真(甲487)を提出しているが、その撮影日、撮影場所が不明であるばかりでなく、写真に写された内容をみるに、日本国内で撮影されたとはいい難いものである。
また、申立人は、申立人商品の容器(缶)の裏面に、二段表記の「Rehab」及び「the Beast!」の欧文字が表示された写真(甲494)や、二段表記の「Unleash」及び「the Beast!」のデザイン化された欧文字又は「UNLEASH THE BEAST!」の欧文字が表示された広告物の写真(甲497、甲498)を提出しているが、写真の撮影日、撮影場所、広告が行われた時期等が不明であるばかりでなく、これらの表示や記載の内容はいずれも外国語(英語)によるものである。
さらに、「BeverageWorld」誌(2004年6月号)の記事(甲51)、「BusinessWeek online」(2005年6月6日配信)の記事(甲52)、「FORTUNE」誌(2005年9月5日号)の記事(甲53)及び「Newsweek」誌(2006年3月20日号)の記事(甲57)中には、申立人商品の(販売)スローガンとして、「Unleash the Beast(Unleash the beast、Unleash the beast!)」の欧文字の記載があるが、これらは、いずれも外国語(英語)による記事中のものである。
オ 申立人は、2012年頃からスポーツ競技会やゲームショウ等において申立人商品の広告宣伝を行い、イベント等において申立人商品のサンプルを配布した等の主張をする(甲58)が、それらの広告宣伝活動における引用商標の使用態様を示す客観的な証拠の提出はない。
カ 「UNLEASH THE BEAST!」、「REHAB THE BEAST!」の欧文字からなる商標が、諸外国において、商標登録されていることがうかがえる(甲547、甲548)。
キ 上記アないしカによれば、申立人商品は、2012年から我が国で販売が開始され、引用商標1と同一視し得る態様の「Unleash」及び「the Beast!」の欧文字や、引用商標1と同じつづりの「Unleash the Beast!」等の欧文字が、申立人商品の(販売)スローガンとして使用されていることは認められる。
しかしながら、我が国において、引用商標1と同じつづりの「Unleash the Beast!」等の欧文字が申立人商品について表示されているのは、主に申立人商品の紹介記事中や、申立人の日本向けウェブサイトにとどまるものであり、その用例も少なく、さらに、引用商標2については、我が国における使用の事実が確認できない。
また、申立人に係る外国語(英語)の広告や記事は、我が国の取引者、需要者を対象としたものとはいい難いし、「UNLEASH THE BEAST!」や「REHAB THE BEAST!」の欧文字からなる商標が、諸外国において商標登録されている事例が直ちに、我が国における引用商標の周知著名性に結びつくものでもない。
そして、その他に引用商標が我が国において使用されていたことを裏付ける証拠は見いだせず、また、我が国において引用商標が使用された申立人商品の販売開始時期、販売期間、販売地域、販売数量や広告宣伝の方法、期間及び規模等、引用商標の周知著名性を裏付ける客観的な証拠は提出されていない。
そうすると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものということはできない。
なお、申立人は、引用商標に含まれる「BEAST」の文字が申立人商品の出所識別標識として、取引者、需要者に広く認識されていた旨主張しているが、上述のとおり、引用商標の周知著名性は認められないものであって、「BEAST」の文字が単独で申立人商品に使用されていた証拠の提出もないことからすれば、「BEAST」の文字のみが申立人商品の出所識別標識として、取引者、需要者に広く認識されていたと認めることはできず、かかる主張を採用することはできない。
(2)本件商標と引用商標との類似性の程度
ア 本件商標
本件商標は、前記第1のとおり、「BeastMode」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成は、同じ大きさ、同じ書体で、等間隔にまとまりよく表されていることから、視覚上一体的に看取されるものであり、かつ、本件商標の構成文字に相応して生じる「ビーストモード」の称呼も、格別冗長というべきものでなく、無理なく一連に称呼し得るものであるから、本件商標は、構成文字全体を一連一体のものとして把握、認識されるとみるのが自然である。
また、本件商標は、第1文字目の「B」と、第6文字目の「M」を大文字とし、他の文字を小文字で表記してなるものであるが、上記(1)のとおり、「Beast」の文字は、申立人の業務に係る商品を表すものとして、需要者の間に広く認識されていたと認めることはできないものであり、他に「Beast」の文字が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの、又はそれ以外の文字部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないものと認めるに足る事情は見いだせない。
そうすると、本件商標は、構成文字全体をもって、一体不可分のものとして認識、把握されるとみるのが相当であり、また、本件商標を構成する文字は、辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから、特定の意味合いを想起させるものではなく、一種の造語として理解されるものである。
したがって、本件商標は、「ビーストモード」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
イ 引用商標
引用商標1は、二段表記の「Unleash」及び「the Beast!」の欧文字をデザイン化した別掲のとおりの構成からなるところ、同じ書体でまとまりよく一体的に表されており、その構成全体をもって、一体不可分のものとして看取されるものといえる。そして、その構成中の「Unleash」の欧文字は「<力・感情>を解き放つ」等の意味を、「Beast」の欧文字は「獣」等の意味を有するものである(「ジーニアス英和辞典 第5版」大修館書店)から、その構成文字に相応して「アンリーシュザビースト」の称呼及び「獣を解き放つ」程の観念を生じるものである。
引用商標2は、「REHAB THE BEAST!」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成は、同じ大きさ、同じ書体で、一連一体に表してなるものであるから、その構成全体をもって、一体不可分のものとして看取されるものといえる。そして、その構成中の「REHAB」の欧文字は「機能回復訓練をする、更生させる」等の意味を、「Beast」の欧文字は上記のとおり「獣」等の意味を有するものである(前掲書)から、その構成文字に相応して「リハブザビースト」の称呼及び「獣を回復させる」程の観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標との対比
本件商標及び引用商標は、それぞれ上記のとおりの構成からなるところ、その文字構成及び構成文字数において明らかに相違していることに加え、本件商標と引用商標1の比較においては、書体や、二段書きか否か等の顕著な差異があり、本件商標と引用商標2の比較においては、大文字のみの表記であるか否か等の差異があることから、本件商標と引用商標は、外観において、明らかに異なるものである。
また、本件商標から生じる「ビーストモード」の称呼と、引用商標から生じる「アンリーシュザビースト」、「リハブザビースト」の称呼は、その音構成及び構成音数において明らかに異なるものであるから、それぞれを一連に称呼しても、明瞭に聴別できるものである。
さらに、観念については、本件商標は特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標1は「獣を解き放つ」程の観念、引用商標2は「獣を回復させる」程の観念をそれぞれ生じるものであるから、観念上互いに紛れるおそれはない。
そうすると、本願商標と引用商標は、外観、称呼及び観念において相紛れるおそれがないものであるから、両者の外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
(3)商品の関連性及び取引者、需要者の共通性
申立人商品「エナジードリンク」は、清涼飲料の一種というべきものであり、本件商標の指定商品の「インスタントコーヒー,コーヒー,コーヒー豆」とは、一般消費者を需要者とする点において、需要者の範囲が一部共通する場合があるとしても、商品の生産部門、販売部門、原材料、品質及び用途等において共通するとはいい難いものであるから、商品間の関連性の程度は低いものである。
(4)混同を生ずるおそれについて
上記(1)ないし(3)によれば、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていた商標ということはできず、また、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標であること、本件商標の指定商品と申立人商品との関連性の程度も低いものであることなどを鑑みれば、本件商標をその指定商品に使用しても、その取引者、需要者に、当該商品が他人(申立人)又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標は、前記第1のとおりの構成よりなるものであるから、その構成が、きょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字よりなるものということはできない。
また、引用商標は、上記1(1)のとおり、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていた商標ということはできないものであり、上記1(2)のとおり、本件商標と引用商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標であるから、本件商標が、引用商標の顧客吸引力にフリーライドするものであるとか、引用商標を剽窃したものであるということはできず、また、引用商標の出所表示力を希釈化させるものであるということもできないことから、本件商標の登録出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠くと認めるべき事情があるものと認めることはできない。
さらに、申立人は、「本件商標は、社会一般道徳及び公正な取引秩序の維持を旨とする商標法の精神並びに国際信義に反するものである」旨主張しているが、本件商標が外国において公的な規制により権原なくその使用が禁止されている標章であるといった事実等、申立人の上記主張を裏付ける客観的な証拠はないことから、本件商標をその指定商品に使用することが社会公共の利益や社会の一般的道徳観念に反するものということはできず、また、その使用が他の法律によって禁止されているもの、外国の権威や尊厳を損なうおそれがあって、国際信義に反するものということもできない。
その他、本件商標が、「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」とみるべき理由があると認めるに足りる証拠の提出はない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第15号に該当するものでなく、その登録は同条第1項の規定に違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
別掲 引用商標1



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異議決定日 2023-12-18 
出願番号 2022123897 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (W30)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 高野 和行
特許庁審判官 小俣 克巳
石塚 利恵
登録日 2023-02-06 
登録番号 6669571 
権利者 インスタンタ ベトナム カンパニー リミテッド
商標の称呼 ビーストモード、ビースト 
代理人 岡村 太一 
代理人 柳田 征史 

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