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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W11
管理番号 1405066 
総通号数 24 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2023-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-10-07 
確定日 2023-09-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第6594609号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6594609号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6594609号商標(以下「本件商標」という。)は、「Chefman」の欧文字を標準文字で表してなり、令和4年3月9日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同年7月25日に登録査定され、同月29日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、次のとおりであり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)、いずれも申立人が「調理用機械器具」について使用し、日本国内又は米国その他の外国における需要者の間に広く認識されているとするものである。
(1)「CHEFMAn.」の欧文字を別掲のとおりの態様で表してなる商標(以下「引用商標1」という。)
(2)「CHEFMAN」の欧文字からなる商標(以下「引用商標2」という。)

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第19号、同項第10号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第20号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第19号について
ア 引用商標の外国における周知性について
申立人(現法人は2012年に設立)は、米国において、2011年に「CHEFMAN」の文字からなる商標を使用して、調理用機械器具の製造販売を開始した(甲2)。また、申立人は、「CHEFMAN」ブランド立上げの当初から、世界展開を視野に入れており、2011年にはカナダ、2015年にはカリブ諸国(ジャマイカを除く。)、2017年にはメキシコ、2018年にはジャマイカ、2020年には英国、2021年には欧州、2022年には台湾で販売を開始しており、その事業は、製品の革新性やデザイン性により、その後の10年間で前例のない驚異的な成長を遂げている(甲2、甲3)。
申立人の製品の市場における評価は極めて高く、例えば、最高評価(五つ星)のカスタマーレビューを多数獲得しており、マスコミの記事(パブリシティ)においても多数掲載されている(甲4〜甲8)。また、申立人は、製品の包装、パッケージ、店頭ディスプレイの表現にも工夫を凝らし、多品種の製品を訴求するとともに、ブランドの認知度を高めている(甲4)。さらに、コマーシャル動画の放送、送信、配信を行うとともに、ソーシャルメディアにおいても公式アカウントを開設し、その製品について情報発信、宣伝に努めている(甲4)。
申立人は、電子カタログに示すように極めて多品種の調理用機械器具を取り揃え(甲9)、これらをオンラインショッピングによって販売している(甲10)。
申立人は、「CHEFMAN」の文字からなる商標を使用した商品の販売を開始するとともに、米国において商標登録出願をしており(甲11、甲12)、これらはいずれも登録されている。米国では、商標を商取引において使用していない限り、登録はされないところ、申立人は、電気フライヤー、電気トースター、電気トースターオーブンなどについては2011年6月に、電動ミルク泡立て器、電動缶切り、電動フードプロセッサーなどについては2014年6月に、電動パニーニプレスグリル、電動サンドイッチメーカーなどについては2017年6月に商標の使用を開始していることが、商標の使用見本とともに示されている。
また、申立人は、引用商標を、メキシコ、英国、カナダ、中国、コスタリカ、欧州などで国内登録をしており、スイス、オーストラリア、ブラジル、ベラルーシ、コロンビアなどを指定した国際登録をしている(甲13、甲14)。
以上から、引用商標は申立人の業務に係る商品を表示するものとして米国その他の外国における需要者の間に広く認識されている商標である。
イ 本件商標と引用商標の類似性について
本件商標と引用商標とは、同一の文字列からなり、同一又は明らかに類似する。
不正の目的について
上記のように引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標である。そして、本件商標は、かかる周知な商標と同一の文字列からなるものであり、指定商品もほぼ重複ないし類似していること、特に申立人の主力商品である電気式ワッフル焼き型、家庭用電気コーヒー沸かし、電気コーヒー沸かし、電気式ケトル、電気式揚物器を含んでいること、さらに、申立人が世界的に事業展開し、中国においても商標登録をして販売の準備をしていることを考慮すれば、本件商標は、日本でまだ商標登録されていないことを奇貨として、引用商標の周知性フリーライドして、不正の利益を得る目的が推認されるものである。
エ 小括
以上から、本件商標は、他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものであり、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第10号について
ア 引用商標の日本における周知性について
申立人の商品は、今のところ、日本においては申立人により直接は販売されていないが、米国の販社及びAmazon.JPを通じてほぼ全ての商品が我が国でも入手可能であり(甲15)、申立人はfacebookやツイッターなどのソーシャルメディアにおいて日本語アカウントを開設し、宣伝に努めている(甲16、甲17)。ちなみに、「chefman」の文字列をインターネットで検索すると、申立人に係るウェブサイトしか検索されず(甲18)、画像検索しても、検索されるのは全て申立人の商品である(甲19)。
以上から、引用商標は申立人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内における需要者の間でも広く認識されている商標である。
イ 本件商標と引用商標の類似性について
本件商標と引用商標とは、同一の文字列からなり、同一又は明らかに類似する。
ウ 本件商標の指定商品と引用商標の使用商品の類否
本件商標の指定商品は、「電熱式被服,家庭用電気カーペット」を除き調理用機械器具であり、引用商標が使用されている商品と重複ないし類似するものである。
エ 小括
以上から、本件商標は、第11類「冷蔵庫,電気式ワッフル焼き型,家庭用の電気こんろ,家庭用電磁調理器,家庭用電気コーヒー沸かし,家庭用電気ポット,投込式電気加熱器,電気コーヒー沸かし,網焼き器(加熱調理用機械器具),プレート式保温器,電気式の食品用蒸し器,果実用ロースター,電気式ケトル,電気式揚物器,電気式真空調理器具」について、他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品又はこれらに類似する商品について使用をするものである。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
本号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」については、最高裁判決(平成10年(行ヒ)第85号)が示した判断の基準によって判断されるべきである。
ア 本件商標と引用商標の混同のおそれ
上記のとおり、本件商標と引用商標とは同一又は明らかに類似し、引用商標は調理用機械器具について日本国内又は外国において周知であり、引用商標は「CHEF」と「MAN」を組み合わせた造語であって(甲20)、日本を含む世界中で申立人のみが使用しており、独創性が高いものであり(甲18)、本件商標の指定商品と引用商標の使用商品とは「電熱式被服,家庭用電気カーペット」を除き重複ないし類似するものであって、当該商品についても電気機械器具という点で関連性が高いものであり、調理用機械器具、電気機械器具の需要者、取引者は重複ないし共通しており、本件商品は一般的な家庭用の調理用機械器具であるから需要者の注意力は格別に高いとはいえない。
これらのことを総合的に考慮すれば、本件商標を指定商品に使用した場合は、これに接した取引者及び需要者に対し、当該商品が申立人との間に緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品であると誤信され、商品の出所につき誤認を生じさせるとともに、調理用機械器具について世界的に周知となっている引用商標の持つ顧客吸引力ヘのただ乗りフリーライド)やその希釈化(ダイリューション)を招くという結果を生じさせるものである。
イ 小括
よって、本件商標は、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標であり、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、申立人は、米国において2011年6月から現在まで、引用商標を使用した電気フライヤー、電気トースター、電気トースターオーブンなど電気式調理用機械器具(以下「申立人商品」という。)を製造、販売していること(甲12、甲5)、申立人商品は、米国の新聞、ウェブサイトなどで紹介等されていること(甲2、甲4〜甲8)、申立人商品は我が国においても通販サイトを通じ販売されていること(甲15)などがうかがえる。
しかしながら、申立人商品の米国など外国又は我が国における売上高など販売実績を示す証左は見いだせないから、申立人商品及びそれに使用されている引用商標は、本件商標の登録出願の時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品として及び同商品を表示するものとして、いずれも米国など外国又は日本国内における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
イ なお、申立人は、米国、カナダ、欧州などの売上が記載された証拠(甲2、甲3)を提出しているが、それらは容易に作成できる書面であり、かつ、その金額を裏付ける証左は見いだせないから、客観性を有するものとはいい難く、その金額を採用することはできない。
また、申立人は、外国における商標登録の事情などを主張、立証して、引用商標が外国における需要者の間に周知である旨主張するところがあるが、仮にそれら商標登録が事実であるとしても、商標登録の事情が外国における需要者の認識に直接反映されるとはいい難く、かかる事情によっては上記判断を覆し得ない。
(2)商標法第4条第1項第10号について
ア 引用商標の周知性
上記(1)のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、いずれも需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。
イ 本件商標と引用商標の類否
本件商標は、上記1のとおり、「Chefman」の欧文字を標準文字で表してなるものである。
引用商標1は、上記2(1)のとおり、「CHEFMAn.」の欧文字を別掲のとおりの態様で表してなり、引用商標2は上記2(2)のとおり、「CHEFMAN」の欧文字からなるものである。
そうすると、本件商標と引用商標は、大文字と小文字、書体などに差異があるものの、構成文字のつづりを共通にするといえるから、両者は同一又は類似の商標である。
ウ 小括
上記イのとおり、本件商標と引用商標は同一又は類似の商標であるが、上記アのとおり、引用商標は申立人の業務に係る商品を表示するものとして、いずれも需要者の間に広く認識されているものと認められないものであるから、本件商標の指定商品と申立人商品が同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものといえない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
ア 引用商標の周知性及び独創性の程度
上記(1)のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、いずれも需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。
また、引用商標を構成する文字「chefman」は、造語といえるものの、我が国で親しまれた「シェフ(料理人)」などの意味を有する英単語「chef」と、同じく「男」の意味を有する英単語「man」を結合してなるものといえるから、その独創性の程度は高いものではない。
イ 本件商標と引用商標の類似性の程度
上記(2)イのとおり、本件商標と引用商標は、大文字と小文字、書体などに差異があるものの、構成文字のつづりを共通にするといえる同一又は類似の商標であり,その類似性の程度は高いといえる。
ウ 混同のおそれ
上記イのとおり、本件商標と引用商標は同一又は類似の商標であり、その類似性の程度は高いといえるものの、上記アのとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、いずれも需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、その独創性の程度は高いものではないから、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
エ 小括
以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといえない。
(4)商標法第4条第1項第19号について
ア 上記(2)イのとおり、本件商標と引用商標は同一又は類似の商標であるが、上記(1)のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、いずれも米国など外国又は日本国内における需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、上記(3)ウのとおり、本件商標は、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることのないものである。
そうすると、本件商標は、引用商標の周知性フリーライドするなど不正の目的をもって使用をするものと認めることはできない。
イ 以上のとおり、本件商標と引用商標は同一又は類似の商標であるが、引用商標は米国など外国又は日本国内における需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、さらに、本件商標は、不正の目的をもって使用をするものと認められないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものといえない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲

別掲(引用商標1)





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異議決定日 2023-09-12 
出願番号 2022027365 
審決分類 T 1 651・ 222- Y (W11)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 鈴木 雅也
特許庁審判官 小松 里美
山田 啓之
登録日 2022-07-29 
登録番号 6594609 
権利者 楊朝志
商標の称呼 シェフマン 
代理人 恩田 博宣 
代理人 恩田 誠 

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