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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W3043
管理番号 1403903 
総通号数 23 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2023-11-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2023-04-10 
確定日 2023-10-27 
異議申立件数
事件の表示 登録第6667498号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6667498号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6667498号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、令和4年9月16日に登録出願、第30類「中華そばの麺,冷蔵中華そばの麺,冷凍中華そばの麺,即席中華そばの麺,スープ付き中華そばの麺,スープ付き冷蔵中華そばの麺,スープ付き冷凍中華そばの麺」及び第43類「中華そばを主とする飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、同5年1月19日に登録査定、同年1月31日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第6535642号商標(以下「引用商標」という。)は、「嘉一」の文字を標準文字で表してなり、令和3年8月18日に登録出願し、第30類「菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,みそ,ウースターソース,グレービーソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,そば用スープ,中華そばの麺用スープ,うどん用スープ,角砂糖,果糖,氷砂糖(調味料),砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ(調味料),ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,うま味調味料,香辛料,コーヒー豆,穀物の加工品,そばの麺,そばつゆ付きそばの麺,中華そばの麺,うどんの麺,冷や麦の麺,パスタの麺,冷凍そば麺,冷凍中華そばの麺,冷凍うどんの麺,冷凍冷や麦の麺,冷凍パスタの麺,冷凍した麺類,チョコレートスプレッド,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,パスタソース,食用酒かす」及び第43類「飲食物の提供,麺類を主とする飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、同4年3月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証(枝番号を含む。以下、枝番号のすべてを示すときは、枝番号を省略する。また、表記に当たっては「甲○」(「○」部分は数字)のように省略して記載する。)を提出した。
(1)本件商標について
本件商標を構成する「仙台中華そば」の部分は、例えば、「ぐるなび」が提供している「旅ぐるたび」webページ「全国ご当地ラーメン人気ランキング」(甲3の1)及び「全国のご当地ラーメン人気ランキング」(甲3の2)に掲載されている「札幌ラーメン」、「函館ラーメン」、「喜多方ラーメン」、「京都中華そば」など、それぞれの地方の特徴を備えた中華そば(ラーメン)を指標するものの一つに該当するものであるが、「仙台ラーメン」(甲3の3)にもそれぞれ特徴を備えたラーメン(中華そば)を提供する店舗が多数あることが、「食べログ」webページ「仙台ラーメン・つけ麺人気ランキングTOP20」(甲3の4)から明らかである。したがって、「仙台中華そば」の部分が独立して商品又は役務の出所識別機能を果たし得ないことは明らかである。
また、「銘店嘉一」の部分についても、「仙台中華そば」の文字に比べ1.7倍ほど大きく表示されているが、そもそも「銘店」の部分は、「ブランド力のある店」とか「名のある店」、「由緒正しい店」といった程度の意味合いを容易に認識させる商品又は役務の品質、品位に関する誇称表示として一般に使用されているものである(甲4)。これらの事実からも、「銘店」なる表示は、商品又は役務の品質、品位に関する誇称表示にすぎず、出所を直接的に表示する機能がほとんどないことは明らかである。
(2)本件商標と引用商標の類否判断における要部観察について
本件商標は、ゴシック体の文字「仙台中華そば」と「銘店嘉一」とを若干スペースを設けて横書きにしてなり、「銘店嘉一」が「仙台中華そば」より1.7倍程度大きく表されている、いわゆる結合商標である。このような結合商標類否判断においては、「つつみのおひなっこや事件」(最高裁判決平成19年(行ヒ)第223号)が要部抽出できる場合について、「その部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合」と「それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合」の二つの場合に限定し、それらの場合以外はできないとした。
そこで、本件商標について、要部観察の可否を検討すると、上述のとおり、本件商標を構成する「仙台中華そば」の部分や「銘店」の部分からは商品又は役務の出所識別標識としての称呼、観念は生じず、「嘉一」の部分が商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと思料する。
したがって、本件商標は、要部「嘉一」を抽出して類否判断を行えるものである。
(3)本件商標の称呼に関する取引の実情について
「仙台中華そば 銘店嘉一」の最新情報「新店オープンのお知らせ」及び店舗情報(甲5)によれば、令和4年6月14日に仙台市太白区秋保に「仙台中華そば 銘店嘉一 本店」が開店され、12年営業を続けてきた「仙台中華そば 嘉一」も「仙台中華そば 銘店嘉一 国分町店」に店名を変更している。
そこで、店舗「仙台中華そば 銘店嘉一」に関する顧客の口コミを「食ベログ」で見ると、顧客は、「仙台中華そば 銘店嘉一」を「嘉一」と称していることがうかがえる(甲6)。
さらに、「銘店」と同じように誇称表示の類とされる「元祖」について、商品又は役務の品質、品位に関する誇称表示として一般に使用されているから識別力がなく、分離観察(要部観察)が行われ、類似と判断された審決例が本件の参考になると考える。
(4)本件商標と引用商標の類否判断の結論について
本件商標と引用商標との類否判断において、上述のとおり、本件商標に接した顧客等に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分は「嘉一」であるため、本件商標から「嘉一」を抽出して引用商標「嘉一」と対比した場合、「カイチ」と称呼が共通する類似の商標であることは免れない。
(5)商標法第4条第1項第11号の該当性について
本件商標は、引用商標と類似であり、また、その指定商品及び指定役務と同一又は類似のものに使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、別掲のとおり、「仙台中華そば」の文字を横書きし、その文字の右横に大きく「銘店嘉一」の文字を横書きしてなるところ、「仙台中華そば」の文字と「銘店嘉一」の文字との間には、若干の空間(スペース)があり、また、それらの文字の大きさには明らかな違いがあることから、両者は外観上分離して看取されるものというべきである。
そして、本件商標の指定商品は、いずれも「中華そば」に関連する商品又は役務であるところ、中華そば(ラーメン)に関連する分野においては、例えば「札幌ラーメン」「喜多方ラーメン」「尾道ラーメン」のように(甲3の1及び同2)、「地名」と「ラーメン」の文字構成よりなる標章が、当該地域の特徴を備えたラーメン(中華そば)を指称するものとして使用されている実情が見受けられること、及び、仙台市周辺で製造、提供等されるラーメンが「仙台ラーメン」(甲3の3)などと紹介されている事例があることからすれば、本件商標の構成中、「仙台中華そば」の文字部分は、これに接する取引者、需要者において、「仙台市周辺で製造、提供等される中華そば」ほどの意味合いを認識させるものというべきであって、本件商標の指定商品及び指定役務との関係において、その商品の品質又は役務の質を表示するものといえ、自他商品及び役務の識別標識としての機能を有しないか、又は、その機能が極めて弱い部分であるといえる。
他方、本件商標の構成中、「銘店嘉一」の文字は、それ自体は一般的な辞書類に掲載されているものでなく、「銘店」又は「嘉一」それぞれの文字についても同様であるから、当該文字部分よりは特定の観念は生じないものというのが相当であって、そのため、これと「仙台中華そば」の文字とに観念的なつながりがあるともいえない。
また、本件商標全体より生じる「センダイチュウカソバメイテンカイチ」の称呼も16音と冗長である。
そうすると、簡易迅速を尊ぶ商取引の実情においては、本件商標をその指定商品及び指定役務に使用した場合、それに接する取引者、需要者において、その構成中、同書、同大、同間隔で一体的に大きく表され、自他商品及び役務の識別標識としての機能を十分に発揮し得る「銘店嘉一」の文字部分が着目され、当該部分をもって取引に資される場合もあるというべきである。
したがって、本件商標よりは、その構成中の「銘店嘉一」の文字部分(以下「本件要部」という。)に相応した「メイテンカイチ」の称呼も生じ得るものといえ、また、特定の観念は生じないものというのが相当である。
なお、申立人は、本件商標の構成中「銘店」の文字について、「ブランド力のある店」とか「名のある店」、「由緒正しい店」といった程度の意味合いを容易に認識させる商品・役務の品質、品位に関する誇称表示として一般に使用されるものであって(甲4)、また、本件商標が使用されているラーメン店に関する顧客の反応において、同店が「嘉一」と略称されている事例がある(甲6)旨主張する。
しかしながら、「銘」及び「店」の各漢字の意味から、「銘店」の文字より「名のある店」等の意味合いが認識され得ることは否定できないとしても、当該文字は、一般的な辞書類に掲載されていることが確認できないものであって、また、当審において職権により調査するも、「銘店」の文字より直ちに「名のある店」等の意味合いが理解、認識されるといえるほどに、同文字が、本件商標の指定商品又は指定役務の分野において、広く一般的に使用されているという事実を発見することはできなかった。そして、申立人の挙げる「仙台中華そば 銘店嘉一」に関する口コミ事例は、個人の自由な書き込みであって、そこにおいて「嘉一」と略称されている事例があることのみをもって、本件商標の要部が「嘉一」の文字部分であるとはいい難いものであるから、申立人の上記主張を採用することはできない。
イ 引用商標について
引用商標は、「嘉一」の文字を標準文字で表してなるものであるから、当該文字に相応して、「カイチ」の称呼を生じるものであり、また、当該文字は、一般的な辞書類に掲載されている語ではないことから、特定の観念は生じないものといえる。
ウ 本件商標と引用商標の対比
上記ア及びイのとおり、本件商標と引用商標とは、外観において、全体的に見れば明らかに相違するものであって、また、本件要部と引用商標との比較においても、「銘店」の文字の有無によって、明確に区別できるものである。
また、称呼においては、本件商標から生じる「メイテンカイチ」の称呼と引用商標から生じる「カイチ」の称呼とは、7音と3音という明らかな音数の相違により、明りょうに聴別できるものである。
そして、観念においては、本件商標及び引用商標は、ともに特定の観念は生じないから、比較することができないものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観において明確に区別でき、称呼においても明りょうに聴別できるものであるから、これらを総合してみれば、商品及び役務の出所について誤認混同を生じるおそれのない、非類似の商標というのが相当である。
エ 小括
以上のことからすると、本件商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、両商標の指定商品又は指定役務の類否について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲

別掲 本件商標



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異議決定日 2023-10-17 
出願番号 2022107435 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W3043)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 豊瀬 京太郎
特許庁審判官 板谷 玲子
白鳥 幹周
登録日 2023-01-31 
登録番号 6667498 
権利者 株式会社アイランド食品
商標の称呼 センダイチューカソバメーテンカイチ、メーテンカイチ、カイチ、センダイチューカソバ 
代理人 高柴 忠夫 
代理人 村山 靖彦 
代理人 眞島 竜一郎 

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