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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W09
管理番号 1402990 
総通号数 22 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2023-10-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-10-18 
確定日 2023-10-02 
異議申立件数
事件の表示 登録第6598633号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6598633号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6598633号商標(以下「本件商標」という。)は、「BREVIS」の文字を標準文字で表してなるところ、令和4年1月25日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同年7月8日に登録査定され、同年8月9日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第988980号商標(以下「引用商標」という。)は、「PREVI」の欧文字を横書きしてなり、2008年(平成20年)年1月10日にフランスにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2008年(平成20年)7月2日に国際商標登録出願、第1類、第5類、第9類及び第10類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成22年11月12日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
1 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきである旨申し立て、その理由を要旨以下の2のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
2 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標と引用商標の類否
ア 商標の外観について
本件商標は、欧文字「BREVIS」を標準的な書体で書してなる外観を有する。引用商標は、欧文字「PREVI」を標準的な書体で書してなる外観を有する。
本件商標と引用商標とは、「REVI」の文字を共通に有している。当該文字は、本件商標では6文字中4文字、引用商標では5文字中4文字を占めている。このように、共通する文字は、両商標の大部分を占めているものである。また、相違する文字が特段に大きく表示されているといった事情もない。両商標は、大部分において文字が共通しており、相違箇所も目立って表示されていないため、外観の全体的印象が互いに紛らわしいものである。よって、本件商標は、引用商標と外観上類似する。
イ 商標の称呼について
本件商標は、一般的に知られている既存の単語ではないため、ローマ字読みで「ブレビス」との称呼が自然と生じる。引用商標は、申立人による造語であり、ローマ字読みで「プレビ」との称呼が自然と生じる。本件商標と引用商標とを称呼について比較すると、「レビ」の音において共通し、「ブ」及び「プ」の音、並びに「ス」の音の有無において相違する。「レビ」の音は、本件商標では4音中2音、引用商標では3音中2音であり、両商標の称呼において半分以上を占めている。一方、「ブ」及び「プ」は、濁音及び半濁音の相違にすぎず、互いに近似する音である。また、本件商標において「ス」は弱音であり、「ス」の音の有無は弱音の有無にすぎない。
このように、共通する音が全体の称呼の半分以上を占めている一方、差異点は些細なものであるため、両商標の称呼の全体的印象は、互いに紛らわしいものである。よって、本件商標は、引用商標と称呼上類似する。
ウ 商標の観念について
本件商標は、既存の一般的に知られている単語ではないため、造語として認識されるのが相当である。引用商標は、申立人による造語である。本件商標からは特定の意味合いが生じ得ないため、両商標は観念上比較し得ない。
エ 商標の類否について
上述したように、本件商標は、引用商標と、外観及び称呼において類似する。したがって、本件商標及び引用商標がその外観、称呼又は観念等によって需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に観察すると、本件商標を指定商品に使用した場合に引用商標と出所混同のおそれがあると考える。
よって、本件商標は、引用商標に類似する。
(2)商品の類否について
本件商標の第9類「理化学機械器具」及び「測定機械器具」と、引用商標の第9類「Automated microbiological diagnostic apparatus and instruments for non-medical use」(参考訳:自動式微生物学的診断用機器(医療用のものを除く。)又は同類「instruments for calibrating, sampling, preparing, sorting, distributing, seeding, depositing and/or handling of samples, reagents, microbiological diagnostic media, culture media, all these goods being for microbiological diagnostic purposes for non-medical use」(参考訳:サンプル・試薬・微生物学的診断媒体・培地の調整用・試料採取用・調整用・選別用・分配用・植え付け用・沈着用及び/又は取扱い用の器具(これらの商品は全て微生物学的診断用としてのもの(医療用のものを除く。))とは、類似群10A01又は10C01を共通にしていると考えられ、互いに同一又は類似である。
本件商標の第9類「電子応用機械器具及びその部品」と、引用商標の第9類「computer software for in vitro diagnostic instruments.」(参考訳:体外診断器具用コンピュータソフトウエア)とは、類似群11C01を共通にしていると考えられ、互いに同一又は類似である。
(3)まとめ
引用商標に係る出願は、本件商標に係る出願の日前の出願であり、引用商標は、本件商標よりも先に登録されている。引用商標の名義人は本件商標の出願人の他人である。本件商標は引用商標に類似し、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似である。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

第4 当審の判断
1 本件商標について
本件商標は、上記第1のとおり、「BREVIS」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、辞書等に掲載されている語ではなく、特定の意味合いを認識させることのない一種の造語として認識されるものである。
したがって、本件商標は、「BREVIS」の文字に相応して「ブレビス」の称呼を生じ、これよりは特定の観念を生じないものである。
2 引用商標について
引用商標は、上記第2のとおり、引用商標は「PREVI」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、辞書等に掲載されている語ではなく、特定の意味合いを認識させることのない一種の造語として認識されるものである。
したがって、引用商標は、「PREVI」の文字に相応して「プレビ」の称呼を生じ、これよりは特定の観念を生じないものである。
3 本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標の類否について検討するに、本件商標と引用商標とは、構成文字が6文字又は5文字と文字数が異なり、外観の識別上重要な要素である語頭において「B」と「P」の文字の差異を有し、かつ、語尾において「S」の有無の差異があり、たとえ「REVI」の文字が共通するとしても、これらの差異が、比較的短い6文字又は5文字という文字構成からなる両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は小さいとはいえず、外観上、判然と区別し得るものである。
次に、本件商標から生じる「ブレビス」の称呼と引用商標から生じる「プレビ」の称呼を比較すると、両者は、語頭における「ブ」と「プ」の音の差異を有し、語尾において「ス」の音の有無の差異を有するものであって、中間において「レビ」の音を共通にするものである。
そして、両者は、4音又は3音という短い音構成からなるものであるから、該差異音が両称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず、それぞれの称呼を一連に称呼しても、その語調、語感が相違したものとなり、両者は、明瞭に聴別できるものであって、称呼上相紛れるおそれはないといえる。
さらに、観念においては、本件商標と引用商標とは、共に特定の観念を生じない造語として認識されるものであり、両者は、観念において比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観において判然と区別できるものであり、称呼においても明瞭に聴別できるものであるから、これらを総合的に考察すると、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について検討するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
4 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。


別掲


(この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。
異議決定日 2023-09-22 
出願番号 2022007563 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W09)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 小松 里美
特許庁審判官 山田 啓之
青野 紀子
登録日 2022-08-09 
登録番号 6598633 
権利者 株式会社島津製作所
商標の称呼 ブレビス、ブレバイス 
代理人 妹尾 明展 
代理人 小暮 理恵子 
代理人 行田 朋弘 
代理人 江口 裕之 
代理人 阿久津 好二 
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