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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W41
管理番号 1401997 
総通号数 21 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2023-09-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2023-03-24 
確定日 2023-08-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第6662808号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6662808号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第662808号商標(以下「本件商標」という。)は、「発酵美人エキスパート」の文字を標準文字で表してなり、令和4年7月15日に登録出願、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,資格の付与のための資格試験の実施及び資格の認定・資格の付与,資格試験に関する情報の提供,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作,インターネットを利用して行う映像の提供,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」を指定役務として、同年11月25日に登録査定され、同5年1月17日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第6433431号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、令和2年1月28日に登録出願、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,美容の教授,実地教育,通信教育による知識の教授,教育上の試験の実施,ノウハウの伝授(訓練),セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,オンラインで提供される電子書籍及び電子定期刊行物の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,インターネットを利用して行う映像の提供,映画の上映・制作又は配給,オンラインによる映像の提供(ダウンロードできないものに限る。),ショーの演出,バラエティーショーの上演,放送番組の制作,テレビジョン放送用娯楽番組の制作・配給,ビデオオンデマンドによるダウンロード不可能なテレビジョン番組の配給,ラジオ及びテレビジョンの番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),文章の執筆,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),パーティの企画,ホリデイキャンプの企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,録音済み記録媒体の貸与,録画済みビデオテープの貸与,写真の撮影,ビデオテープへの収録,マイクロフィルムへの記録,イベントのためのビデオの編集,ビデオテープの編集,録音又は録画済み記録媒体の複製,会員制による教育・娯楽の提供,教育又は娯楽に関する競技会の企画・運営,文化又は教育のための展示会の企画・運営,娯楽の提供,娯楽分野における情報の提供,ユーザーによる評価を内容とする娯楽に関する情報の提供,ユーザーによるランキングを内容とする娯楽に関する情報の提供,ユーザーによるレビューを内容とする娯楽に関する情報の提供,レクリエーション活動に関する情報の提供」を指定役務として、同3年8月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由(要旨)
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した(枝番号を含む。)。
(1)引用商標の識別性・創造性
引用商標である「発酵美人」は、独自の文字構成からなる造語であり、このような造語は、自他役務の識別機能が極めて高いものである。
(2)本件商標の構成及び識別性
本件商標の構成中、造語である前半の「発酵美人」の部分は、自他役務の識別機能が極めて高い。
一方、後半の「エキスパート」の部分は、一般的に知られている既知の言葉であり、「ある分野で訓練・経験を積み、高度な機能や知識を持った人。熟練者。専門家。」と記載されており、ある分野で訓練・経険を積み、高度な機能や知識を持った人、いわゆる専門家を意味する一般用語である(甲3)。
特に、第41類の教育分野では、特定の分野の専門家が知識・技能を教授する役務を提供する場合が多く、本件商標の指定役務である「技芸・スポーツ又は知識の教授,資格の付与のための資格試験の実施及び資格の認定・資格の付与,資格試験に関する情報の提供,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作,インターネットを利用して行う映像の提供,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」は、特定の分野のエキスパートが役務を提供する場合が多い。
つまり、本件商標の「エキスパート」の部分は、言葉自体が一般用語であるし、さらに指定役務との関係を考慮すると指定役務で一般的に使用される言葉であり、識別力は極めて弱いといえる。
(3)本件商標と引用商標の類否
ア 外観について
本件商標を構成する「発酵美人エキスパート」の「発酵美人」の文字と引用商標を構成する「発酵美人」の文字部分は、その書体を除き、完全同一である。標準文字は、書体を問わない文字であるから、書体については考慮する必要がなく、その観点からは完全同一ともいえる。
一般に、結合された文字の前半部分は、視覚上、需要者に際立った部分として認識されるが、本件商標と引用商標は、前半の「発酵美人」の部分は一致し、後半の「エキスパート」の文字部分の有無のみが異なる。
また、本件商標を構成する「エキスパート」の部分は、上述のように、一般的な言葉であり、識別力が強い造語である前半の「発酵美人」の部分に比して、識別力が弱い。そのため、前半より印象の薄い後半に位置し、かつ、前半に比し識別力が弱い「エキスパート」の部分は、実際の取引において重要度が明らかに下がる。
さらに、本件商標の指定役務中、「技芸・スポーツ又は知識の教授,資格の付与のための資格試験の実施及び資格の認定・資格の付与,資格試験に関する情報の提供,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作,インターネットを利用して行う映像の提供,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」は、専門知識を有するエキスパートが役務を提供する場合が多く、指定役務との関係で、「エキスパート」の部分は、とくに識別力が弱い。
よって、本件商標と引用商標の外観は、「エキスパート」の部分の有無により、判然と区別されるというよりも、目立つ前半の「発酵美人」の部分が一致し、後半の「エキスパート」の部分が捨象され得る箇所として認識されることになる。
したがって、本件商標と引用商標は、需要者が視覚を通じて認識する全体的印象が相紛らわしく、両商標の外観は類似する。
イ 観念について
上述のように、引用商標を構成する「発酵美人」は、造語と認識される。
同様に、本件商標を構成する前半の「発酵美人」の部分も、親しまれた言語の既成語ではないため、造語と認識される。
また、本願商標を構成する「エキスパート」の部分は、指定役務との関係で識別力が弱いため、需要者に商標として特段の意味合いを想起させず、同部分からは特段の観念を生じないと認定されるべきである。
そのため、本願商標を構成する「発酵美人エキスパート」の文字は、特定の意味合いを有しない造語と認識されることになる。
したがって、本願商標と引用商標は、いずれも造語と認識されることから、両商標の観念は比較できない。
ウ 称呼について
本件商標は、「ハッコービジンエキスパート」の称呼が生じる。
これに対し、引用商標は、「ハッコービジン」の称呼が生じる。
また、本件商標は、上述のとおり、その構成中の「ハッコービジン」の部分が造語として識別力が強い部分であること、「エキスパート」の部分が引用役務との関係で識別力が弱い部分であることから、「ハッコービジン」の称呼をも生じる。
したがって、本件商標と引用商標は、「ハッコービジン」の称呼において共通することから、両商標の称呼は類似する。
エ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標は、外観上、本件商標の目立つ前半部分と引用商標の「発酵美人」の文字において一致するため、需要者が視覚を通じて認識する全体的印象が互いに紛らわしく、観念上、いずれも造語と認識され比較できず、称呼上、本件商標の「ハッコービジン」の発音と引用商標の「ハッコービジンエキスパート」、「ハッコービジン」の発音は「ハッコービジン」において共通するため、この称呼が需要者に与える全体的印象は互いに紛らわしいと言える。
したがって、本件商標と引用商標は、その外観、観念または称呼等によって需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し、引用商標および引用役務における取引の実情を考慮して全体的に考察すれば、一般的出所混同を生じるおそれのある互いに類似する商標である。
(4)本件役務と引用役務の類否
ア 本件役務と引用役務との対比
本件商標の本件役務は、「技芸・スポーツ又は知識の教授,資格の付与のための資格試験の実施及び資格の認定・資格の付与,資格試験に関する情報の提供,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作,インターネットを利用して行う映像の提供,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」である。
引用商標の引用役務は、本件役務のうち、「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作,インターネットを利用して行う映像の提供,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」を含む。つまり、これらの指定役務は両商標において共通役務である。
特許庁「類似商品・役務審査基準〔国際分類第11−2022版対応〕」によれば、引用商標の引用役務に含まれる第41類の「技芸・スポーツ又は知識の教授,教育上の試験の実施」の各役務には、類似群コード「41A01」が付与されている(甲4)。
本件商標の本件役務のうち、引用商標の引用役務と同一でない「資格の付与のための資格試験の実施及び資格の認定・資格の付与,資格試験に関する情報の提供」には、特許庁情報プラットホームJplatpatにおける検索結果の通り、類似群コード「41A01」が付されている。これは、「技芸・スポーツ又は知識の教授,教育上の試験の実施」に付されている類似群コードと同じであるから、本件商標の本件役務は全て、引用商標の引用役務と類似役務である(甲5、甲6)。
イ 小括
以上から、本件役務と引用役務は、互いに類似する役務である。
(5)まとめ
以上から、本件商標と引用商標は類似し、その本件役務と引用役務も類似するものであるから、その申立てにかかる本件商標の登録は、商標法4条1項11号に違反する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、上記1のとおり、「発酵美人エキスパート」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ大きさで等間隔に表されており、外観上まとまりよく一体的看取されるものである。
そして、本件商標の構成中、「発酵」の文字は「一般に、酵母・細菌などの微生物が、有機化合物を分解してアルコール・有機酸・二酸化炭素などを生じる過程」の、「美人」の文字は「顔・姿の美しい女」等の、「エキスパート」の文字は「ある分野で訓練・経験を積み、高度な技能や知識を持った人」等の意味を有する語(いずれも「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)であるものの、これらを結合してなる「発酵美人エキスパート」の文字全体としては、辞書等に掲載のあるものではなく、特定の意味合いを認識させることのない一種の造語として認識されるものである。
また、本件商標の構成全体から生じる「ハッコービジンエキスパート」の称呼は若干冗長であるものの、無理なく一連に称呼し得るものである。
さらに、当審において職権で調査するも、本件商標の構成中「エキスパート」の文字部分が、取引者、需要者に対し、本件商標の指定役務との関係において、役務の出所識別標識としての機能を果たし得ないものと認めるに足りる事情、又は「発酵美人」の文字部分が、役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えると認めるに足りる事情も見いだせない。
してみれば、本件商標の上記構成及び称呼からすれば、これに接する取引者、需要者は、殊更に「発酵美人」の文字部分にのみ着目することなく、本件商標の構成全体をもって、一体不可分の造語を表したものとして認識し、把握するというのが自然である。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「ハッコービジンエキスパート」の称呼のみを生じ、特定の観念は生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は、別掲のとおり、「発酵美人」の青色の文字(各文字の色彩は上から下に向かって色が薄くなっている。)を横書きしてなるところ、その構成文字はいずれも同じ書体、同じ大きさで、等間隔に表されており、外観上まとまりよく一体的看取されるものである。
そして、引用商標の構成中「発酵」の文字は、上記アのとおり、「一般に、酵母・細菌などの微生物が、有機化合物を分解してアルコール・有機酸・二酸化炭素などを生じる過程」の、「美人」の文字は「顔・姿の美しい女」等の意味を有する語であるものの、これらを結合してなる「発酵美人」の文字全体としては、辞書等に掲載のあるものではなく、特定の意味合いを認識させることのない一種の造語として認識されるものである。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して、「ハッコービジン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標を比較すると、外観においては、「エキスパート」の文字の有無という明らかな差異があることに加え、構成文字の色彩の有無という差異もあることから、両者は、外観において判然と区別することができるものである。
次に称呼においては、本件商標から生じる「ハッコービジンエキスパート」の称呼と、引用商標から生じる「ハッコービジン」の称呼とは、後半部における「エキスパート」の音の有無という明らかな差異を有し、この差異音が称呼全体に及ぼす影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、語調、語感が異なることから、両者は、称呼において明瞭に聴別し得るものである。
さらに、観念においては、両商標はいずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないものの、外観において判然と区別でき、称呼においても明瞭に聴別できるものであるから、これらを総合的に勘案すると、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。
エ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、本件商標の指定役務が、引用商標の指定役務と同一又は類似のものを含むとしても、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、その登録は、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
よって、結論のとおり決定する。

別掲

別掲 引用商標(色彩は、原本参照。)


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異議決定日 2023-07-31 
出願番号 2022088615 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W41)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 旦 克昌
特許庁審判官 須田 亮一
馬場 秀敏
登録日 2023-01-17 
登録番号 6662808 
権利者 株式会社国際食学協会
商標の称呼 ハッコービジンエキスパート、ハッコービジン、エキスパート 

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