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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W12
管理番号 1401864 
総通号数 21 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2023-09-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-12-23 
確定日 2023-07-31 
事件の表示 商願2022−22566拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和4年2月14日に出願されたものであり、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年7月8日付け :拒絶理由通知書
令和4年8月23日 :意見書の提出
令和4年10月11日付け:拒絶査定
令和4年12月23日 :審判請求書の提出

2 本願商標
本願商標は、別掲1の構成からなり、第12類「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,キャンピングカー並びにその部品及び附属品」を指定商品として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり(以下、まとめて「引用商標」という。)、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2079259号の1商標
商標の構成 別掲2のとおり
登録出願日 昭和61年2月22日
設定登録日 昭和63年9月30日
指定商品 第12類「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」を含む第12類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品(書換登録日 平成20年10月15日)
(2)登録第6143745号商標
商標の構成 別掲3のとおり
登録出願日 平成30年1月19日
設定登録日 令和元年5月17日
指定商品 第12類「自動車並びにその部品及び附属品」

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 商標の類否判断の手法について
複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認められる場合においては、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して類否を判断することは、原則として許されないが、その場合であっても、商標の構成部分の一部が取引者又は需要者に対し、商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じない場合などには、商標の構成部分の一部だけを取り出して、他人の商標と比較し、その類否を判断することが許されるものと解される(最高裁昭和37年(オ)第953号判決、最高裁平成3年(行ツ)第103号判決、最高裁平成19年(行ヒ)第223号判決、平成20年(行ケ)第10295号判決、令和元年(行ケ)第10171号判決参照)。
イ 本願商標と引用商標の類否
(ア)本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、ややデザイン化した書体で、上段に「NEXT」の欧文字を、下段に「CAMPER」の欧文字をいずれも黒色で表してなる結合商標であるところ、これらの文字部分は、上段と下段に明確に区別して配置されている上、上段の「NEXT」の文字部分は、下段の文字部分に比して、略2倍ほどの大きさで、太い線で表されているから、両者は、外観上、分離して看取され得るものであり、しかも、上段の「NEXT」の文字部分は、下段の文字部分に比して、目立つものといえる。
また、上段の「NEXT」の欧文字は、「次の」(プログレッシプ英和中辞典、小学館)の意味を有するものであり、下段の「CAMPER」の欧文字は、「キャンプをする人、キャンピングカー」(前掲書)の意味を有する語であるところ、「CAMPER」の文字は、本願の指定商品との関係においては、需要者、取引者に、当該商品が「キャンピングカー」又は「キャンピングカー関連商品」である程の意味を認識させるにすぎないといえるから、商品の品質を表したものとして、商品の出所識別標識としての機能がないか、又は極めて弱いというのが相当である。一方、「NEXT」の文字は、本願商標の指定商品の品質、用途等との関連を想定できないから、需要者、取引者に、商品の出所識別標識として強い印象を与えるものというのが相当である。
そうすると、本願商標は、その構成中の「NEXT」の文字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものというべきであるから、本願商標は、その構成中の「NEXT」の欧文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較し、その類否を判断することが許されるというべきである。
したがって、本願商標は、構成全体より生じる「ネクストキャンパー」の称呼のほか、要部である「NEXT」の欧文字に相応して、「ネクスト」の称呼を生じ、かつ、当該文字に相応して「次の」の観念を生じるものである。
(イ)引用商標
引用商標は、別掲2及び別掲3のとおり、上段に「ネクスト」の片仮名を、下段に「NEXT」の欧文字を書してなるところ、上段に書された「ネクスト」の片仮名は、下段の「NEXT」の欧文字の読みを表したものと認識させること、及び、「NEXT」の文字は、上記のとおり、「次の」の意味を表す英語であることからすれば、引用商標は、「ネクスト」の称呼を生じ、「次の」の観念を生じるものである。
(ウ)本願商標と引用商標の類否
本願商標の要部と引用商標は、それぞれ上記(ア)及び(イ)のとおりの構成からなるところ、両者は「ネクスト」の称呼及び「次の」の観念を共通にするものであるから、称呼上及び観念上、同一である。
次に、外観においては、本願商標の要部と引用商標とは、書体や片仮名部分の有無に差異があるものの、「NEXT」の欧文字のつづりを共通にするものであって、本願商標の要部である「NEXT」の欧文字のデザイン化の程度や引用商標の片仮名部分が欧文字部分の読みを表したものにすぎないこと等を勘案すると、両者は、外観上、相紛らわしいものである。
そうすると、本願商標と引用商標は、称呼上及び観念上、同一である上、外観上も相紛らわしいものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
ウ 本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否
本願商標の指定商品と引用商標の指定商品は、同一又は類似の商品である。
エ 小括
上記アないしウによれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張
請求人は、本願商標を構成する「NEXT」の文字は形容詞であり、「CAMPER」の文字は名詞であり、形容詞は通常、名詞を修飾する形で使用されることから、本願商標に接した需要者は「NEXT」の語と「CAMPER」の語を分離して捉えるのではなく、「NEXT CAMPER」という一連の語として捉える旨主張している。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標は、その外観上の構成や、各構成文字が指定商品との関係において需要者、取引者に与える出所識別標識としての印象からすると、その構成中の「NEXT」の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較し、その類否を判断することが許されるというべきであるから、その主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
別掲1 本願商標


別掲2 引用商標1


別掲3 引用商標2



(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審理終結日 2023-05-24 
結審通知日 2023-06-02 
審決日 2023-06-16 
出願番号 2022022566 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W12)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 鈴木 雅也
特許庁審判官 藤村 浩二
渡邉 あおい
商標の称呼 ネクストキャンパー、ネクスト、キャンパー 
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