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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W07
管理番号 1401843 
総通号数 21 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2023-09-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-11-15 
確定日 2023-08-02 
事件の表示 商願2021−143548拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和3年11月17日に出願されたものであり、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年4月14日付け:拒絶理由通知書
令和4年6月22日 :意見書の提出
令和4年8月12日付け:拒絶査定
令和4年11月15日 :審判請求書の提出

2 本願商標
本願商標は、「GTR」の欧文字を標準文字で表してなり、第7類「土木機械器具,荷役機械器具」を指定商品として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5262104号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成19年9月27日登録出願,第12類「荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車」及び第20類「荷役用パレット(金属製のものを除く。)」を含む第8類、第11類、第12類、第14類、第18類、第20類、第21類、第24類ないし第28類及び第34類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同21年9月4日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 商標の類否
(ア)本願商標
本願商標は、「GTR」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、辞書等に載録された既成語ではないから、特定の意味合いが生じない造語と認められるものである。
したがって、本願商標は、その構成文字に相応して、「ジーティーアール」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(イ)引用商標
引用商標は、別掲のとおり、上段に、「GT」の欧文字を黒色のゴシック体に属する太い書体で書し、下段に、「R」の欧文字を、セリフ(字画末端部にある爪のような張り出し部)を有する、黒い輪郭線を有する灰色の太い書体で書し、当該「R」の欧文字は、上段の「GT」の欧文字2字の横幅と同程度に大きく表した構成からなるところ、当該「GT」及び「R」の欧文字は、欧文字の識別に支障を来す程にレタリングされたものでもなく、その上下2段の構成も、欧文字の識別を妨げるようなものでもないから、引用商標は、「GTR」の欧文字を上下2段にデザイン化して表してなるものと容易に認識できるものと認められる。
よって、引用商標は、その構成文字に相応して、「ジーティーアール」の称呼が生じるものである。
また、その構成文字は、辞書等に載録された既成語ではないから、特定の意味合いが生じない造語と認められるものである。
したがって、引用商標は、その構成文字に相応して、「ジーティーアール」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(ウ)本願商標と引用商標の類否
本願商標と引用商標の称呼及び観念についてみるに、上記(ア)及び(イ)のとおり、両者はいずれも「ジーティーアール」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものであるから、称呼上、同一であって、観念上、比較することができないものである。
また、外観については、本願商標と引用商標は、文字のデザイン化の有無、二段書きか否か等の点において相違するものの、いずれも「GTR」の欧文字を表してなる点において共通するものである。
そして、我が国において、欧文字が様々な手法でデザイン化されて表記される事例が多く見られるという実情があることなどを考慮すると、本願商標の指定商品の需要者にとって、本願商標と引用商標とにおける欧文字のデザイン化の有無の差異は、両者が本願商標と引用商標が別異のものであることを認識させるほどの強い印象を与えるものではないといえる。
そうすると、時と場所を異にした離隔的観察のもとでは、本願商標と引用商標とは、外観上、相紛らわしいものというのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標は、観念上、比較することができないものの、外観上、相紛らわしいものであり、称呼上、同一であるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
イ 本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否
本願商標の指定商品である第7類「土木機械器具,荷役機械器具」と引用商標の指定商品である第12類「荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車」及び第20類「荷役用パレット(金属製のものを除く。)」は、共に、荷役に関連する商品であることから、その商品の用途を同じくし、販売部門や需要者を共通にする場合が多いものと考えるのが妥当である。
したがって、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものである。
ウ 小括
上記ア及びイによれば、本願商標は、引用商標と類似の商標であって、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張
請求人は、本願商標を実際に使用する商品は、プラント事業において用いられる「土木機械器具」及び、物流ソリューション事業において用いられる「荷役機械器具」であり、一方、引用商標の指定商品は、運輸業、自動車産業等の事業において用いられる「荷役用索道」等であるから、具体的使用態様において、本願商標と引用商標とは使用される局面、使用者・需要者、使用場所がすべて異なっており、両商標が相紛れるおそれや、使用により混同を惹起する可能性はほぼない旨主張している。
しかしながら、商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは、その指定商品全般についての一般的、恒常的なそれを指すものであって、単に該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的、限定的なそれを指すものではないと判示されている(昭和49年4月25日 最高裁昭和47年(行ツ)第33号)。そして、請求人の主張に係る取引の実情は、取引における一場面を挙げているにとどまるものであって、本願商標と引用商標の類否の判断に当たり考慮すべき一般的、恒常的な取引の実情とはいい難いものである。したがって、その主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
別掲 引用商標



(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審理終結日 2023-05-24 
結審通知日 2023-05-29 
審決日 2023-06-16 
出願番号 2021143548 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W07)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 鈴木 雅也
特許庁審判官 渡邉 あおい
藤村 浩二
商標の称呼 ジイテイアアル 
代理人 弁理士法人友野国際特許事務所 
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