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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W30 |
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管理番号 | 1400838 |
総通号数 | 20 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2023-08-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2022-12-28 |
確定日 | 2023-07-21 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6631593号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6631593号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第6631593号商標(以下「本件商標」という。)は、「焼くだけ天ぷら」の文字を標準文字で表してなり、令和4年5月27日に登録出願、第30類「天ぷら粉,天ぷら用プレミックス」を指定商品として、同年9月29日に登録査定され、同年10月24日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第3条第1項第3号の規定に該当し、商標登録を受けることができないものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものである旨申立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第25号証を提出した。 1 具体的理由 本件商標「焼くだけ天ぷら」からは「(揚げるのではなく)焼くだけで調理する天ぷら」といった意味合いが自然と理解され、本件商標の商標権者が販売している天ぷら粉「もう揚げない!!焼き天ぷらの素」に関する商品紹介サイトには、商品を紹介するコメントとして「揚げずに焼くだけで手軽に天ぷらが作れます。」と記載されている(甲2)。 加えて、食品業界及び一般需要者間において「揚げずに焼いて調理する天ぷら」が実際に提供されたり、調理されており、そのような「揚げずに焼いて調理する天ぷら」は「焼き天ぷら」、「焼き天」、「てんぷら焼き」、「揚げない天ぷら」、「ノンフライ天ぷら」のように呼ばれている実情がある(甲3〜甲24)から、「(揚げるのではなく)焼くだけで調理する天ぷら」は、需要者間に広く知られている食品、調理方法であることが客観的に明らかである。 かかる状況において、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は当該商品が「(揚げるのではなく)焼くだけで調理する天ぷら用の商品」であると、すなわち、商品の品質を表示したものとして認識されるにすぎないものである。 2 まとめ したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 第3 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号該当性について 本件商標は、上記第1のとおり、「焼くだけ天ぷら」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔でまとまりよく表されており、本件商標は、その構成文字全体が一体のものとして看取されるものである。 そして、本件商標の構成中の「焼く」の文字は「熱を加える。」等の意味を、「だけ」の文字は「それと限る意。のみ。」等の意味を、また、「天ぷら」の文字は「魚介類や野菜などに小麦粉を水でといたころもを着けて油で揚げた料理。」の意味を有する語(いずれも「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)であるところ、その構成文字全体で「焼くだけの天ぷら」程の漠然とした意味合いを想起する場合があるとしても、特定の意味を有する成語となるものではなく、本件商標は、具体的な意味合いを認識させることのない造語といえる。 2 申立人提出の証拠によれば、「cookpad」等のウェブサイトに 「焼き天ぷら」の見出しのもと、該料理のレシピ等を紹介する記事が掲載されていることが認められるが、「焼くだけ天ぷら」の語が使用されている例は見いだせない。 そして、本件商標は、上記第1のとおり、「焼くだけ天ぷら」の文字を標準文字で表してなり、全体として「焼くだけの天ぷら」程の抽象的な意味合いを暗示させる場合があることは必ずしも否定し得ないが、これは具体性を欠く表現であり、商品の品質等を直接的かつ具体的に表示したものとして認識されるとはいい難いものである。 また、「焼くだけ天ぷら」と一連に表された本件商標が、特定の意味合いを有する既成語や熟語であるとみるべき資料(辞書等)はなく、さらに、当該文字が、商品の品質等を直接的に表示するものとして取引上一般に使用されていると認めるに足りる事実は見いだせず、需要者等に、当該文字を、商品の品質等を表示したものと認識させるというべき事情も発見できない。 そうすると、本件商標は、その指定商品にかかる商品の品質等を直接的かつ具体的に表示したものとして認識されるとはいい難いものであり、むしろ特定の品質等を表示しない一連の造語としてのみ印象付けられて取引に資されるものとみるのが相当である。 してみると、本件商標は、その指定商品について使用しても、商品の品質を表示するものではなく、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。 3 まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
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異議決定日 | 2023-07-11 |
出願番号 | 2022060178 |
審決分類 |
T
1
651・
13-
Y
(W30)
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最終処分 | 07 維持 |
特許庁審判長 |
大森 友子 |
特許庁審判官 |
小俣 克巳 石塚 利恵 |
登録日 | 2022-10-24 |
登録番号 | 6631593 |
権利者 | 昭和産業株式会社 |
商標の称呼 | ヤクダケテンプラ、ヤクダケ |