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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1400823 
総通号数 20 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2023-08-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-09-13 
確定日 2023-08-04 
異議申立件数
事件の表示 登録第6582652号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6582652号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6582652号商標(以下「本件商標」という。)は、「JOLT」の文字を標準文字で表してなり、令和3年11月26日に登録出願、第25類「被服,ティーシャツ,スポーツシャツ,ポロシャツ,袖なしシャツ,長袖シャツ,パンツ,ショートパンツ,ベスト,セーター,ワイシャツ,ジャケット,ロングコート,ハーフコート,オーバーコート,トップコート,ウインドプルーフジャケット,ウォータープルーフジャケット,ウインドプルーフパンツ,ウォータープルーフパンツ,スウェットシャツ,スウェットパンツ,ランニングシャツ,スカート,タイツ,アンダーウエア,ブラジャー,水泳着,水泳パンツ,水泳帽,靴下,手袋,ストッキング,スカーフ,マフラー,ネックウォーマー,アームウォーマー,バンダナ,耳覆い,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,スニーカー,スポーツシューズ,アスレチックシューズ,ランニングシューズ,ジョギングシューズ,トレーニングシューズ,フィットネスシューズ,ウォーキングシューズ,自動車運転用の靴,ワークシューズ,防寒ブーツ,ブーツ,カジュアルシューズ,正装用靴,サンダル,幼児靴,靴中敷き」を指定商品として、同4年6月8日に登録査定、同年7月5日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する国際登録第1486973号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、2019年(平成31年)年3月11日にFranceにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同月22日に国際商標登録出願、第18類、第25類及び第35類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2022年(令和4年)2月10日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとし、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証(枝番号を含む。)を提出した。
なお、証拠の記載にあたっては、以下、「甲○(「○」は数字)」のように記載する。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 商品の類似性
特許庁の類似商品・役務審査基準からすれば、引用商標の商品と本件商標の指定商品とは類似群を共通にする類似商品と推定される。
イ 本件商標と引用商標の類似性
本件商標と引用商標とを比較すると、そのつづりが酷似しており、紛らわしい。すなわち、両商標を構成する欧文字の種別及び文字数は同一であり、唯一の相違は、第3文字目の「L」(本件商標)と「T」(引用商標)のみである。
なお、引用商標の外観は多少構成に特徴があるものの、需要者の注意を引き付けるほどの強い特異性はなく、むしろ、そのつづりを頼りにして商品選択を行うことになる。
そして、本件商標の指定商品及び引用商標の指定商品である被服・履物製品は、一般消費者に販売されるものであるところ、これらの者は高い注意力を持っているとは限らず、かつ、極めて短い時間で商標を視認した際の印象・記憶を頼りに商品選択を行うことや、他者からの伝聞やテレビなどメディアによる報道や紹介に基づくあやふやな記憶を頼りにして商品選択を行うことがあるところ、前記したとおり、本件商標のつづりと引用商標のつづりが酷似していることから、引用商標を付した商品と本件商標を付した商品とを取り違えるおそれがある。
このような外観上の紛らわしさは、本件商標と引用商標とが類似することを如実に示す事実である。
さらに、本件商標から生じる「ジョルト」や「ジョゥト」の称呼と、引用商標から生じる「ジョット」の称呼についても、語頭と語尾の音が同じであり、かつ、差異である中間音「促音(ッ)」(引用商標)と「ル」(本件商標)の差異は、時と場所を異にして両商標を称呼において彼此区別するには十分ではない。
すなわち、本件商標中の「L」の文字は、音節の中で「母音より後」にあるため「ダークL」として発音されることになるため、このルールに基づき「ウ」の音で発音され、「ジョゥト」のように聴取されることも否定できない(甲3)。
「ジョット」と「ジョゥト」とでは、語尾音が明確に聴取される一方、中間音である「促音(ッ)」は言うまでもなく、「ゥ」の音も語頭音と語尾音との比較においては相対的に聴取されづらいものとなり、需要者をして、これら称呼を彼此区別させることを困難にする。
よって、本件商標と引用商標とは称呼においても相紛れるおそれのある類似の商標である。
ウ まとめ
本件商標と引用商標とは、需要者(特に一般消費者)にとっては外観上及び称呼上非常に紛らわしいことから、本件商標を付した商品と、引用商標を付した商品とが、同一の者の出所に係る商品であると認識されたり、また、何らかの関連を有する商品であると認識されたりされることは、実際に起こり得ることであるから、本件商標と引用商標は、混同されるおそれのある類似商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、「JOLT」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「(車などが)揺れる」(「ジーニアス英和辞典 第5版」大修館書店発行)の意味を有する英語ではあるが、我が国で一般に親しまれた外来語とまではいえないから、特定の観念を生じない。
したがって、本件商標は、「ジョルト」などの称呼を生じるが、特定の観念を生じない。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲のとおり、赤色で「JOTT」の欧文字を表してなるところ、当該文字は、辞書に載録がないから、特定の観念を生じない。
そして、造語からなる商標にあっては、親しまれたローマ字読み又は英語読み風に称呼するのが一般的であるところ、引用商標は、その構成文字に相応して、「ジョット」などの称呼を生じるが、特定の観念を生じない。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標は、上記アのとおり、「JOLT」の文字を標準文字で表してなるのに対し、引用商標は、上記イのとおり、赤色で「JOTT」の欧文字を表してなるところ、両者は、外観において、語頭の「JO」及び4文字目の「T」の文字を共通にするものの、いずれも4文字と短い構成における3文字目の「L」及び「T」の文字の差異により、異なる語を表してなると容易に理解できるから、明確に区別できる。
また、称呼において、本件商標から生じる「ジョルト」の称呼と、引用商標から生じる「ジョット」の称呼とは、いずれも3音と短い音構成における中間の「ル」と「ッ」の音の差異により、明瞭に聴別し得る。
そして、仮に本件商標から「ジョウト」の称呼が生じ得る場合でも、上記同様、両者は明瞭に聴別し得る。
さらに、観念においては、本件商標及び引用商標は、いずれも特定の観念を生じないから、比較することができない。
したがって、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
エ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、本件商標の指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似であるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、その登録は、同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲
別掲(引用商標。色彩は原本参照。)




(この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。
異議決定日 2023-07-25 
出願番号 2021147640 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W25)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 矢澤 一幸
特許庁審判官 阿曾 裕樹
小田 昌子
登録日 2022-07-05 
登録番号 6582652 
権利者 株式会社アシックス
商標の称呼 ジョルト 
代理人 藤倉 大作 
代理人 田中 伸一郎 
代理人 ▲吉▼田 和彦 
代理人 松下 友哉 
代理人 中村 稔 
代理人 相良 由里子 
代理人 井滝 裕敬 
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