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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 取り消して登録 W05
管理番号 1400749 
総通号数 20 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2023-08-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-01-23 
確定日 2023-08-07 
事件の表示 商願2022−25811拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「VIAGRIM」の文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和4年3月7日に登録出願されたものである。
原審では、令和4年5月19日付けで拒絶理由の通知、同年6月15日受付で意見書及び手続補正書の提出、同年11月1日付けで拒絶査定されたもので、これに対して同5年1月23日に本件拒絶査定不服審判が請求されている。
本願商標の指定商品は、原審における上記手続補正書により、第5類「サプリメント,栄養補助食品」と補正された。

2 原査定の拒絶の理由
本願商標は、「VIAGRIM」の文字を標準文字で表してなるところ、これは、アメリカ合衆国所在のヴィアトリス・スペシャルティ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニーが、その登録出願前から商品「薬剤」に使用して著名な商標「VIAGRA」(以下「引用商標」という。)と、「VIAGR」の構成文字を共通にするから、互いに近似した印象を与える。
また、本願商標は、「薬剤」と販売場所が共通するなど関連性が高い「サプリメント」、「栄養補助食品」をその指定商品とする。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用する場合、その商品が、あたかも前記会社の業務に係る商品であるかのように、あるいは、同会社と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号について
ア 本願商標と引用商標の比較
(ア)本願商標は、「VIAGRIM」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、一般的な辞書等に掲載された成語ではない。
そうすると、本願商標は、その構成文字に相応して、「ビアグリム」又は「バイアグリム」などの称呼を生じ得るが、特定の観念は生じない。
(イ)引用商標は、「VIAGRA」の文字からなるところ、その構成文字は、「(商標)バイアグラ(男性の性的不能治療薬)」の意味を有する語として辞書(参照:「ジーニアス英和辞典 第5版」大修館書店)に掲載されている。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して、「バイアグラ」の称呼を生じ、「バイアグラ(男性の性的不能治療薬)」の観念を生じる。
(ウ)本願商標と引用商標を比較すると、外観においては、語頭の「VIAGR」の5文字の構成文字を共通にするが、語尾の「IM」及び「A」の文字の差異により、全体として異なる語となるから、判別は容易である。また、称呼においては、「バイアグリム」と「バイアグラ」の称呼の比較では、語頭の「バイアグ」の4音を共通にするが、語尾の「リム」及び「ラ」の音の差異により、全体としての語調、語感は異なるものとなるもので、「ビアグリム」と「バイアグラ」の称呼の比較では、構成音が明らかに相違するから、いずれも聴別は容易である。さらに、観念においては、本願商標は特定の観念を生じないのに対し、引用商標は「バイアグラ(男性の性的不能治療薬)」の観念を生じるから、記憶される印象において差異がある。
そうすると、本願商標と引用商標は、外観、称呼及び観念における差異を総合して考察すれば、記憶に残る印象において明らかに異なる、別異の商標といえる。
イ 本願商標の指定商品と引用商標の使用に係る商品について
本願商標の補正後の指定商品は、上記1のとおり、栄養補助のための食品やサプリメントであるところ、食料品製造業者や化粧品製造業者、医薬品製造業者などの多様な事業者により製造され、ドラッグストアや飲食料品小売業者などにより、広く一般の需要者に向けて販売される商品である。
他方、引用商標の使用に係る商品「薬剤」は、医薬品製造業者により製造され、医薬品小売業者や調剤薬局などの医薬品小売業者により、処方箋を受けた患者に対して販売される商品である。
そうすると、本願商標の指定商品と引用商標の使用に係る商品とは、製造業者や販売業者、需要者層が一部共通する場合があるとしても、薬事法の規制などにより一般的な流通経路が相違するもので、製造部門や販売部門、需要者層は必ずしも一致しない。
ウ 以上を踏まえると、原審指摘のように、引用商標「VIAGRA」が商品「薬剤」について使用される著名な商標であるとしても、本願商標と引用商標は、記憶に残る印象において明らかに異なる、別異の商標であり、また、その指定商品は引用商標の使用に係る商品とは、薬事法による規制の有無などにより一般的な流通経路が相違するもので、製造部門や販売部門、需要者層は必ずしも一致しないから、その指定商品の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断すれば、本願商標をその指定商品に使用したときに、引用商標又は他人の業務に係る商品との具体的関連性を連想、想起させることは考えにくく、同人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(2)まとめ
以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当しないから、同項同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
(この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。
審決日 2023-07-25 
出願番号 2022025811 
審決分類 T 1 8・ 271- WY (W05)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 矢澤 一幸
特許庁審判官 阿曾 裕樹
小田 昌子
商標の称呼 バイアグリム、ビアグリム、ヴィアグリム 
代理人 弁理士法人Toreru 
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