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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない W3544 |
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管理番号 | 1400643 |
総通号数 | 20 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2023-08-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2022-11-10 |
確定日 | 2023-07-24 |
事件の表示 | 商願2022−43886拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、「リフナビ大阪」の文字を標準文字で表してなり、第35類及び第44類に属する別掲1に記載のとおりの役務を指定役務として、令和4年4月15日に登録出願されたものである。 本願は、令和4年6月13日付けで拒絶理由の通知がされ、同月27日付けで意見書が提出されたが、同年9月5日付けで拒絶査定がなされ、これに対して同年11月10日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5937768号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成28年10月18日に登録出願、第35類及び第44類に属する別掲3に記載のとおりの役務を指定役務として同29年4月7日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本願商標について 本願商標は、「リフナビ大阪」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「大阪」の文字部分は、「近畿地方中央部の府。京都とともに2府の一。」又は「大阪府中部の市。」を意味する語(「大辞泉第二版」株式会社小学館発行)であって、一方「リフナビ」の文字部分は、辞書等に載録がなく、また、特定の語義を有するものとみるべき特段の事情も見当たらないものであるから、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるといえるものである。 そして、「リフナビ」の文字部分は、本願の指定役務との関係において、自他役務を識別する機能を果たし得ないとみるべき事情は見られないのに対し、「大阪」の文字部分は、「大阪府」又は「大阪市」を容易に認識させるものであり、指定役務との関係においては、「大阪府」又は「大阪市」という特定の地域で役務が提供されること、すわなち、役務の提供の場所を認識させるものといえるから、「大阪」の文字部分は、自他役務の識別標識としての機能を果たさないか又は極めて弱い部分である。 そうすると、本願商標の構成において、自他役務の識別標識としての機能を強く発揮する部分は、「リフナビ」の文字部分にあるといえることから、当該文字部分を要部として抽出し、これを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。 してみれば、本願商標からは、全体から生じる「リフナビオオサカ」の称呼のほかに、「リフナビ」の文字部分に応じて「リフナビ」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。 イ 引用商標について 引用商標は、別掲2のとおり、「リ」の文字の左部分が白抜きの円を内包した図形で表された、「リフナビ」の文字を横書きし、その下には波状の線を配してなるものである。そして、下部の波状の線は、上部の文字を単に装飾するために配されたものと認識されるものであって、特定の意味合いや称呼が生じるものではない。 そうすると、引用商標において、自他役務の識別標識としての機能を強く発揮する部分(要部)は、「リフナビ」の文字部分にあるといえるから、引用商標は、「リフナビ」の文字に応じて「リフナビ」の称呼が生じること明らかであり、また、特定の観念は生じない。 ウ 本願商標と引用商標の類否について 本願商標の要部と引用商標の要部を比較するに、両者の外観については、図案化の有無において差異があるものの、我が国において、文字の一部を図案化して表記することは一般的に行われているといえることからすれば、同じ片仮名で構成され、「リフナビ」のつづりを共通にした両者は、取引者、需要者に同一の出所表示として認識され得るというべきであるから、本願商標と引用商標とは、外観において類似するものというべきである。 次に、称呼については、本願商標と引用商標とは、「リフナビ」の称呼を共通にするものである。 さらに、観念については、本願商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することができない。 そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観において類似し、称呼を共通にするものであることから、本願商標と引用商標の外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれがある類似の商標と判断するのが相当である。 エ 本願商標の指定役務と引用商標の指定役務との類否について 本願商標の指定役務中、第35類「インターネットによる広告,広告の代理,広告業,経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,職業のあっせん,コンピュータ又はコンピュータシステムの操作に関する運用管理,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,広告用具の貸与,求人情報の提供」は、引用商標の指定役務中、第35類「広告業,インターネットによる広告の代理,経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,商品の売買契約の仲介,広告用具の貸与,職業のあっせん,電子計算機・タイプライター又はこれらに準ずる事務用機器の操作,求人情報の提供」は、同一又は類似の役務である。 また、本願商標の指定役務中、第44類「エステティック技術を用いた美容・理容に関する情報の提供,美容院・エステサロンの紹介・取次ぎ,美容・理容・あん摩・マッサージ・指圧・カイロプラクティック・きゅう・柔道整復・はりに関する情報の提供,育毛・増毛・植毛に関する情報の提供,育毛・増毛・植毛及び脱毛の予防に関する情報の提供,頭髪の発毛・育毛・増毛及びかつらの装着に関する情報の提供,美容,理容,リラクゼーションマッサージ・オイルマッサージ・リフレクソロジー・リンパマッサージの提供に関する情報の提供,マッサージの提供に関する情報の提供,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,整体,はり治療,温泉入浴施設に関する情報の提供」と、引用商標の指定役務中、第44類「リラクゼーションマッサージ,オイルマッサージ,リフレクソロジー,リンパマッサージ,タイ式マッサージ,美容,理容,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,リラクゼーションマッサージの提供に関する情報の提供,温泉入浴施設に関する情報の提供,美容・理容・あん摩・マッサージ・指圧・カイロプラクティック・きゅう・柔道整復・はりに関する情報の提供」は、同一又は類似の役務である。 オ 小括 以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似の商標であり、かつ、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、本願商標について、外観上まとまりよく一体的に表され、また全体の称呼も無理なく一連に称呼でき、さらに全体から何らかの意味合いを想起、理解されるとはいえず、仮に「大阪」の文字部分が地域名であるため識別力が弱いとしても、全体として一体不可分の商標として理解、認識される旨主張する。 しかしながら、上記(1)アのとおり、本願商標の構成中、「大阪」の文字部分は、役務の提供の場所を表したものと認識させるものであるから、自他役務の識別標識としての機能がないか又は極めて弱い部分であり、一方、「リフナビ」の文字部分は、本願商標の自他役務の識別標識としての機能を強く果たす部分であるから、本願商標は、常に一体不可分ものとして理解、認識されるとは限らないというべきである。 イ 請求人は、引用商標について、ある単語の一部が図案化されている場合に図案化される前の単語を推測できるのは、当該単語を認識しているから可能であって、「リフナビ」という語が知られているものではない以上、先頭文字が何であるかを推測できないから、引用商標からは、「フナビ」又は「ノフナビ」の称呼しか生じない旨主張する。 しかしながら、引用商標の構成中の「リ」の文字部分は、全体として片仮名の「リ」と構成を共通にするものであり、また、一部を図案化することによって片仮名の「リ」と認識することを妨げるほど、その図案化の程度が著しいというほどのものではない。むしろ、「リ」の文字の右側は、垂直の直線部分が長いことや湾曲度合いなどにおいて、片仮名の「ノ」とは構成が異なるというべきである。 してみれば、引用商標は、「リフナビ」の文字を表したものと容易に認識されるから、「リフナビ」の称呼のみが生じるものである。 ウ 請求人は、過去の審決例を挙げて、本願商標と引用商標とも同様に捉えるべき旨主張する。 しかしながら、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるから、構成態様や指定役務の異なる過去の審決例によって、ただちに本願商標と引用商標との類否判断が左右されるべきではない。 エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することはできない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1(本願商標の指定役務) 第35類「インターネットによる広告,広告の代理,広告業,経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,職業のあっせん,コンピュータデータベースへの情報編集,コンピュータ又はコンピュータシステムの操作に関する運用管理,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,広告用具の貸与,求人情報の提供,新聞記事情報の提供」 第44類「エステティック技術を用いた美容・理容に関する情報の提供,美容院・エステサロンの紹介・取次ぎ,美容・理容・あん摩・マッサージ・指圧・カイロプラクティック・きゅう・柔道整復・はりに関する情報の提供,育毛・増毛・植毛に関する情報の提供,育毛・増毛・植毛及び脱毛の予防に関する情報の提供,頭髪の発毛・育毛・増毛及びかつらの装着に関する情報の提供,美容,理容,リラクゼーションマッサージ・オイルマッサージ・リフレクソロジー・リンパマッサージの提供に関する情報の提供,マッサージの提供に関する情報の提供,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,整体,はり治療,温泉入浴施設に関する情報の提供,医療・歯科医業に関する情報の提供」 別掲2(引用商標) ![]() 別掲3(引用商標の指定役務) 第35類「広告業,インターネットによる広告の代理,経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,商品の売買契約の仲介,広告用具の貸与,職業のあっせん,電子計算機・タイプライター又はこれらに準ずる事務用機器の操作,輸出入に関する事務の代理又は代行,求人情報の提供」 第44類「リラクゼーションマッサージ,オイルマッサージ,リフレクソロジー,リンパマッサージ,タイ式マッサージ,美容,理容,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,リラクゼーションマッサージの提供に関する情報の提供,温泉入浴施設に関する情報の提供,美容・理容・あん摩・マッサージ・指圧・カイロプラクティック・きゅう・柔道整復・はりに関する情報の提供」 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 |
審理終結日 | 2022-12-08 |
結審通知日 | 2022-12-12 |
審決日 | 2022-12-28 |
出願番号 | 2022043886 |
審決分類 |
T
1
8・
261-
Z
(W3544)
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最終処分 | 02 不成立 |
特許庁審判長 |
岩崎 安子 |
特許庁審判官 |
馬場 秀敏 茂木 祐輔 |
商標の称呼 | リフナビオーサカ、リフナビ |
代理人 | 古谷 栄男 |
代理人 | 松下 正 |