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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W33
管理番号 1400586 
総通号数 20 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2023-08-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-05-23 
確定日 2023-08-09 
事件の表示 商願2020−60281拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、団体商標として登録をすべきものとする。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和2年5月14日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年6月10日付け:拒絶理由通知
令和3年9月16日 :意見書の提出
令和4年2月16日付け:拒絶査定
令和4年5月23日 :審判請求書の提出

2 本願商標
本願商標は、「CHIANTI GRAN SELEZIONE」の文字を標準文字で表してなり、第33類「保護原産地呼称「Chianti」の規格に従ったぶどう酒」を指定商品とし、団体商標として登録出願されたものである。

3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した国際登録第1182741号商標(以下「引用商標」という。)は、「CHIANTI CLASSICO」の欧文字と「GRAN SELEZIONE」の欧文字を2段に表してなり、2013年6月7日にItalyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2013年(平成25年)8月28日に団体商標として国際商標登録出願、第33類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成27年12月11日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

4 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、本願商標の構成中、「GRAN SELEZIONE」の文字部分を分離抽出し、これと引用商標とが、「グランセレツイオーネ」又は「グランセレジオーネ」の称呼を共通にする類似の商標であるとして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとしたものである。

5 当審の判断
本願商標は、上記2のとおり、「CHIANTI GRAN SELEZIONE」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は同じ書体、同じ大きさで表されており、外観上まとまりよく一体的に看取されるものである。
そして、本願商標の構成中「CHIANTI」の文字は、「キアンティ(トスカーナ州キアンティ三の赤ワイン)」の意味を有するイタリア語(「伊和中辞典<第2版>」株式会社小学館)であって、別掲に示す情報によれば、当該文字とつづりを同じくする「Chianti」の文字は、欧州議会・欧州理事会規則に基づき、本願商標の登録出願日前の2017年6月12日に、世界貿易機関の加盟国であるイタリアに係るぶどう酒のPDO(原産地呼称保護)として登録されているものである。また、「Gran」の文字は「大きい」等の意味を、「SELEZIONE」の文字は「選ぶこと」等の意味を有するイタリア語(ともに前掲書)であるものの、我が国において、そのような意味を有する語として一般に広く知られているとはいい難いものであるから、特定の意味合いを認識させるものではない。そして、特定の観念を生じない欧文字からなる商標については、我が国において広く親しまれているローマ字読み又は英語風の発音をもって称呼されるのが一般的といえるから、これらを結合した「CHIANTI GRAN SELEZIONE」の文字全体としては、「キアンティグランセレジオーネ」の称呼を生じ、特定の意味合いを想起させることのないものとみるのが相当である。
さらに、当審において職権で調査するも、本願商標の構成中「GRAN SELEZIONE」の文字部分が、取引者、需要者に対し、自他商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであると認めるに足りる事情は見いだせない。
してみれば、本願商標の上記構成及び称呼からすれば、これに接する取引者、需要者は、殊更に「GRAN SELEZIONE」の文字部分にのみ着目することなく、本願商標の構成全体をもって認識し、把握するというのが自然である。
そうすると、本願商標は、その構成文字全体に相応して「キアンティグランセレジオーネ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
したがって、本願商標から「GRAN SELEZIONE」の文字部分を分離、抽出し、その上で「グランセレツイオーネ」又は「グランセレジオーネ」の称呼をも生じるとし、これを前提として本願商標と引用商標とが類似の商標であるとして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲

別掲
「EUROPEAN COMMISSION(仮訳:欧州委員会)」のウェブサイトにおいて、「EXTRACT FROM THE REGISTER OF PROTECTED DESIGNATION OF ORIGIN AND PROTECTED GEOGRAPHICAL INDICATIONS ESTABLISHED BY ARTICLE 104 OF REGULATION(EU)NO 1308/2013(仮訳:欧州議会・欧州理事会規則(EU)NO 1308/2013 104条に基づくPDO(原産地呼称保護)及びPGI(地理的表示保護)登録からの引用)」として、以下の情報が掲載されている。
「Name:Chianti」(仮訳:「名称:Chianti」)
「File number:PDO−A1228−AM04」
「Type:Protected Designation of Origin(PDO)」(仮訳:「タイプ:原産地呼称保護(PDO)」)
「Country:Italy」(仮訳:「国:イタリア」)
「Date of Registration:12/06/2017」(仮訳:「登録日:2017年6月12日」)
(https://ec.europa.eu/info/food-farming-fisheries/food-safety-and-quality/certification/quality-labels/geographical-indications-register/details/EUGI00000015532)
(参考)
REGULATION(EU)NO 1308/2013
Article 104 Register(仮訳:104条 登録簿)
The Commission shall establish and maintain an electronic register of protected designations of origin and protected geographical indications for wine which shall be publicly accessible. (以下略)
(仮訳:委員会は、公的にアクセス可能なぶどう酒についての原産地呼称保護及び地理的表示保護の電子的登録簿を設け、維持しなければならない。)
(https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX%3A32013R1308)

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審決日 2023-07-25 
出願番号 2020060281 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W33)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 冨澤 武志
特許庁審判官 馬場 秀敏
須田 亮一
商標の称呼 キャンティグランセレツイオーネ、チアンティグランセレジオーネ、キアンティグランセレジオーネ、グランセレツイオーネ、グランセレジオーネ 
代理人 小暮 理恵子 
代理人 行田 朋弘 
代理人 阿部 達彦 

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