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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W030510
管理番号 1399742 
総通号数 19 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2023-07-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-08-04 
確定日 2023-06-23 
異議申立件数
事件の表示 登録第6565225号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6565225号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6565225号商標(以下「本件商標」という。)は、「SE−KKOMMA」の欧文字を横書きしてなり、令和3年2月19日に登録出願、第3類、第5類及び第10類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同4年4月28日に登録査定され、同年6月2日に設定登録されたものである。

2 引用商標
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するとして引用する商標は次のとおりである(以下、それらをまとめて「15号引用商標」という。)。
ア 登録第5846954号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成 別掲1のとおり
指定商品 第30類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成27年12月1日
設定登録日 平成28年4月28日
イ 登録第5798216号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成 「セコマ」と「SECOMA」の文字を2段に横書きしてなるもの
指定役務 第35類に属する商標登録原簿に記載の役務
登録出願日 平成27年6月5日
設定登録日 平成27年10月9日
ウ 登録第5798217号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成 「セコマ」と「SECOMA」の文字を2段に横書きしてなるもの
指定商品 第30類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成27年6月5日
設定登録日 平成27年10月9日
エ 登録第5798212号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成 「セコマ」と「SECOMA」の文字を2段に横書きしてなるもの
指定商品 第32類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成27年6月5日
設定登録日 平成27年10月9日
オ 登録第5798207号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成 「セコマ」と「SECOMA」の文字を2段に横書きしてなるもの
指定商品 第29類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成27年6月5日
設定登録日 平成27年10月9日
カ 登録第5798214号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の構成 「セコマ」と「SECOMA」の文字を2段に横書きしてなるもの
指定商品 第33類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成27年6月5日
設定登録日 平成27年10月9日
(2)申立人が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は次のとおりであり(以下、それらをまとめて「11号引用商標」といい、15号引用商標とあわせて「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
ア 登録第5798216号商標(引用商標2)
イ 登録第5848177号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の構成 「セコマ」と「SECOMA」の文字を2段に横書きしてなるもの
指定商品及び指定役務 第1類ないし第28類、第34類及び第36類ないし第45類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
登録出願日 平成27年11月11日
設定登録日 平成28年5月13日
ウ 登録第5846951号商標(以下「引用商標8」という。)
商標の構成 別掲1のとおり
指定商品 第3類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成27年12月1日
設定登録日 平成28年4月28日
エ 登録第5846952号商標(以下「引用商標9」という。)
商標の構成 別掲1のとおり
指定商品 第5類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成27年12月1日
設定登録日 平成28年4月28日
オ 登録第6306274号商標(以下「引用商標10」という。)
商標の構成 別掲2のとおり
指定商品及び指定役務 第3類、第5類、第8類、第9類、第11類、第14類、第16類、第18類、第21類、第24類、第25類、第28類ないし第35類及び第43類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
登録出願日 令和元年12月13日
設定登録日 令和2年10月21日

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第15号及び同項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第286号証(枝番号を含む。)を提出した。(なお、甲第11号証、甲第12号証、甲第22号証ないし甲第25号証及び甲第262号証は欠号である。)
(1)商標法第4条第1項第15号について
ア 申立人及びセイコーマートの店舗について
申立人はコンビニエンスストア(以下「CVS」という。)のセイコーマート事業を核とする会社として1974年(昭和49年)に発足した。CVSのフランチャイズチェーン展開する会社として、一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会の正会員として登録を受け、北海道を基盤として事業展開している。
日本にあるCVSの中で最も早い1971年(昭和46年)にセイコーマート1号店を札幌市で開店し、2021年には誕生から50周年を迎えた。北海道を中心として茨城県・埼玉県に出店し、セイコーマートの店舗展開は継続している。
2016年(平成28年)4月に株式会社セイコーマートから株式会社セコマに社名変更し、社名変更後はセイコーマート店で販売している約1000種類を超えるセイコーマートのプライベートブランド商品(以下「PB商品」という。)に申立人の商標である別掲1のとおりの商標(以下「ロゴ商標」という。)を表示して販売し、広告宣伝を行ってきた。
その結果、ロゴ商標はセイコーマートのPB商品を示す商標として北海道内はもちろん全国でも認識されるに至っている(以下、ロゴ商標を使用したPB商品を「セコマ商品」という。)。
また、「セコマ」は社名変更以前からCVSのセイコーマートの略称として広く使用されており、新聞雑誌等でもセイコーマートのことを「セコマ」と表記する記事は多い。
セイコーマートは飲食料品を主に販売するコンビニエンスストアであり、その店舗はオレンジ色の目立つ看板に特徴があり、庇部分のデザインを位置商標として商標登録している(商標登録第5805761号、同第5805762号)。
セコマ商品は全てのセイコーマート店で販売している。セコマ商品は売場で陳列し販売しているため、多くの需要者が目にしている。
イ 商標の周知度
(ア)周知著名商標について
申立人がセコマ商品に使用している周知著名商標は商標「ロゴ商標/セコマ」である(15号引用商標)。
申立人は北海道を基盤として50年以上セイコーマートのCVSを営業しており、従来からセイコーマートの略称として「セコマ」が使われていた。
新聞雑誌でも、「セコマ」は地元の若者らの間で自然発生的に使われてきた略称であり(甲29)、北海道ではセイコーマートを「セコマ」と呼ぶ消費者が多い(甲43)、北海道内に千店以上を展開し「セコマ」の愛称で親しまれている(甲207)、と書かれていることから明らかである。
2016年4月からのロゴ商標の使用開始後は、ロゴ商標の称呼と、セイコーマートの略称である「セコマ」と申立人商号「セコマ」が同じであることが重なり、今まで以上にセイコーマートを「セコマ」という人が増え、新聞などでもセコマと書かれるようになった。2021年の本件商標の出願時には更に多くの人がセイコーマートを「セコマ」と広く認識するようになっている。
これについては、後述する商工会議所や地方自治体が作成した証明書からも明らかである。北海道ではコンビニのセイコーマートを知らない人はおらず、「セコマ」といえば「セイコーマート」をいうと広く認識されている。
(イ)商標の使用態様
a ロゴ商標の使用態様
セコマ商品の正面の目立つ部分にロゴ商標を表示している(甲3)。顧客の目に入り易く、多くの需要者がロゴ商標を目にしている。
b 「セコマ」の使用態様
セイコーマート店舗の売場では、セコマ商品の陳列場所で値札表にカタカナの「セコマ」を使用している。需要者は値札表を見て購入するので、毎日、多くの顧客が商標「セコマ」を目にしており、「セコマ」は周知著名となっている。
(ウ)商標を使用する商品・役務
申立人は1995年に最初のPB商品であるアイスクリームを発売した。その後、PB商品の種類を増やし、2022年3月末で1243品目となっている(甲4、甲5)。セコマ商品の95%以上の1192品目が飲食料品である。2021年4月1日から2022年3月末迄の1年間におけるセコマ商品の販売数は、約2億2千万個であり(甲5)、毎日、60万個のセコマ商品がセイコーマートの店舗で販売される計算となり、多くの需要者がセコマ商品を購入している。
また、セコマ商品の牛乳「北海道とよとみしぼり。1lパック」は、1年間に約530万本販売されており、毎日、1万4千本を需要者が購入している計算となる。この牛乳の膨大な販売本数からも、商標「ロゴ商標/セコマ」は周知と考える。
セイコーマートの略称として「セコマ」が広く使われている。これは、コンビニエンスストアの小売等役務であり、飲食料品の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供での使用に該当する。セコマといえば飲食料品や酒類を扱うCVSであるという認識は北海道で広く定着している。
(エ)商標の使用開始時期
2016年4月1日に申立人は株式会社セイコーマートから株式会社セコマに商号変更した(甲6)。
商号変更後は商標「ロゴ商標/セコマ」をPB商品に使用するようになり現在に至っている。
また、「セコマ」は、CVSの「セイコーマート」の略称として商号変更する前から広く使われていたが、2016年の商号変更とロゴ商標の使用後はセイコーマートの略称としてそれまで以上に広く認識されるようになったと自負している。
後述するが、商号変更後は新聞雑誌などでもセイコーマートのことを「セコマ」という記事は目立っている。
ファミリーマートのファミマ、スターバックスのスタバ、マクドナルドのマックのように略称がチェーン店の名称として日常的に使われ、略称は各チェーンを指すものとして、その店舗の品揃えや店舗サービス(小売等役務)を示すものとして使われている。
「セイコーマート」も同様であり、略称「セコマ」は「セイコーマート」と同じかそれ以上に親しまれて使われ、セコマのコンビニ店が提供する小売等役務を示すものとして周知著名となっている。
(オ)セコマ商品の販売地域
a セイコーマート店鋪での販売
セコマ商品を最も多く販売しているのはセイコーマートの店舗である。セイコーマートは、北海道、茨城県、埼玉県に出店している。本件商標の出願前の2021年1月31日時点で、全国で1170店(北海道1079店、茨城・埼玉91店)が営業している(甲7)。
北海道では179市町村のうち174市町村にセイコーマートは出店している。道内人口を523万人とすると、出店地域の人口合計は522万人であり、人ロカバー率は99%を超え、北海道のほぼ全域で需要者が商標「ロゴ商標/セコマ」に接している。また、スーパーが撤退した人口の少ない地区や利尻島・礼文島にも出店しており、セイコーマートは地域のライフラインとして活用され、多くの需要者がセコマ商品を購入している。
北海道に出店している各チェーンの道内店舗数は、2022年3月末において、セイコーマートが1085店、セブン−イレブンが1002店、ローソンが679店(同年2月末)、ファミリーマートが240店であり、セイコーマートが一番多く営業している。また、北海道の観光地や主要幹線道路にも多数存在し、全国からの多数の旅行客がセイコーマートで買物をしている。
b インターネットによる販売
セコマ商品は、セイコーマートのHPにあるSeicomart online(セイコーマートオンライン)で販売しており全国の需要者がインターネットで購入している。
セイコーマートオンラインで販売しているセコマ商品は、合計114品目である(甲19)。インターネット販売は本件商標の出願前の2017年から行っている(甲92)。
北海道・茨城県・埼玉県のセイコーマートで購入したセコマ商品を気に入った全国の顧客からインターネットで注文が来ている。そのため全国の需要者に「ロゴ商標/セコマ」が知られていると考える。
c セコマグループの店舗での販売
セコマ商品は、セイコーマート以外でもセコマグループの食品小売店である北海道各地にあるハマナスクラブ(38店)、函館のハセガワストア(13店)、根室のタイエー(3店)でも販売されている。
d セコマグループ以外の店舗での賑売
本州では、他チェーンの小売店を通じて販売することでセコマ商品の販売を行っている。
(a)ウエルシア店舗での販売
ウエルシア薬局のうち食品を販売する本州の約1600店でセコマ商品が販売され、全国の多くの顧客がセコマ商品を購入している。
(b)食品スーパー、GMS等での販売
東京・神奈川の「まいばすけっと」、埼玉の「ベルク」、大阪の「ライフ」「万代」などウエルシア以外の食品スーパー、GMS(総合小売業)でもセコマ商品を販売している(甲20)。
申立人は、2011年に東京営業所を設置して本州でのセコマ商品の営業活動を開始した。ウエルシア以外の食品スーパー、ディスカウントストア、GMS(総合小売業)、生協などのチェーン店からも北海道フェアなどスポット的な注文がありセコマ商品を本州で販売している。
セコマ商品のうち、特に、北海道で製造された乳製品は人気が高く、本州のみならず九州や四国のイオン、イズミ・ゆめタウン、マルナカ等からも注文があり、セコマ商品は全国で販売されている。
(カ)セコマ商品の売上金額
セイコーマート店舗におけるセコマ商品の売上額及びセコマグループ以外(ウエルシア、イオン等)でのセコマ商品の売上額は、2020年が約291億円及び約8.6億円、2021年が約313億円及び約16.5億円である。
(キ)セイコーマートの来店客数
セイコーマート1店舗で1日に約600人が買物しているので、セイコーマート全店では1日に70万人が買物をしている計算となる(600人×1170店=702,000人)。買物をした人の家族など来店しても買物をしなかった人まで含むと更に膨大な人数となる。
毎日、70万人の需要者がセコマ商品を購入し、年300億円以上のセコマ商品が全国で購入されていることから、商標「ロゴ商標/セコマ」は北海道だけでなく、全国の需要者に周知著名であると確信する。
(ク)セイコーマートの売上構成
セイコーマートの店舗では、食料品、飲料水、日用品雑貨類など約3500品目の商品を販売している。また、公共料金の収納代行、宅配便の取次ぎ、年賀状印刷、コピーサービス、DPEサービスの役務も行っている。セイコーマートの店舗の売上構成比率は、飲食料品62.9%、生活雑貨1.7%、衣料品0.1%、煙草・その他35.3%である。
(ケ)申立人による広告宣伝
a チラシによる広告
セイコーマートでは、他社CVSが殆ど行っていない新聞折込みチラシの広告を継続して行っている(甲9)。コンビニであるがスーパーのように毎週チラシを作成し、北海道、茨城県、埼玉県の地区で配布し、チラシを折込むCVSとして著名となっている。
2017年1月から2021年12月までのチラシの作成枚数は、北海道は平均で1回あたり136万枚、関東は平均で1回あたり9万枚であり(甲8)、また、2017年1月〜3月には北海道で170万枚を超える膨大なチラシを8回作成して広告している。
チラシの印刷部数は週により異なるが、チラシの使い方は概ね、新聞折込み70〜100万枚、業者のポスティング45〜60万枚、店舗で配布30〜35万枚である。
チラシには多くのロゴ商標が使用されている。チラシによる広告は20年以上前から継続して行っており、現在も毎週チラシを配布している。チラシには期間限定で牛乳等を10円引きするクーポンの掲載もあり(甲9の278)、多くの顧客がチラシの到着を待ち望んでいる。
チラシによる宣伝効果は大きい。多くの人が目にしており、ロゴ商標は北海道や茨城県・埼玉県の需要者に周知著名となっている。また、セイコーマートのHPではチラシをPDFで毎日公開している。
b 開店チラシによる広告
セイコーマートが新規オープンや店舗を改装してオープンする際、店舗周辺に開店チラシを配布している(甲10)。
c テレビCMによる広告
セイコーマートは本件商標の出願前からセコマ商品のテレビCMを行っている(甲13)。また、申立人は、2016年12月から、人気落語家を現在まで5年以上セイコーマートのテレビCMに起用している。セコマ商品のテレビCMは人気落語家の起用により更に注目度が高くなっている。
d 新聞広告
2016年ないし2020年に新聞広告で、セコマ商品の全面広告や企業広告を行った(甲14〜甲17)。
e 雑誌広告
2017年2月から2021年6月に「月刊クオリティ」及び「財界さっぽろ」にセコマ商品の広告を18回掲載した(甲18)。
(コ)マスコミが取り上げたセコマの記事
申立人やセイコーマートに関しては新聞雑誌に「セコマ」として多数の掲載がされており「セコマ」の紹介記事は多い(甲26〜甲257)。「セコマ」は申立人の社名としてだけでなくセイコーマートを表示する略称として何度も掲載され「セコマ」は全国的に知られるようになった。コンビニの「セコマ」が著名になり、来店者が増えれば「セコマ」は更に周知著名となる。
本件商標の出願前において「セコマ」の紹介記事は多数あり、本件商標の出願時において「セコマ」といえばセイコーマートや申立人を連想し、コンビニでセコマ商品といえばセイコーマートのオリジナル商品を連想する人は北海道に多い。この周知性は北海道だけに留まるものではなく全国に及ぶ。
(サ)周知の証明書
商標「ロゴ商標」「セコマ」が周知著名であることを、商工会議所、地方自治体、協会、取引先などが証明しているので、その証明書を提出する(甲282、甲283)。
甲第282号証の証明書は、北海道全域の公的機関が証明したものであり、公的機関による周知証明は尊重されるものである。また、甲第283号証の2ないし53の証明書は北海道のみならず全国の取引先が証明したものであるから、これらの証明書によっても申立人の商標「ロゴ商標」「セコマ」は、北海道のみならず全国的に周知著名であることは明らかである。
(シ)申立人以外による商標「ロゴ商標」「セコマ」の使用の有無
申立人の調査では、申立人以外の者が商標「ロゴ商標」「セコマ」と同一商標や類似商標を菓子、総菜、食料品、茶、コーヒー、飲料水、酒類、コンビニエンスストア名に使用している事実は見つからなかった。そのため、今後、本件商標「SE−KKOMMA」が使われると申立人の周知著名商標と混同するおそれは高い。
(ス)セコマグループによるロゴ商標の使用
セコマグループ会社は小売以外で食品製造を行い、加えて水産物加工、農業法人、物流関係、冷凍倉庫、電気設備工事、システム開発、印刷などを行っている。
グループ会社のホームページにはロゴ商標を表示し、また、各社の建物の名称の近くにロゴ商標を表示してセコマグループ会社と判るようにしている(甲21)。
本件商標「SE−KKOMMA」のように紛らわしい表示がHPやインターネットに掲載されると、申立人のグループ会社であるかのように混同する可能性は高い。
(セ)地域貢献について
北海道では、人口減少の地域やスーパーが撤退して買物が不便となった地域の町内会などから申立人に出店依頼がきている。そのため、セイコーマートは過疎地まで出店している。これは過疎地の需要者にもロゴ商標が知られていることに他ならない。
また、申立人は地方自治体から依頼を受け、大地震など災害時に物資提供の要請があればセコマ商品などの物資を提供する災害協定を締結している(甲55、甲145、甲160、甲285)。
北海道の多くの市町村から災害協定の依頼があるという事実は、セコマはコンビニという範囲を遥かに超えて災害時に頼りにされる存在となっていることを示すものである。
申立人は、食品の製造から物流まで自分達で行うため全道のどの市町村にも商品を届けることができる。このような取組みは全道の市町村に知られている。
(ソ)顧客満足度1位
サービス産業生産性協議会が毎年行っている顧客満足度調査のコンビニエンス部門で、セイコーマートが5年連続1位となっている(甲246)。
(タ)テレビ放送された例
セイコーマートは、NHKなどテレビ局から取材を受け、放送されることがあり全国で見られている。
(チ)日本国周知・著名商標の認定
J−PlatPatの日本国周知・著名商標を検索すると、商標「セイコーマート/Seicomart」は、周知著名商標と認定されている。また、申立人の商標「Seicomart(「o」の文字がデザイン化されたもの)」は、日本有名商標集(AIPPI・JAPAN発行)に掲載されている(甲284)。
(ツ)マスクの販売
a マスクの発売日
セコマグループは、経済産業省より不織布マスクの製造・安定供給に関する要請を受け、北海道石狩市にマスクの製造工場を設置し、コロナウイルス感染防止のためセコマ商品のマスクを2020年9月18日より販売を開始した(甲258)。使用する素材は全て日本製であることからマスクの人気は高い。
b 商品パッケージ
発売中のマスク3品の商品パッケージにはロゴ商標が表示されている。更に、マスク本体の正面左下にロゴ商標が入っており、どのブランドを着用しているかがマスクを見て判るようになっている。
c 衛生マスクのチラシ広告
セコマ商品のマスクは、発売開始から現在まで何度も新聞折り込みチラシに掲載して宣伝している(甲259〜甲261)。
d 衛生マスクのガイドライン掲載、雑誌広告
2021年2月に発行された北海道経済部発行のガイドブックには、北海道でヘルスケア関連産業に参入している企業として申立人のオリジナルマスクが紹介されている(甲269)。
2021年4月及び5月に発行された月刊雑誌クオリティに、ロゴ商標が表示された国産不織布フィルターマスクの広告が掲載されている(甲18)。
e 衛生マスクの店舗での広告
セイコーマートのマスク売場ではマスク発売開始から大型パネル、POPを設置してマスクを宣伝している。
f 衛生マスクの寄付
申立人は、毎年12月に北海道内の児童福祉施設にサンタクロースに扮した社員が訪問して子供たちにクリスマスケーキをプレゼントしており、2020年12月にはクリスマスケーキと共に114か所の児童福祉施設の4600名の職員向けに「Secoma 肌ざわり、なめらか 国産不織布マスク」(7枚入り)を4600個寄付した(甲263)。
更に、申立人は、2021年6月22日に北海道教育委員会に同マスクを17457個寄付した(甲268)。
g マスコミが取り上げたマスクの記事
申立人の衛生マスクはマスコミ紹介記事に取り上げられている(甲264〜甲267、甲270〜甲281)。
ウ 本件商標と「ロゴ商標」「セコマ」との類似性の程度
本件商標「SE−KKOMMA」と引用商標「セコマ/SECOMA」「ロゴ商標」との類似性については、後述の(2)で詳しく述べるが、本件商標からは「セコンマ」と「セコマ」の称呼が生じ、引用商標からは「セコマ」の称呼が生ずるところ、本件商標から「セコマ」の称呼を生ずるときは引用商標と称呼が同一であり、両商標は互いに類似商標に該当する。
また、両者の称呼「セコマ」と「セコンマ」を比較すると、これらをそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が近似するため聞き誤るおそれが高く、両商標は類似するほど紛らわしい関係にある。
エ 造語商標
本件商標「SE−KKOMMA」は特定の意味を持たない造語である。
申立人の商標「セコマ」はコンビニの「セイコーマート」の略称の造語商標であり既成語とは異なる。一般に著名な造語商標は既成語に比べて混同を生じ易く混同する可能性は高い。
オ ハウスマーク
「セコマ」は申立人の社名であり、「セコマ」と言えばコンビニのセイコーマートとして広く知られている。特に商標「ロゴ商標/セコマ」については、申立人が扱うセコマ商品に使用するハウスマークと認識されており、商品毎に使用される所謂ペットマークと比較しても識別力が強い。
したがって、ハウスマークである「ロゴ商標/セコマ」は通常のペットマークより混同が生ずる範囲が広く本件商標と混同する可能性は高い。
カ 企業における多角営業の可能性
セコマ商品は、前述のとおり、乳製品、清涼飲料、加工食品、雑貨など約1000品目以上あり、コンビニで扱う広い商品カテゴリーのPB商品を展開している。これは申立人が複数業界のメーカーを取り込んでいることと同じであり、企業における多角経営そのものである。
申立人は今後も新しいPB商品の販売を拡大する予定がある。これは企業による多角営業の取組と一致する。
キ 商品・役務の関連性
商標「ロゴ商標」「セコマ」は、セコマ商品のうち主に飲食料品で周知著名であり、「セコマ」はCVSの小売等役務の周知著名商標である。
ク 需要者の範囲
本件商標の指定商品にある「芳香剤、シャンプー、せっけん類、歯磨き」などは、いずれもセイコーマート店舗で販売している商品である。本件商標の指定商品はコンビニで売られる日用品が多く、セイコーマートの需要者と範囲が一致する。
ケ 小括
本件商標は申立人と全く関係のない外国企業が商標登録したものである。本件商標がその指定商品に使用された場合、申立人の業務に係る商品等と混同を生ずるおそれがある。また、申立人と経済的又は組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品等であると誤認し、出所について混同するおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標について
本件商標は、「SE−KKOMMA」の文字からなるものである。
イ 11号引用商標について
引用商標2及び引用商標7は、いずれも「セコマ」のカタカナを横書きし、その下に「SECOMA」の英文字を2段書きで表してなるものである。
引用商標8及び引用商標9は、いずれも英文字「Secoma」を横書きし、「o」の文字を丸い鳥の図形で表してなるものである。
引用商標10は、英文字「Secoma」を横書きし、「o」の文字を丸い鳥の図形で表してなり、その下に「ここにあるおいしさを、お手ごろに」とデザインした北海道の図形を組み合わせてなるものである。
ウ 本件商標と11号引用商標との対比
(ア)称呼について
a 本件商標
「SE−KKOMMA」は、見慣れない欧文字であり複数の称呼が考えられるが、本件商標に接する需要者は次の理由により「セコンマ」「セコマ」の称呼を自然に認識する。
(a)「SE」の称呼
本件商標「SE−KKOMMA」の「SE」の部分から称呼「セ」が生ずる。本件商標中の「SE」と「KKOMMA」との間には「−」があり両者は外観上明らかに分離され、区別されている。そのため「SEKKOMMA」のように「−」を省略して称呼を認識することはない。
(b)「KKO」の称呼
本件商標中の「KKOMMA」の冒頭「KKO」については、促音「ッ」から発音を始める日本語がないため「KKO」の部分から「コ」の称呼が生ずると考えるのが自然である。また、「K」から始まる殴文字として「Knife(ナイフ)」「Knob(ノブ。ドアの取っ手)」「Knit(ニット。編物)」のように語頭「K」を発音しない殴文字も見られるため「kko」については語頭の「K」を読まずに「コ」と称呼するとしても不自然ではない。
(c)称呼「セコンマ」の発生
「KKO」に続く「MMA」をローマ字(ヘボン式)読みすると「ンマ」と読まれ、「KKOMMA」からは「コンマ」の称呼を生ずる。従って、「SE」(称呼「セ」)の後に「KKOMMA」(称呼「コンマ」)が続く本件商標については「セコンマ」の称呼が生ずるものである。
(d)称呼「セコマ」の発生
「Summer(サマー。夏)」「Commennt(コメント。解説)」「Summit(サミット。頂上)」「Command(コマンド。命令)」のように「MM」の部分を「ン」と読まない読み方もある。この読み方とすると「KKOMMA」から称呼「コマ」が生ずるので、本件商標から称呼「セコマ」を認識する需要者もいると考える。
(e)本件商標の一体性
「SE−KKOMMA」の「SE」と「KKOMMA」の欧文字を見ると同じ書体、同じ大きさで外観上まとまりよく構成されている。この外観上の特徴から「SE−KKOMMAにある「SE」を省略して「KKOMMA」の称呼が生ずることはない。
また、殴文字二文字の「SE」が商品の型番・品番として用いられることがあるとしても、このような場合は商標の末尾に付されるのが通例である。そのため語頭に付された「SE」が型番等として認識されることはなく、商標の構成中「SE」を除く「KKOMMA」の部分だけに注目して取引されることはない。むしろ本件商標の構成全体が一体不可分のものと認識するのが自然である。
b 11号引用商標
11号引用商標は、いずれも「セコマ」の称呼を生ずる。
(イ)称呼の比較
a 称呼「セコマ」との対比
本件商標「SE−KKOMMA」の称呼「セコマ」は11号引用商標の称呼と同ーであり両者は互いに紛らわしい類似商標に該当する。
b 称呼「セコンマ」との対比 「セコマ」と「セコンマ」の称呼を比較すると、「セコンマ」の4音のうち語頭における「セコ」の音と語尾における「マ」の3音を共通にし、第3音において「ン」のみの称呼の差異を有する。
差異音「ン」は鼻音で極めて弱い音である。相違する1音が弱音であるときや弱音の有無に過ぎないときは、類似判断される傾向が強く、特許庁の審決(不服2001−16757)でも「Petrous(ペトラス)」と「Petra(ペトラ)」は類似するとされている。
また、「セコンマ」の「ン」の音は称呼の識別上印象の薄い中間(3音目)に位置するため、「セコマ」とは相紛らわしい関係にある。
更に、「ン」の前に位置する「コ」が強音であるため「ン」の音は強く響く「コ」の音に吸収され易く、「セコンマ」の「ン」は明確には聴取され難い。
3音や4音の短い称呼のときは通常は一連に称呼されることが多い。両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が近似するため聞き誤るおそれが高く、両商標は称呼類似に該当する。
(ウ)2音ずつ称呼される商標
称呼で4音の商標は一連に称呼されるが、発音の仕方により2音2音に分けて称呼され類似しないとされた審決が見られた(甲286の1〜3)。
しかしながら、本件商標の称呼「セコンマ」については、日本語で「ン」から始まる言葉はないから、前半「セコ」の2音と後半「ンマ」の2音とのに区別して称呼認定できるものではない。
一気に称呼される「セコンマ」の「ン」は鼻音で響きは弱く明確には聴取されず「コ」の音に吸収されて目立ち難い。そのため、「セコンマ」と「セコマ」が聴取されるときに需要者に与える称呼の全体的印象は互いに紛らわしいと言わざるを得ない。
(エ)審決
称呼「ン」が商標の中間音の有無に過ぎない場合、類似すると判断された審決は多数見られる(甲286の4〜9)。これは称呼「ン」の違いが4音の商標の中間音であっても、類似判断されることを意味する。中間音の「ン」の有無をもって一律に非類似と判断できるものではない。
(オ)外観・観念について
本件商標「SE−KKOMMA」と11号引用商標のそれぞれの構成中の「セコマ」又はロゴ商標と商標の語頭「SE」と語尾「MA」の文字が共通している。
本件商標の称呼「セコンマ」は、韓国語で朝鮮王朝が中国に毎年献上する馬「歳貢馬」を指すようだが、これについては一般の需要者になじみがなく、「SE−KKOMMA」は特定の観念を有さない造語商標となる。11号引用商標「セコマ/SECOMA」は造語商標である。
エ 小括
本件商標と11号引用商標とは、両商標の称呼が紛らわしい類似商標であり、その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号について
申立人は本件商標が本号に該当するとして、上記2(1)のとおりの15号引用商標を引用しているが、同人提出の甲各号証及び同人の主張の全趣旨から、申立人は別掲1のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標」という。)及び「セコマ」の片仮名からなる標章(以下「使用標章」といい、使用商標とあわせて「使用商標等」という。)を引用しているものと認め、以下検討する。
ア 使用商標等の周知性
(ア)申立人提出の甲各号証、同人の主張及び職権調査によれば、申立人は昭和48年8月に設立された法人であり、平成28年4月に現商号(株式会社セコマ)に変更したこと(甲6)、申立人(前身を含む。)は1971年(昭和46年)頃からコンビニエンスストア「セイコーマート」(以下「申立人店舗」という。)を現在まで継続して運営していること(甲49、ほか、職権調査)、申立人店舗は2016年(平成28年)2月末時点において北海道内に1086店舗(甲29)、2021年(令和3年)1月末時点において北海道内で1079店舗、茨城県及び埼玉県で91店舗が営業していること(甲7、甲4)、申立人店舗においては使用商標を付した乳製品、清涼飲料、冷凍食品などの飲食料品や洗剤、トイレットペーパーなどの日用品(以下、これらをまとめて「使用商品」という。)が2016年(平成28年)頃から現在まで継続して販売されていること(甲3、甲9、甲26、ほか、職権調査)、使用商品は令和3年頃には約1000品目に達していたこと(甲4、甲5)、及び、平成28年から令和2年の新聞、雑誌等において、申立人及び申立人店舗に係る記事が多数掲載され、それら記事のほとんどが申立人及び申立人店舗を「セコマ」と表しており(甲26〜甲257)、中には「申立人店舗を「セコマ」と呼ぶ消費者が多い」などのように記載しているものがあること(甲43、甲207、ほか)などが認められ、使用商品が掲載されたチラシが使用商品の発売当初から令和4年4月頃まで毎週相当数作成され、配布されていたことがうかがえる(甲8、甲9)。
(イ)上記(ア)のとおり、使用商品は、平成28年から現在まで北海道内各地の1000を超える申立人店舗において販売され、令和3年頃には1000品目を超えていると認められ、使用商品が掲載されたチラシが使用商品の発売当初から令和4年4月頃まで毎週相当数作成され、配布されていたことがうかがえることに加え、北海道内各地の商工会議所、地方自治体等の多数の証明(甲282、甲283)をあわせみれば、使用商品及びそれに使用されている使用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品として及び同商品を表示するものとして、いずれも北海道における需要者の間に広く認識されているものと認めるのが相当である。
また、上記(ア)のとおり、平成28年ないし令和2年の多数の新聞、雑誌等において、申立人及び申立人店舗が「セコマ」と表されていることなどからすれば、使用標章「セコマ」は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の略称及び申立人店舗の略称として、北海道における需要者の間に広く認識されているものと認めるのが相当である。
そして、使用標章は、申立人店舗の略称として北海道における需要者の間に広く認識されているものと認められることからすれば、申立人の業務に係る役務(いわゆる「飲食料品及び日用品の小売」。以下「使用役務」という。)を表示するものとして北海道における需要者の間に広く認識されているものということができる。
しかしながら、使用標章は、それが申立人の業務に係る商品を表示するものとして、(北海道における)需要者の間に広く認識されているものと認めるに足りる証左は見いだせないから、そのように認めることはできない。
なお、引用商標1は使用商標と同一の商標であるから使用商標と同様に、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、北海道における需要者の間に広く認識されているものと認められる。また、引用商標2ないし引用商標6はそれらがその指定商品について使用されている事実が確認できないから、いずれも申立人の業務に係る商品を表示するものとして、(北海道における)需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
イ 本件商標と使用商標等の類否
(ア)本件商標
本件商標は、上記1のとおり「SE−KKOMMA」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字は辞書等に掲載のないものであって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解、認識されるものである。
したがって、本件商標は、その構成文字に相応し「エスイイケイコンマ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(イ)使用商標等
使用商標は、別掲1のとおりの構成からなり、容易に「Secoma」の文字をデザイン化したものと認識させるものであるところ、当該文字は辞書等に掲載のないものであって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解、認識されるものである。
したがって、使用商標は、該文字に相応し「セコマ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
また、使用標章は、上記のとおり「セコマ」の片仮名からなるところ、当該文字は辞書等に掲載のないものであって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解、認識されるものである。
したがって、使用標章は、その構成文字に相応し「セコマ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(ウ)本件商標と使用商標等の比較
a 外観
本件商標の構成文字「SE−KKOMMA」と使用商標の構成文字「Secoma」の外観を比較すると、両者は中間部において「−KKOM」の文字か「co」の文字かの相違という顕著な差異を有することから、相紛れるおそれのないものとみるのが相当である。
また、本件商標と使用標章の比較においても、それぞれの外観は、上記(ア)及び(イ)のとおりであるから、構成態様が明らかに異なり相紛れるおそれのないものである。
b 称呼
本件商標から生じる「エスイイケイコンマ」の称呼と使用商標等から生じる「セコマ」の称呼を比較すると、両者は語尾音以外のすべての音が異なるから、両者をそれぞれ一連に称呼しても、かれこれ聞き誤るおそれのないものと判断するのが相当である。
c 観念
本件商標と使用商標等は、いずれも特定の観念を生じないものであるから比較することができない。
d 商標等の類否のまとめ
上記のとおり、本件商標と使用商標等は、外観、称呼において相紛れるおそれがなく、観念において比較できないものである。また、上記ア(イ)のとおり、使用商標等は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、又は、申立人の略称若しくは申立人店舗の略称として、北海道における需要者の間に広く認識されているから、申立人の取扱いに係る使用商品のブランドとしての観念又は申立人の略称若しくは申立人店舗の略称ほどの観念を生じる場合があるものの、その場合、本件商標と使用商標等とは、外観、称呼、観念のいずれにおいても相紛れるおそれがないものである。
してみれば、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似のものであって、別異のものというべきである。
e 申立人の主張について
申立人は、本件商標が「セコンマ」及び「セコマ」の称呼を生じる旨主張しているので、本件商標が「セコンマ」及び「セコマ」の称呼を生じる場合の本件商標と使用商標等との類否について、以下検討する。
(a)本件商標が「セコンマ」の称呼を生じる場合
「セコンマ」の称呼と使用商標等から生じる「セコマ」の称呼を比較すると、両者は前者の第3音「ン」の有無という差異を有し、この差異が、4音又は3音という短い音構成からなる両称呼全体の語調、語感に及ぼす影響は小さくないから、両者をそれぞれ一連に称呼しても、かれこれ聞き誤るおそれのないものと判断するのが相当である。
また、外観及び観念については、上記a及びcのとおりである。
してみれば、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似のものであって、別異のものというべきである。
(b)本件商標が「セコマ」の称呼を生じる場合
「セコマ」の称呼と使用商標等から生じる「セコマ」の称呼は同一である。
また、外観及び観念については、上記a及びcのとおりである。
してみれば、両者は、仮に本件商標より複数生じる称呼の一について共通する場合があったとしても、そのほかの称呼においては相紛れるおそれのないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似のものであって、別異のものというべきである。
ウ 混同のおそれ
上記アのとおり使用商標等は、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして北海道における需要者の間に広く認識されているものと認められるものであるが、上記イのとおり本件商標は、使用商標等と相紛れるおそれのない非類似のものであって別異のものというべきものであるから、本件商標の指定商品と使用商品及び使用役務との関連性の程度、需要者の共通性などを考慮しても、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして使用商標等を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
エ 小括
以上のとおりであるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
本件商標は、上記(1)イ(ア)のとおり、「エスイイケイコンマ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 11号引用商標
引用商標2及び引用商標7は、上記2(1)イ及び上記2(2)イのとおり、いずれも「セコマ」と「SECOMA」の文字を2段に横書きしてなるところ、これらの文字は辞書等に掲載のないものであって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解、認識されるものである。
したがって、引用商標2及び引用商標7は、「セコマ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
引用商標8及び引用商標9は、上記2(2)ウ及びエのとおり、いずれも別掲1のとおりの態様からなり、容易に「Secoma」の文字をデザイン化したものと認識させるものであるところ、当該文字は、上記(1)イ(イ)のとおり、当該文字は辞書等に掲載のないものであって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解、認識されるものである。
したがって、引用商標8及び引用商標9は、該文字に相応し「セコマ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
引用商標10は、別掲2のとおりの構成からなるところ、その構成中の上段のデザイン化された文字「Secoma」に相応し、引用商標8及び引用商標9と同様の理由から、「セコマ」の称呼も生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と11号引用商標の類否
(ア)外観
本件商標と11号引用商標の外観は、上記ア及びイのとおりであるから、構成態様が明らかに異なり相紛れるおそれのないものである。
なお、本件商標の構成文字「SE−KKOMMA」と11号引用商標の構成文字「SECOMA」との比較をしても、上記(1)イ(ウ)aと同様に相紛れるおそれのないものとみるのが相当である。
(イ)称呼
本件商標から生じる「エスイイケイコンマ」の称呼と11号引用商標から生じる「セコマ」の称呼とは、上記(1)イ(ウ)bと同様にかれこれ聞き誤るおそれのないものと判断するのが相当である。
なお、本件商標の称呼と引用商標10から生じ得る「セコマ」以外の称呼は、かれこれ聞き誤るおそれのないこと明らかである。
(ウ)観念
本件商標と11号引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから比較することができない。
(エ)商標の類否のまとめ
上記のとおり、本件商標と11号引用商標は、外観、称呼において相紛れるおそれがなく、観念において比較できないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似というべきものである。
なお、上記(1)ア(イ)のとおり、使用商標が、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、北海道における需要者の間に広く認識されていることからすれば、これと同一の態様からなる引用商標8及び引用商標9並びにこれを要部たり得る部分として含む引用商標10は、申立人の取扱いに係る使用商品のブランドとしての観念を生じる場合があるものの、その場合、本件商標と引用商標8ないし引用商標10とは、外観、称呼、観念のいずれにおいても相紛れるおそれがないものであるから、両者は非類似のものというべきである。
その他、本件商標と11号引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。
(オ)申立人の主張について
申立人は、本件商標は「セコンマ」「セコマ」の称呼を生じる旨主張しているが、本件商標が「セコンマ」又は「セコマ」の称呼を生じる場合であっても、上記(1)イ(ウ)eと同様に、両者は相紛れるおそれのない非類似のものというべきである。
エ 小括
以上のとおり、本件商標と11号引用商標は非類似の商標であるから、両商標の指定商品が同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。


別掲

別掲1 引用商標1、8、9、使用商標 (色彩は原本参照。)


別掲2 引用商標10(色彩は原本参照。)


(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
異議決定日 2023-06-15 
出願番号 2021019915 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W030510)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 大森 友子
特許庁審判官 板谷 玲子
須田 亮一
登録日 2022-06-02 
登録番号 6565225 
権利者 株式會社エルジ生活健康
商標の称呼 セックコンマ、セクコンマ、エスイイケイコンマ、ケイコンマ、コンマ 
代理人 市川 久美子 
代理人 川本 真由美 

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