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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W0529303132
管理番号 1398562 
総通号数 18 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2023-06-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-08-05 
確定日 2023-06-12 
異議申立件数
事件の表示 登録第6565638号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6565638号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6565638号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、令和3年12月9日に登録出願、第30類「調味料,香辛料」を含む、第5類及び第29類ないし第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同4年5月16日に登録査定され、同年6月2日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録第6235252号商標(以下「引用商標」という。)は、「VEGETA」及び「ベゲタ」の文字を二段に書してなり、平成31年2月25日に登録出願、第30類「ソース(サラダソースを除く。),調味料及び香辛料,調味料」を指定商品として、令和2年3月12日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきである旨申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第7号について
申立人は、クロアチア共和国の大手食品・医薬品メーカーであり、商標「VEGETA」が付された調味料(以下「申立人商品」という。)は、世界50か国以上で販売されている(甲3)。
申立人商品が誕生したのは1959年で、様々な料理に合う万能調味料として、欧米を中心に広く使われている。なお、2019年から2020年にかけての市場調査(米 ニールセン社)によると、ヨーロッパでもっとも売れた調味料である(甲3)。
本件商標権者による本件商標登録出願は、後述する商標の類似性から申立人の主力商品である「VEGETA」の著名性に便乗して不正な利益を得るために使用する目的をもってなされたと推測可能である。したがって、本件商標権者が本件商標の設定登録を受ける行為は、商取引の秩序を乱し、社会一般の道徳観念ないしは国際信義に反し、公の秩序を害するものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当する。
2 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標と引用商標との比較
本件商標は別掲のとおりであるところ、その構成中に申立人の主力商品であり、引用商標に極めて類似する「VEGETA」の文字が存在する。
これに対して、引用商標は、「VEGETA」及びその片仮名書きの「ベゲタ」の文字が申立人の主力商品を示すものとして周知・著名であるから、本件商標と引用商標は外観上、誤認混同するほど類似するものといえる。
(2)引用商標の周知・著名性について
引用商標の周知・著名性を立証するための補足資料として、甲第3号証に加え、インターネットサイトの写し(甲4〜甲8)を提出する。
(3)商標の類否判断について
本件商標は、「VEGETA」と「RINA」の文字を組み合わせ、全体の称呼に基づく類否判断によって登録されたものと思料するが、判例は「商標が類似のものであるかどうかは,その商標をある商品につき使用した場合に,商品の出所について誤認混同を生ずる虞れがあると認められるかどうかということにより判定すべきものと解するのが相当である」(最高裁昭和36年6月27日第三小法廷判決)と示している。さらに、要部観察(平成6年(行ケ)150号審決取消請求事件)並びに離隔観察の観点、引用商標の周知・著名性を考慮すれば、本件商標は引用商標に類似するものにほかならないといわざるを得ない。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 結び
上述のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同項第11号に違反して登録されたものである。

第4 当審の判断
1 引用商標等の周知性について
申立人が提出した証拠(インターネットサイトの写し)によれば、「VEGETA」の文字が表示された商品「調味料」の包装袋と思しきものが掲載され、これが申立人商品であって、世界50か国以上で販売されている旨、2019年から2020年にかけてのニールセン社(市場調査会社)の調査によると、ヨーロッパで最も売れている調味料とされている旨、及び当該商品に係る「VEGETA」の綴り字は「ベゲタ」と読む旨の記載がある(甲3)。また、申立人商品が、我が国のテレビ番組で紹介されたことがうかがえる記載がある(甲4、甲6〜甲8)。
しかしながら、上記の商品の販売に関する各種情報を裏付ける証拠の提出はなく、テレビ番組で紹介されたという情報にしても、言及されている放送日は2021年5月29日の1回のみである。
また、他に申立人商品の販売数量、売上高、市場シェアなどの販売実績、宣伝広告の回数や宣伝広告の額などの広告実績等、周知性を具体的に裏付ける証拠の提出はなく、申立人の提出に係る甲各号証を総合してみても、本件商標の登録出願時及び登録査定時における、「VEGETA」の欧文字からなる商標(以下「申立人商標」という。)の周知性を立証する証拠としては不十分なものである。
したがって、申立人の提出に係る証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者に広く認識されているものとは認めることができない。
また、「VEGETA」及び「ベゲタ」の文字を二段に書してなる引用商標については、その使用を確認することができず、さらに、「ベゲタ」の片仮名について検討しても、申立人商標に係る上記と同様の理由により、いずれも申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者に広く認識されているものとは認めることができない。
2 商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人商標及び引用商標は、前記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者に広く認識されているものとは認めることができないものである。
そうすると、本件商標は、申立人商品の著名性に便乗して不正な利益を得るために使用する目的をもって登録出願されたものとはいえず、その指定商品に使用することが、商取引の秩序を乱し、社会の一般的道徳観念や国際信義に反するということはできないし、本件商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないともいうことはできない。
その他、本件商標が、商標法第4条第1項第7号にいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当するというべき事情は見いだせない。
そうすると、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、前記第1(別掲)のとおり、「VEGETARINA」の文字を弓なり様に配してなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさ、同じ色彩で等間隔に表されており、外観上まとまりよく一体的に構成されているものである。また、当該文字は、一般的な辞書等に掲載のないものであって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるものである。
そして、特定の語義を有しない欧文字からなる商標については、我が国において広く親しまれているローマ字読み又は英語風の発音をもって称呼されるのが一般的といえるから、本件商標からは「ベジタリーナ」及び「ベジタリナ」の称呼を生じるものとみるのが相当であって、その称呼は、格別冗長なものではなく、無理なく一連に称呼し得るものである。
また、前記1のとおり、申立人商標及び引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないものであり、他に本件商標の構成中「VEGETA」の文字部分が、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足りる事情も見いだせない。
してみれば、本件商標は、その上記構成及び称呼からすれば、これに接する需要者が、殊更に「VEGETA」の文字部分に着目することはなく、本件商標の構成全体をもって、特定の観念を生じない一体不可分の造語を表したものとして認識し、把握するというのが自然である。
そうすると、本件商標は、その構成文字全体に相応して「ベジタリーナ」及び「ベジタリナ」の一連の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、前記第2のとおり、「VEGETA」及び「ベゲタ」の文字を二段に書してなるところ、これらの文字は一般的な辞書等に掲載がないものであって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるものである。
そして、引用商標は、下段の片仮名が上段の欧文字の読みを表したものと理解されるものであるから、その構成文字に相応して「ベゲタ」の称呼を生じるものである。
したがって、引用商標は、「ベゲタ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較すると、まず外観において、本件商標の構成中「VEGETA」の文字が引用商標の構成中の「VEGETA」の文字と共通するとしても、両者は、「RINA」の文字の有無及び「ベゲタ」の文字の有無という明らかな差異があることから、判然と区別し得るものである。
そして、称呼においては、本件商標から生じる「ベジタリーナ」及び「ベジタリナ」の称呼と、引用商標から生じる「ベゲタ」の称呼とは、2音目における「ジ」と「ゲ」の相違及び後半部における「リーナ」又は「リナ」の音の有無という明らかな差異を有するから、明瞭に聴別し得るものである。
また、観念においては、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念は生じないものであるから比較することはできない。
したがって、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観においては判然と区別し得るものであり、称呼においても明瞭に聴別し得るものであるから、これらが需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、両者は、相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
以上のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標の指定商品に引用商標の指定商品と同一又は類似する商品を含むとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
4 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同項第11号のいずれにも該当するものでなく、その登録は、同法第4条第1項の規定に違反してされたものではなく、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
別掲 本件商標(色彩は原本参照)



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異議決定日 2023-06-02 
出願番号 2021154119 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (W0529303132)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 高野 和行
特許庁審判官 板谷 玲子
豊瀬 京太郎
登録日 2022-06-02 
登録番号 6565638 
権利者 株式会社エールズ
商標の称呼 ベジタリーナ、ベジタリナ 
代理人 アクシス国際弁理士法人 

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