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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W05
管理番号 1396530 
総通号数 16 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2023-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-09-29 
確定日 2023-04-06 
異議申立件数
事件の表示 登録第6591419号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6591419号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6591419商標(以下「本件商標」という)は、別掲のとおりの構成よりなり、令和3年8月6日に登録出願され、第3類、第5類、第25類、第35類、第41類、第43類及び第44類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同4年6月29日に登録査定され、同年7月25日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は、薬剤の取引者・需要者において申立人の業務に係る薬剤であることを表す商標として広く知られていると主張する「あすか」の文字からなる商標である。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第5類「薬剤,ビタミン剤,アミノ酸剤,医療用せっけん」(以下「申立てに係る商品」という。)について、商標法第4条第1項第7号、同項第10号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第19号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第10号について
申立人は、1920年(大正9年)6月16日に創業し、1929年(昭和4年)6月28日に設立された、創業102年を迎えた歴史ある企業であり(甲第3号証)、医薬品・医薬部外品・食品及び医療機器などの製造、販売及び輸出入を事業として行っている(甲第6号証)。申立人は、2005年10月に社名を現社名の「あすか製薬株式会社」に変更した(甲第3号証)。以来17年間にわたり同社名で事業を運営・拡大し、現在では2021年4月に設立した「あすか製薬ホールディングス株式会社」(甲第3号証、甲第5号証及び甲第6号証)の傘下で、湘南研究所、いわき工場、国内主要都市20か所(札幌・東北・郡山・東京・横浜・埼玉・千葉・宇都宮(北関東)・新潟・松本・金沢・名古屋・静岡・京都・大阪・神戸・高松・中国・福岡・熊本)の営業所を保有し(甲第4号証)、港区芝浦に本社社屋を構えて事業展開を行っている(甲第3号証)。
申立人は、その主要製品として、持続性アンジオテンシンII受容体拮抗剤である「カンデサルタン」(2014年9月発売)(甲第4号証、甲第8号証及び甲第10号証)、カンデサルタン配合錠である「カムシア」(2016年3月発売)(甲第8号証及び甲第12号証)及び「カデチア」(2016年9月発売)(甲第8号証及び甲第11号証)、並びに月経困難症治療剤である「フリウェル」(2018年12月)(甲第4号証、甲第8号証及び甲第13号証)を、本件商標の出願日(2021年(令和3年)8月6日)前にそれぞれ発売を開始し、現在に至っている(甲第4号証、甲第8号証及び甲第10号証ないし甲第13号証)。
これらの商品はいずれも「薬剤」であるところ、申立人は、その包装用容器(PTPシート)(甲第8号証)、包装用箱(甲第9号証)、「添付文書」(甲第10号証ないし甲第13号証)及び「くすりのしおり」(甲第14号証ないし甲第17号証)において、これらの商品が申立人の業務に係る薬剤であることを取引者、需要者が識別できるように「あすか」の文字を表示している(甲第8号証ないし甲第17号証)。
この申立人の業務に係る薬剤であることを示す識別標識としての「あすか」等の文字は、日本製薬団体連合会(FPMAJ)(甲第18号証)に登録されている(甲第19号証)。
同連合会は、「自主申し合わせ」(甲第19号証)により、錠剤、カプセル剤などの誤使用を避けるため(甲第19号証)、異なる会社で類似する会社コード(識別コードのうちの一つ)が重複して使用されることを避けるために(甲第19号証)、錠剤、カプセル等に刻印又は印刷される文字又は絵文字等を同連合会に登録するものとしている(甲第19号証)。
この「自主申し合わせ」の存在からも、薬剤という商品が、そもそも人間の疾病の診断・治療・予防を行うために用いられるものであり、名称が近似しているために混同が生じて薬剤を取り間違えることで人間の生命・健康が直接的に害されるという重大かつ深刻な結果を招いてしまうことから、他の商品とは比較することができないほど、商品の取り違えを防止すべき深刻な社会的要請が存在していることが容易に理解されるものと確信する。このため、薬剤に関する商標の類否に関しては、他の商品より厳格な態度が求められるべきであると解される。
本件商標の出願日は、令和3年(2021年)8月6日であるところ(甲第1号証及び甲第2号証)、上記「あすか」の文字が包装用容器(PTPシート)等に表示された商品である「カンデサルタン」(2014年9月発売)、並びにカンデサルタン配合錠である「カムシア」(2016年3月発売)及び「カデチア」(2016年9月発売)を含むカンデサルタン類の薬剤と、月経困難症治療剤である「フリウェル」(2018年12月)の薬剤の、2021年3月期(2020年4月1日〜2021年3月31日)における売上高は、それぞれ123億2900万円と29億5200万円に上る(甲第7号証)。また、申立人の日本国内の営業所は、北は札幌から南は熊本まで、日本全国20か所に及んでいる(甲第4号証)。
そうすると、「あすか」の文字は、本件商標の商標登録出願の時から商標登録の時を含め現在に至るまで、日本全国において、薬剤の取引者・需要者において申立人の業務に係る薬剤であることを表す識別標識として広く知られていたものである(甲第3号証ないし甲19号証)。
一方、本件商標「Asuka Fit」は、手書きの欧文字にて横書きに表示されたものであるところ(甲第2号証)、申立人の業務に係る商品「薬剤」と同一・類似の申立てに係る商品についても登録されている(甲第1号証)。そして、本件商標は、上述した申立人の使用に係る周知な文字「あすか」と同一の称呼を生じる「Asuka」の文字を前半部に含んでいる(甲第2号証)。
このため、本件商標は、申立人の業務に係る商品「薬剤」を表示するものとして取引者・需要者の間に広く認識されている商標に類似する商標であって、その商品「薬剤」及びこれに類似する商品について使用をするものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の「あすか」の文字が、本件商標の商標登録出願の時から商標登録の時を含め現在に至るまで、日本全国において、薬剤の取引者・需要者において申立人の業務に係る薬剤であることを表す識別標識として広く知られていたものであることは上述のとおりである。
一方、本件商標「Asuka Fit」は、手書きの欧文字にて横書きに表示されたものであるところ、申立人の業務に係る商品「薬剤」と同一・類似の申立てに係る商品についても登録されている(甲第1号証)。そして、本件商標は、上述した申立人の使用に係る周知な文字「あすか」と同一の称呼を生じる「Asuka」の文字を前半部に含んでいる(甲第2号証)。
また、本件商標「Asuka Fit」を見ると、前半部「Asuka」と後半部「Fit」という言葉には必ずしも一体性が認められない。我々日本人が前半部から生ずる「アスカ」という音に接した場合には、「あすか」「アスカ」「飛鳥」「明日香」等の日本語の単語を想起することは疑う余地がない。それに対して、後半部「Fit」は誰でも常識的に知っているごく基本的な英単語であって、それからは「合う、適合する、適切な」等の意味合いを容易に理解することが可能である。また、「この服はフィットする。」「フィット感がある。」等のように日常的に使用されているごく親しまれた外来語でもある。
とするならば、本件商標「Asuka Fit」からは、「あすかにフィットする。」「アスカにフィットする。」という意味合いを理解させてしまう場面を決して否定することができない。前述のように、申立人の「あすか」が薬剤について広く知られていることから、本件商標「Asuka Fit」からは、申立人の「あすか製薬に関連する・適合する・合う」という意味合いを想起させてしまう危険性が高い。
薬剤の分野においては、例えば、「タケダフィット」からは「武田フィット」、「タイショウフィット」からは「大正フィット」が想起され、それぞれ「武田薬品」「大正製薬」との関連性を想起させてしまうことは容易に想像することができる。薬剤の分野に関しては、このような事態は、薬剤を取り間違えることで人間の生命・健康が直接的に害されるという重大かつ深刻な結果を招いてしまうことから、決して看過することはできない。
このため、薬剤の取引者・需要者が申立てに係る商品に使用される本件商標に接した場合、申立人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品等であると誤認し、上記商品の取引者・需要者が商品の出所について混同するおそれがある。
(3)商標法第4条第1項第7号について
申立人の「あすか」の文字が、本件商標の商標登録出願の時から商標登録の時を含め現在に至るまで、日本全国において、薬剤の取引者・需要者において申立人の業務に係る薬剤であることを表す識別標識として広く知られていたものであることは上述のとおりである。
一方、本件商標「Asuka Fit」は、手書きの欧文字にて横書きに表示されたものであるところ(甲第2号証)、申立人の業務に係る商品「薬剤」と同一・類似の申立てに係る商品についても登録されている(甲第1号証)。そして、本件商標は、上述した申立人の使用に係る周知な文字「あすか」と同一の称呼を生じる「Asuka」の文字を前半部に含んでいる(甲第2号証)。
このため、薬剤の取引者・需要者が申立てに係る商品に使用される本件商標に接した場合、申立人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品等であると誤認し、上記商品の取引者・需要者が商品の出所について混同するおそれがある。
このような商標の登録を認めることは、同業者間における商取引を害するとともに、商道徳に反し公正な取引秩序を乱すおそれがあって公の秩序を害するものである。

4 当審の判断
(1)「あすか」の文字からなる商標(以下「申立人商標」という。)の周知著名性について
ア 申立人の提出に係る証拠によれば、次の事実が認められる。
(ア)申立人は、2005年10月に社名を現社名の「あすか製薬株式会社」に変更した(甲第3号証)。以来17年間にわたり同社名で事業を運営し、現在では2021年4月に設立した「あすか製薬ホールディングス株式会社」(甲第3号証、甲第5号証及び甲第6号証)の傘下で、湘南研究所、いわき工場、国内の都市20か所(札幌・仙台(東北)・郡山・東京・横浜・さいたま(埼玉)・千葉・宇都宮(北関東)・新潟・松本・金沢・名古屋・静岡・京都・大阪・神戸・高松・広島(中国)・福岡・熊本)の営業所を保有し(甲第4号証)、東京都港区芝浦に本社を構えている(甲第3号証)。
(イ)申立人は、その製品として、持続性アンジオテンシンII受容体拮抗剤である「カンデサルタン」(2014年9月発売)(甲第3号証、甲第8号証及び甲第10号証)、カンデサルタン配合錠である「カムシア」(2016年3月発売)(甲第8号証及び甲第12号証)及び「カデチア」(2016年9月発売)(甲第8号証、甲第9号証及び甲第11号証)、並びに月経困難症治療剤である「フリウェル」(2018年12月)(甲第3号証、甲第8号証及び甲第13号証)を、それぞれ発売した(甲第3号証、甲第8号ないし甲第13号証)。
これらの商品について、その包装用容器(PTPシート)(甲第8号証)、包装用箱(甲第9号証)、「添付文書」(甲第10号証ないし甲第13号証)及び「くすりのしおり」(甲第14号証ないし甲第17号証)には、申立人商標が表示されている(甲第8号証ないし甲第17号証)。
(ウ)申立人商標は、日本製薬団体連合会(FPMAJ)(甲第18号証)に登録されている(甲第19号証)。
同連合会は、「自主申し合わせ」により、錠剤、カプセル剤などの誤使用を避けるため、異なる会社で類似する会社コード(識別コードのうちの一つ)が重複して使用されることを避けるために、錠剤、カプセル等に刻印又は印刷される文字又は絵文字等を同連合会に登録するものとしている(甲第19号証)。
(エ)申立人が上記「あすか」の文字を、包装用容器(PTPシート)等に表示した商品の「カンデサルタン」並びにカンデサルタン配合錠である「カムシア」及び「カデチア」を含むカンデサルタン類の薬剤の2021年3月期(2020年4月1日〜2021年3月31日)における売上高は、123億2900万円であり、月経困難症治療剤である「フリウェル」の薬剤の同期間における売上高は、29億5200万円である(甲第7号証)。
イ 前記アで認定した事実によれば、申立人は、遅くとも平成26年(2014年)9月頃から、「あすか」の文字からなる申立人商標を使用して、申立人の業務に係る薬剤(以下「申立人商品」という。)の製造、販売を行っており、包装用容器(PTPシート)、包装用箱、「添付文書」及び「くすりのしおり」に、申立人商標を表示していることが認められる。
そして、申立人商品のうち、2021年3月期(2020年4月1日〜2021年3月31日)における売上高は、「カンデサルタン」並びにカンデサルタン配合錠である「カムシア」及び「カデチア」を含むカンデサルタン類の薬剤が123億2900万円、月経困難症治療剤である「フリウェル」が29億5200万円であることが認められる。
また、申立人の日本国内の事業所は、北は札幌から南は熊本まで、日本全国22か所に及んでいることが認められる。
しかしながら、申立人商標の使用開始時期は、平成26年(2014年)9月頃であるから、その使用期間は殊更長いとはいえず、また、申立人商品の市場シェアや、広告宣伝の期間及び規模等の実績は不明である。
他に、申立人商標が需要者の間に広く認識されていることを認めるに足る証拠の提出はない。
そうすると、申立人提出の証拠及び同人の主張によっては、申立人商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商品を表示するものとして、我が国における取引者、需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
(2)本件商標と申立人商標の類似性について
ア 本件商標について
本件商標は、別掲のとおり、「Asuka Fit」の文字を、手書き風に横書きしてなるものであるところ、その構成文字に相応して、「アスカフィット」の称呼を生じるものであり、当該文字は辞書等に載録されている既成の語ではなく、申立てに係る商品との関係で直ちに特定の意味合いを想起させるともいい難いから、造語として看取されるものである。
したがって、本件商標からは、「アスカフィット」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 申立人商標について
申立人商標は、「あすか」の文字からなるものであるから、その構成文字に相応して、「アスカ」の称呼を生じるものであり、当該文字それ自体は、辞書等に載録されている既成の語ではないが、「飛鳥」の平仮名表記と理解される場合もあるといえる。
したがって、申立人商標からは、「アスカ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないか又は「飛鳥」の観念を生じる場合もある。
ウ 本件商標と申立人商標の類否について
(ア)外観について
本件商標は、上記アのとおりの構成よりなり、申立人商標は、上記イのとおりの構成よりなるものであるところ、本件商標と申立人商標とは、その構成文字において明らかに相違するものであるから、本件商標と申立人商標の外観は、互いに紛れるおそれはない。
(イ)称呼について
本件商標から生じる「アスカフィット」の称呼と、申立人商標から生じる「アスカ」の称呼とは、「フィット」の音の有無により、構成音数が明らかに相違するため、語調語感が異なり、互いに紛れるおそれはない。
(ウ)観念について
本件商標は、特定の観念を生じないのに対し、申立人商標は、特定の観念を生じないか又は「飛鳥」の観念を生じる場合もあるから、本件商標と申立人商標の観念は、比較できないか又は互いに紛れるおそれはない。
(エ)小括
以上(ア)ないし(ウ)のとおり、本件商標と申立人商標とは、観念において比較できないか又は相紛れるおそれはなく、外観及び称呼において、相紛れるおそれのないことが明らかなものであるから、両商標が需要者に与える印象、記憶等を総合してみれば、両商標は、非類似の商標であって、別異のものというのが相当である。
その他、本件商標と申立人商標とが類似するというべき特段の事情は見いだせない。
(3)商標法第4条第1項第10号該当性について
上記(1)イのとおり、申立人商標は、申立人商品を表示するものとして、我が国における需要者の間に広く認識され、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、周知著名性を獲得していたとは認められないものであり、また、上記(2)ウのとおり、本件商標と申立人商標とは、非類似の商標であり、別異の商標というべきものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第15号及び同項第7号該当性について
上記(1)イのとおり、申立人商標は、申立人商品を表示するものとして、我が国における需要者の間に広く認識され、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、周知著名性を獲得していたとは認められないものであり、また、上記(2)ウのとおり、本件商標と申立人商標とは、非類似の商標であり、別異の商標というべきものであるから、商標権者が、本件商標を申立てに係る商品に使用しても、需要者において、申立人商標を連想又は想起するものとはいえず、当該商品が申立人又は同人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について誤認、混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。
さらに、本件商標が、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標というべき事情は見いだせず、その登録出願の経緯に社会的相当性を欠くなど、公序良俗に反するものというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同項第7号のいずれにも該当しない。
(5)薬剤に関する商標の類否についての申立人の主張について
申立人は、日本製薬団体連合会の「自主申し合わせ」の存在からも、薬剤という商品が、そもそも人間の疾病の診断・治療・予防を行うために用いられるものであり、名称が近似しているために混同が生じて薬剤を取り間違えることで人間の生命・健康が直接的に害されるという重大かつ深刻な結果を招いてしまうことから、他の商品とは比較することができないほど、商品の取り違えを防止すべき深刻な社会的要請が存在しており、このため、薬剤に関する商標の類否に関しては、他の商品より厳格な態度が求められるべきである旨主張する。
しかしながら、上記主張によれば、生命や健康に影響を及ぼす薬剤の名称は、混同しやすいものが好ましくないことは明らかであるものの、上記(2)ウのとおり、本件商標は、申立人商標とは非類似の商標であって、また、これら両商標間にその商品の出所について混同が生じるおそれはないのみならず、商標の類否判断は、上記の社会的要請をも考慮しなければならないとしても、混同しやすい名称の薬剤から生じるであろう危険を回避し、国民の生命、健康を保護するのは、薬剤の製造承認の権限を有する厚生労働省の所管に属することであるから、どのような薬剤に類似した名称を使用した場合に、混同を生じて国民の生命、健康に影響を及ぼすかは、これを所管する厚生労働省に判断を委ねるべきであり、商品の出所について誤認混同を生じるおそれを防止すべき商標の類否の判断に、かかる事項までをも考慮し、一般の商標の類否判断とは異なる基準に基づき判断すべきではないというべきである(東京高裁平成2年(行ケ)第72号)。
したがって、この点についての申立人の上記主張は採用することができない。
(6)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第10号及び同項第15号に該当するとはいえず、その登録は同項の規定に違反してされたものとはいえない。
他に、本件商標の申立てに係る商品についての登録が商標法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲

別掲 本件商標


(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
異議決定日 2023-03-29 
出願番号 2021098327 
審決分類 T 1 652・ 22- Y (W05)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 大橋 良成
特許庁審判官 浦崎 直之
山田 啓之
登録日 2022-07-25 
登録番号 6591419 
権利者 株式会社Asuka Fit
商標の称呼 アスカフィット、アスカ、フィット、エフアイテイ 
代理人 弁理士法人浅村特許事務所 

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