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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W39
管理番号 1396520 
総通号数 16 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2023-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-07-27 
確定日 2023-03-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第6566951号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6566951号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6566951号商標(以下「本件商標」という。)は、「空タク」の文字を標準文字で表してなり、令和3年11月16日に登録出願、第39類「ドローンによる輸送,プロペラ機による輸送,航空機による輸送,民間用ドローンの操縦,道路情報の提供,貨物の輸送の媒介,貨物の輸送の媒介又は取次ぎ,飛行場の提供,航空機の貸与,信書の送達,企画旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ」を指定役務として、同4年5月11日に登録査定、同年6月6日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の指定役務中、第39類「企画旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ」(以下「申立てに係る役務」という。)について、本件商標は、既に申立人が2019年より使用し周知されているものであり、サービスの定着はもちろんのこと、インターネット検索エンジンでも確実に上位にあるから、本件商標は登録の取消しをされるべきと申立て、証拠方法として甲第1号証から甲第5号証を提出した。

3 当審の判断
(1)本件登録異議の申立てについて
申立人は、登録異議申立書において、本件商標の登録異議の申立ての理由について、根拠となる条文を明示していないが、申立人は、前記2のとおり主張していることからすると、本件商標が商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当することを理由にして、同法第43条の2第1号に基づき、申立てに係る役務についての登録は取り消されるべきであると主張しているものと解することができる。
(2)申立人の使用に係る商標の周知性について
ア 申立人の提出に係る証拠によれば、次の事実が認められる。
(ア)申立人は、2019年(令和元年)9月26日にMOT株式会社との間でランディングページ制作委託業務契約を交わし、同年11月上旬から中旬頃を納期として、「空港定額ランディングページ」の制作を依頼した(甲1)。
(イ)インターネット上の「Google」及び「Yahoo」の検索サイトにおいて、「空タク」の検索結果にて、「24時間365日いつでも利用可能な空港定額タクシー『空タク』」とのタイトルの記事が検索結果の上位に表示されており、その記事には、「「空タク」は都内のご指定の場所から成田・羽田空港間を送迎させていただくサービスです。ご指定の場所までお迎えに上がり、空港まで快適空間でお客様をお送りいたし・・・」との説明が表示されている(甲2)。
(ウ)申立人のウェブサイトにおいて、「成田/羽田定額運賃送迎 空港送迎の手配なら弊社にお任せ下さい AIR PORT TAXI 『空タク』」の記載がある(甲3)。
(エ)申立人は、2019年(令和元年)12月5日にシール印刷通販サイト「シール直送便」から、「空タク」の文字が記載されたシールについての校正紙を提示されている(甲4)。
(オ)申立人は、株式会社ネットプロテクションズに対して、2019年(令和元年)12月10日に「カッティングステッカー「空タク」」5枚を注文し、同社から同月31日を支払い期限としてその代金を請求されている(甲5)。
イ 前記アで認定した事実によれば、申立人は、遅くとも令和元年12月頃から、「空タク」の文字からなる商標(以下「申立人商標」という。)を使用して、東京都内の指定した場所と成田又は羽田空港との間のタクシーによる送迎サービス(以下「申立人役務」という。)を行っていることが認められる。
そして、申立人は、申立人役務の広告宣伝として、申立人商標を表示したウェブサイト、シール及びステッカーを作成しており、当該ウェブサイトは、インターネット上の「Google」及び「Yahoo」の検索サイトにおいて、「空タク」の検索結果にて、上位に表示されることが認められる。
しかしながら、ステッカーの注文枚数は僅かであり、また、インターネットの検索結果についても、意識的に「空タク」の文字により検索して初めて上位に表示されるにすぎないものである。
さらに、申立人商標の使用開始時期は令和元年12月頃であるから、その使用期間はさほど長いとはいえず、加えて、申立人役務の売上高等の提供実績は不明である。
他に、申立人商標が需要者の間に広く認識されていることを認めるに足る証拠の提出はない。
そうすると、申立人商標は、申立人の業務に係る申立人役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているとは認めることができない。
(3)商標法第4条第1項第10号該当性について
本件商標は、前記1のとおり、「空タク」の文字を標準文字で表してなるものであり、申立人商標は、前記(2)イのとおり、「空タク」の文字からなるものであるから、いずれも「空タク」の構成文字からなり、「ソラタク」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
そうすると、本件商標と申立人商標とは、外観において近似した印象を与え、称呼を共通にするから、観念において比較できないとしても、互いに相紛らわしい類似の商標といえる。
しかしながら、申立人商標は、前記(2)イのとおり、申立人の業務に係る申立人役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているとは認められないから、本件商標は、「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又は又はこれに類似する商標」とはいえない。
そうすると、本件商標の申立てに係る役務と申立人役務との類否について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
前記(3)のとおり、本件商標と申立人商標とは類似の商標であり、いずれも「空タク」の文字からなるものであるから、その類似性の程度は高いといえる。
また、「空タク」の文字(語)は、辞書に載録されているような既成の語ではないから、申立人商標の独創性の程度は高いといえる。
しかしながら、前記(2)イのとおり、申立人商標は、申立人の業務に係る申立人役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているとは認められない。
そうすると、本件商標の申立てに係る役務と申立人役務との関連性(いずれも旅行に関する役務)や需要者の共通性を考慮したとしても、本件商標に接する取引者、需要者が、申立人又は申立人商標を連想又は想起することはないというべきである。
してみると、本件商標は、商標権者がこれをその申立てに係る役務について使用しても、取引者、需要者によって、その役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
その他、本件商標について、役務の出所について混同を生ずるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(5)まとめ
以上のとおり、本件商標は、申立てに係る役務について、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するとはいえず、その登録は同項の規定に違反してされたものとはいえない。
他に、本件商標の申立てに係る役務についての登録が商標法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標の申立てに係る役務についての登録は、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲
(この書面において著作物の複製をしている場合の御注意)
特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分に御注意ください。
異議決定日 2023-03-09 
出願番号 2021142627 
審決分類 T 1 652・ 251- Y (W39)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 旦 克昌
山田 啓之
登録日 2022-06-06 
登録番号 6566951 
権利者 株式会社ウィステリア
商標の称呼 ソラタク 

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