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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W1416182425283542
管理番号 1396508 
総通号数 16 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2023-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-05-31 
確定日 2023-03-25 
異議申立件数
事件の表示 登録第6532031号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6532031号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6532031号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和3年9月24日に登録出願、第14類「キーホルダー,身飾品,時計,宝石箱」、第16類「紙類,文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」、第18類「かばん類,袋物,傘,ペット用被服類,携帯用化粧道具入れ,皮革」、第24類「布製身の回り品,織物製壁掛け,織物製テーブルナプキン,ふきん,タオル,まくらカバー,敷布,布団カバー,カーテン,毛布」、第25類「洋服,コート,ワイシャツ類,下着,エプロン,靴下,セーター類,帽子,ナイトキャップ,ベルト,バンダナ,マフラー,手袋,ショール,ネクタイ,スカーフ,靴類,仮装用衣服」、第28類「縫いぐるみ,人形用被服,布製おもちゃ,西洋人形,日本人形,運動用具,ジグソーパズル,トランプ,花札,かるた」、第35類「広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,職業のあっせん,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,財務書類の作成,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第42類「デザインの考案」を指定商品及び指定役務として、同4年2月14日に登録査定、同年3月23日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標(以下、まとめていうときは「引用商標」という。)は、以下の(1)及び(2)のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第6127619号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様:SHAZAM(標準文字)
登録出願日:平成30年3月19日
設定登録日:平成31年3月8日
指定商品:第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服,運動用特殊衣服」
(2)登録第6233821号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様:SHAZAM!(標準文字)
登録出願日:平成30年12月18日
設定登録日:令和2年3月9日
指定商品:第3類、第5類、第16類、第18類、第21類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載(別掲2)のとおりの商品

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第86号証(以下、「甲第○号証」を「甲○」と省略して記載する。なお、甲10〜甲18、甲36は、欠番である。)を提出した。
(1)引用商標の周知・著名性について
引用商標の「SHAZAM」は、世界的に著名なコミック、映画等の題号であり、これらの作品に登場するスーパーヒーローのキャラクターの名称である。
魔術師Shazamにより、善の戦士に選ばれた少年ビリーは、「Shazam!」という呪文を唱えると魔法の稲妻に打たれ、6人分のスーパーパワーを持った大人のスーパーヒーローに変身し、悪党と戦うという物語である。
1973年に「SHAZAM!」と題するコミックが、ディーシー コミックスにおいて刊行され、その後も、「SHAZAM」をタイトルに含むコミックが発行され、現在でも、「Shazam! Vol.1」が発行されている(甲4)。
なお、ディーシー コミックスは申立人の孫会社である(甲5)。
映画については、2019年公開「Shazam!」において、主人公として登場し、全米2週連続1位を記録し、世界興行収入3,659万ドル、我が国における興行収入7億2,000万ドルを達成した(甲6、甲7。決定注:甲6の記載によれば、世界興行収入は「約3億6,597万ドル」、我が国における興行収入は「7億2,000万円」の誤記と認める。)。
また、我が国において、「SHAZAM」のキャラクター専用のウェブサイトが開設され(甲7)、現在、「WBSHOP.COM」の通信販売ウェブサイトにおいて、引用商標を付したTシャツ、フィギュアおもちゃ、マグカップ、ノート、録画済みブルーレイディスク・DVD、仮装用衣服等を販売しており(甲9)、1973年にディーシー コミックスに登場以来、我が国を始め、世界中で「SHAZAM」は愛されている。
上記のとおり、申立人によって、引用商標は、コミック、映画等の題号及びこの作品に登場する主人公の名称として、我が国を含めた全世界で約50年使用されており、遅くとも、本件商標の登録出願時までには、日本国内で周知・著名な標章となっている。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、左側に円図形の中に欧文字の筆記体風の「Re」の文字を入れた図形、右側に欧文字の太字「RE:SHAZAm」を配した構成よりなる。
本件商標は、左側の図形部分と右側の文字部分で分離することができ、さらに文字部分の「RE:」は、「Regarding(〜に関して)」の意味又は電子メールの件名において返信を意味する語であり、自他商品等識別力が強くない部分であるといえ、それに続く「SHAZAm」が実質的な内容を表す部分であるといえる。
よって、本件商標は、要部である「SHAZAm」部分から、「シャザム」の称呼が生じ、世界的に著名なコミック、映画等の題号であり、これらの作品に登場するスーパーヒーローのキャラクターの名称「SHAZAM」と同一の欧文字のつづりであることから、当該題号及びキャラクターの名称という観念が生じる。
イ 引用商標1は、欧文字の「SHAZAM」からなり、引用商標2は、欧文字の「SHAZAM!」からなるものであり、引用商標からは、「シャザム」の称呼が生じ、世界的に著名なコミック・映画等の題号であり、これらの作品に登場するスーパーヒーローのキャラクターの名称という意味合いが生じる。
ウ 本件商標の要部と引用商標の文字部分とを対比すると、称呼はいずれも「シャザム」であり、同一である。
外観については、本件商標の欧文字部分「SHAZAm」と引用商標の文字部分「SHAZAM」は、6文字目が大文字か小文字であるかの相違のみであるので、外観において類似している。
観念については、両者とも、世界的に著名なコミック、映画等の題号であり、これらの作品に登場するスーパーヒーローのキャラクターの名称という意味合いが生じ、観念においても類似している。
また、本件商標に係る一部の指定商品は、引用商標に係る一部の指定商品と同一又は類似である。
さらに、引用商標は、本件商標の登録出願日前に登録出願されているので、本件商標は、引用商標の後願に係る商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標は、世界的に著名なコミック、映画等の題号であり、これらの作品に登場するスーパーヒーローのキャラクターの名称として周知著名な「SHAZAM」と本件商標の要部は、上述のとおり、互いに類似する。
また、「SHAZAM」は、独創性が高いといえる。
さらに、「SHAZAM」は、コミック、映画等の題号であり、これらの作品に登場するスーパーヒーローのキャラクターの名称であることからして、様々な商品・役務について申立人自身が販売・提供したり、ライセンス品として、販売・提供されやすい性質のものであり、本件商標に係る指定商品・指定役務とは、密接な関連性があるといえる。
よって、本件商標と引用商標に係る商品・役務の用途や目的、取引者及び需要者は共通する。
なお、本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)が、引用商標の周知著名性を知らないはずはなく、本件商標は、申立人の「SHAZAM」の周知著名性を承知の上で登録出願したものであって、「SHAZAM」の周知著名性へのただ乗り希釈化を意図したものであると合理的に推認することができる。
また、本件商標権者は、「株式会社RESHAZAM」の代表取締役であり、当該会社は、本件商標を付して「ON LINE STORE RE:SHAZAM」というアーティスト・漫画・ゲームなどとのコラボレーション商品としてクリアファイル・アクリルチャーム・マグカップ・トートバッグ・Tシャツ等の通信販売ウェブサイトを運営しており(甲30〜甲35)、申立人の承諾を得ることなく、これらの行為を行っている。
したがって、需要者は、本件商標権者が申立人から、あたかも上記商品の販売の許諾を受けて販売していると誤認するおそれがあるといえ、本件商標がその指定商品又は指定役務について使用された場合には、それらの商品又は役務があたかも申立人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であると、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
上述のとおり、引用商標は、商標法第4条第1項第19号に規定する「他人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標」に該当し、引用商標と本件商標の要部とは、互いに類似する。
また、本件商標権者が引用商標の周知著名性を知らないはずはなく、本件商標は、引用商標の周知著名性を承知の上で登録出願したものであって、引用商標の周知著名性へのただ乗りや稀釈化を意図したものであると合理的に推認することができる。
したがって、本件商標権者は、周知著名な引用商標を自己の商標として出願・使用する目的をもって出願したものといえ、本件商標は、本件商標権者の不正の目的によって出願されたものである。
以上により、本件商標権者が、世界的に著名なコミック、映画等の題号であり、これらの作品に登場するスーパーヒーローのキャラクターの名称「SHAZAM」の名声・信用・評判にただ乗り希釈化する目的及び不正の利益を得る目的で本件商標を出願、使用しているものといえる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(5)商標法第4条第1項第7号該当性について
上述のとおり、引用商標は、世界的に著名なコミック、映画等の題号であり、これらの作品に登場するスーパーヒーローのキャラクターの名称として、世界的に周知著名となっており、引用商標は、遅くとも本件商標の出願日の時点で、申立人の商標として、日本国内において周知著名となっていたといえる。本件商標と引用商標は類似の程度が極めて高いものである。
また、本件商標権者は、上記したとおり、「株式会社RESHAZAM」の代表取締役であり、当該会社は、本件商標を付して、アーティスト・漫画・ゲーム等とのコラボレーション商品の通信販売ウェブサイトを運営しており、申立人の承諾を得ることなく、これらの行為を行っており、引用商標の周知著名性を承知の上で登録出願したものであって、引用商標の周知著名性へのただ乗りを意図して、不正の目的で使用されている蓋然性が高いといえるから、本件商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがある。
そして、このような商標登録の維持を許せば、申立人の制作する映画、申立人の販売する商品の販売・提供展開が、本件商標の存在によって不当に脅かされ商標法の予定する秩序に反するものとなる。
したがって、本件商標権者は、申立人の承諾を得ることなく本件商標を、指定商品について登録することは、公正な取引秩序を乱し、ひいては国際信義に反するものとして、公の秩序又は善良の風俗を害するものであり、当該商標権者が本件商標を不正の目的で使用するものであることは明らかであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人の主張及び同人から提出された証拠によれば、以下のとおりである。
(ア)申立人は、引用商標の商標権者のディーシーコミックスの親会社DCエンターテイメントの親会社であり、ディーシーコミックスは申立人の孫会社に当たる(甲5)。
(イ)ウィキペディアの「シャザム!(映画)」(2022年8月29日出力)には、「『シャザム!』(Shazam!)は、DCコミックスの同名のスーパーヒーローをベースとする、2019年のアメリカのスーパーヒーロー映画。」との記載がある(甲6)。
(ウ)「THE RIVER」のウェブサイト(2022年8月29日出力)には、「『シャザム!』全米2週連続No.1、世界興行収入2億5,800万ドル突破−日本では応援上映も開催決定」及び「映画『シャザム!』は2019年4月19日(金)全国ロードショー。」の記載があるものの、その掲載日及び我が国における興行や広告宣伝の規模・回数等に関する記載がない(甲7)。
(エ)ワーナー・ブラザースのウェブサイト(2022年8月29日出力)には、「Shazam!/シャザム」についての解説があるものの、その掲載日は不明である(甲8)。
(オ)「WBSHOP.COM」のウェブサイト(2020年8月26日出力)において、引用商標又は引用商標と同じ構成文字からなる商標を付したTシャツ、フィギュアおもちゃ、マグカップ、録画済みDVDなど(以下「申立人商品」という。)を販売しているが、金額の表示はドルによる表示であり、英語で作成されたものである(甲9)。
イ 判断
上記アによれば、「Shazam!」は、2019年のアメリカのスーパーヒーロー映画の題号であって、ある程度の興行収入があることがうかがえ、また、スーパーヒーロー映画のキャラクター名ともいえる。
また、本件商標の登録出願前に「WBSHOP.COM」のウェブサイトにおいて、引用商標を付したTシャツ、フィギュアおもちゃ、マグカップ、録画済みDVD等が販売されているが、販売金額の表示はドルによる表示であって、かつ、英語で作成されたものであり、我が国の需要者に向けたウェブサイトとはいえない。
さらに、本件商標の登録査定日前に、我が国において、映画「シャザム!」が全国で上映されたことはうかがえるものの、その興行の規模・回数・期間・来場者数・興行収入などは、申立人提出の証拠からは確認することができない。
そうすると、申立人が提出した証拠からは、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国において映画の題号として知られているともいい難く、また、我が国又は外国における引用商標に係る商品に限定した売上高、広告の実績等を示す証左も見いだせないから、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人又は申立人商品を表示するものとして、我が国又は外国における需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、正円に近い円輪郭図形内に、欧文字の筆記体風の「Re」の文字を配した円図形(以下「円図形」という。)と、その右側に、「RE:SHAZAm」の肉太にレタリングされた欧文字で横書きした文字部分との構成からなるものであり、円図形部分と欧文字部分とは視覚的に分離して看取されるというべきである。
そして、本件商標の構成中、「RE:SHAZAm」の文字部分は、同一の太さをもってデザインされ、まとまりよく一体的に表されていることから、当該構成文字に相応して、「リシャザム」又は「レシャザム」の称呼を生じ、当該文字は、辞書等に掲載が認められないから、特定の観念は生じない。
イ 引用商標について
上記2のとおり、引用商標1は、「SHAZAM」の欧文字からなり、引用商標2は、「SHAZAM!」の文字からなるところ、その構成文字に相応して、「シャザム」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。
ウ 本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標とは、上記ア及びイのとおり、円図形の有無に差異を有し、かつ、本件商標の文字部分と引用商標とは、語頭部の「RE:」の有無及び語尾部における「m」と「M(M!)」の差異を有してなることから、その構成文字が明らかに相違するものであり、外観において紛れるおそれはないというべきである。
また、本件商標の文字部分から生じる「リシャザム」又は「レシャザム」の称呼と引用商標から生じる「シャザム」の称呼とは、語頭における「リ」又は「レ」の音の有無に差異を有するものであるから、それぞれを一連に称呼しても、語調、語感が相違し、互いに聴き誤るおそれのないものである。
さらに、観念においては、本件商標及び引用商標からは、特定の観念は生じないものであることから、両者は、観念において比較することができない。
以上からすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考慮すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標に係る一部の指定商品が引用商標に係る一部の指定商品と同一又は類似であるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の周知性について
上記(1)のとおり、引用商標は、申立人又は申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国及び外国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとは認められないものである。
イ 本件商標と引用商標の類似性について
上記(2)のとおり、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのないものであるから、本件商標と引用商標の類似性の程度は低いものといえる。
ウ 出所の混同のおそれについて
上記ア及びイのとおり、引用商標は、申立人又は申立人商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたとは認めることはできず、本件商標と引用商標の類似性の程度は低いことからすれば、本件商標に接する取引者、需要者が、申立人の業務に係る引用商標を連想又は想起するものということはできない。
そうすると、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品及び指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起することはなく、その商品及び役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
エ 小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
引用商標は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国又は外国の需要者の間で、申立人又は申立人商品を表示するものとして、広く認識されていたとは認められないものである。
また、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、本件商標権者が引用商標にフリーライドするなど不正の目的をもって本件商標を使用するものであると認めるに足りる証拠は見いだせない。
そうすると、申立人が提出した証拠からは、本件商標権者が引用商標の名声を毀損させることを認識し、本件商標を不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用するものと認めるに足りる具体的事実は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(5)商標法第4条第1項第7号該当性について
引用商標は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人又は申立人商品を表示するものとして、我が国の需要者の間で広く認識されていたとは認められないし、本件商標と引用商標とは、類似しないものである。
そして、本件商標権者が、引用商標の周知著名性へのただ乗りを意図して、不正の目的で本件商標を使用している具体的な事実は見いだせない。
また、本件商標は、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるようなものでないことは明らかであり、社会の一般的道徳観念に反するなど、公序良俗に反するものというべき証左も見あたらない。
さらに、本件商標は、他の法律によって、その商標の使用等が禁止されているものではないし、特定の国若しくは国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反するものでもない。
してみると、本件商標は、その登録を維持することが商標法の予定する秩序に反し、公の秩序又は善良の風俗害するおそれのある商標に該当するとはいえないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(6)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲

別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標2の指定商品及び指定役務)
第3類「化粧品,口紅,リップグロス,リップバーム(医療用のものを除く。),マスカラ,アイシャドウ,アイブローペンシル,ほお紅,アイライナー,コンパクトケース入りの化粧品,ネイルエナメル,おしろい,化粧落とし用化粧品,顔用化粧品,ボディ用化粧品,キットになった口紅・リップグロス・ほお紅・アイシャドウを含むメイクアップ用化粧品,フェイスクリーム,スキンローション,スキンジェル,スクラブ洗顔剤,パック用化粧料,顔用クレンジングクリーム,スキンケア用化粧品(医療用のものを除く。),ボディパウダー,バスミルク,バスビーズ(浴用化粧品),バスオイル,バスジェル,バスソルト(医療用のものを除く。),ボディソープ,バブルバス,ハンドクリーム,ハンドローション,ボディクリーム,ボディローション,日焼け止め用化粧品,日焼け止めクリーム,日焼け止めローション,日焼け用ローション,日焼け後用クリーム,ひげそり用クリーム,アフターシェーブローション,肌清浄用化粧品,浴用化粧品(医療用のものを除く。),肌用収斂化粧水,防臭用化粧品,制汗用化粧品,身体用の防臭用化粧品,コロン,香水,身体用消臭スプレー,香料入り身体用消臭スプレー,つめ用クリーム,ネイルエナメル除去液,せっけん,液状浴用せっけん,ジェル状せっけん,固形せっけん,洗浄用液状せっけん,洗浄用粉せっけん,織物柔軟剤,防臭せっけん,皮膚用せっけん,練り歯磨き,洗口液,シャンプー,ヘアーコンディショナー,整髪用ジェル,整髪用ローション,洗濯用漂白剤その他の洗濯用剤,室内用芳香剤」
第5類「薬剤(医療用のもの)及び獣医科用薬剤,医療用の衛生剤,食餌療法用食品・飲料・薬剤,膏薬,包帯,歯科用充てん材料及び歯科用ワックス,消毒剤,乳児用食品,空気清浄剤,ビタミン剤,主にビタミン剤からなる食餌療法用飲料,ビタミンを主原料とするサプリメント,ビタミン剤を含む薬剤(医薬用のもの),ビタミン及びミネラルを主原料とするサプリメント,ビタミン剤及びミネラル剤を混合してなる薬剤(医療用のもの),ビニール製及び布製の皮膚の外傷用の接着性包帯,局所用アルコール,幼児用アスピリン」
第16類「印刷物,アニメ・アクションアドベンチャー・コメディ・ドラマの登場人物を主題とする書籍,漫画本,子供向け書籍,攻略本,アニメ・アクションアドベンチャー・コメディ・ドラマの登場人物を主題とする雑誌,塗り絵本,子供向けアクティビティブック,文房具,便せん,封筒,ノートブック,日記帳,ノートカード,グリーティングカード,トレーディングカード,リトグラフ,ペン,鉛筆,ペンケース,消しゴム,クレヨン,マーカーペン,色鉛筆,絵の具箱(学用品),チョーク,黒板,転写式ステッカー,熱転写ステッカー,ポスター,画像貼付用裏紙付きプラスチックフィルム製接着シール,ブックカバー,しおり,カレンダー,包装紙,パーティー用紙製装飾品,紙ナプキン,紙製テーブルマット,クレープ紙,招待状用カード,紙製テーブルクロス,紙製のケーキのデコレーション,刺繍・アップリケ用転写紙,衣装・パジャマ・スウェットシャツ・Tシャツ用の印刷された型紙」
第18類「競技用バッグ,子供運搬用背負子,リュックサック,ビーチバッグ,ブックバッグ,おむつ入れバッグ,ズック製雑嚢,メッセンジャーバッグ,ブリーフケース,運動用バッグ,トートバッグ,小銭入れ,ウエストポーチ,ナップザック,ベルトポーチ,ショッピングバッグ,再利用可能な買物袋,傘,財布,革製クレジットカード入れ,革製ポーチ,革製がま口,革製お守り入れ,革製カード入れ,革製キーケース,革製巾着,革製名刺入れ,革製定期券入れ,革製財布,革製ハンドバッグ」
第21類「ガラス製・陶器製・土器製のボウル・皿・コーヒーカップ・カップ,ガラス製飲料用食器,ガラス製の飲料用ジョッキ,ガラス製の飲料用水差し,ガラス製の飲料用グラス,食卓用クリーム入れ及び砂糖入れ,幼児用カップ,クッキー入れ,陶器製・ガラス製・磁器製の小像,歯ブラシ,コーヒーポット(電気式又は貴金属製のものを除く。),ランチボックス,弁当箱,紙くず用カゴ,氷おけ,プラスチック製台所用・清掃用バケツ,シャワー用キャディ,菓子用型,台所用取分け用器具,パイ取分け用へら,ケーキターナー,へら(台所用具),なべ用スクレイパー,ケーキサーバー,携帯用食器,プラスチック製コースター,食品用又は飲料用の断熱容器,クッキーカッター,ねじ込み式コルク栓抜,瓶,デカンター,飲料用魔法瓶,園芸用手袋,ゴム製家事用手袋,食器類,紙皿,紙コップ」
第25類「男性用被服,女性用被服,子供用被服,シャツ,Tシャツ,スウェットシャツ,ジョギングスーツ,ズボン,パンツ,ショーツ,タンクトップ,レインウエア,布製よだれかけ,スカート,ブラウス,ドレス,ズボンつり,セーター,ジャケット,コート,レインコート,スノースーツ,ネクタイ,バスローブ,帽子,キャップ,サンバイザー,手袋,ベルト,スカーフ,寝巻き,パジャマ,ランジェリー,下着,ブーツ,靴類,スニーカー,サンダル,靴下,ブーティー,防寒用ソックス,水泳着,仮装用・ハロウィーン用の衣服,革製ベルト」
第28類「おもちゃ,運動用具,ゲーム用具,屋外設置式遊具,アクションフィギュア及びその附属品,アクションフィギュア用おもちゃセット,おもちゃの家具,布製おもちゃ,風船,浴用おもちゃ,乗物おもちゃ,おもちゃの自動車,人形,フライングディスク,携帯用電子ゲームおもちゃ,盤ゲーム用具,カードゲーム用具,室内ゲーム用具,アクションタイプターゲットゲーム用具,家庭用手持ち式ビデオゲーム機,家庭用携帯式ビデオゲーム機,スロットマシン,映像出力装置付または映像出力装置無しのスロットマシン,ジグソーパズル,操作型パズルおもちゃ,紙製フェースマスク(おもちゃ),スケートボード,スケート靴,水鉄砲おもちゃ,ボール,遊戯用ボール,サッカーボール,野球ボール,バスケットボール,グローブ,水泳用浮き具,レクリエーション用ビート板,サーフボード,水泳用浮き板,足ひれ,おもちゃの耐熱皿,おもちゃの調理器具,おもちゃの銀行,スノードーム(スノーグローブ)おもちゃ,紙製パーティー用帽子,クリスマスツリー用装飾品,業務用コンピュータゲーム機の部品及びその附属品,パーティー用贈呈品(パーティー用品),仮装用・ハロウィーン用のマスク」

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異議決定日 2023-03-13 
出願番号 2021125127 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (W1416182425283542)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 矢澤 一幸
特許庁審判官 小田 昌子
杉本 克治
登録日 2022-03-23 
登録番号 6532031 
権利者 嶋崎 昌久
商標の称呼 リシャザム、レシャザム、リ、レ、アアルイイ、シャザム 
代理人 村瀬 純一 
代理人 佐藤 俊司 
代理人 田中 克郎 
代理人 山口 現 
代理人 稲葉 良幸 

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