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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W33
管理番号 1396456 
総通号数 16 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2023-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-08-08 
確定日 2023-04-04 
事件の表示 商願2021− 97210拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和3年8月4日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年11月 9日付け:拒絶理由通知書
令和3年12月16日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年 4月27日付け:拒絶査定
令和4年 8月 8日 :審判請求書の提出

2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第33類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
本願の指定商品は、原審における上記1の手続補正書により、第33類「純米吟醸酒」に補正されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5328288号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成21年10月15日登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同22年6月4日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、縦長四角形の中に、「純米吟醸」「Junmai Ginjo」「咲弥」「SAKUYA」及び「千曲錦」の文字、並びに、印影風の図形その他の各種図形を配してなるものである。
そして、その構成中「純米吟醸」の漢字と、その読みを欧文字で表したと考えられる「Junmai Ginjo」の文字は、本願の指定商品「純米吟醸酒」との関係において、その商品の品質を表示したといえるものであって、自他商品の識別標識としての機能を有しないものであるから、本願商標を構成する文字のうち、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るのは、上述のような事情の認められない「咲弥」、「SAKUYA」及び「千曲錦」の文字というのが相当である。
また、本願商標の構成中「SAKUYA」の文字は、「咲弥」の漢字の読みを欧文字で表したといえるものであり、当該「咲弥」の漢字は、一般的な辞書類に掲載のない語であるから、特定の意味を有しない造語というべきものであるところ、これら「咲弥」及び「SAKUYA」の文字と、「千曲錦」の文字とは、外観上、明確に分離して看取されるものであって、かつ、それらに観念的なつながりも見いだせない。
そうすると、本願商標の構成中「咲弥」及び「SAKUYA」の文字部分と「千曲錦」の文字部分とは、分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているということはできず、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際においては、取引者、需要者において、「咲弥」及び「SAKUYA」の文字部分(以下「本願要部」という。)をもって取引の用に供されることもあるというべきである。
したがって、本願商標よりは、本願要部に相応した「サクヤ」の称呼も生じるといえるものであり、また、本願要部からは特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、「さくや」の平仮名を横書きしてなるものであるところ、これ自体は一般的な辞書類に掲載されていないものであるが、これが「昨日の夜。昨晩。よべ。」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)を意味する「昨夜」の読みといえるものであり、ほかに「サクヤ」と読む一般的な成語が見当たらないことからすると、引用商標が「昨夜」の語を想起させる場合も少なくないというべきである。
そうすると、引用商標よりはその構成文字に相応して「サクヤ」の称呼が生じ、特定の観念は生じないないか、又は、「昨日の夜」ほどの観念が生じ得るものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
まず、原査定が本願の拒絶の理由とした本願要部と引用商標を比較するに、これらは構成文字、文字種及び文字数を異にし、また、本願要部中の「咲弥」の文字と引用商標を構成する「さくや」の文字とが、同一の語を漢字又は平仮名で表記したものという関係にあるともいえないことから、互いに異なる語を表してなると容易に理解でき、明確に区別できるものである。
そして、称呼においては、「サクヤ」を共通にし、観念については、いずれも特定の観念は生じないため、比較することができず、又は、引用商標より「昨日の夜」ほどの観念が生じるとすれば、観念において相紛らわしいとはいえないものである。
そうすると、本願要部と引用商標とは、称呼を共通にするとしても、観念において比較できないか、相紛らわしいとはいえないものであり、また、外観においては明確に区別できるものである。
また、本願商標全体と引用商標との比較においても、両商標は判然と区別できるものというのが相当であり、その他、両商標が類似する商標であるというべき事情は見いだせないものである。
したがって、これらを総合して判断すれば、本願商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、両商標の指定商品が同一又は類似であるとしても、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲

別掲1 本願商標(色彩は原本を参照。)



別掲2 引用商標




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審決日 2023-03-23 
出願番号 2021097210 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W33)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 豊瀬 京太郎
特許庁審判官 白鳥 幹周
板谷 玲子
商標の称呼 ジュンマイギンジョーサクヤ、ジュンマイギンジョー、サクヤ、チクマニシキ 
代理人 高橋 浩三 
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