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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 W0709 |
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管理番号 | 1396424 |
総通号数 | 16 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2023-04-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2022-06-07 |
確定日 | 2023-04-03 |
事件の表示 | 商願2020−127192拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は、令和2年10月14日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年9月24日付け:拒絶理由通知書 令和3年11月4日 :意見書の提出 令和4年2月25日付け:拒絶査定 令和4年6月7日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、「AI chip removal」の文字を標準文字で表してなり、第7類「金属加工機械並びにその部品及び附属品」及び第9類「電子応用機械器具並びにその部品及び附属品,コンピュータ,コンピュータソフトウェア」を指定商品として、登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、「AI chip removal」の文字を標準文字により表してなるところ、その構成中、「AI」の文字部分は、「(artificial intelligence)人工知能。」を、「chip」の文字部分は「切れ端、切りくず」等を、「removal」の文字部分は「除去、取り除くこと」等を表す語であるから、本願商標全体として、「人工知能を用いた切りくずの除去」等の意味合いが認識されるものである。そして、本願の指定商品を取り扱う業界において、人工知能を用いた切りくずを検知又は除去することができる商品が取り扱われていることを考慮すると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者及び需要者は、該商品が「人工知能を用いた切りくずを除去することができる商品及びそれに関する又はそれに用いられる商品」であると認識するにとどまるものと認める。そうすると、本願商標は、商品の品質及び用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 4 当審の判断 本願商標は、上記2のとおり、「AI chip removal」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「AI」の文字部分は「(artificial intelligence)人工知能。」(広辞苑第七版、岩波書店)を、「chip」の文字部分は「チップ 《集積回路をつける半導体の小片》、切れ端、削りくず」等(新英和中辞典第7版、研究社)を、「removal」の文字部分は、「除去、撤去」等(前掲書)を表す語であると認められる。 そして、当審において職権をもって調査するも、我が国において、本願の指定商品中、第7類「金属加工機械並びにその部品及び附属品」を取り扱う分野では、本願商標である「AI chip removal」の語が、「人工知能を用いた切りくずを除去することができる商品」を表示するものとして使用されている事実は認められず、また、本願商標を構成する各語の結合である「AI chip」、「AI removal」又は「chip removal」の語についても、特定の意味を表すものとして一般に使用されているとはいい難いものである。 同様に、本願の指定商品中、第9類「電子応用機械器具並びにその部品及び附属品,コンピュータ,コンピュータソフトウェア」を取り扱う分野においては、本願商標である「AI chip removal」の一連の語が使用されている事実は認められないものであり、また、本願を構成する各語のうち「AI」と「chip」の語が結合した「AI chip」(AIチップ)について、「AI(人工知能)に特化した半導体チップ」や、「AI(人工知能)の演算処理を高速化するための半導体」を意味する語であることはうかがえるものの、それらと「removal」の語との関係において、その語義から想定できる「AIチップを除去する商品」程の意味合いを、需要者に認識させると判断すべき特段の事情は発見できなかった。 以上より、本願商標は、特定の意味を有する成語ではなく、本願の指定商品との関係において、原審説示のとおりの意味合いを認識するとはいえないものであり、また、構成各文字を上記のとおり結合した語から生じる意味合いは漠然としたものであるから、その指定商品の具体的な品質等を表示したものとして直ちに認識されるとはいい難く、むしろ、本願商標は、特定の意味合いを認識させることのない一種の造語として把握されると判断するのが相当である。 そうすると、本願商標は、その指定商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標ということもできない。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2023-03-22 |
出願番号 | 2020127192 |
審決分類 |
T
1
8・
13-
WY
(W0709)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
小松 里美 |
特許庁審判官 |
藤村 浩二 鈴木 雅也 |
商標の称呼 | エイアイチップリムーバル、エイアイチップ、リムーバル |
代理人 | 弁理士法人深見特許事務所 |