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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない W09353642 |
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管理番号 | 1396396 |
総通号数 | 16 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2023-04-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2022-02-07 |
確定日 | 2023-03-29 |
事件の表示 | 商願2020−9867拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類「電子計算機用プログラム,アプリケーションソフトウェア,スマートフォン用アプリケーションソフトウェア,ダウンロード可能なアプリケーションソフトウェア」、第35類「広告業,商業又は広告のための展示会・イベント及び商品見本市の企画・運営又は開催並びにこれらに関する情報の提供,商品の販売促進又は役務の提供促進のためのイベント・展示会及び見本市の企画・運営又は開催並びにこれらに関する助言又は情報の提供,住宅の販売促進のための住宅展示場の企画・運営又は開催,広告の配信,インターネット経由による広告の配信,第三者のためのインターネット経由による広告の配信,オンライン通信ネットワーク経由による広告の配信,インターネット上における会社及び商品・役務の紹介,文書又は磁気のファイリング,予約の確認(事務処理),予約のスケジューリング(事務処理)」、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,個人の経済的生活設計の策定に関わる資産の形成・運用・管理に関する相談・診断・助言及び指導並びに情報の提供」及び第42類「電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,スマートフォン用アプリケーションソフトウェアの提供,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供[SaaS]」を指定商品及び指定役務として、令和2年1月29日に登録出願されたものである。 本願は、令和2年12月23日付けで拒絶理由の通知がされ、同3年8月27日に意見書が提出されたが、同年10月29日付けで拒絶査定がされ、これに対して同4年2月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。 第2 原審の拒絶の理由の要点 原審において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。 以下、引用商標1ないし引用商標6をまとめていうときは、「引用商標」という。 1 登録第2701839号(引用商標1) 商標:別掲2のとおり 指定商品:「電子応用機械器具及びその部品」を含む、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品。 登録出願日:昭和60年8月7日 設定登録日:平成6年12月22日 2 登録第4401588号(引用商標2) 商標:FIT(標準文字) 指定役務:第42類「求人情報の提供,電子計算機端末による電子計算機用プログラムの提供」を含む、第38類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務。 登録出願日:平成11年1月8日 設定登録日:平成12年7月21日 3 登録第5776204号(引用商標3) 商標:別掲3のとおり 指定商品及び指定役務:第35類「政府関連の助成金申請事務の代行,督促状の発行事務の代行,委託者から借受けた預金通帳の入金状況を確認して委託者に通知する事務の代行,文書又は磁気テープのファイリング,一般事務の代理または代行,広告業,インターネット上での広告用スペースの貸与,広告場所の貸与,クーポン券及び割引などの特典付カードの発行,商品の販売促進又は役務の提供促進のためのクーポン若しくはポイントの発行・管理・清算,販売又は営業促進のための商品又はサービス交換用ポイントの管理及び清算,トレーディングスタンプの発行」を含む、第9類、第16類、第35類、第37類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務。 登録出願日:平成27年2月25日 設定登録日:平成27年7月3日 4 登録第5960725号(引用商標4) 商標:別掲4のとおり 指定商品:「磁気コードを利用した識別用腕輪,ICカード(スマートカード),発光ダイオード(LED),プリント回路基板,USBフラッシュドライブ」を含む、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品。 登録出願日:平成28年8月17日 設定登録日:平成29年7月7日 5 登録第5960726号(引用商標5) 商標:別掲5のとおり 指定商品:「磁気コードを利用した識別用腕輪,ICカード(スマートカード),発光ダイオード(LED),プリント回路基板,USBフラッシュドライブ」を含む、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品。 登録出願日:平成28年8月17日 設定登録日:平成29年7月7日 6 登録第6328595号(引用商標6) 商標:別掲6のとおり 指定商品及び指定役務:第35類「政府関連の助成金申請事務の代行,督促状の発行事務の代行,委託者から借受けた預金通帳の入金状況を確認して委託者に通知する事務の代行,文書又は磁気テープのファイリング,一般事務の代理または代行,広告業,インターネット上での広告用スペースの貸与,広告場所の貸与,クーポン券及び割引などの特典付カードの発行,商品の販売促進又は役務の提供促進のためのクーポン若しくはポイントの発行・管理・清算,販売又は営業促進のための商品又はサービス交換用ポイントの管理及び清算,トレーディングスタンプの発行」、第36類「建物又は土地の売買並びにこれに関するコンサルティング及び情報の提供,建物・土地の購入・売却に関する指導・助言,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,金銭債務の保証,建物および土地の所有者に対する滞納家賃の支払保証,投資,投資に関するコンサルティング及び情報の提供,投資に関する助言・媒介・取次ぎ又は代理並びに管理,投資信託の引受け,投資信託の管理,投資信託の募集・売出し・取次ぎ・運用,投資信託に係る信託財産の運用指図,投資信託」を含む、第9類、第16類、第35類、第36類、第37類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務。 登録出願日:令和元年7月10日 設定登録日:令和2年12月14日 第3 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本願商標について 本願商標は、別掲1のとおり、「マンション」の文字を黒文字で、「Fit」の文字をかご文字で二段に表し、その下に二本の直線をやや右上がりに配してなるところ、その構成中「マンション」の文字は、「中高層の集合住宅」等を、「Fit」の文字は、「適合すること」等(広辞苑第七版)を意味するものである。 また、「Fit」の文字は、「マンション」の文字より大きく、明るい緑色の陰影が施されており、さらには、二本の直線でその文字が強調されている印象を与えるものである。 そして、「マンション」及び「Fit」の文字が、それぞれ相互に観念上、密接な関連性を有するものではないこと、構成部分を結合して意味を持たせるようなつながりもないこと、「Fit」の文字は、その着色、大きさ、下線によって強調されている印象を与えることから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているものとはいえない。 そうすると、本願商標は、その構成中「Fit」の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。 したがって、本願商標は、その要部である「Fit」の文字部分から、「フィット」の称呼が生じ、「適合すること」の観念が生じるものである。 (2)引用商標について ア 引用商標1及び2 引用商標1は、別掲2のとおり、「FIT」の文字を表してなり、引用商標2は、「FIT」の文字を標準文字で表してなるものであるから、いずれもその文字に相応して、「フィット」の称呼が生じ、「適合すること」の観念が生じる。 イ 引用商標3ないし5 引用商標3は、別掲3のとおり、青色の円の図形の中に白抜きで「Fit」の文字を表してなり、当該図形と「Fit」の文字は、外観上明確に分離して看取できるものであるから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているものとはいえない。 引用商標4は、別掲4のとおり、右に傾斜した楕円と、その内周線に沿って「Foxconn Interconnect Technology」の文字を配し、中央に「FIT」の文字を全体の8割を占める大きさで表してなり、引用商標5は、「Foxconn Interconnect Technology」の文字が無いという点以外は、引用商標4と同じ構成態様であり、いずれも「FIT」の文字部分が、その外観においてひときわ目立つものであり、見る者に強い印象を与えるものである。 そうすると、引用商標3ないし5は、その構成中「Fit」又は「FIT」の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。 したがって、引用商標3は、「Fit」の文字部分から、引用商標4及び5は「FIT」の文字部分から、「フィット」の称呼が生じ、「適合すること」の観念が生じる。 ウ 引用商標6 引用商標6は、別掲6のとおり、円と滴型の図形の右に「F!T」の文字を表してなり、当該図形と「F!T」の文字は、外観上明確に分離して看取できるものであるから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているものとはいえない。 ところで、「F!T」の中央の文字は「!」であるが、これは「i」の文字を逆さにしたものと同様の形であること、「!」が「i」であった場合、親しまれた成語である「FiT」を構成するため、知覚的にこれを「i」と捉えやすいこと、また「F!T」と「FiT」の外形そのものが似かよっていることから、「F!T」を「FiT」と認識し、「F!T」の文字部分から「フィット」の称呼及び「適合すること」の観念が生じる場合もあるというのが相当である。 したがって、引用商標6は、「F!T」の文字部分から「フィット」の称呼及び「適合すること」の観念が生じる場合もあるといえる。 (3)本願商標と引用商標の類否について 本願商標の要部と引用商標1及び2並びに引用商標3ないし5の要部とは「Fit(FIT)」欧文字の綴りを共通にするものであり、引用商標6の要部とは綴りこそ異なるものの、外形が似かよっていることから、本願商標と引用商標は外観において似かよった印象を与える類似するものといえる。 また、本願商標の要部と引用商標1及び2並びに引用商標3ないし6の要部とは、「フィット」の称呼、「適合すること」の観念を共通にするものである。 そうすると、本願商標と引用商標とは、外観において類似し、称呼及び観念を共通にするものであり、両商標の外観、称呼、観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。 (4)本願商標の指定商品・役務と引用商標の指定商品・役務の類否について 本願商標の指定商品である第9類の商品は、引用商標1の指定商品のうち、第9類「電子応用機械器具及びその部品」並びに引用商標4及び5の指定商品のうち、第9類「磁気コードを利用した識別用腕輪,ICカード(スマートカード),発光ダイオード(LED),プリント回路基板,USBフラッシュドライブ」と同一又は類似である。 また、本願商標の指定役務のうち第35類「インターネット上における会社及び商品・役務の紹介」、引用商標2の指定役務のうち、第42類「求人情報の提供」と同一又は類似し、本願商標の指定役務のうち第42類の役務は、引用商標2の指定役務のうち、第42類「電子計算機端末による電子計算機用プログラムの提供」と同一又は類似である。 さらに、本願商標の指定役務のうち、第35類の役務は、引用商標3及び引用商標6の指定役務のうち、第35類「政府関連の助成金申請事務の代行,督促状の発行事務の代行,委託者から借受けた預金通帳の入金状況を確認して委託者に通知する事務の代行,文書又は磁気テープのファイリング,一般事務の代理または代行,広告業,インターネット上での広告用スペースの貸与,広告場所の貸与,クーポン券及び割引などの特典付カードの発行,商品の販売促進又は役務の提供促進のためのクーポン若しくはポイントの発行・管理・清算,販売又は営業促進のための商品又はサービス交換用ポイントの管理及び清算,トレーディングスタンプの発行」と同一又は類似である。 そして、本願商標の指定役務のうち、第36類の役務は、引用商標6の指定役務のうち、第36類の役務と同一又は類似である。 (5)小括 以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 請求人の主張について (1)請求人は、本願商標に係る、そもそものサービスの仮称は、「マンションFitting」であって、靴の「シューフィッター(shoe fitter)」というサービスからヒントを得たものであり、靴という商品に代わり、マンション物件について、顧客に対して最適な物件を紹介する、いわゆる「マンションフィッター(mansion fitter)」としての役割が、本サービスの中核であるから、本願商標を認識する需要者も、「マンション」と「Fit」の文字を併せくみ取ることで、全体として「自分に適合するマンションを探せるサービスである」という新たな観念を認識する旨主張する。 しかしながら、本願商標の構成文字は、上記1(1)のとおり、「マンション」と「Fit」であって、「マンションFitting」でも「マンションフィッター(mansion fitter)」でもないから、需要者をして、本願商標の構成文字から「自分に適合するマンションを探せるサービスである」との、各語の意味合いを超えた観念を認識すると判断することは困難である。 (2)請求人は、原審において、本願商標は引用商標2つ「登録第2701839号(引用商標1)及び登録第4401588号(引用商標2)」との関係で「類似」の関係にあるとの最終的な判断を受けた一方で、当審においては、原審における「拒絶理由通知書」で引用された6つの商標全てとの関係において、「類似」であるとの判断となっており、この原審における最終判断が覆されているという点について、「審尋」書中において、積極的な根拠等が何ら示されていないことにつき、納得しかねる旨を主張する。 しかしながら、まず、本件の商標登録出願について、拒絶査定は確定に至っていないのだから、原審の判断が最終判断ではない。そして、審査手続と審判手続とは出願から登録又は拒絶査定の確定に至るまでの手続として継続性を有し、商標法56条で準用する特許法158条は、「審査においてした手続は、拒絶査定不服審判においても、その効力を有する。」としているところ、本件判断の根拠となった拒絶理由は、原審において既に請求人に通知され、それについて意見を述べる機会が与えられており、この原審においてした手続は審判においてもその効力を有するものである。 (3)請求人は、本願商標に係るサービス(以下、「本件サービス」とする。)は、2020年4月より開始され、2年6カ月ほど経過し、その間、本件サービスの認知度は、順調かつ飛躍的に伸びてきており、本件サービスの存在は、不動産業界においては一定の「周知」性を得ている旨、また、請求人のもとに、各引用商標との間で本願商標と誤認混同を生じた旨のクレームが入ったという事実はない旨主張する。 しかしながら、本願商標と引用商標が類似するものであることは、上記1のとおりであって、本願商標が一定の周知性を獲得しているとしても、その判断を左右するものではない。仮に、請求人の主張が、本願商標が一体性をもって一定の周知性を獲得しているとの主張であったとしても、本願商標は、その構成中「Fit」の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきであることは、上記1(1)のとおりであるから、当該文字部分に相応して「フィット」の称呼、「適合すること」の観念をも生じることに変わりはない。そして、請求人のもとに、各引用商標との間で本願商標と誤認混同を生じた旨のクレームが入ったという事実がないとしても、本願商標は、当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標に類似する商標であって、その商標登録に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするものであるから、混同のおそれがあると判断すべきである。 (4)したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。 3 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 本願商標(色彩については原本参照。) 別掲2 引用商標1 別掲3 引用商標3(色彩については原本参照。) 別掲4 引用商標4(色彩については原本参照。) 別掲5 引用商標5(色彩については原本参照。) 別掲6 引用商標6(色彩については原本参照。) (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 |
審理終結日 | 2022-12-19 |
結審通知日 | 2023-01-04 |
審決日 | 2023-02-09 |
出願番号 | 2020009867 |
審決分類 |
T
1
8・
261-
Z
(W09353642)
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最終処分 | 02 不成立 |
特許庁審判長 |
岩崎 安子 |
特許庁審判官 |
綾 郁奈子 馬場 秀敏 |
商標の称呼 | マンションフィット、マンション、フィット、エフアイテイ |
代理人 | 下坂 スミ子 |
代理人 | 川成 渉 |