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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W16
管理番号 1394262 
総通号数 14 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2023-02-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-05-02 
確定日 2023-01-31 
異議申立件数
事件の表示 登録第6517517号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6517517号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6517517号商標(以下「本件商標」という。)は、「現代の理論」の文字を標準文字で表してなり、令和3年9月6日に登録出願、第16類「印刷物」を指定商品として、同4年2月14日に登録査定、同月22日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は、申立人の業務に係る「雑誌」を表示するものとして日本国内における需要者の間に広く認識され、かつ、申立人の名称の著名な略称として認識されていると主張する「現代の理論」の文字からなる商標(以下「引用商標」という。)である。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を満たしておらず、また、同法第4条第1項第8号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証から甲第48号証までを提出した。以下、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載する。
(1)商標法第4条第1項第19号について
ア 申立理由の要約
申立人の業務に係る商品である雑誌「現代の理論」は、需要者の間に広く認識されているところ、本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)は、本件商標を使用しないにもかかわらず、申立人の雑誌「現代の理論」の発行を妨害し、かつ、金銭請求を行うという不正の目的をもって本件商標を登録したものである。
イ 本件商標が他人の周知商標であることについて
(ア)雑誌「現代の理論」は、構造改革派を中心としたリベラル・革新派の論壇誌であり、昭和34年5月に月刊誌として創刊された。同年9月頃に、一時休刊となったものの、同39年1月に発行が再開された。雑誌「現代の理論」は、左翼活動家や労働運動家を中心に購読され、1960年代後半には8,000部の発行数があった。
左翼運動・学生運動が衰退する中で、雑誌「現代の理論」の発行部数は漸減したが、26年間発行され、平成元年12月に再び休刊した。休刊時には、同年11月27日の朝日新聞に「休刊宣言」という記事が掲載された(甲1)。
(イ)平成14年2月、文京区民センターで行われたフロント(社会主義同盟)40周年新春の集いにおいて、雑誌「現代の理論」の再発行が呼びかけられ(甲2)、フロント活動家を中心とした法人化前の申立人により、同16年6月に季刊誌「現代の理論」準備号が発行された。
平成16年10月から、法人化前の申立人ないし申立人により、雑誌「現代の理論」は年4回の季刊誌として発行された(甲3〜甲12)。
雑誌「現代の理論」は、平成19年7月に株式会社明石書店(以下「明石書店」という。)が発行主体となって発行が継続されたが、同24年4月に再度休刊することとなった。
(ウ)その後、申立人は、平成28年2月、季刊誌「現代の理論」デモ版を発行し、同年6月より季刊誌「現代の理論」の発行を再開した。申立人は、平成20年2月から年4回発行していた季刊誌「FORUM OPINION NPO現代の理論・社会フォーラム」(甲13〜甲16)の同28年3月号にて、同年6月から季刊誌「現代の理論」の発行を再開することを周知し(甲17)、同年6月、季刊誌「FORUM OPINION」を改題し、季刊誌「現代の理論」の発行を再開した(甲18)。その後、申立人は、季刊誌「現代の理論」を年間4号発行し(甲19〜甲22)、平成29年10月には、株式会社同時代社が発売を担当して、季刊誌「現代の理論’17秋号」を発行し(甲23)、現在でも年4回の季刊誌として「現代の理論」の発行を継続している(甲24〜甲28)。
雑誌「現代の理論」は、構造改革派を中心としたリベラル・革新派の論壇誌であり、その購読者は、いわゆる一般的大衆ではなく、1960年代、1970年代のいわゆる学生運動の時代から政治活動や社会運動(市民運動や労働運動等)を担っている知識人、つまり大学教授・講師、弁護士、国会議員、地方議員等のうちの限定された者で、その数は非常に限定されている。
一方で、雑誌「現代の理論」と同じような内容の、構造改革派を中心としたリベラル・革新派の論壇誌は他に存在しないといわざるを得ない。
申立人は、平成20年2月から季刊誌「FORUM OPINION NPO現代の理論・社会フォーラム」を発行し、同28年6月から現在に至るまで、年4回の季刊誌として「現代の理論」の発行を継続している。現在、季刊誌「現代の理論」の発行部数は各1,000部前後であり、左翼運動・学生運動が衰退をしてから既に半世紀以上経過し、当初の読者層の高齢化や思想離れ等々から、対象読者層は限定されていることを鑑みれば、1,000部という発行部数は、十分申立人の業務に係る雑誌として、雑誌「現代の理論」は対象読者層である需要者の間に広く認識されていることを示すものであるといえる。また、約70%が定期購読である事実は、少ない対象読者層の中で、申立人が発行する雑誌「現代の理論」が高い評価を得て繰り返し購読され、申立人の雑誌として広く認識されていることを裏付けるものである。
(エ)小括
このように、雑誌「現代の理論」の表示は、昭和34年の発刊当時の精神を受け継ぎつつ、同年から長年にわたって断続的に使用され、需要者の間で周知となっているところ、需要者の間で、その出所(発行主体)として、営業上の信用等を化体させ周知性の獲得等に貢献してきたその帰属主体は、同年から平成16年に至る時期を経て、同年以降は申立人であり、同19年から同24年までは明石書店が発行主体となっていたが、同28年6月以降は、再び申立人が発行して現在に至っているのであるから、「現代の理論」は、申立人の業務に係る雑誌を表示するものとして日本国内における需要者の間に広く認識されている商標である。
不正の目的
(ア)前回の商標登録が不使用取消しとなっていること
本件商標権者は、平成28年4月9日、本件商標と同じ「現代の理論」を、第9類「電子印刷物」及び第16類「印刷物」を指定商品として、商標登録出願し、同29年9月8日に商標登録(以下「前回商標登録」という。)した(甲29)。
しかし、本件商標権者は、第16類「印刷物」の指定商品について、登録商標である「現代の理論」を一度も使用しなかった。
よって、令和3年2月12日、「現代の理論」の商標登録は不使用により取り消された(甲30、甲31)。
なお、本件商標権者が前回商標登録をしたのは、申立人に対し、雑誌「現代の理論」の出版差止請求及び損害賠償請求訴訟を提起するためだった。
(イ)今後も使用する予定がないこと
本件商標権者は、平成30年10月15日、申立人に対し、雑誌「現代の理論」の出版差止及び損害賠償請求訴訟(以下「別訴」という。)を提起した。
本件商標権者は、別訴の尋問の中で、現在の活動経費は年間2万円程度のWEBサイト維持費のみであり、原稿執筆者に対して原稿料も支払っておらず、活動費用は自分が個人的に支出していると述べた。他方、本件商標権者は、紙媒体の印刷物として雑誌を発行する場合、1回あたり70万円か80万円の費用が掛かると述べており、その資金調達等については具体的には全く決まっていないという趣旨の陳述を行った。
つまり、本件商標権者は、今後も「印刷物」の指定商品について「現代の理論」を使用する予定もなく、かつ、客観的に見ても実際に使用する能力はない。
(ウ)雑誌名変更の要求と金銭請求
令和4年3月11日、本件商標権者は、申立人に対し、本件商標を前提として、雑誌「現代の理論」の雑誌名の変更を求め、かつ、金銭請求を行った。
申立人によって季刊誌の表題として使用されている「現代の理論」は、その歴史的経緯からして、少なくとも同季刊誌の購読者間では、多大な信用力を有しているといわざるを得ない。本件商標権者が、自分では雑誌「現代の理論」を出版しないにもかわらず、本件商標を出願したのは、申立人に季刊誌「現代の理論」を発刊させないようにし、憲法で認められた言論の自由を抑制するための商標登録制度利用であるから、不正目的の商標登録である。
エ 小括
申立人の業務にかる商品である雑誌「現代の理論」は、需要者の間に広く認識されているところ、本件商標権者は、申立人の雑誌「現代の理論」発行を妨害し、かつ、金銭請求を行うという不正の目的をもって、不使用により取り消された商標と同様の本件商標を、自らは使用しないにもかかわらず、再び登録したものである。
よって、本件商標の登録は認められるべきではない。
(2)商標法第4条第1項第10号について
上記(1)イのとおり、雑誌「現代の理論」の発行経緯等に鑑みれば、「現代の理論」は申立人が使用しているものと周知されている。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品として需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であり、その商品について使用するものである。
よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してなされたものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
仮に、申立人が使用している「現代の理論」が周知商標とまでいえないとしても、上記(1)イで述べたような季刊誌「現代の理論」の発行経緯や発行状況に鑑みれば、本件商標は、申立人の業務に係る商品である季刊誌「現代の理論」と混同を生じるおそれがあることは明らかである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してなされたものである。
(4)商標法第4条第1項第8号について
申立人は、平成17年7月15日、季刊誌「現代の理論」の発行事業を主目的の1つとして設立されたNPO法人である(甲32)。
申立人は、設立時は、「特定非営利活動法人言論NPO・現代の理論」との名称であり、平成20年5月9日に、「特定非営利活動法人NPO現代の理論・社会フォーラム」と改称して現在に至っている。また、申立人は、設立前から、「言論NPO・現代の理論」との名称で雑誌「現代の理論」を発行している。すなわち、申立人の名称には、一貫して「現代の理論」が含まれている。
よって、申立人の名称のうち最も重要な部分は、設立時から一貫して使用し、かつ、発行季刊誌の名称でもある「現代の理論」であり、「現代の理論」は申立人の略称として定着している。
また、申立人は、フオーラムやシンポジウムの開催、研究会の開催等を定期的に行っている(甲33)。申立人が定期的に開催している研究会には、例えば「憲法・平和研究会」などがある(甲34)。
さらに、申立人は、フオーラムやシンポジウムも開催しており、例えば、平成28年1月には、「NPO現代の理論・社会フォーラム新春の集い」等を開催している(甲35)。
このように、申立人は、雑誌「現代の理論」の発行以外の活動も幅広く行っており、申立人の略称は著名であるところ、本件商標は、申立人の著名な略称である「現代の理論」を含んでいる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号に違反してなされたものである。
(5)商標法第3条第1項柱書について
本件商標権者は、かつて、本件商標と同じ「現代の理論」を、第16類「印刷物」を指定商品として、平成28年4月9日に出願し、同29年9月8日に商標登録していた(甲29)。
しかし、本件商標権者は、第16類「印刷物」の指定商品について、登録商標である「現代の理論」を一度も使用しなかったため、令和3年2月12日、「現代の理論」の商標登録は不使用により取り消された(甲30、甲31)。
本件商標権者は、今後も「印刷物」の指定商品について「現代の理論」を使用する予定もなく、かつ、客観的に見ても実際に使用する能力はない。
よって、本件商標権者は「印刷物」における本件商標の使用意思がないにもかかわらず、同じ「現代の理論」の商標登録の不使用取消しの後、再度、本件商標の登録を行ったものであり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項柱書に違反してなされたものである。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、次の事実が認められる。
(ア)昭和34年5月に月刊誌として創刊された「現代の理論」と題する雑誌(以下「本件雑誌」という。)は、同年9月頃に休刊し、同39年1月に再発行、平成元年12月再休刊した(甲1、申立人の主張)。
(イ)その後、本件雑誌は、平成15年11月に再発行に向けた設立会合が開かれ、同16年6月に季刊誌として準備号が発行され、同年10月に年4回の季刊誌として発行し、明石書店が発行主体となり発行が継続されたが、同24年4月に再度休刊となった(甲2〜甲12、申立人の主張)。
(ウ)明石書店が本件雑誌の発行ができなかったことから、申立人は、平成28年2月に本件雑誌のデモ版を発行し、申立人が発行していた季刊誌「FORUM OPINION」を改題して、同年6月から本件雑誌が再発行され、現在に至っている(甲17〜甲28、申立人の主張)。
(エ)本件雑誌の現在の発行部数は、約1,000部であり、その70%は定期購読である(申立人の主張)。
(オ)本件雑誌は、令和3年7月29日発行の神奈川新聞及び同年8月23日発行の東奥日報の記事において取り上げられた(甲37、甲38)。
(カ)申立人が平成28年6月から令和3年7月までに発行した本件雑誌の裏表紙及び背表紙並びに奥付の「発行所」の欄には、「NPO現代の理論・社会フォーラム」、「現代の理論・社会フォーラム」又は「認定NPO現代の理論・社会フォーラム」の記載がある(甲18〜甲28)。
(キ)申立人が平成20年2月から同28年3月までに発行した季刊誌「FORUM OPINION」の表紙及び裏表紙には、「NPO現代の理論・社会フォーラム」の記載がある(甲13〜甲17)。
(ク)申立人は、平成26年5月から同29年10月までの間に定期的にイベントを開催しており、そのイベントの広告が記載されたウェブサイトには、「NPO現代の理論・社会フォーラム」の記載がある(甲33〜甲35)。
イ 上記アによれば、次の(ア)及び(イ)のとおり判断することができる。
(ア)引用商標が申立人の業務に係る「雑誌」を表示するものとして需要者の間に広く認識されているかについて
本件雑誌は、昭和34年5月に創刊され、その後、休刊と再発行が繰り返されるものの、現在に至るまで発行が続いていることがうかがえる。
そして、平成28年6月からは、申立人が本件雑誌の発行主体となっている。
しかしながら、本件雑誌の発行部数は、約1,000部であって、雑誌の発行部数としては決して多いとはいえず、また、その70%が定期購読者であるとすると、読者自体も一部の者に限られているといえる。
また、申立人が発行主体となった平成28年6月以降、本件雑誌が新聞の記事に取り上げられたことがあるものの、それは地方紙における2回のみである。
そうすると、本件雑誌の題号である「現代の理論」の文字からなる引用商標は、申立人の業務に係る「雑誌」を表示するものとして需要者の間に広く認識されているとは認めることができない。
(イ)引用商標が申立人の著名な略称であるかについて
申立人が発行した本件雑誌及び季刊誌「FORUM OPINION」の裏表紙等、並びに申立人が開催したイベントの広告が掲載されたウェブサイトには、「NPO現代の理論・社会フォーラム」、「現代の理論・社会フォーラム」又は「認定NPO現代の理論・社会フォーラム」の記載があることが認められる。
しかしながら、申立人の名称が「現代の理論」と略称されていることを示す証拠は何ら提出されていない。
そうすると、「現代の理論」の文字からなる引用商標が、申立人の著名な略称であると認めることはできない。
ウ 申立人の主張について
申立人は、左翼運動・学生運動が衰退をしてから既に半世紀以上経過し、当初の読者層の高齢化や思想離れ等々から、対象読者層は限定されていることを鑑みれば、1,000部という発行部数は、十分申立人の業務に係る雑誌として、雑誌「現代の理論」は対象読者層である需要者の間に広く認識されていると主張している。
しかしながら、引用商標が他人の業務に係る商品「雑誌」を表示するものとして需要者の間に広く認識されているか否かの判断に当たっては、「雑誌」の需要者を基準に判断すべきであるから、本件雑誌の当初の読者層のみに限定して判断することは妥当ではない。
したがって、申立人の主張は採用できない。
(2)商標法第4条第1項第10号該当性について
上記(1)イ(ア)のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る「雑誌」を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものとは認められない。
そうすると、たとえ本件商標が引用商標と同一又は類似の商標であって、「雑誌」又はこれに類似する商品について使用をするものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標と引用商標は、上記1及び2のとおり、いずれも「現代の理論」の文字からなるものであるから、同一又は類似の商標であり、その類似性の程度は高いといえる。
しかしながら、上記(1)イ(ア)のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る「雑誌」を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものとは認められない。
そうすると、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品について使用をしても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
上記(1)イ(ア)のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る「雑誌」を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものとは認められない。
そうすると、本件商標が不正の目的をもって使用をするものであるか判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(5)商標法第4条第1項第8号該当性について
上記(1)イ(イ)のとおり、引用商標は、申立人の著名な略称と認めることはできない。
そうすると、本件商標は、他人(申立人)の著名な略称を含む商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当しない。
(6)商標法第3条第1項柱書の要件を満たしているかについて
ア 申立人は、本件商標権者は、前回商標登録において、その指定商品について「現代の理論」を一度も使用しなかったため、不使用により取り消されたものであり、今後もその指定商品について使用をする予定もなく、使用意思がないにもかかわらず、本件商標を登録したものであるから、本件商標の登録は、商標法第3条第1項柱書に違反してなされたものである旨主張している。
イ 申立人の提出に係る証拠によれば、次の事実が認められる。
(ア)本件商標権者は、前回商標登録により登録された商標(以下「別件商標」という。)の商標権者であり、別件商標は、本件商標と同様に「現代の理論」の文字を標準文字で表してなるものであり、「印刷物」を含む商品を指定商品とするものである(甲29、甲30)。
(イ)別件商標は、その指定商品中「印刷物」について、不使用による商標登録の取消しの審判の請求の登録が令和2年10月1日にされ、その後、「印刷物」についての商標登録を取り消す旨の審決がされ、確定した(甲30、甲31)。
ウ 上記イによれば、本件商標権者は、別件商標に対する商標登録の取消しの審判の請求の登録日である令和2年10月1日の前3年間、すなわち、平成29年10月1日から令和2年9月30日までの間、「現代の理論」の文字からなる商標を「印刷物」について使用をしていなかったことがうかがえる。
しかしながら、たとえそうであるとしても、本件商標の登録査定日である令和4年2月14日の時点において、本件商標権者が本件商標について使用をする予定又は意思がなかったということはできない。
他に、本件商標権者が、本件商標の登録査定日である令和4年2月14日の時点において、本件商標について使用をする予定又は意思がなかったというべき事情を見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を満たしていないとはいえない。
(7)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するとはいえず、また、同法第3条第1項柱書の要件を満たすものであるから、その登録は同法第3条及び同法第4条第1項の規定に違反してされたものとはいえない。
他に、本件商標の登録が商標法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
(この書面において著作物の複製をしている場合の御注意)
特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分に御注意ください。
異議決定日 2023-01-17 
出願番号 2021110625 
審決分類 T 1 651・ 18- Y (W16)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 矢澤 一幸
特許庁審判官 杉本 克治
山田 啓之
登録日 2022-02-22 
登録番号 6517517 
権利者 大野 ▲隆▼
商標の称呼 ゲンダイノリロン 
代理人 中市 達也 
代理人 三尾 美枝子 
代理人 山田 さくら 

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