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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W20 |
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管理番号 | 1394153 |
総通号数 | 14 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2023-02-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2022-06-14 |
確定日 | 2023-01-30 |
事件の表示 | 商願2020−147256拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第20類「寝台,カプセルホテル用ベッド,カプセル式ベッド,クッション,まくら,マットレス,家具,寝室用の家具,椅子類」を指定商品として、令和2年11月30日に登録出願されたものである。 本願は、令和3年8月6日付けで拒絶理由の通知がされ、同年9月16日に意見書が提出されたが、同4年3月7日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年6月14日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4782573号商標(以下「引用商標」という。)は、「コトブキ」の文字を標準文字で表してなり、平成11年8月12日に登録出願、第6類「金属製建具」、第19類「建具(金属製のものを除く。)」及び第20類「家具,カプセル式ベッド」を含む、第6類、第7類、第9類、第11類、第14類、第19類ないし第21類、第24類、第34類、第35類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同16年7月2日に設定登録され、この商標権は、現に有効に存続しているものである。 3 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、「KOTOBUKI」の欧文字、「SLEEP」の欧文字及び「CAPSULE」の欧文字を3段に表し、その左に略正方形を上下に重ね合わせた様な図形を配した構成からなるところ、その構成中の、「SLEEP」の欧文字及び「CAPSULE」の欧文字は、本願の指定商品中「カプセルホテル用ベッド,カプセル式ベッド」との関係において、当該商品を想起させるため、自他商品の識別標識としての機能を果たさないか、極めて弱いというのが相当であるから、本願商標の構成文字において、商標としての機能を果たすのは、「KOTOBUKI」の欧文字である。そして、本願商標の構成中の「KOTOBUKI」の欧文字と引用商標「コトブキ」とは、文字の種類において異なるが、同じ音を表すに際して、我が国においては、ローマ字や片仮名で表することは一般であること及び両者の称呼及び観念が同一であることを踏まえれば、外観上の文字の種類の相違が、需要者に強い印象を与え記憶にとどまるものということはできないため、本願商標と引用商標は、相紛れるおそれがあり、出所の混同を生ずるおそれのある類似の商標である。また、本願の指定商品中「寝台,カプセルホテル用ベッド,カプセル式ベッド,家具,寝室用の家具,椅子類」と引用商標の指定商品中、第6類「金属製建具」、第19類「建具(金属製のものを除く。)」及び第20類「家具,カプセル式ベッド」は、同一又は類似の商品である。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 4 当審の判断 本願商標は、別掲に示すとおり、青色と緑色で塗り分けられた内部に、白抜き四角形を内包する2つの略正方形を左上部と右下部にずらして配置した図形(以下「図形」という。)と、その右側に「KOTOBUKI」の欧文字、「SLEEP」の欧文字及び「CAPSULE」の欧文字を3段に書したもの(以下、これら語の全てを表す場合は、単に「文字」という。)との構成よりなるところ、図形と文字とは、いずれも重なることなく間隔を空けて配置され、それぞれ視覚上分離して看取されるから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているものではない。 また、本願商標の構成中の文字は、いずれも左端をそろえて同じ書体、同じ大きさで、外観上まとまりよく一体的に表された構成よりなるため、これらのいずれかの文字が自他商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものではない。 そして、本願商標の構成中「KOTOBUKI」の欧文字は「めでたいこと。いわい。祝言。また、その儀式。」(「広辞苑 第七版」岩波書店)を意味する「寿」の読みを欧文字表記したものであり、「SLEEP」の欧文字は「眠る。眠り。」を、また「CAPSULE」の欧文字は「(薬の)カプセル。小さな容器。」をそれぞれ意味する英語(いずれも「ベーシックジーニアス英和辞典 第2版」大修館書店)として理解されとしても、これらの欧文字を結合した本願商標の構成中の文字は、全体として、一般的な辞書等に載録された成語ではなく、特定の意味を有さない造語を表してなると認識、理解されるというべきである。 さらに、本願商標の構成中の図形は、我が国において、特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないため、特定の称呼及び観念は生じないものである。 加えて、本願商標は、構成中の文字に相応して、「コトブキスリープカプセル」の称呼が生じ、当該称呼は、やや冗長ではあるが、無理なく一連に称呼し得るものである。 そうすると、本願商標の構成中の「KOTOBUKI」の欧文字、「SLEEP」の欧文字及び「CAPSULE」の欧文字の語が、観念上のつながりを有していないとしても、本願商標に接する需要者、取引者は、殊更に、構成中の「KOTOBUKI」の欧文字のみに着目すると判断するべき事情はなく、また、本願商標の構成中の文字は、一体不可分のものと認識、把握するものであるから、本願商標は、その構成中の文字に相応して「コトブキスリープカプセル」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。 したがって、本願の指定商品中「寝台,カプセルホテル用ベッド,カプセル式ベッド,家具,寝室用の家具,椅子類」と引用商標の指定商品中、第6類「金属製建具」、第19類「建具(金属製のものを除く。)」及び第20類「家具,カプセル式ベッド」は、同一又は類似の商品であるとしても、本願商標の構成中の「KOTOBUKI」の欧文字のみを、本願商標の要部として分離、抽出し、その上で、本願商標と引用商標とが、「コトブキ」の称呼及び「めでたいこと。いわい。祝言。また、その儀式。」の観念を共通にする類似の商標であるとして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(本願商標。色彩は原本参照。) ![]() (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 |
審決日 | 2023-01-17 |
出願番号 | 2020147256 |
審決分類 |
T
1
8・
261-
WY
(W20)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
豊田 純一 |
特許庁審判官 |
小田 昌子 杉本 克治 |
商標の称呼 | コトブキスリープカプセル、コトブキスリープ、コトブキ |
代理人 | 弁理士法人栄光事務所 |