• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 W25
管理番号 1394151 
総通号数 14 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2023-02-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-06-01 
確定日 2023-01-25 
事件の表示 商願2021− 31387拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「LE MONT CARMEL」の文字を標準文字で表してなり、第25類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和3年3月3日に登録出願されたものである。
原審では、令和3年9月1日及び同月13日受付の手続補正書の提出、同年10月12日付けで拒絶理由の通知、同4年1月18日受付で意見書の提出、同年3月3日付けで拒絶査定されたもので、これに対して同年6月1日に本件拒絶査定不服審判が請求されている。
本願商標の指定商品は、原審における上記手続補正書により、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,キャミソール,ティーシャツ,和服,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ナイトキャップ,帽子,バンド,ベルト,ガーター,ズボンつり,仮装用衣服,運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。),運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。)」と補正された。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、「LE MONT CARMEL」の欧文字を普通に用いられる方法(標準文字)で表してなるところ、当該文字は、イスラエル国にある山「カルメル山」のフランス語表記であり、カルメル山は、2012年に登録された世界遺産である「人類の進化を示すカルメル山の遺跡群:ナハル・メアロット(ワディ・エル=ムガーラ)の洞窟群」がある場所であるから、世界遺産として登録された遺跡を認識させる本願商標について、一私人である出願人に登録を認め、その指定商品について使用をする権利を専有させることは、これを人類全体のための世界の遺産として保護・保存する活動を行ってきたユネスコやイスラエル国の権威・尊厳を害し、かつ、イスラエル国を含む世界遺産条約の締約国の国民の感情を害するおそれがあり、我が国とイスラエル国及び世界遺産条約の締約国の友好関係にも影響を及ぼしかねず、国際信義にもとるおそれもあるから、本願商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標である。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、「LE MONT CARMEL」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「LE」の欧文字は、固有名詞の前につけるフランス語の定冠詞であって、「MONT」の欧文字は、「(固有名詞を伴って)・・・山」の意味を、「CARMEL」の欧文字は、「パレスチナの山Carmel。カルメル会修道院。」などの意味を有するフランス語(「ロワイヤル仏和中辞典 第2版」 旺文社発行)であるが、各文字を結合して、我が国で親しまれた成語や外来語になるものではない。
また、当審による職権調査によれば、原審が指摘するイスラエルの世界遺産の一つである「人類の進化を示すカルメル山の遺跡群:ナハル・メアロット(ワディ・エル=ムガーラ)の洞窟群」の仏語表記は、「Sites de l’evolution humaine du mont Carmel:les grottes de Nahal Me’arot /Wadi el‐Mughara」(「l’evolution」中の「e」はアクサン・テギュが付されている。)であるが、本願商標の構成文字が直ちに当該世界遺産を想起させるものではなく、その略称として我が国において広く使用されている事実は発見できなかった。
したがって、本願商標は、原審説示の世界遺産を表したものと直ちに認識されるものではなく、それを登録することが、特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反するものとはいい難い。
その他、本願商標について、その構成自体が非道徳的若しくは差別的又は他人に不快な印象を与えるようなものであり、その指定商品に使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するものであることを示す事実は見いだせない。
以上のとおり、本願商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ではないから、商標法第4条第1項第7号に該当するものではなく、同項同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審決日 2023-01-10 
出願番号 2021031387 
審決分類 T 1 8・ 22- WY (W25)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 矢澤 一幸
特許庁審判官 小田 昌子
阿曾 裕樹
商標の称呼 ルモンカルメル、レモントカルメル、モンカルメル、モントカルメル、モン、モント、カルメル、カーメル 
代理人 鶴若 俊雄 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ