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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W283536 |
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管理番号 | 1394126 |
総通号数 | 14 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2023-02-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2022-03-25 |
確定日 | 2023-02-02 |
事件の表示 | 商願2020−103575拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は、令和2年8月21日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年 7月29日付け:拒絶理由通知書 令和3年 9月 3日受付:意見書 令和4年 1月17日付け:拒絶査定 令和4年 3月25日受付:審判請求書、手続補正書 2 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第9類、第16類、第28類、第35類、第36類、第38類、第41類、第42類及び第45類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、上記1の手続補正により、第28類、第35類及び第36類に属する別掲2に記載のとおりの指定商品及び指定役務に補正されたものである。 3 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第5441925号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:別掲3のとおり 登録出願日:平成23年 5月11日 設定登録日:平成23年 9月30日 更新登録日:令和 3年 9月10日 指定商品及び指定役務 第1類、第3類、第5類、第9類、第10類、第42類及び第44類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務 (2)登録第5961342号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:別掲4のとおり 登録出願日:平成28年11月 9日 設定登録日:平成29年 7月 7日 指定商品:第25類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 (3)国際登録第1222122号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の構成:別掲5のとおり 国際商標登録出願日(事後指定):2015年(平成27年)12月18日 設定登録日:平成29年(2017年)3月24日 指定役務:第35類、第36類及び第43類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの役務 4 当審の判断 (1)本願商標と引用商標1について 本願商標の指定商品及び指定役務は、前記2のとおり補正された結果、引用商標1の指定商品及び指定役務と類似の商品及び役務はすべて削除されたと認められる。 その結果、本願商標の指定商品及び指定役務は、引用商標1の指定商品及び指定役務と類似しない商品及び役務になったと認められる。 したがって、本願商標が引用商標1との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。 (2)本願商標と引用商標2及び引用商標3について ア 本願商標について 本願商標は、別掲1のとおり、左側に水色で表された正六角形の図形を配し、右側に同じく水色で表された「GREE」の文字を配してなるところ、本願商標の構成中、図形部分と文字部分は、いずれも重なること無く間隔を空けて配置されている上に、観念的な関連性も見いだすことはできないものであるから、取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。 しかしながら、図形部分は、文字部分と同じ色で表されていることに加え、それ自体に顕著な特徴もなく、自他商品及び自他役務の出所識別標識として、看者の印象に残るものではないから、本願商標の構成態様においては、当該図形部分をもって取引に資するというよりはむしろ、本願商標全体のほか、読み取りやすい書体で明瞭に表された「GREE」の文字部分をもって取引するとみるのが相当である。 そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標全体のほか、文字部分を捉えて取引することはあるとしても、図形部分のみを捉えて取引に当たるとはいい難いというべきである。 したがって、本願商標は、その構成中の要部である「GREE」の文字部分に相応して、「グリー」の称呼を生じ、「インターネットを利用したSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の一。」(「大辞泉第二版」株式会社小学館)の観念を生じるものである。 イ 引用商標2について 引用商標2は、別掲4のとおり、左側に正六角形の図形を配し、右側に「A」の文字が図案化された「ROKKAKU」の文字を配してなるところ、引用商標2の構成中、文字部分は、「六角形の略。」である「六角」(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)の文字をローマ字で表記したものと容易に認識されるから、図形部分の名称を表したものと認められ、観念上関連性を有するものといえる。 また、図形部分は、文字部分と同じ色で表されていることに加え、それ自体に顕著な特徴もなく、自他商品の出所識別標識として、看者の印象に残るものではない。 そうすると、引用商標2の構成態様においては、当該図形部分をもって取引に資するというよりはむしろ、引用商標2全体をもって取引するとみるのが相当であり、引用商標2に接する取引者、需要者は、図形部分のみを捉えて取引に当たるとはいい難いというべきである。 したがって、引用商標2は、その構成中の「ROKKAKU」の文字部分に相応して、「ロッカク」の称呼を生じ、その構成全体から「六角形」の観念を生じるものである。 ウ 引用商標3について 引用商標3は、別掲5のとおり、左側に正六角形の図形を配し、右側に「SPACES.」の文字及び記号を配してなるところ、引用商標3の構成中、図形部分と文字及び記号部分は、いずれも重なること無く間隔を空けて配置されている上に、観念的な関連性も見いだすことはできないものであるから、取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。 しかしながら、図形部分は、文字部分と同じ色で表されていることに加え、それ自体に顕著な特徴もなく、自他役務の出所識別標識として、看者の印象に残るものではないから、引用商標3の構成態様においては、当該図形部分をもって取引に資するというよりはむしろ、引用商標3全体のほか、読み取りやすい書体で明瞭に表された「SPACES.」の文字及び記号部分をもって取引するとみるのが相当である。 そうすると、引用商標3に接する取引者、需要者は、引用商標3全体のほか、文字及び記号部分を捉えて取引することはあるとしても、図形部分のみを捉えて取引に当たるとはいい難いというべきである。 したがって、引用商標3は、その構成中の要部である「SPACES.」の文字部分に相応して、「スペーシズ」の称呼を生じ、「場所、空間」等(「ベーシックジーニアス英和辞典第2版」株式会社大修館書店)の観念を生じるものである。なお、「SPACES.」の構成中の「.」(ピリオド)は、英語の文章における終止符であって、特に発音するものではなく、当該部分から称呼は生じない。 エ 本願商標と引用商標2及び引用商標3の類否について 本願商標と引用商標2及び引用商標3とは、外観においては、その全体の構成態様、色彩の有無、構成文字等において、明らかな差異があるから、両商標は、外観上、著しく相違するものである。 次に、称呼においては、本願商標から生じる「グリー」の称呼と、引用商標2から生じる「ロッカク」の称呼及び引用商標3から生じる「スペーシズ」の称呼とを比較すると、両称呼は、それぞれ構成音数及び構成音が相違し、明瞭に聴別できるものである。 また、観念においては、本願商標は、上記アのとおり、「インターネットを利用したSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の一。」の観念を生じるのに対し、上記イのとおり、引用商標2は、「六角形」の観念を生じ、上記ウのとおり、引用商標3は、「場所、空間」等の観念を生じるから、両商標は、観念上、相紛れるおそれはない。 そうすると、本願商標と引用商標2及び引用商標3とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、引用商標1との関係において本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした拒絶の理由は解消し、本願商標は、引用商標2及び引用商標3との関係において類似する商標ではないから、その指定商品及び指定役務について比較するまでもなく、同項同号に該当しない。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないから、同項同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 本願商標(色彩は原本参照。) ![]() 別掲2 当審で補正された本願の指定商品及び指定役務 第28類「遊園地用機械器具,おもちゃ,人形,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ,トレーディングカードゲーム,運動用具,ペット用おもちゃ,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,釣り具」 第35類「広告業,インターネット又は携帯電話による広告,インターネット又は携帯電話による商品及び役務の広告の代理,インターネット又は携帯電話を利用した広告スペースの提供及びそれに関する情報の提供,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,事業の管理,職業のあっせん,広告用具の貸与,求人情報の提供,新聞記事情報の提供,ニュースクリッピングサービス,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,書類の複製,コンピュータデータベースへの情報編集,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,建築物における来訪者の受付及び案内,自動販売機の貸与,消費者のための商品及び役務の選択における助言と情報の提供」 第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定着物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,信用購入あっせん,コンピュータネットワークを利用した支払代金の決済の代行,前払式支払手段の発行,前払い式電子仮想通貨の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,商品代金の徴収の代行,有価証券の売買,有価証券指数等先物取引,有価証券オプション取引,外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券先渡取引・有価証券店頭指数等先渡取引・有価証券店頭オプション取引若しくは有価証券店頭指数等スワップ取引又はこれらの取引の媒介・取次ぎ若しくは代理,有価証券等清算取次ぎ,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,中古自動車の評価,企業の信用に関する調査,慈善のための募金」 別掲3 引用商標1(色彩は原本参照。) ![]() 別掲4 引用商標2 ![]() 別掲5 引用商標3 ![]() (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 |
審決日 | 2023-01-23 |
出願番号 | 2020103575 |
審決分類 |
T
1
8・
261-
WY
(W283536)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
大森 友子 |
特許庁審判官 |
浦崎 直之 清川 恵子 |
商標の称呼 | グリー |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 小林 彰治 |
代理人 | 廣中 健 |
代理人 | 鳥海 哲郎 |