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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W2930
管理番号 1394124 
総通号数 14 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2023-02-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-03-19 
確定日 2023-01-05 
事件の表示 商願2020− 64704拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「SAWAYAKA HAMBURG」の文字を標準文字で表してなり、第29類及び第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和2年5月25日に登録出願されたものである。
本願は、令和2年8月11日付けで刊行物等提出書が提出され、同3年6月8日付けで拒絶理由の通知がされ、同年6月28日に意見書が提出され、本願の指定商品については、意見書と同日付けの手続補正書により第29類「ハンバーグ用の食肉,ハンバーグ,ハンバーグのもと,調理済みのハンバーグ」及び第30類「ハンバーグ弁当,ハンバーグ用ソース」に補正されたが、同年12月14日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して、令和4年3月19日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。

第2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第2716700号商標は、「さわやか」の平仮名を横書きしてなり、昭和58年2月1日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成8年10月31日に設定登録され、その後、同18年11月22日に指定商品を第29類「食肉,肉製品,加工水産物,茶わん蒸し,オムレツ,スコッチエッグ,カレー・シチュー又はスープのもと,ミートソース,その他のパスタソース」及び第30類「ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,べんとう,ラビオリ,粥,ぞうすい」を含む第29類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

第3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、本願商標及び引用商標は、外観において差異を有するとしても、「サワヤカ」の称呼及び「すがすがしく快いさま。」の観念を共通にするものであるから、両者は、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとしたものである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、上記第1のとおり、「SAWAYAKA HAMBURG」の文字を標準文字で表してなるところ、その外観上、「気分が晴れ晴れとして快いさま。さっぱりとして気持ちがよいさま。」等の意味を有する「さわやか」の語をローマ字表記した「SAWAYAKA」の欧文字と、「ハンバーグ・ステーキの略」等の意味を有する「HAMBURG」の欧文字の二つの語(いずれも「デジタル大辞泉」小学館)を、1文字分の空白(スペース)を介して構成したものと容易に認識されるものであって、これらの文字は、視覚上、分離して認識、把握されるものである。
そして、その構成中の「HAMBURG」の文字は、「ハンバーグ・ステーキ」を意味する語として広く一般に親しまれた語であり、本願の指定商品との関係においては、指定商品そのもの又は指定商品の品質等を表すものと理解されるものであるから、当該文字に接する取引者、需要者は、商品そのもの又は商品の品質を表示したものと認識するにとどまり、当該文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を有しないものであり、出所識別標識としての称呼及び観念を生じないものと認められる。
また、構成中の「SAWAYAKA」の文字は、上記の意味合いを有する語であって、本願の指定商品との関係において、直ちに商品の具体的な品質等を表すものであると認識させるものではなく、自他商品の識別標識としての機能を十分に発揮するものである。
そうすると、本願商標は、その構成中の「SAWAYAKA」の文字部分が、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、その構成中「SAWAYAKA」の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較することが許されるものというべきである。
したがって、本願商標は、その構成文字全体から「サワヤカハンバーグ」の称呼を生じるほか、要部である「SAWAYAKA」の文字部分から「サワヤカ」の称呼を生じ、「気分が晴れ晴れとして快いさま。」等の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、上記第2のとおり、「さわやか」の平仮名を横書きしてなるところ、当該文字に相応して「サワヤカ」の称呼を生じ、「気分が晴れ晴れとして快いさま。」等の観念が生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標の類否について、まず外観については、本願商標と引用商標とは、構成文字や文字種に相違があるものの、本願商標の要部と引用商標を比較すると、商標の使用において、その構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記されることが一般に行われている取引の実情があることに鑑みれば、両者における文字種の相違が、取引者、需要者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえないものである。
また、称呼については、本願商標と引用商標とは、いずれも「サワヤカ」の称呼を生じることから、称呼を共通にするものであり、観念については、両者はいずれも「気分が晴れ晴れとして快いさま。」等の観念を生じるものであるから、観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、全体の外観においては構成文字や文字種の相違があるものの、本願商標の要部と引用商標との対比においては、その外観上の差異が強い印象を与えるとまではいえないものであり、また、両者は称呼及び観念を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
(4)本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願の指定商品中、第29類の指定商品及び第30類「ハンバーグ弁当」は、引用商標の指定商品中、第29類「食肉,肉製品,加工水産物,茶わん蒸し,オムレツ,スコッチエッグ,カレー・シチュー又はスープのもと,ミートソース,その他のパスタソース」及び第30類「ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,べんとう,ラビオリ,粥,ぞうすい」と類似の商品である。
(5)小括
上記(1)ないし(4)によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標は外観上まとまりよく一体的に表され、全体として特定の意味合いを有し、また、生じる称呼も格別冗長ではなく、よどみなく一連に称呼され得るから、本願商標に接する取引者、需要者は、殊更に「SAWAYAKA」の文字部分に着目するというよりは、むしろ、その構成全体をもって一体不可分のものと認識、把握する旨主張する。
しかしながら、本願商標は、上記1のとおり、その外観の構成から「SAWAYAKA」と「HAMBURG」の二つの文字が分離して認識され、そのうちの「HAMBURG」の文字が指定商品との関係において、自他商品の識別標識としての機能を有しないものであり、その一方で「SAWAYAKA」の文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を十分に有することから、「SAWAYAKA」の文字部分が、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当である。
(2)請求人は、本願商標と同様の構成に係る過去の審決例を挙げ、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張する。
しかしながら、請求人が挙げる審決例は、本願とは指定商品が異なるもの、商標の態様が特徴のある書体で全体的に統一されているもの、指定商品における取引実情を踏まえ商標全体が一体と認識されると判断したものであるなど、事案を異にするものであり、かつ、具体的事案の判断においては、過去の審決例に拘束されることなく判断されるべきであるから、これらの事例の存在が上記の判断を左右するものではない。
(3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 結論
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

(行政事件訴訟法第46条に基づく教示)
この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意)
特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審理終結日 2022-10-31 
結審通知日 2022-11-01 
審決日 2022-11-18 
出願番号 2020064704 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W2930)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 森山 啓
特許庁審判官 荻野 瑞樹
小林 裕子
商標の称呼 サワヤカハンバーグ、サワヤカ 
代理人 弁護士法人柴田・中川法律特許事務所 
代理人 井川 浩文 

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