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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W05
管理番号 1393379 
総通号数 13 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2023-01-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-03-16 
確定日 2022-12-25 
異議申立件数
事件の表示 登録第6489977号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6489977号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6489977号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、令和3年4月22日に登録出願、第5類「食餌療法用食品,食餌療法用飲料,食餌療法用食品・飲料・薬剤,ミネラルを主原料とする栄養補助食品,栄養補助食品,プロテインを主原料とする栄養補助食品,食欲抑制用薬剤・栄養補助食品,コンドロイチン製剤,外科用又は整形外科用骨接合剤,ビタミン剤,抗酸化用薬剤・栄養補助食品,酵素を主原料とする栄養補助食品,酵母を主原料とする栄養補助食品,小麦胚芽を主原料とする栄養補助食品,ビタミンを主原料とするパッチ状サプリメント,美容効果を有する栄養補助食品,食物繊維,レシチンを主原料とする栄養補助食品,ローヤルゼリーを主原料とする栄養補助食品,医薬用酵素,骨の疾患の治療用薬剤」を指定商品として、同年12月2日に登録査定、同月22日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標(以下「引用商標」という。)は、「快歩楽」の漢字を縦書き又は横書きしてなり、申立人が販売する商品「サプリメント・栄養機能食品・健康食品(筋骨草エキス、ビタミンD、ドロマイト(Ca・Mg含有ミネラル)、グルコサミン塩酸塩、フカヒレエキス(コンドロイチン)等を含有する。)」(以下「申立人商品」という。)に使用し、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていると主張するものである。

3 登録異議の申立ての理由 (要旨)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標はその指定商品中「ミネラルを主原料とする栄養補助食品,栄養補助食品,プロテインを主原料とする栄養補助食品,食欲抑制用薬剤・栄養補助食品,コンドロイチン製剤,ビタミン剤,抗酸化用薬剤・栄養補助食品,酵素を主原料とする栄養補助食品,酵母を主原料とする栄養補助食品,小麦胚芽を主原料とする栄養補助食品,ビタミンを主原料とするパッチ状サプリメント,美容効果を有する栄養補助食品,食物繊維,レシチンを主原料とする栄養補助食品,ローヤルゼリーを主原料とする栄養補助食品」(以下「本件申立商品」という。)について、商標法第4条第1項第10号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると主張して、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証(枝番号を含む。なお、枝番号を有する証拠において、枝番号のすべてを引用する場合は、枝番号の記載を省略する。)を提出した。
(1)本件商標と引用商標の類似性について
本件商標は、構成中の図形に特段の特徴はなく、図形部分と文字部分とが分離されているため、構成全体をもって一つの商標として認識されるものとはいえず、本件商標に接した需要者には、その文字部分である「快歩楽」という特徴的な語が強く印象に残り、出所を表す識別標識として記憶されて取引に資するものというべきである。「快歩楽」という文字部分は引用商標と同一の漢字からなり、「カイホラク」という称呼を自然に生じる。
よって、本件商標と引用商標とは称呼、観念が共通する。
また、本件申立商品は、申立人商品と同一又は類似である。
(2)引用商標の周知性について
ア 申立人は、甲第2号証に示される引用商標を使用した申立人商品(以下「使用商品」という。)に、引用商標を使用し、2007年(平成19年)6月より現在に至るまで、14年以上にわたり継続して販売している(甲3、甲8)。
イ 甲第3号証は、申立人が発行している広報誌「ナチュラルヘルスINFORMATION」の抜粋であり、当該広報誌は、申立人の取引先である北海道から沖縄県までの全国の薬局・薬店3200店以上を対象に、各号2000部以上が送付されている。2007年(平成19年)5月に発行された広報誌において、使用商品は、「快適歩行サポートサプリ」として同年6月に発売され、その主要原料として、筋骨草エキス、ビタミンD、ドロマイト(Ca・Mg含有ミネラル)、グルコサミン塩酸塩、フカヒレエキス(コンドロイチン含有)等を含有していることが記載されている(甲3−1)。申立人は、「お得意様用学術資料」、「消費者用リーフレット」及び「店頭ポスター」を配布し、使用商品の販売促進活動を行った(甲3−2)。また、「栄養機能食品・健康食品」、「健康機能食品」、「栄養機能食品(ビタミンD)・サプリメント」等として使用商品を紹介した記事を掲載し(甲3)、2011年(平成23年)には、リーフレット、ポスター、店頭ポップ等により販売促進活動を行っている(甲3−7)。
ウ インターネットニュースサイト「HEALTH&BEAUTY健康美容EXPOニュース」(2007年(平成19年)6月12日全研本社株式会社運営)に、使用商品の発売についての記事が掲載されている(甲4)。
エ 雑誌「月刊ことぶき」2月号(2008年(平成20年)2月1日ドラッグマガジン社発行、発行部数40万部)の第33頁には、栄養機能食品(ビタミンD)・サプリメントとして使用商品が記載されている。また、第34頁を見ると、需要者の間で使用商品に対して信用が蓄積されていることがわかる。また、第65頁には「快適歩行サポートのためのサプリメント」として、グルコサミン及びコンドロイチンを主原料とする使用商品が記載されている。さらに同誌内広告には、主要原材料にグルコサミン、ドロマイト、コンドロイチン、筋骨草エキス、ビタミンDが含まれる栄養機能食品として使用商品が紹介されている。
オ 「健康産業新聞第1525号」(2014年(平成26年)4月9日健康産業新聞社発行)の記事抜粋(甲6)には、筋骨草エキス、フカヒレエキス及びドロマイトを配合した栄養補助機能をもつ使用商品が記載されている。
カ 申立人は、2010年(平成22年)10月ないし2021年(令和3年)12月に、東京国際展示場で開催された展示会(計10回)において、商品「快歩楽」を展示し、引用商標を表示している。計10回の展示会の来場者数は延べ375,534人である(甲7)。
キ 申立人は、インターネット通販サイト(Amazon、価格.com、楽天市場、ヨドバシ.com及びYahoo!ショッピング)において、使用商品を販売している(甲8−1〜5)。また、インターネットにて「快歩楽」の語を検索(Googleを使用)すると、2022年3月現在において、上位14件中13件は使用商品に関する記事がヒットする(甲8−6)。
ク 以上のとおり、引用商標は、サプリメント・栄養機能食品・健康食品に関心を寄せる一般消費者の間に広く認識されるに至っていたことは明らかである。
(3)むすび
本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標に類似する商標であって、その商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、本件商標登録は商標法第4条第1項第10号に該当し商標登録を受けることができないものである。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
(ア)申立人は、使用商品を、2007年(平成19年)6月より現在に至るまで、販売していることがうかがえる(甲3、甲8)。
(イ)申立人が発行している広報誌「ナチュラルヘルスINFORMATION」には、使用商品の記事が掲載されている(甲3)。
(ウ)インターネットニュースサイト「HEALTH&BEAUTY健康美容EXPOニュース」(2007年(平成19年)6月12日全研本社株式会社運営)に、使用商品の発売についての記事が掲載されている(甲4)。
(エ)雑誌「月刊ことぶき」2月号(2008年(平成20年)2月1日ドラッグマガジン社発行)(甲5)に、使用商品の記事が掲載されている。
(オ)「健康産業新聞第1525号」(2014年(平成26年)4月9日健康産業新聞社発行)の記事抜粋には、使用商品の記事が掲載されている(甲6)。
(カ)申立人は、2010年(平成22年)10月ないし2021年(令和3年)12月に、東京国際展示場で開催された展示会(計10回)において、使用商品を展示し、引用商標を表示している(甲7)。
(キ)申立人は、インターネット通販サイト(Amazon、価格.com、楽天市場、ヨドバシ.com及びYahoo!ショッピング)において、使用商品を販売している(甲8−1〜5)。
また、インターネットにて「快歩楽」の語を検索すると、使用商品に関する記事がヒットする(甲8−6)。
イ 上記(ア)から、申立人が、申立人商品について引用商標を使用していることはうかがえる。
しかしながら、(イ)の広報誌は、その発行数、頒布数、頒布先、頒布方法等を客観的、具体的に示す証左は確認できず、(ウ)ないし(オ)のニュースサイト、雑誌及び業界新聞に、使用商品に関する記事が掲載されたとしても、それぞれ一回のみで限定的である。
また、(カ)の展示会において、使用商品を展示し、引用商標を表示したとしても、「展示会への出展記録」(甲7−1)に記載の延べ来場者数は展示会全体のものであり、使用商品の展示ブースへの来場者数等は確認できない。
そして、(キ)のインターネットサイトに使用商品が掲載されていることはうかがえるとしても、その掲載期間、閲覧者数等を示す具体的、客観的証拠の提出はなく、その詳細は不明である。
そうとすると、申立人の提出に係る全証拠をみても、引用商標が、申立人が使用する商標として需要者の間に広く認識されていたと認めるに足る十分な具体的証拠とはいえず、そのほか、引用商標が使用された申立人商品についての売上高、市場シェアなどの販売実績並びに引用商標に係る宣伝広告の費用、規模及び範囲等を示す具体的な証拠の提出はないから、申立人が提出する証拠によっては、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、取引者、需要者の間に、申立人の業務に係る商品を表示する商標として広く認識されていたものと認めることはできない。
(2)本件商標と引用商標の類否について
ア 本件商標
本件商標は、上記1のとおり、図形及び「快歩楽」の漢字よりなるところ、漢字部分より「カイホラク」の称呼を生じ、当該文字は辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから、特定の意味合いを有しない一種の造語として理解され、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は、上記2のとおり「快歩楽」の漢字を横書き又は縦書きしてなるところ、その構成文字に相応して「カイホラク」の称呼を生じるものであり、当該文字は辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから、特定の意味合いを有しない一種の造語として理解され、特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標は、外観において図形の有無による差異を有し、観念については比較できないとしても、「快歩楽」の漢字部分を共通にする上、これより生じる「カイホラク」の称呼を同じくするものであるから、類似の商標と判断するのが相当である。
(3)本件申立商品と申立人商品との類否
本件商標の指定商品中の本件申立商品と申立人商品は、同一又は類似するものである。
(4)商標法第4条第1項第10号該当性について
上記(1)のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。
そうすると、本件商標と引用商標が類似し、本件申立商品と申立人商品が同一又は類似するものであるとしても、本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品又はこれに類似する商品について使用をするものとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(5)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものではなく、本件商標の登録異議の申立てに係る指定商品についての登録は、同法第4条第1項の規定に違反してされたものとはいえないものであり、他に、同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲
別掲 本件商標



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異議決定日 2022-12-15 
出願番号 2021050119 
審決分類 T 1 652・ 251- Y (W05)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 佐藤 淳
特許庁審判官 佐藤 松江
板谷 玲子
登録日 2021-12-22 
登録番号 6489977 
権利者 株式会社vitasol science japan
商標の称呼 カイホラク、カイホガク 
代理人 平岩 康幸 
代理人 鈴木 勝雅 

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