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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W41 |
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管理番号 | 1393254 |
総通号数 | 13 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2023-01-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2022-08-12 |
確定日 | 2023-01-10 |
事件の表示 | 商願2021− 95060拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は、令和3年7月30日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年12月1日付け:拒絶理由通知書 令和4年4月14日付け:意見書、手続補正書 令和4年5月12日付け:拒絶査定 令和4年8月12日付け:審判請求書 2 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、登録出願されたものであり、その後、指定役務については,上記1の手続補正書により、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,運動施設の提供,運動用具の貸与」に補正されたものである。 3 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、その構成中に「JPC」(以下「引用標章」という。)の欧文字を有してなるところ、これは、営利を目的としない公益財団法人日本障がい者スポーツ協会の内部組織である日本パラリンピック委員会の略称を表示するものであるから、本願商標は上記公益に関する団体であって営利を目的としないものを表示する著名な標章と類似するものである。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 4 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は、上段に人をモチーフとしたような図形(以下「人型図形」という場合がある。)を、中段に図案化された欧文字又は図形(以下「中段の欧文字等」という。)を、下段に「Junior Promote Coach」の欧文字を、別掲のとおりの色彩を施した態様で表してなるものである。 そして、下段の「Junior Promote Coach」の欧文字は、「junior」、「promote」及び「coach」の英単語の語頭をそれぞれ大文字で表していることからすると、中段の欧文字等は、図案化の程度から直ちに判読はし難いものの「JPC」の欧文字を表したものといえる。 また、「Junior Promote Coach」の欧文字は、「Junior」(年少者)、「Promote」(促進する、奨励する)、「Coach」(コーチ、指導員)などの意味を有する語(いずれも「ジーニアス英和辞典」株式会社大修館書店)で構成されてはいるものの、全体として何らかの意味合いを理解させるものではない。 そうすると、本願商標の構成中の中段の欧文字等は、下段の「Junior Promote Coach」の欧文字の略称である「JPC」の欧文字を表したものといえることから、これより、「ジェーピーシー」の称呼を生じる場合があり、特定の観念は生じない。 (2)引用標章について ア 引用標章は、「JPC」の文字を表してなるところ、当該文字は、財団法人日本障害者スポーツ協会の内部組織として1999年に発足した日本パラリンピック委員会(Japanese Paralympic Committee)の略称である。 そして、日本パラリンピック委員会は、パラリンピック競技大会への派遣や選手強化を担当している組織であるところ、パラリンピック競技大会は、2001年以降、正式にオリンピック開催地で開催され、その様子はテレビやインターネット等を通じて全世界に向けて発信され、当該競技大会及びその関連活動等は広く認識されているものである。 そうすると、パラリンピック競技大会の関連活動を行っている組織である、日本パラリンピック委員会(Japanese Paralympic Committee)及びその略称「JPC」は、一般に広く認識されて著名性を有するものである。 したがって、「JPC」の文字よりなる引用標章は、公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章として、本願商標の登録出願前より著名なものであると認められる。 イ 引用標章は、「JPC」の文字よりなるものであるから、その文字に相応して「ジェイピーシー」の称呼が生じ、当該文字は、上記アのとおり、著名性を有するものであるから、日本パラリンピック委員会(Japanese Paralympic Committee)又はその略称という観念を生じるものである。 (3)本願商標と引用標章の類否ついて 本願商標の構成中の中段の欧文字等と引用標章を比較すると、中段の欧文字等は、上記(1)のとおり、ただちに判読し難いほどに図案化されているのに対し、引用標章は、通常、普通に用いられる方法で表されているものであるから、外観において顕著な差異を有するものである。 さらに、本願商標と引用標章の全体を比較しても、人型図形及び「Junior Promote Coach」の文字の差異を有するものである。 そうすると、両者は、外観上、判然と区別し得るものである。 次に、称呼についてみるに、本願商標は、その構成中の中段の欧文字等は、上記(1)のとおり、「JPC」の欧文字を表したものといえることから、これより「ジェイピーシー」の称呼をも生じる場合があるから、引用標章から生じる「ジェイピーシー」の称呼とは、同じくする場合があるといえる。 また、観念においては、本願商標は、その構成中の中段の欧文字等から、特定の観念が生じるものではないが、「Junior Promote Coach」の略称と理解させるのに対し、引用標章は、「日本パラリンピック委員会(Japanese Paralympic Committee)」又はその略称としての観念が生じるから、両者は観念においても明らかに相違する。 なお、本願商標全体をみても「日本パラリンピック委員会」の観念が生じるとみるべき事情は見いだせない。 以上のとおり、本願商標と引用標章とは、称呼を同じくする場合があるとしても、外観においては判然と区別し得る上に、観念においても明らかに相違するものであるから、両者は、相紛れるおそれのない類似しないものと判断するのが相当である。 (4)まとめ したがって、本願商標は「公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章として著名なもの」に類似する商標とはいえないものであるから、商標法第4条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願商標(色彩は原本参照。) ![]() (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 |
審決日 | 2022-12-22 |
出願番号 | 2021095060 |
審決分類 |
T
1
8・
261-
WY
(W41)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
岩崎 安子 |
特許庁審判官 |
清川 恵子 大森 友子 |
商標の称呼 | ジュニアプロモートコーチ、ジェイピイシイ |
代理人 | 弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所 |