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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W44
管理番号 1393237 
総通号数 13 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2023-01-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-04-26 
確定日 2022-12-12 
事件の表示 商願2021− 28016拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 手続の経緯
本願は、令和3年3月10日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年7月27日付け:拒絶理由通知
令和3年9月 8日受付:意見書
令和4年1月27日付け:拒絶査定
令和4年4月26日受付:審判請求書

第2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第44類「美容,理容,爪の美容,ボディワックスによる脱毛,整体,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,はり治療,アロマテラピーの提供,マッサージ,柔道整復,セラピー,栄養の指導,医療用機械器具の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与」を指定役務として、登録出願されたものである。

第3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6266128号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、令和元年9月4日に登録出願、第44類「美容,理容,整体,あん摩・マッサージ及び指圧,アロマテラピーの提供,マッサージ,カイロプラクティック,きゅう,はり治療,柔道整復」及び第45類「衣服の貸与,着物の着付け」を指定役務として、同2年7月3日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標
ア 本願商標は、別掲1のとおり、赤色で中央に大きく円で囲んだ「椿」の文字(ややデザイン化されている。)と、その円の上部に沿って「シミ・シワ・たるみ 専門店」の文字(以下「上部文字部分」という。)を配し、円の右下側に花と思しき図形(以下「花図形」という。)を二つ描いてなる、文字と図形の結合商標である。
イ 本願商標の構成中、上部文字部分は、「しみ、しわ、たるみに専門に対応する店」を直ちに理解させるものであり、その指定役務「美容」等との関係においては、提供する役務の質(内容)を表したものにすぎない。
さらに、上部文字部分は、「椿」の文字に比して相当に小さな文字で、視覚上、「椿」の文字と分離して把握されることから、外観においても、強い印象を与えるものではない。
そうすると、上部文字部分は、本願指定役務との関係において自他役務の識別標識としての機能を果たさないとみるべきである。
また、「椿」の文字を囲んでいる赤色の大きな円図形は、極めて簡単かつありふれた図形であって、背景図形の一種と認識される態様であることから、格別に看者の注意をひくものではなく、独立して自他役務の識別機能を有するものとはいえない。
ウ 本願商標の構成中、中央に大きく表された「椿」の文字は、「椿」の漢字を表したものと容易に理解されるものであり、花図形と一部重なっている部分があるものの、本願商標の中央に大きく目立つように表示されていることから看者に強い印象を与えるとともに、その注意を強く引くものであって、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るとみるのが相当である。
また、花図形は、これよりただちに特定の称呼及び観念を生じるものではなく、「椿」の文字と密接な関連性を有するものでもないから、「椿」の文字と常に一体不可分のものとしてのみ認識しなければならない格別の事情があるとはいえない。
そうすると、本願商標の構成中、大きく表されて、自他役務の識別標識としての機能を果たし得る「椿」の文字を要部として抽出し、この部分を引用商標と比較して商標の類否判断をすることも許されるというべきである。
(2)引用商標
引用商標は、別掲2のとおり、色彩を施した「椿」の文字からなり、その構成部分によって色を変える等ややデザイン化してなるものの、「椿」の漢字からなるものと容易に理解されるから、「ツバキ」の称呼及び「ツバキ科の常緑高木数種の総称。」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
ア 外観
本願商標と引用商標は、その構成全体をみれば異なるものである。
しかしながら、本願商標の要部である「椿」の文字と引用商標の「椿」の文字は、商取引において一般に用いられる程度のデザインにとどまるものであるから、容易に「椿」の文字を表したものと看取される。
そうすると、本願商標と引用商標は、外観において同一の「椿」の文字よりなるから、似かよった印象を与えるものというべきである。
イ 称呼
両商標は、「ツバキ」の称呼を共通にする。
ウ 観念
両商標は、共に「ツバキ科の常緑高木数種の総称。」の観念を生じる。
エ 類否
以上からすると、本願商標と引用商標は、外観において、似かよった印象を与えるものであって、称呼及び観念を共通にするものであるから、外観、称呼、観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察してみれば、本願商標と引用商標とを同一又は類似の役務に使用したときは 、取引者、需要者をして、役務の出所について混同を生ずるおそれがある類似の商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、引用商標と類似する商標である。
(4)本願の指定役務と引用商標の指定役務との類否について
本願の指定役務中、第44類「美容,理容,爪の美容,ボディワックスによる脱毛,整体,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,はり治療,アロマテラピーの提供,マッサージ,柔道整復,セラピー」は、引用商標の指定役務中、第44類「美容,理容,整体,あん摩・マッサージ及び指圧,アロマテラピーの提供,マッサージ,カイロプラクティック,きゅう,はり治療,柔道整復」及び第45類「着物の着付け」と同一又は類似の役務である。
(5)小括
したがって、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定役務と引用商標の指定役務は、同一又は類似の役務であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張
請求人は、本願の指定役務は店舗外観やウェブサイトに表示される商標を需要者が看取して、役務の提供を受けるかどうか判断する。商取引の実情においては、外観に着目して取引にあたるものであるから、出所の混同は生じない旨主張している。
しかしながら、請求人は外観が重視されると主張するにとどまるのみで、職権をもって調査するも、本願の指定役務に係る業界において、ことさら外観を重視し、外観に着目して取引されている事情は見いだせない。また、仮に、本願指定役務において外観に着目して取引される場合があるとしても、本願商標と引用商標とは、上記1(3)のとおり「椿」の文字を共通にし、外観において似かよった印象をあたえるものであるから、外観上のわずかな差異が需要者の記憶に深く残るものではない 。
したがって、請求人の主張は採用できない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲

別掲1 本願商標(色彩は原本参照。)



別掲2 引用商標(色彩は原本参照。)


(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審理終結日 2022-09-21 
結審通知日 2022-09-30 
審決日 2022-10-26 
出願番号 2021028016 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W44)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 清川 恵子
大森 友子
商標の称呼 シミシワタルミセンモンテンツバキ、シミシワタルミセンモンテン、ツバキ 
代理人 宮田 誠心 
代理人 宮田 正道 
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