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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W09374042
管理番号 1393232 
総通号数 13 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2023-01-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-03-15 
確定日 2023-01-10 
事件の表示 商願2020−118490拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年9月25日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 6月29日付け:拒絶理由通知書
令和3年 8月 2日付け:意見書
令和4年 1月12日付け:拒絶査定
令和4年 3月15日付け:審判請求書

2 本願商標
本願商標は、「DUSH」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第37類、第40類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。

3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5949851号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成 別掲1のとおり
指定商品及び指定役務 第9類、第35類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
登録出願日 平成28年 9月30日
設定登録日 平成29年 5月26日
(2)登録第5953939号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成 別掲2のとおり
指定商品 第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
登録出願日 平成27年 9月15日
優先権主張日 2015年(平成27年)3月27日 域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)
設定登録日 平成29年 6月 9日
(3)登録第5960928号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成 DASH(標準文字)
指定商品及び指定役務 第9類、第35類、第38類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
登録出願日 平成27年 4月14日
優先権主張日 2014年(平成26年)10月15日 アイスランド共和国
設定登録日 平成29年 7月 7日
(4)登録第6187806号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成 別掲3のとおり
指定商品及び指定役務 第9類、第35類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
登録出願日 平成30年 8月 8日
優先権主張日 2018年(平成30年) 2月 8日 メキシコ合衆国
設定登録日 令和元年10月11日
以下、これらの登録商標をまとめて「引用商標」という。

4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、「DUSH」の文字を標準文字で表してなり、その構成文字に相応して、「ダッシュ」の称呼が生じるものである。また、当該文字は辞書等に載録されている既成の語ではなく、本願商標の指定商品及び指定役務との関係で直ちに特定の意味合いを想起させるともいい難いから、造語として看取されるものである。
したがって、本願商標からは、「ダッシュ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1について
引用商標1は、別掲1のとおり、中央に縦線を介して左右に「Int」及び「Dash」の文字を表してなるところ、これらの文字は縦線を介しているものの、外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、これらの構成文字全体より生じる「イントダッシュ」の称呼も、無理なく一連に称呼できるものである。
そうすると、引用商標1のかかる構成及び称呼においては、これに接する取引者、需要者は、これを一体のものと理解、認識するというのが相当である。
そして、構成中の「Dash」の文字は、「一気の力走。全力疾走。」(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)の意味を有し、「Int」の文字は、「(コンピュータの)割り込み(信号または命令)(interrupt(or interruption))」、「鼻腔内試験(intranasal test)」、「内部(internal)」(「略語大辞典第2版」丸善出版株式会社)等の意味を有する略語であるものの、引用商標1の指定商品及び指定役務との関係で直ちに特定の意味合いを想起させるともいい難いから、構成文字全体としても、特定の意味合いを有するものとはいえない。
したがって、引用商標1は、その構成文字に相応して、「イントダッシュ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
イ 引用商標2について
引用商標2は、別掲2のとおり、大きく緑色で表した「dash」の文字を上段に、小さく「REPLENISHMENT」の文字を下段に配した構成よりなるものである。
そして、上段の「dash」の文字は、下段の「REPLENISHMENT」と比較して顕著に大きく緑色で表されており、これらは、看者の目を引くものであって、視覚上分離して看取される場合があるといえる。
また、構成中の「dash」の文字は、上記アのとおり「一気の力走。全力疾走。」の意味を、「REPLENISHMENT」の文字は、「補給(物)」(「ジーニアス英和辞典第四版」株式会社大修館書店)の意味を有するものであるところ、観念上一体とみるべき特段の関連性は認められない。
さらに、「dash」の文字と、「REPLENISHMENT」の文字とを一連に称呼したときに生じる「ダッシュリプレニッシュメント」の称呼は、やや冗長であるといえる。
そうすると、引用商標2は、その構成中の「dash」の文字が強く支配的な印象を与えて認識されるものと判断するのが相当である。
したがって、引用商標2は、その構成中の「dash」の文字のみを分離抽出し、これが引用商標2の自他商品の識別標識を表示する要部として認識され、この部分のみを本願商標と比較することが許されるというべきであり、引用商標2は、その構成中の要部の一つである「dash」の文字部分に相応して、「ダッシュ」の称呼を生じ、「一気の力走。全力疾走。」の観念を生じるものである。
ウ 引用商標3について
本願商標は、「DASH」の文字を標準文字で表してなり、その構成文字に相応して、「ダッシュ」の称呼を生じ、上記イと同様に「一気の力走。全力疾走。」の観念を生じるものである。
エ 引用商標4について
引用商標4は、別掲3のとおり、「dash」の文字を上段に、下側に湾曲した矢印の図形を下段に配した構成よりなるものである。
そして、引用商標4の構成中、文字部分と図形部分とは、いずれも重なること無く間隔を空けて配置され、視覚的に分離して観察されることに加え、観念的な関連性も見いだすことはできないから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難く、文字部分と図形部分とが、それぞれ要部として自他商品及び役務の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
そうすると、引用商標4は、その構成中の要部の一つである「dash」の文字部分に相応して、「ダッシュ」の称呼を生じ、上記イと同様に「一気の力走。全力疾走。」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標1との類否について
外観においては、本願商標と引用商標1とは、その全体の構成態様、構成文字等において、明らかな差異があるから、両商標は、外観上、著しく相違するものである。
次に、称呼においては、本願商標から生じる「ダッシュ」の称呼と引用商標1から生じる「イントダッシュ」の称呼とを比較すると、両称呼は、それぞれ構成音数が相違し、かつ、語頭の「イント」の音の有無に差異を有することから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、語調、語感が異なり、互いに聞き誤るおそれのないものである。
また、観念においては、本願商標と引用商標1とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、両商標は、観念上、比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標1とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼が著しく相違することから、これらを総合して全体的に考察すると、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)本願商標と引用商標2ないし4との類否について
外観においては、本願商標と引用商標2ないし4とは、その全体の構成態様、図形の有無、色彩の相違、構成文字等において、明らかな差異があるから、これらは、外観上、著しく相違するものである。
また、本願商標と引用商標2ないし4の要部である「DASH(dash)」の文字部分とを比較したときには、2文字目の「U」と「A(a)」の文字に差異を有するものであるが、全体で4文字という少ない文字構成からなるものであって、該差異が全体に与える影響は大きく、両者は、外観上、相紛れるおそれはない。
次に、称呼においては、本願商標と引用商標2ないし4からは、いずれも「ダッシュ」の称呼が生じ、称呼が共通するものである。
また、観念においては、本願商標は特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標2ないし4は、「一気の力走。全力疾走。」ほどの観念を生じるものであるから、観念上、これらは相紛れるおそれはない。
そうすると、本願商標と引用商標2ないし4とは、「ダッシュ」の称呼を共通にする場合があるとしても、外観及び観念上、相紛れるおそれはないことから、これらを総合して全体的に考察すると、両者は、非類似の商標というべきである。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標ではないから、その指定商品及び指定役務について比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標と引用商標とが類似するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

別掲1 引用商標1


別掲2 引用商標2(色彩は原本参照。)


別掲3 引用商標4



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審決日 2022-12-26 
出願番号 2020118490 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W09374042)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 大森 友子
特許庁審判官 清川 恵子
浦崎 直之
商標の称呼 ダッシュ 
代理人 特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK 

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